時代設定
連載が開始されたのが2008年で、物語の時代設定は2025年という非常に近い未来となっている。そのため、作中に登場する技術には、現在まだ普及していないものなどがあり、また自転車や自動車といった身の回りにあるもののデザインにも時代の変遷が見られる。当然、宇宙開発もわずかに進んでおり、宇宙へ行くということが現在よりも身近になっているなどの違いがある。なお、連載が続くに従い、物語世界と現実世界との時間差は徐々に縮まっている。
あらすじ
宇宙飛行士試験編(第1巻~第6巻)
2025年、南波日々人は日本人宇宙飛行士として初めて月面に立つ任務に選ばれ、日本中がその話題でもちきりになっていた。一方、日々人の兄である南波六太は、弟を侮辱した役員に頭突きを食らわし、勤めていた自動車メーカーをクビになってしまう。幼少時代から憧れていた宇宙飛行士になること、そして月へ行くという夢を弟が叶え、自分は無職という状況に六太は形容しがたい感情を覚えつつ、日々を無為に過ごしていく。しかし、日々人の計らいで勝手に応募された六太の履歴書が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験の書類審査を通過。ようやく重い腰をあげた六太は、宇宙飛行士になる夢を叶えるべく、そして弟に追いつくべく、本気で宇宙飛行士を目指し始める。
月面の日々人編(第7巻~第12巻)
2026年3月8日、南波六太が宇宙飛行士を目指して訓練をこなす中、ついに南波日々人が月へと旅立った。そして日々人が月面で活躍する間に、六太は宇宙飛行士最終試験にも合格。晴れて宇宙飛行士の兄弟が誕生することになる。兄は正式に宇宙飛行士となり、弟は夢を叶えて月へ。すべてが順風満帆に思われた矢先、思わぬ悲劇が日々人を襲う。
兄弟の挑戦編(第12巻~第18巻)
月面で事故に見舞われた南波日々人は、九死に一生を得て地球へと帰還した。一見なんの変化もないように見えた日々人だったが、月での事故の記憶は心に重くのしかかり、宇宙服を着るとパニック発作を引き起こすようになってしまっていた。一方の南波六太は、周囲の強い推薦によりISS(国際宇宙ステーション)のバックアップクルーに選ばれるが、自身の夢や金子シャロンの想いといったさまざまな理由から月にこだわり、それを固辞。しかし、このことがNASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士室長であるジェーソン・バトラーの反感を買い、宇宙飛行と関係のない部署へ配属されてしまう。六太と日々人、2人の兄弟は月を目指し、改めてそれぞれの道を歩み始める。
ジョーカーズ編(第18巻~第25巻)
開発局での課題やNEEMO訓練を経て、ジェーソン・バトラーに認められた南波六太は、月面ミッションのバックアップクルーに選ばれる。しかし、六太を含め、選ばれたバックアップクルーは一癖も二癖もある個性的なメンバーばかり。性格もバラバラで協調性のない彼らは、はぐれ者の集まり「ジョーカーズ」と呼ばれるようになっていた。だが、そこに宇宙飛行士の大ベテランであるエディ・ジェイが加入したことにより、ジョーカーズは次第にチームとしてのまとまりを見せ始め、月面ミッションの有力候補へと成長していく。いよいよ月面ミッションへの任命が近いと思われたジョーカーズだったが、任命の直前、プロジェクトマネージャーであるウォルター・ゲイツによってその経験不足を指摘されてしまう。さらにゲイツからは月面ミッションに再任命する引き換えとして、六太にとって過酷な条件が言い渡される。
月面の兄編(第26巻~)
NASA(アメリカ航空宇宙局)きっての堅物プロジェクトマネージャーであったウォルター・ゲイツの説得に成功した南波六太ら「ジョーカーズ」は、ついにライバル宇宙飛行士チーム「ボルツ」との競合に打ち勝ち、月面ミッションに任命されることになった。弟である南波日々人が月へ行ってから遅れること4年、六太はついに月へと向かう。
作風
物語は主人公である南波六太を中心に描かれるものの、彼と対比される弟の南波日々人や、恩人である金子シャロンなど、鍵を握る人物が多く登場する群像劇となっている。加えて、これらの中心人物だけではなく、サブキャラクターの内面やその背景も描かれることが多く、個性的だがどこか人間臭い、等身大の描写には定評がある。また、超近未来を舞台にした宇宙開発は、入念な取材を下敷きにしており、現実味が溢れていると高評価を得ている。
休載期間
2014年2月、「モーニング」誌上で隔週連載が告知されたが、「モーニング」2014年14号から不定期連載および休載が続いた。その後、「モーニング」2014年36・37合併号より連載が再開されてからはほぼ隔週連載となっている。この休載は作者の小山宙哉が劇場版アニメ『宇宙兄弟#0』の脚本を手がけたことに起因する。
登場人物
登場人物の中には実在する人物をモデルにしたキャラクターが多数登場する。とりわけ宇宙飛行士に多く、過去に南波六太と南波日々人が講演会を聞きに行った野淵は、野口聡一がモデルとなっている。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の理事長を務める茄子田シゲオは医学博士であり、日本人初の女性宇宙飛行士の向井千秋の夫でもある向井万起男を、JAXAのマネージャーである小町ミチコはジャズシンガーの綾戸智恵をモデルとしており、デニール・ヤングは実在するNASA(アメリカ航空宇宙局)の職員をモデルにしたことが明かされている。なお、TVアニメ版では、野淵や小町役で、それぞれのモデルになった人物がアフレコを担当したことで話題になった。
時事ネタ
作中ではいくつもの時事ネタが扱われている。代表的なものとして、「ドーハの悲劇」が挙げられる。1993年10月28日、翌年に開催予定のサッカーワールドカップ初出場をかけてイラク代表と対戦した日本代表は、試合終了直前のロスタイムに失点を許し予選敗退。ワールドカップ出場の夢が断たれることになった。作中ではこの日に南波六太が生まれたとされており、六太はこのことから「悲劇とは縁がある」という自虐を持ちネタにしている。また南波日々人が生まれた日は、1996年9月17日に野茂英雄がメジャーリーグでノーヒットノーランを達成した日とされているなど、現実の世界とリンクした時事ネタが盛り込まれている。その他、現実ではISS(国際宇宙ステーション)を少なくとも2024年まで運用する方針としているのに対し、作中(2025年以降)ではISS廃止に関わるエピソードが描かれたり、また現実世界で実際に計画されているISSへの人員輸送に民間企業を採用するエピソードを描くなど、宇宙関連の時事ネタには事欠かない。一方で作中の描写は、あくまで連載当初の宇宙開発計画によるものであるため、後年その計画が廃止・変更されたことで現実との乖離が起きている部分もある。
派生作品
2010年12月22日より、ムック本『We are 宇宙兄弟』が不定期で刊行されている。『宇宙兄弟』に関するニュースや情報の他、現役宇宙飛行士のインタビューやコラム記事、著名作家による宇宙をテーマにしたマンガや小説などが掲載されている。
コラボレーション
リアル脱出ゲーム×宇宙兄弟
2012年4月13日から6月3日にかけて、株式会社SCRAPが主催する「リアル脱出ゲーム」とコラボレーションしたイベント「月面基地からの脱出」が開催された。月面基地内で重大な事故が発生し酸素がなくなっていく中、会場に散りばめられたヒントを元に1時間以内に謎を解明し、脱出しなくてはならないというシチュエーションのゲーム。また、2017年にはコラボレーション第2弾となる「宇宙飛行士選抜試験」も開催。インターネットで受けられる第1次選抜試験を経て、実技・実地試験となる第2次選抜試験に挑戦できるもので、閉鎖された宇宙ステーションからの生還を目指すシチュエーションとなっている。
ファミリーマート『宇宙兄弟』キャンペーン
2012年4月24日から5月21日にかけて、ファミリーマートとのコラボレーションキャンペーンが開催された。期間中、ファミリーマート各店で、南波六太の髪型をイメージした「黒とろろ昆布(梅ごはん)おにぎり」や、星空をイメージした「星のきらめきデニッシュ」などの商品が並んだ。またキャンペーンに合わせて開設された特設サイトでクイズに答えて応募すると、実写劇場版『宇宙兄弟』で主演を務めた小栗旬と岡田将生のサイン入りグッズなどが当たる抽選キャンペーンが行われた。
がぶ飲み×宇宙兄弟
2012年9月から期間限定で、サッポロ飲料「がぶ飲み」とのコラボレーションキャンペーンが開催された。「がぶ飲み」シリーズ各商品のパッケージに『宇宙兄弟』の描き下ろしイラストを採用。また対象商品に印刷された応募券で、「宇宙兄弟公認ブルースーツ」や作中に登場したジグソーパズルをモチーフにした「超難関ジグソーパズル」などが当たった。
「めぐりズム蒸気でホットアイマスク」×「宇宙兄弟」コラボキャンペーン
2014年5月12日から期間限定で、花王株式会社「めぐりズム蒸気でホットアイマスク」とのコラボレーションキャンペーンが開催された。特設サイトでは作中に登場した名言を紹介したほか、『宇宙兄弟』のコミックスが当たる抽選キャンペーンを開催。またコラボレーション期間中には、コラボ商品のパッケージに『宇宙兄弟』のイラストが採用され、南波六太や南波日々人がコラボ商品のアイマスクをつけるアニメCMが放映された。
白糸酒造「アニメコラボ商品」
白糸酒造とのコラボレーション商品として、『宇宙兄弟』のイラストをパッケージに用いた限定商品が販売されている。「宇宙兄弟 上撰」「宇宙兄弟 純米吟醸酒」や「宇宙兄弟 #0 月と星金平糖」などがある。
FabCafe×宇宙兄弟 ~special collaboration~
2015年8月18日から期間限定で、「Fabcafe」とのコラボレーションイベントが開催された。期間中は『宇宙兄弟』の登場キャラクターをモチーフにした菓子やグッズの販売が行われた。また、2017年1月21日から2月28日にかけて、コラボ第2弾も開催。店内では作中に登場したレシピを再現したオリジナルメニューが提供されたほか、クリエイターやアーティストが『宇宙兄弟』をモチーフに作った限定アイテムを入手できた。また期間中、特別メニューを頼んだ客やオリジナルグッズを購入した客を対象に、アポロ11号のコマンドモジュールをスキャンした3Dデータの中を自由に歩き回れるVR体験イベントなどを開催した。
コラボスニーカー「宇宙兄弟」
2016年7月20日より、アニメやマンガとコラボレーションしたファッションアイテムを販売するブランド「Super Groupies」とのコラボレーション商品として、「宇宙兄弟スニーカー」が販売された。スニーカーは宇宙服をイメージしたカラーリングで全3色。シュータンには「NAMBA」、サイドには「Space Brothers」と描かれたワッペンが付いたデザイン。
人狼TLPT×宇宙兄弟
2016年7月22日から24日にかけて、与えられたキャラクターを演じながら「人狼ゲーム」を行う即興舞台「人狼 ザ・ライブプレイングシアター」(人狼TLPT)と『宇宙兄弟』のコラボレーション演目が公開された。舞台では、作中で南波六太が宇宙飛行士選抜試験を受けた際のメンバーに加え、人狼TLPTオリジナルキャラクターを含めた13人が登場。オープニング以外に脚本がないという即興劇ながら、キャラクターの個性を見事に演じた。
FRaU 描き下ろしコミック
2016年、雑誌「FRaU」11月号において、アメリカンコミックの大手「マーベル・コミックス」に登場する『アイアンマン』と『宇宙兄弟』の描き下ろしコラボレーション短編漫画を小山宙哉が描いた。月面ミッションをこなす南波六太の前に突然アイアンマンが登場するという驚きの展開。アクションなどはなく、小山宙哉は「ゆるーいマンガに仕上がった」と語っている。
オデッセイ×宇宙兄弟
2016年9月25日から公開された映画『オデッセイ』とのコラボレーションとして、描き下ろしコラボポスターが公開された。作者は小山宙哉で、『オデッセイ』ポスターのメインビジュアルをそのままモチーフとし、主演のマット・デイモンの顔を南波六太に入れ替えたユニークなもの。キャッチコピーも、もともとは「70億人が、彼の帰りを待っている。」だったものが、「ムッタ(南波六太)も彼の帰りを待っている。」に変更されている。
クリエイターズ 宇宙兄弟×メルカリ
2016年12月からインターネットオークションサイト「メルカリ」とのコラボレーション企画が開催された。これは一般人が『宇宙兄弟』をモチーフに作成したハンドメイドグッズを、「宇宙兄弟公式認定グッズ」としてメルカリ上で販売できるという特殊な企画。グッズには公式サイトから配布される素材イラストを使用することもできる。2016年12月9日より順次使用素材の配布と企画説明会が行われており、2017年1月23日から実際に販売が開始された。
H2Aロケット31号機「宇宙兄弟」イラスト
日本宇宙少年団主催の企画として、静止気象衛星「ひまわり9号」を乗せた「H2Aロケット31号機」に『宇宙兄弟』のモザイクアートが貼り付けられた。このモザイクアートは全国から「夢」に関する画像を募集し、それを集めて巨大なモチーフに仕上げたもの。モチーフには小山宙哉描き下ろしイラストが採用された。モザイクアートを貼り付けたH2Aロケットは2016年11月2日見事打ち上げに成功し、全国の夢が宇宙に届くことになった。なお、これまでにも飛行機などの乗り物にラッピングを施す例はあったが、ロケットにラッピングを施したのは初めての事例となる。
タイアップ
宇宙兄弟×JAXA×茨城県
『宇宙兄弟』のマンガにも登場し、TVアニメや実写映画のロケも敢行された「JAXA 筑波宇宙センター」及び、同施設が存在する茨城県とは綿密なタイアップ企画が行われている。例として、『宇宙兄弟』の作品内に登場した施設を見学できる体験ツアーや、宇宙飛行士の講演会、ロケットの生打ち上げ鑑賞会などが行われており、またJAXA(宇宙航空研究開発機構)施設内に存在するショップには『宇宙兄弟』関連グッズが並ぶ。
プログラミン×宇宙兄弟コンテスト
2013年10月23日から2014年1月15日にかけて、文部科学省が提供しているプログラム作成ソフト「プログラミン」とのタイアップイベントが開催された。WEB上で「プログラミン」というソフトを使って、『宇宙兄弟』のイラストを自由に動かしたプログラムを作成するというもの。期間中、完成したプログラムを応募することができ、グランプリに選ばれた作品はTVアニメ『宇宙兄弟』の番組内で発表された。
宇宙兄弟×相模原市×タカラッシュ!「リアル宝探し スペースフェスティバル」
2014年7月19日~8月31日にかけて、相模原市と株式会社タカラッシュ「リアル宝探し」とのタイアップイベントが開催された。期間中、市内に隠された宝の地図を見つけながら、宝箱を探し当てることで、劇場版アニメ『宇宙兄弟 #0』のグッズなどがもらえるというもの。
宇宙兄弟×Puma×川崎フロンターレ
2016年8月6日と16日の2日間、プロサッカークラブ「川崎フロンターレ」とのタイアップイベントが開催された。キャッチコピーは「宇宙強大」。イベント期間中はスタジアム周辺に特設ステージが設けられ、JAXA(宇宙航空研究開発機構)広報担当者などによる宇宙トークショーが行われたり、宇宙をモチーフにしたさまざまなアトラクションを楽しむことができた。また試合中は川崎フロンターレの選手たちが、小山宙哉デザインの限定宇宙服ユニフォームを身に着けてフィールドを駆け回り、スタジアムとISS(国際宇宙ステーション)の生交信を試みるなど、規模の大きなイベントとなった。なお、過去にサッカー経験があるという小山宙哉が試合前のPKセレモニーにも登場し、会場を大きく盛り上げた。
カサリンチュ「あと一歩」
2016年10月26日、アーティストのカサリンチュが、『宇宙兄弟』とのタイアップ企画「UCHURINCHU PROJECT」の一環として、シングル『あと一歩』をリリースした。これはカサリンチュが『宇宙兄弟』コミックス第27巻を読み、登場人物の1人である伊東せりかの応援歌として作ったもの。
メディアミックス
TVアニメ
2012年4月1日から読売テレビ・日本テレビ系列の各局で、全99話のTVアニメ版が放送された。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力のもとで制作されているためか、原作では「野淵」という名前で登場する野口聡一をモデルとした人物が、本人役&本人名義で登場したり、小町ミチコのモデルとなった綾戸智恵を声優に起用するなど話題となった他、2012年9月には星出彰彦がISS(国際宇宙ステーション)からTVアニメのアフレコに挑戦するという史上初の試みがなされている。また第37話からは原作者の小山宙哉が監修を務め、脚本に携わるなど積極的に制作に関わっている。主なキャスティングは、南波六太役を平田広明、南波日々人役をKENN、伊東せりか役を沢城みゆきが演じている。
劇場版実写映画
2012年5月5日から全国東宝系322スクリーンで、劇場版実写映画が上映された。南波六太を小栗旬、南波日々人を岡田将生が演じることで話題を呼んだ他、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やNASA(アメリカ航空宇宙局)の協力のもと、それぞれの施設を利用した大掛かりなロケを行っており、野口聡一やバズ・オルドリンといった本物の宇宙飛行士が登場するなど、宇宙ファン垂涎の完成度に仕上がった。内容は六太の宇宙飛行士試験と日々人の日本人初の月面着陸が主体のオリジナルストーリー。原作とは時系列などが大きく異なる他、作中の登場人物の役割などにも変更が見られる。またエンディングもオリジナルの展開になっている。
プラネタリウム作品
2012年7月21日からプラネタリウム作品『宇宙兄弟 一点のひかり』が全国のプラネタリウムで公開された。内容はTVアニメ第1話のスピンオフとなるオリジナルシナリオ。ある高台でUFOを目撃した少年期の南波六太と南波日々人が、翌日もう一度高台へと足を向けたところで「ひかり」という名の少女と出会う物語となっている。
劇場版アニメ
2014年8月9日から劇場版アニメ『宇宙兄弟 #0』が全国210スクリーンで公開された。原作エピソードにはそれぞれ「#01」などのナンバリングがついており、劇場版アニメはそのタイトルが示すように原作の前日譚を描いたものとなっている。原作者の小山宙哉は、この劇場版アニメの脚本を自ら手掛けるため、漫画版『宇宙兄弟』の連載を休止してまで取り組んだ。
キャラクターブック
2012年3月23日に『宇宙兄弟 心のノート 「メモしたくなる言葉たち」』が発売されている。内容は『宇宙兄弟』コミックス第16巻までに作中に登場する名言などを収録し、名場面集とともに再編集したもの。2012年6月22日には『宇宙兄弟 コミックガイド』が発売された。キャラクター紹介や作中に登場したジョーク集などのほか、宇宙飛行士へのインタビューなども掲載されている。また、2013年10月22日には『TVアニメ 宇宙兄弟オフィシャルファンブック』も発売。原作者である小山宙哉やアニメ制作陣へのインタビューの他、作中キャラクターである南波六太や南波日々人へのインタビューも掲載された魅力の1冊になっている。
評価・受賞歴
本作『宇宙兄弟』は、2009年、2010年のマンガ大賞において2連続で2位にランクイン。また2009年にはこのマンガがすごい!(オトコ編)でも2位に選ばれている。その他、2011年には第56回小学館漫画賞(一般向け部門)、第35回講談社漫画賞(一般部門)をそれぞれ受賞した。
登場人物・キャラクター
南波 六太 (なんば むった)
南波日々人の兄。非常に強い天然パーマでもじゃもじゃの頭髪が特徴の男性。勤めていた自動車開発会社で、弟で宇宙飛行士の日々人の悪口を言った上司に頭突きを食らわせ、退職処分となる。その後、就職活動に励むものの、無職になった原因である上司の手回しによって自動車関連の就職の道は断たれてしまっていた。それを知った日々人と南波母の手によってJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験に履歴書が送られ、見事書類選考を通過。 改めて、子供の頃からの夢だった宇宙飛行士を目指すことになる。明るく社交的で日本人初の月面飛行士という英雄である弟の日々人に対し、自分はサッカー日本代表がW杯予選に敗退した「ドーハの悲劇」と同日の1993年10月28日生まれということもあり、「何かと悲劇には縁がある」と自己評価はかなり低い。 しかし、観察力に優れ、独自の着眼点を持ち、宇宙開発においてもブレイクスルーを起こせるほどの才気を持つ。それだけではなく、テレビを観ながらラジオを聞き、新聞を読みながら周囲の人間の行動にも目を配るマルチタスクをこなすなど、潜在的な能力は非常に高い。
南波 日々人 (なんば ひびと)
南波六太の弟。くっきりとした目鼻立ちに明るい色の短髪を持った爽やかな容姿が特徴。少し天然ボケなところがあるものの、どこか憎めないキャラクターであり、純真で明るく、社交性の高い性格の持ち主。また目標に突き進む強い精神力を持っており、子供の頃からの夢であった宇宙飛行士になり、日本人初の月面着陸者に抜擢された。兄の六太に対しては尊敬と敬愛の念を持っており、TVの取材やインタビューなどでも度々自慢の兄として紹介している。 一方で、大人になるにつれて夢を諦め、人生を妥協しているような六太の姿には、一種の不満とつまらなさを感じていた。六太が会社をクビになったことを南波母から聞きつけ、母と共謀して勝手にJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験に六太の履歴書を送る。 誕生日は1996年9月17日。作中では野茂英雄がメジャーリーグでノーヒットノーランを達成した日と紹介されている。
南波母 (なんばはは)
南波六太、南波日々人の母親。六太と同じく強い天然パーマのかかったもじゃもじゃの頭髪が特徴。非常にマイペースであまり物事を深く考える性格ではないが、息子思いの良き母。ちなみに南波父とは非常に夫婦仲が良く、夫婦ゲンカをしているような描写は一切見られない。南波父の低レベルなジョークにも「さすがお父さん!」と感心するなどラブラブである。
南波父 (なんばちち)
南波六太、南波日々人の父親。寡黙であまり表情を動かさず、六太や日々人の同僚からは「あれこそがサムライだ」と言われるほどに厳格な容姿を持つ人物。しかし、実際には口を開けば親父ギャグを放ち、有名人などのモノマネを持ちネタにするような軽い性格。
金子 シャロン (かねこ しゃろん)
南波六太や南波日々人の実家の近くにある天文台に住む、天文学者の老齢の女性。子供の頃に天文台に遊びに来た六太と日々人を迎え入れ、宇宙に関する知識だけではなく、人生におけるさまざまな教訓を授ける。このことから南波兄弟にとっての第2の母親とも言える大事な人になっている。夫である金子進一とは六太が13歳の頃に死別。 夫が発見し、自分の名前を付けてくれた小惑星「シャロン」の姿をもっと間近で見たいと願い、いつか月面に望遠鏡を設置するのが六太との共通の夢。六太が宇宙飛行士になり、実現する計画が立ち上がったものの、「ALS」という難病に侵され、闘病の日々を送る。
真壁 ケンジ (まかべ けんじ)
南波六太が宇宙飛行士選抜試験で出会った同い年の男性。髪をオールバックに固めつつ、前髪を一束だけひねって前に垂らした髪型が特徴。宇宙飛行士選抜試験の第2次審査会場で昼食を取っている六太に話しかけてくる。六太いわく「レトロな髪型の割にとても爽やかな青年」であり、六太とは初対面ながら10分で打ち解け、その後も親友と呼べるほどに交友を深めていく。 多くの才能とリーダーシップに富み、公明正大な性格を持つ人物。他人の年齢を一目見て当てるという隠れた特技を持っており、初対面の人物に年齢を聞いて当たっていたら喜ぶというお茶目な面もある。既婚者であり1児の父。のちに2人めの娘も生まれている。
伊東 せりか (いとう せりか)
南波六太がJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験で出会った若い女性。女医であり、宇宙でしかできないような新薬の開発に携わりたいと宇宙飛行士を目指す。なお、父親を「ALS」という難病で喪っており、金子シャロンが「ALS」を発病した際も、誰よりも早くその異常に気づき、病院で診察を受けるように忠告した。 六太は選抜試験でその姿を見た時から、せりかにほのかな想いを抱いており、事あるごとに好意をアピールしているものの、なかなか気づいてもらえていない。人当たりが良く穏やかで前向きな性格の持ち主であり、周囲からも認められる美人だが、実は大食家。また六太からのアピールになかなか気づかなかったり、メールの絵文字のチョイスが独特というマイペースな部分もある。
新田 零次 (にった れいじ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、南波六太と同じA班に振り分けられた男性受験者。受験当時は30歳。高身長で無造作にかきあげた髪、威圧感のあるつり上がった眉を持つ。過去に築波大学でスポーツ医学を専攻し、剣道の腕前は5段。これらの経験から自分の感情をコントロールし、常に冷静沈着に物事を捉える術に長けている。 しかし、それは自分の思うとおりに事が運ばないとイライラする性格をフォローするものでもあり、実は神経質。また六太いわく、一度トイレに入ると長く、携帯電話の待受画像を猫にしているという意外な一面もある。姉と弟がいるが、弟の新田カズヤは大学を中退してから引きこもりの生活をしており、そのため、優れた弟を持ち、良好な兄弟関係を築いている六太には一種のライバル心を持っている。
北村 絵名 (きたむら えな)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、真壁ケンジらと同じB班に振り分けられた女性受験者。受験当時は30歳。5人兄弟の年長子という環境で育ったため、活発で面倒見の良い性格の持ち主。また周囲に気を配っているからか、噂話がよく耳に入ってくる情報通であり、察しも良い。同じ受験者で女性である伊東せりかとは仲が良く、宇宙飛行士になった後も行動をともにする他、ISS(国際宇宙ステーション)のサブクルーにも同時に選ばれ、コンビで「セリエナ」と呼ばれるほど有名になった。 ちなみに、絵名の弟妹の名前は年齢順に、直樹、キクオ、オースケ、ケイとなっており、しりとりでつながるようになっている。
古谷 やすし (ふるや やすし)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、南波六太と同じA班に振り分けられた男性受験者。受験当時は30歳。短髪に小さな目、団子鼻の容姿が特徴。京都大学の霊長類研究所でチンパンジーの習性を研究しており、何かにつけて「猿並み」「猿でもできる」と比較に出すのがクセ。非常に直感的で思ったことをすぐに口に出してしまう性格のせいで、他人との衝突が絶えない。 しかし根は優しく、156センチという低身長ながら他の受験者にも負けないフィジカルの持ち主でもある。宇宙飛行士を目指したきっかけは、過去に近所の文房具屋の福引で当てた宇宙飛行士下敷きに魅せられたため。また、それまでは宇宙服のサイズの関係で宇宙飛行士の夢は諦めていたものの、JAXAの馬場広人が新開発した宇宙服のおかげで身長制限をクリアすることができ、再度夢に挑戦することとなった。 これが理由で広人を恩人と仰いでいる。
福田 直人 (ふくだ なおと)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、南波六太と同じA班に振り分けられた男性受験者。受験当時は54歳と受験者の中でも最高齢の人物。ほとんど白髪になった頭髪にレキシントンタイプのメガネをかけた温和な性格の持ち主。かねてから宇宙飛行士に憧れており、選抜試験の直前までロケット開発に携わっていたが、選抜試験を受けるために自主的に免職となった。 また、2008年にも宇宙飛行士選抜試験を受けた経歴がある。宇宙への憧れは人一倍強く、ロケット開発に打ち込み過ぎて、同意を得られなかった妻と娘に愛想を尽かされ離婚したという過去を持つ。なお、宇宙飛行士選抜試験で不採用になった後は、再びロケット開発に専念。その技術力を見込まれて株式会社スイングバイに入社することになる。
吾妻 滝生 (あずま たきお)
2012~2020年の間にISS(国際宇宙ステーション)の長期滞在任務についていた日本の宇宙飛行士。短く刈りそろえた髪型にあごひげを蓄え、厳しい表情が特徴。あまりサービス精神旺盛な性格ではなく、他人を寄せ付けない雰囲気を持つ。この8年間で最も宇宙に長くいた人物として日本でも有名であり、宇宙飛行士としても優秀な才能の持ち主。 月面には立っていないが月調査兼物資輸送任務のクルーに任命された経験から、南波日々人よりも先に月面探査任務に任命されると思っていたものの、日々人がこれを覆したため、周囲の人間は滝生が日々人に良い感情を抱いていないのではないかと危惧している。家族は妻と子供が2人。元甲子園球児でキャッチャーを務めた経験を持つ。
紫 三世 (むらさき さんせい)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する日本の宇宙飛行士。サイドとバックを深く刈り上げたツーブロックに、頭頂部の髪を長く伸ばし団子状に固めた特徴的な髪型をしている。またスポーツサングラスのようなメガネをいつもかけているのが特徴。独特な見た目同様、非常に個性的な性格の持ち主であり、いたずら好きでやんちゃ。しかしどこか憎めない愛嬌のあるキャラクター。 公式の場でもまるで子供のような振る舞いをするため、南波六太からは「カツオくん」と心の中であだ名されている。イタズラの対象は六太だけではなく、いたずらをした後の逃げ足やその手際の良さから周囲の人間から「ニンジャ」という愛称で親しまれている。ちなみに、若く見えるが37歳。
宮田 アツシ (みやた あつし)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する日本の男性宇宙飛行士。センター分けの髪型をしている。紫三世と同期の宇宙飛行士でお互いに仲が良いが、性格は対照的で、宮田は冷静で大人しい性格。そのため紫の自由奔放ぶりを諌める役割を担っている。JAXAの宇宙飛行士選抜試験では最終面接の試験官を務め、南波六太らの面接を執り行った。
木崎 サナエ (きさき さなえ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する女性宇宙飛行士。宮田アツシのバックアップクルーを務める経験を経て、2027年にISS(国際宇宙ステーション)での任務に就く予定になっており、南波六太は宇宙飛行士になった直後、ジェーソン・バトラーからそのバックアップクルーに任命された。なお、六太がこれを辞退したことでバックアップクルーの役割は伊東せりかに移っている。
茄子田 シゲオ (なすだ しげお)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)理事長。おかっぱ頭が特徴的な中年男性で、テレビなどに映る予定があると自慢の前髪をしきりに気にしたり、宇宙飛行士就任の挨拶の時も一生懸命考えたスピーチでなんとか上手いことを言おうとするなど、肩書きに似合わず非常に調子の良い性格の持ち主。モデルは、実在の宇宙飛行士である向井千秋の夫であり、医学者、エッセイストとしても知られる向井万起男。
星加 (ほしか)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に勤める職員で、太い眉と薄くなった頭髪を後ろになでつけた髪型が特徴の中年男性。宇宙飛行士選抜試験第2次審査では「過去に自分が試験を受けた際に毛莉さんにやられた」といって面接者の椅子のネジを緩める仕掛けを施すなど、ユニークな性格の持ち主。実は、南波六太や南波日々人が子供の頃に頻繁にJAXAの宇宙センターに来ていたため、彼らとは面識があり、個人的に南波兄弟のことを「モジャ君」「ツン君」とあだ名を付けていた。 内心ではその2人が宇宙飛行士を目指していることを心から応援しており、晴れて宇宙飛行士になった後も積極的にサポートしている。
鶴見 (つるみ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員。禿頭に三白眼という人相の悪い容姿が特徴。南波六太らが受けた宇宙飛行士選抜試験の試験官を務め、審査に関する注意点などの説明を行う。あまり人相は良くないものの、性格は礼儀正しく至って温厚な人物。そもそも注意説明を行う人選は茄子田シゲオによって行われており、見た目に威圧感があるから選ばれているだけである。 茄子田いわく、晴れ男だという。
小町 ミチコ (こまち みちこ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員で宇宙飛行士のマネージャーを務める女性。小柄な体に似ず、非常にパワフルでエネルギッシュな性格。まるで口から生まれたかのように関西弁でまくし立てる喋り方が特徴。マネージャーとしての面倒見の良さや頼れる行動の早さから「JAXAのオカン」の異名を誇る。なお、過去にカリフォルニアに滞在していた時期があり、訛りはあるものの英語も堪能。 NASA(アメリカ航空宇宙局)のガイドを務めているジェニファーとは親友と呼べるほど仲が良く、2人がそろうとその会話は誰にも止められない。
馬場 広人 (ばば ひろと)
筑波のJAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙開発センターで働く初老の男性。宇宙服開発に携わっており、伸縮性を加えることで従来よりも幅広い身長に対応可能な宇宙服を開発した。このことにより156センチの身長しかなかった古谷やすしが宇宙飛行士を目指すことができるようになり、古谷からは恩人として慕われている。神戸出身で、出身地の特徴か、カルピスを牛乳で割った飲み物が好物。 馬場奈々美という名の娘がいる。
原田 (はらだ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員。センター分けの若い男性で、宇宙飛行士選抜試験の第3次審査で受験者の監視を行う職務をこなす。登場したばかりの頃は茄子田シゲオらから「新人君」と呼ばれていたが、のちに名前が登場。まだJAXAに入り立ててで実務経験が浅く、他の職員には周知である「グリーンカード」のことを知らなかった。
羽賀 翔子 (はが しょうこ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する女性職員。伊東せりかの付き添いを担当しており、せりかと大沢厚の打ち合わせにも同行した。せりかが裏取引問題で疑惑を持たれた時には誰よりも心を痛めていた。
毛莉 (もうり)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する宇宙飛行士の1人。本編には登場しないが、星加が宇宙飛行士選抜試験を受けた際に椅子のネジを緩めていたという回想で登場する。実在する宇宙飛行士の毛利衛がモデル。
野淵 (のぶち)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する宇宙飛行士。本編には登場しないが、南波六太と南波日々人が子供の頃に講演を聞きに行った回想シーンに登場。人間をアリに喩えたうえで、宇宙は途方もなく大きいこと、そして宇宙開発をする素晴らしさや宇宙にどれほどの夢が詰まっているかなどを語った。実在する宇宙飛行士の野口聡一がモデルとなっている。
ダミアン・クウェラー (だみあんくうぇらー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波日々人とおなじCES-51ミッションのメンバーの1人。少し前髪が後退した広い額を持つ壮年男性。月面ミッションで日々人と2人で船外調査を行っていた際、リッテンディンガー峡谷内に転落する事故に遭遇。事故の衝撃で宇宙服の一部機能を破損し、あわや命を落とすところだったが、日々人の的確な救助によって事なきを得た。 ロサンゼルス在住で、妻と2人の子供がいる。
リンダ・クリフ (りんだくりふ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波日々人とおなじCES-51ミッションのメンバーの1人。金髪ショートカットの髪型が特徴の若い女性。既婚者で夫がいるほか、打ち上げ前にNASAに家族を呼ぶ家族支援プログラムでは弟も呼んでいた。父親のことを「パパ」と呼んでいる。
フレディ・サターン (ふれでぃさたーん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波日々人とおなじCES-51ミッションのメンバーの1人。口ひげが特徴的な中年男性。ユーモアと冷静さを併せ持つリーダーシップ溢れる性格で、CES-51ミッションのリーダーを務める。けっこうな遊び人らしく、NASA職員いわく、打ち上げ前にNASAに家族を呼ぶ家族支援プログラムでは、何人もいるガールフレンドの中で誰を呼ぶか迷っていたという。
バディ・ウォーターズ (ばでぃうぉーたーず)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波日々人とおなじCES-51ミッションのメンバーの1人。ツーブロックの髪型をした黒人男性で、鍛え抜いた肉体美が自慢の陽気な人柄を持つ。力には自信があるが、あまり器用ではなく、また何度も宇宙活動の経験があるにもかかわらず、無重力下に放り出された際の宇宙酔いにはなかなか慣れないなど、繊細な一面を持つ。 またダミアン・クウェラーと日々人が月面でトラブルにあった際には、無事を案じるあまり冷静さを失い、リーダーのフレディ・サターンにたしなめられるなど、メンタル面に課題を残す。
カレン・ジョーンズ (かれんじょーんず)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する女性宇宙飛行士で、南波日々人とおなじCES-51ミッションのメンバーの1人。つり上がった眉と後ろでまとめた黒髪がクールな女性。CES-51ミッションでは主に医療面を担当しており、月面での事故から生還したダミアン・クウェラーの治療を行った。凍傷の治療にあたっては、「これからも痛みが増すと思うけど頑張りなさい」と笑顔でダミアンに語りかけるなど、若干Sな部分を見せる。 しかし、月面で食用にしているカイコを食べられないなど、乙女な一面も持つ。
ブライアン・ジェイ (ぶらいあんじぇい)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属していた宇宙飛行士の1人で、エディ・ジェイの弟。カリスマ性があり、周囲から愛される明るくユーモア溢れる性格を持ち、その上で宇宙飛行士として非常に優れた才能に恵まれた人物。しかし、2023年にCES-43ミッションの月面調査任務を終えた後、地球に帰還する際に帰還船のパラシュートが開かないというトラブルに見舞われ、着陸に失敗。 死亡した。
エディ・ジェイ (えでぃじぇい)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士でブライアン・ジェイの兄。ブライアン同様、ISS(国際宇宙ステーション)での700日に及ぶミッションを始め、数々の任務をこなしてきたベテラン。問題児ばかりが所属する「ジョーカーズ」をまとめるのはエディしかいないと、宇宙飛行士室長であるジェーソン・バトラーたっての希望で「ジョーカーズ」のリーダーに就任することになる。 温和であまり積極的な性格ではないが、ブライアンと同様に多くの人間から尊敬を集める人物で、南波六太は彼に最初に出会った瞬間から溢れるリーダーシップを感じ取っている。かつてはブライアンと2人で月に立つことを夢見ていたがそれが叶わず、その夢をいつか南波兄弟が叶えてくれれば良いと応援している。 趣味はバイオリンを弾くことで、20年間も続けている。
アンディ・タイラー (あんでぃたいらー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の男性。南波六太たちがNEEMO訓練を開始した際、それに先んじてAQ-Ⅱで訓練を開始していた宇宙飛行士の1人。南波日々人や紫三世、ローリー・クオモ、ジョージ・ラブたち宇宙飛行士22期生、通称「モンスターズ」の同期生でもある。 深いツーブロックの髪型に、彫りが深く表情の乏しい顔を持つ。また六太と並んでも頭一つ抜けるほどの巨体の持ち主で、口数が少なく無愛想。22期生が「モンスターズ」という名前を付けられた原因のひとつとされている。NEEMO訓練ではジョージとともに指導を行うが、あまり口を出す性格ではないため、ほとんどジョージ任せになっていた。のちに六太とはCES-62ミッションのバックアップクルーに選ばれた時に再会。 ともに「ジョーカーズ」の一員となる。
フィリップ・ルイス (ふぃりっぷるいす)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の1人で、南波六太たちと「ジョーカーズ」の一員となる男性。ドレッドヘアーが特徴の、陽気でとにかくやかましい人物。誰かれ構わずハイテンションで話しかけるノリが周囲から敬遠され「ジョーカーズ」に配属される。レゲエ音楽をこよなく愛しており、毎朝レゲエの楽曲を目覚まし代わりにしてダンスしながら起きるのが日課。 また普段から大きな耳型のヘッドフォンで音楽を聴いており、初対面の人間には「よくこれがヘッドフォンって分かったね」という掴みの会話を多用する。家族構成は父親がジャマイカ人で母親がアルゼンチン生まれのアメリカ人。ちなみに口癖でもある「ヤァマン」はレゲエ用語で挨拶や「Yes」を表す。
カルロ・グレコ (かるろぐれこ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の1人で、南波六太たちとともに「ジョーカーズ」の一員となる男性。面長で垂れ目がちの瞳が特徴の優男。極度のナルシストでいつも気取った態度ばかり取っており、また容易に他人に心を開こうとしない。その性格から周囲から疎ましがられ「ジョーカーズ」に配属されることになった。 しかし、チームリーダーであるエディ・ジェイに言わせると、性格はともかく「飛び級をして大学に行ける天才タイプ」とまで評価されており、事実、訓練ではなんでもそつなくこなす器用な一面を見せる。生粋のイタリア人であるが国籍をアメリカに変え、名前も改名した過去を持つ。のちに、本来の名前であったルチアーノ・グレコの名を戻し、カルロ・L・グレコと名乗るようになる。
ベティ・レイン (べてぃれいん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の1人で、南波六太たちとともに「ジョーカーズ」の一員となる女性。鼻筋の通った美人であるが、男勝りな性格で気が短く、これが原因で周囲と馴染めずに「ジョーカーズ」に組み込まれた。また難があるのは性格だけではなく、絵のセンスがなく、料理の腕も壊滅的。訓練で手料理を振る舞った際の他のメンバーの感想は「コショウの味しかしない」だった。 一方で一児の母として愛を持って息子に接する優しい面もある。なお、息子の父親、つまり夫はCES-43ミッション中の事故でブライアン・ジェイらとともに亡くなったタック・ラベル。
ローリー・クオモ (ろーりーくおも)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の1人で、南波日々人のサブクルーを務める青年。心優しく人懐っこい性格をしており、史上最年少ムーンウォーカーとなった日々人のバックアップを務められることを心底喜んでいる。またもともと日本の文化が大好きであり、日々人から日本語を学んでいる。しかし、日々人の教え方が悪いのか、本人の問題なのかは不明だが、日本語に関してはちょっと怪しい部分があり、「COOL」の意味合いで「涼しい!」とプリントされたTシャツを着るなど、勘違いしている様子。 また、のちに南波六太の訓練教官を務めた際には、「PRIDE」を和訳し「ホコリ」とプリントしたTシャツを着ていた。
アマンティ・パテル (あまんてぃぱてる)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士。インド出身の女性で、褐色の肌に大きな瞳、鼻に開けたピアスが特徴的な美人。他人に手をかざすことでそのオーラを感じ取り、対象にまつわるさまざまなことを言い当てる占いが得意。その特殊な力は占いを遥かに超えてもはや超能力と言っても過言ではない的中率を誇る。南波六太が宇宙飛行士になってからすぐに行われたサバイバル訓練では同じ班となり、訓練をともにする。 また初対面で六太を占った際、周囲の人に不吉なことが起きると予言し、事実その通りになってしまう。
ビンセント・ボールド (びんせんとぼーるど)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士。コケた頬に常に半目がちで無愛想な顔、リムレスのメガネをかけた神経質な容姿が特徴の男性。とにかくせっかちで何事も合理的かつ理論的な思考を良しとする性格の持ち主。南波六太ら宇宙飛行士候補生の訓練教官を務め、最初期から過酷な訓練を課すことで無能をふるい落とそうとする。 しかし、本音では宇宙に対して非常に熱い想いを持つ人物。過去に、ともに宇宙を目指したリック・ターナーが仲違いしたまま死亡した事件がきっかけで、「人生は短く、寄り道をしている暇などない」と考えるようになり、目的に向かって最短距離で突き進むようになった。ミネソタ州ポットヒル出身でNASA関連の技術屋であるピコ・ノートンとは幼なじみ。
ピコ・ノートン (ぴこのーとん)
大きな鼻に後退した前髪、濃い髭剃り跡が特徴の中年男性。サバイバル訓練を終えた後の宇宙飛行士たちがカムバックコンペティション'26に出場するにあたり、そのサポートをする技術屋の1人としてNASA(アメリカ航空宇宙局)に協力を要請され、南波六太らのいるE班のサポートを務める。ところが本人にはまったくやる気がなく、普段は酒を呑むか、おもちゃで遊んでいるばかりでまるで役に立たない。 しかし、実はNASAの下請けでもあり、帰還船の開発などを請け負う「デンバー社」においてパラシュートシステムを開発する総合責任者を務めるほどの実力者。過去にともに宇宙を目指したリック・ターナーが仲違いしたまま死亡した事件がきっかけで、「テンションの上がらないこと(夢を追うこと)以外に力を入れている余裕などない」と考えるようになり、自分の興味外のことに一切力を入れないようになった。 のちに六太が同じ技術屋畑の思考を持つことを知り、徐々に関係も緩和。惜しまず協力してくれることになる。なお、ミネソタ州ポットヒル出身でビンセント・ボールドとは幼なじみ。 愛車はボロボロのボルボ。
モッシュ・ベルマー (もっしゅべるまー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士で、ジョーカーズのサブクルーに任命されている男性。どんな状況下でも無表情のままで変化がなく、真面目すぎて冗談の一切通用しない性格を持つ。月面ミッションに備える訓練を無断で長期欠勤しているカルロ・グレコの代わりにプライムクルーとしてジョーカーズの訓練に参加するも、ほかのメンバーと噛み合わないでいる。
ブギー
月面基地で働くAI搭載ロボット。円筒形のボディに3本の脚、ボディ上部にはモニターとそれを覆う球状の透明なシールドが張られている。その役割はさまざまで、音声出力で宇宙飛行士の目覚ましを行ったり、モニターに天気予報やさまざまなニュース、情報を映し出す。またボディに搭載されたカメラで周囲の状況を写し地球と通信を行うことも可能で、と非常に多種多彩。 AIはもともと非常に従順な性格だったが、CES-56ミッションで月面へ行った紫三世が独自の設定を行ったことで、現在は宇宙飛行士に皮肉を言ったり、ジョークを口にしたり、ふざけた性格を持つように見える。
ジェーソン・バトラー (じぇーそんばとらー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士であり、宇宙飛行士室長も務める、長いもみあげが特徴の壮年男性。MITで宇宙航法学を修めた後、宇宙飛行士になり室長まで上り詰めた実力派。当初は周囲の推薦から南波六太をISS(国際宇宙ステーション)のバックアップクルーに推薦するも、六太自身が月への想いからこれを拒否。それに対して、当てつけのように宇宙行きとはほぼ無関係な開発部署に回すなど、権力者らしい一面を覗かせる。 しかし、過去に自動車開発に携わっていた六太を開発部署に配属させたことが宇宙開発に功を奏し、これをきっかけに、徐々に六太への印象を改めていくことになる。
デニール・ヤング (でにーるやんぐ)
CES-51ミッションのアレスⅠ打ち上げ直前、姿を消してしまったAPOを探す南波六太が出会った老人の男性。NASA(アメリカ航空宇宙局)に出張していたホットドッグ屋「DOG YOU」のホットドッグを買ったところ、APOに付きまとわれてしまい、しょうがなく車に乗せようとしていたところを六太が目撃。 車を追う六太を「知り合いのギリシア人(アレクサンダー・ニコラス・フィリッポス・メディナカロスのこと)かと思った」といって強引に車に乗せ、NASAの敷地内にある放棄されたロケット発射管制棟まで連れて行った。NASAのキャップを被り前歯の抜けた緩んだ口元、太った体にロレックスの偽ブランドの腕時計をはめ、他人の話を聞かないマイペースな性格で車の運転も荒い、非常に胡散臭い老人だが、後にその正体はNASAの主任教官パイロットであることが分かる。 親子2代でNASAの職員を勤め上げたベテランで、かつて南波日々人にジェット機の操縦を教えたこともあった。なお、六太が宇宙飛行士になった際も教官を務め、六太を最後の教え子として現役を引退した。 誕生日は11月1日。
ウォルター・ゲイツ (うぉるたーげいつ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)で月面基地プログラムマネージャーを務める中年男性。宇宙計画のすべてにおいて「ミスは許されない」「無理をしない」ことを前提として考え、また少しでも無駄を削ることを考える超慎重派の性格の持ち主。宇宙飛行士室長であるジェーソン・バトラーが、パニック障害に陥った南波日々人のリハビリ訓練をゲイツに極秘で行っていたが、それを聞きつけ、「適切な処遇」を与えるよう画策する。 また南波六太らの「ジョーカーズ」が任命されるはずだった月面ミッションには、ベテランのいる「ボルツ」を推したばかりか、維持コストのかさむISS(国際宇宙ステーション)の廃止運動を2つのチームに行わせるなど、冷徹でも現実的な行動を良しとする。 しかし、これらの性格はかつて尊敬していた上司がたった1つのミスで退職に追い込まれたことによるもの。本来は、自宅で1人、未来の技術の夢想に耽るほど希望に溢れる人物だった。
ジェニファー
NASA(アメリカ航空宇宙局)に勤めている黒人女性。低い身長にふくよかな体、常にサングラスをかけた容姿が特徴。宇宙飛行士の家族やNASAに訪れた見学者のガイド役を務める。ガイド役としては天性の才能かもしれないが、知識をひけらかしたり冗談を言うのが大好きで、話し始めると止まらない。しばしば彼女が話すシーンでは早送りをしている描写があるほどである。 しかし一方で、質問をされたり、自分の話を邪魔されるのが大嫌いなため、そういう展開になると口数が少なくなる。なお、JAXA(宇宙航空研究開発機構)にいる小町ミチコとは親友と呼べるほどの仲。2人がそろうともはや会話を止める者はいなくなってしまう。
アレクサンダー・ニコラス・フィリッポス・メディナカロス (あれくさんだーにこらすふぃりっぽすめでぃなかろす)
NASA(アメリカ航空宇宙局)でジェット機の訓練教官を務める男性。非常に強い天然パーマで、くりくりに巻かれた頭髪を持ち、長い顔をしている。真壁ケンジらが初めて会った時に、その頭部だけをみて南波六太を思い出すほどによく似ているのが特徴。ちなみに、六太がデニール・ヤングと初めて会った時に、ヤングが口にしていたギリシア人がまさにアレクサンダー・ニコラス・フィリッポス・メディナカロスのことである。 なお性格はお調子者で、「パイロットとして一流」と自画自賛する腕前の持ち主でもある。六太とは互いにシンパシーを感じたためか、仲良くなっている。
ピーター
NASA(アメリカ航空宇宙局)の開発部署で働く職員。後退した前髪とチョビ髭が特徴的な中年男性。開発部署では有人機に関する業務の指揮をする立場で、スパイダーやバギーの設計・開発を担当している。とにかく女好きで部署に女性を配属してもらいたがっているが、なかなか思うようにいかないらしい。南波六太が開発部署に配属させられた際も、しきりに「女の子はいないのか」とばかり発言していた。
ダン
NASA(アメリカ航空宇宙局)の開発部署で働く職員。初めて開発部署を訪れた南波六太を明るく迎えた、気さくな男性。無人機に関する業務の指揮をする立場であり、無人探査機ギブソンやBRIANを設計した人物。
ハロルド
NASA(アメリカ航空宇宙局)の開発部署で働く職員。保護ゴーグルを付けた容姿が特徴の男性。開発部署ではすべての椅子の制作を担当していると言い、月面着陸船オリオンをはじめ、ビートルやスパイダーなどありとあらゆる搭乗機の椅子の開発を手がける。また父親もかつて打ち上げシャトルの椅子を開発したことがある。
ジョージ・マグワイア (じょーじまぐわいあ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する地質学者であり、デザートラッツ訓練の教官も務める中年男性。自身の地質学者としての知識や経験に絶対の自信を持っている他、人を見る素質にも長けていると言い切ってはばからない尊大な性格の持ち主。しかし態度がちょっと高圧的なだけで、とくに悪人というわけではない。
ベン・ハート (べんはーと)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で南波六太らとは同期生。濃いヒゲの黒人男性で、元軍人。非常に強い胆力の持ち主で、ビンセント・ボールドの超高速運転にも顔色一つ変えず落ち着いていた。シェイン・マグワンとは面識があり、ともに行動することも多い。
シェイン・マグワン (しぇいんまぐわん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波六太らとは同期生。濃く太い眉毛が特徴で非常に明るい性格を持つ。元軍人で、その時代に培ったものか、ビンセント・ボールドの超高速運転に恐怖するどころか、窓を開けてそのスピード感を楽しむ余裕すら感じさせる猛者。また、その後に行われたサバイバル訓練でも班を率いて優秀な成績を残す。
ビル・ハガード (びるはがーど)
CES-66ミッションのフライトディレクターを務めるNASA(アメリカ航空宇宙局)の職員。大きなガタイに豪快な性格、話し声まで大きいという、まさに豪放磊落を地で行く闊達な中年男性。いつもド派手なネクタイを締めている。
セドリック
NASA(アメリカ航空宇宙局)の職員。太った容姿とシャツから除く胸毛が特徴の男性。打ち上げを目前に控えた「ジョーカーズ」のパーティーに参加した際、エディ・ジェイからあることを頼まれ、快諾する。母親を「ALS」で亡くしたという過去を持つ。
ラリー・バイソン (らりーばいそん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士。ビンセント・ボールドとともに南波六太ら新人の宇宙飛行士候補生の訓練教官を務めた男性。高い鼻と口周りに生やした無精髭が特徴の優男。几帳面で神経質なビンセントに対して、お調子者で軽い性格だが、洞察力と観察力に優れ、直感で動くタイプ。喫煙者。
マイク・デイビス (まいくでいびす)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士で、リーゼント風の髪型が特徴の男性。新人宇宙飛行士の初期訓練であるサバイバル訓練で、ローリー・クオモとともに南波六太らの所属する班のメンター(指導員)を務める。非常に威圧的な態度を示すが、これは指導教官であるビンセント・ボールドからそうするように指示されているためで、実際の性格はきつくもなんともない。 メンターとして自己紹介した話によれば、かに座ながらカニは食べられないらしく、また5歳年下の妻を持つという。
ザック・マコンネル (ざっくまこんねる)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士で、南波六太らと同期の男性。長い下まつ毛を持つ垂れ目の瞳が特徴。その面持ちはどう見ても中年相応であり、とても六太らと同期とは思えない威圧感を持つ。なお、新人訓練であるサバイバル訓練ではB班に所属。全体の3位でゴールしている。
イーサン、トッティ
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士たち。CES-56ミッションのクルーとして紫三世とともに月面ミッションに挑む。その任務中、月面基地内で未確認生物「宇宙グモ」を発見。慌てて地球と交信し、その対処について助言を求める。
トッド・バード (とっどばーど)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属していた宇宙飛行士の1人。2015年8月7日、ISS(国際宇宙ステーション)の太陽電池パネルの修理任務中に、船外活動ユニットが故障したことで宇宙服内に酸素が回らなくなり、そのまま窒息死した。
タック・ラベル (たっくらべる)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属していた宇宙飛行士の1人。2023年、ブライアン・ジェイらとともにCES-43ミッションの月面調査任務を終えた後、地球に帰還する際に帰還船のパラシュートが開かないというトラブルに見舞われて着陸に失敗し、死亡した。のちに、チーム「ジョーカーズ」のメンバーであるベティ・レインの夫であったことが明かされる。
ロビン・ブラウン (ろびんぶらうん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士の1人で、伊東せりかや北村絵名と同じチーム「クローバー」のコマンダー。ISS(国際宇宙ステーション)での滞在任務をこなすCTV-28ミッションに任命された。
ダグ・ホワイト (だぐほわいと)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士の1人で、伊東せりかや北村絵名と同じチーム「クローバー」のサブコマンダー。ISS(国際宇宙ステーション)での滞在任務をこなすCTV-28ミッションに任命された。ソフトモヒカンのような髪型に、長いまつげを生やしたパッチリした目元が特徴。オネエ言葉で話す。
マルコム・エルキン (まるこむえるきん)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士でボルツのメンバーである男性。先に月面ミッションに備えた訓練を行っていた「ジョーカーズ」の面々を差し置いて、CES-66ミッションのプライムクルーの1人に選ばれている。なお、作中に名前が出てくるのは月面ミッションに任命された時が最初だが、実は前々から姿は登場済み。 登場時はだいたい人を小馬鹿にしたり、下に見る発言が目立つ悪趣味な性格の持ち主。
クリステンホルム、ドミドレ
訓練を長期間無断で欠勤したカルロ・グレコに代わり、ジョーカーズの一員としてCES-66ミッションに任命されたモッシュ・ベルマーの元同僚たち。なお、彼らのチームは「パーフェクツ」と呼ばれていたが、クリステンホルムは「モッシュのいないパーフェクツなんて全然パーフェクトじゃない」と離脱を嘆いていた。彼らはチームメンバーとしてモッシュと心が通じあっており、はたから見ればまったく変わらないモッシュの微細な表情の変化にも気づくことができる。
マイケル・エアロフ (まいけるえあろふ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属していた宇宙飛行士の1人。2023年、ブライアン・ジェイらとともにCES-43ミッションの月面調査任務を終えた後、地球に帰還する際に帰還船のパラシュートが開かないというトラブルに見舞われて着陸に失敗し、死亡した。死亡直前の帰還船内の映像はNASAやJAXA(宇宙航空研究開発機構)にも残されており、映像内では、死ぬ前にやり残したことがたくさんあったと嘆きつつも、アメリカの連続ドラマ『ラスト・ワールド』シーズン2の6話以降を見ていないと発言するなど、なんとか周囲を和ませようとする男気を見せる。
ハミルトン
AQ-ⅡでNEEMO訓練を行う宇宙飛行士たちを技術支援する潜水技術者。金髪のモヒカンにハの字に垂れ下がった眉、口の周りに髭を蓄えた特徴的な容姿をしている。穏やかな性格の持ち主だが、海の生物には愛情を超えた感情を持っており、そのことになると途端に情熱的に語りだす一面を持つ。
ジョージ・ラブ (じょーじらぶ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する宇宙飛行士の男性。南波六太たちがNEEMO訓練を開始した際、先んじてAQ-Ⅱで訓練を開始していた。南波日々人や紫三世、ローリー・クオモら宇宙飛行士22期生、通称「モンスターズ」の同期生でもある。NASAでさまざまなトラブルを引き起こしている六太のことを宇宙飛行士23期生の愛称になぞらえて「アンツの中のはみだしアリ」と喩え、また日々人がパニック障害を発症したことにも言及して、厳しい指導を行った。
ロナルド・クーパー (ろなるどくーぱー)
かつてNASA(アメリカ航空宇宙局)に在籍していた宇宙飛行士の1人。ジェーソン・バトラーの6歳下の後輩で、バトラーの控えもよく勤めていた。T-38というジェット機の飛行訓練中に事故を起こし、それ以来PTSDを発症。空にすら上がれなくなった。1年半治療を続けたが、症状が改善しないことを悲観し、宇宙飛行士を退任する。
オリビア
NASA(アメリカ航空宇宙局)で働く女性医師。ロシアで秘密裡にパニック障害克服訓練を行っていた南波日々人が、それを見透かされてNASAに帰って来た際、ローリー・クオモに頼まれて、ともにNASAでの克服訓練に立ち会うことになる。
APO (あぽ)
南波日々人がヒューストンの自宅で飼っているオスのパグ。左前脚の付け根にハート型の模様があるのが特徴。「DOG YOU」のホットドッグとサツマイモの皮が大好物という珍しい食癖を持っている。わりと誰にでもよくなつ不用心な性格であり、南波六太や両親などに預けられた時も特に騒ぐことはなく、それどころかホットドッグを持っていたデニール・ヤングに普通についていったりもしている。 とはいえ、決して知能が低いわけではなく、毎朝目覚まし代わりに日々人や六太を起こしに来たり、アニメの「プリティ・ドッグ」が始めるとテレビに釘付けになるなど、一定の分別はわきまえている様子。
オジー・スミス (おじーすみす)
ヒューストンで南波日々人の家の隣に住む老齢の男性。禿げ上がった頭にちょび髭を生やし、細身の体をしている。NASA(アメリカ航空宇宙局)の訓練などで家を空けがちな日々人に代わって、APOの面倒を見るなど、隣人として以上に親密な関係を築いており、日々人から南波六太の話も聞いていたため、六太とも初対面ですぐに打ち解ける。 気さくで面倒見が良く、明るい老人だが、ギャンブル好きなのが玉に瑕で、何かにつけて誰かと賭けをしようとする。なお妻と2人暮らしをしており、妻の名前はオバー・スミス。
溝口 大和 (みぞぐち やまと)
南波六太と同じく宇宙飛行士選抜試験を受験した28歳の男性。鼻筋の通った顔に強い意志を感じさせる大きな瞳が特徴。第2次審査の体力試験では、ルームランナーで16分22秒走りきる体力を見せ、審査を通過。第3次審査では真壁ケンジらと同じB班に振り分けられる。才気に優れ、自分から進んでリーダーシップを取ろうとするものの、自分の主張する意見が通らないとたちまち不機嫌になる未熟な一面がある。
手島 有利 (てしま ゆうり)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、真壁ケンジらと同じB班に振り分けられた男性受験者。受験当時で30歳。鷲鼻で左目の下に大きな泣きぼくろのある気弱そうな風貌を持つ。見た目に違わず繊細な心の持ち主であり、選抜試験用に作られた窓のないバスの中では貧乏ゆすりをして気を紛らわそうとし、第3次審査直前にCES-43ミッションのブライアン・ジェイらの事故映像を見せられ覚悟を問われた際も、タバコを吸いながら最後まで審査を受けるサインをしようとしないなど、優柔不断な性格の持ち主。 しかし、第3次審査の閉鎖空間内でのテストではB班の中では一番の好成績を収めた。このことから第3次審査をパスするものの、宇宙飛行士になるのではなく、地球外生物のロマンを追う研究者になりたいという願いから、最終面接を辞退した。 なお、名前は同じく宇宙研究者である父親からユーリ・ガガーリンにちなんで付けられたもの。
富井 竜之介 (とみい りゅうのすけ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、真壁ケンジらと同じB班に振り分けられた男性受験者。受験当時で25歳と最年少で、細い目と厚い唇を持つ独特の風貌が特徴。あまり他人と積極的に会話するタイプではなく、暇さえあればルービックキューブをいじっているという個人主義者。受験者の中で最年少だからと遠慮している部分もあるが、実は宇宙に対して強い情熱を持っており、促されると独自の宇宙観を達者に話し出す芯の強い部分もある。
森嶋 茂雄 (もりしま しげお)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、C班に振り分けられた男性受験者。受験当時で40歳。ボサボサの髪に口ひげを蓄えた顔が特徴。非常に調子の良い人物で、野球選手の長嶋茂雄と名前が一文字違いであることを自己紹介のネタにしている。第3次審査を終えた後、C班から最終面接へ進む2名のうち1名として選ばれる。
清水 早苗 (しみず さなえ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、C班に振り分けられた女性受験者。受験当時で36歳。ショートヘアの髪型に鼻筋の通った端正な顔つきを持つ。第3次審査を終えた後、C班から最終面接へ進む2名のうち1名として選ばれる。
C班の男性受験者 (しーはんのだんせいじゅけんしゃ)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験第3次審査で、C班に振り分けられた男性受験者たち。山下剛(やましたつよし)、丸宮順(まるみやじゅん)、増田大貴(ますだだいき)の3人。それぞれ一様に特徴的な顔つきをしているものの、特に目立った描写がなく、また第3次審査の後の面接に進むことなく離脱。その後は登場していない。
沢木 (さわき)
南波六太と同じくJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験を受験した男性。真壁ケンジによればまだ20代と若く、第2次審査の体力試験では、ルームランナーで15分31秒走りきる体力を見せる。審査では主に溝口大和と行動をともにし、六太にも話しかけてくるが、南波日々人というすでに宇宙飛行士である身内がいるのだから試験内容も知っているのだろうと思い込み、あまり好意的な態度を取ることはなかった。 なお、第2次審査をパスすることができず、それ以降登場していない。
青竹 フミ (あおたけ ふみ)
南波六太が受けた宇宙飛行士選抜試験で出会った女性。第1次審査を通過し、第2次審査まで残っている。南波日々人の大ファンであり、兄弟であることを知ると、六太に日々人のサインをねだった。なお、のちに六太から日々人のキスマーク付きのサインを受け取るものの、キスマークは六太が付けたものである。
イヴァン・トルストイ (いゔぁんとるすとい)
ロシアの国営企業ロスコスモスに所属する宇宙飛行士。848日というISS(国際宇宙ステーション)滞在最長記録を誇る宇宙飛行士であり、世界的に有名な人物。特にロシア国内では英雄として崇められており、人気も高い。南波日々人が月から帰還し、パニック障害を患ってしまった際、吾妻滝生に紹介され、イヴァンのもとを訪れてパニック障害克服の訓練に付き合ってもらうことになった。 宇宙飛行士としては紛れもなく一流だが、平時の性格は冗談と酒が好きなただのおじさん。日々人のことを「ヒビチョフ」と呼び好意的に受け入れてくれる。
オリガ・トルスタヤ (おりがとるすたや)
イヴァン・トルストイの娘。母親譲りの大きな瞳に厚い唇が色っぽい女性。身長は高く、身なりや態度も大人びて見えるが実はまだ15歳。Mr.ヒビットの大ファンであり、そのモデルとなった南波日々人には恋愛感情に近い憧れを抱いている。初めて日々人に会った時は驚きのあまり挨拶もそこそこに興味のなさそうな態度を取ったが、内心では「バヤイ(ヤバイ)」とかなり焦っていた。 特技はモダンバレエで、バレエの公演では主演を務めるほどの実力を誇る。なお、父親の名字が「トルストイ」で、娘が「トルスタヤ」であるのはロシア語の英語発音と現地発音の表記揺れと思われる。
エミーリア
イヴァン・トルストイの妻。ぱっちりとした大きな瞳を持ち、ふくよかな体型をした女性。イヴァンいわく「昔は美人だった」とのことだが、本人に言わせると「昔は美人で、今は超美人」だという。過去にバレエをやっていた経験があり、オリガ・トルスタヤにも指導を行っていた。
オレグ・ボルシュマン (おれぐぼるしゅまん)
ロシアの国営企業ロスコスモスで宇宙飛行士室長を務める男性。過去にも室長を務め上げていたが、家族の事情でモスクワを離れることになり、ガザエフ室長に後任を譲っていた。しかし、モスクワに戻って来たことで再任を果たす。厳格だと言われるガザエフ室長よりもさらに厳しく責任感の強い男性。また一度決めたことを譲らない性格であり、南波日々人がロシアで宇宙飛行士を目指す条件として、知己であるイヴァン・トルストイとその家族への接触を禁じたうえ、ロシアの英雄であるイヴァン本人がそれに抗議をしても曲げることはなかった。
マクシム・ウルマノフ (まくしむうるまのふ)
ロシアの国営企業ロスコスモスに所属する宇宙飛行士で、プロフィでは南波日々人の隣の部屋に住む。引っ越しの挨拶に洗剤を持って訪れた日々人のことを、文化の違いから「突然、人の部屋に来て洗剤を押し付けてくる気味の悪い男」と捉えており、またNASA(アメリカ航空宇宙局)にいられなくなったからロシアを選んだのだろうと最初は日々人のことを蔑み、事あるごとに難癖を付けては変なあだ名を付ける。 しかし、一度酒を酌み交わしてからは、日々人が過去にパニック障害を患ったことを周囲に隠すなど気遣いのできる男性。口は悪いが仲間思いで性格は良い。
フランツ
ツーブロックの独特な髪型が特徴の、ロシアの国営企業ロスコスモス所属の男性宇宙飛行士。南波日々人やマクシム・ウルマノフと同じく月面探査宇宙飛行士候補生。明るく人当たりの良い性格で、ロシア伝統の訓練を苦もなくやり遂げた日々人に対して、初対面ながら賞賛の言葉を送ったりしている。宴会の持ちネタとしてロシア伝統の小噺を度々披露するが、本人が得意としているだけでだいたいスベる。
ナタリア
ロシアの国営企業ロスコスモスで南波日々人の通訳兼サポートを担当する女性。ロシア語と英語に堪能であり、日本語も日常会話程度ならこなすことができる。ロスコスモスにおける日々人の居住地であるプロフィを案内してくれる。
金子 進一 (かねこ しんいち)
金子シャロンの夫で天文学者。シャロンと出会って意気投合し、プロポーズの際には、小惑星を発見して「シャロン」と名付けることを約束。結婚後2年でその約束を果たした。しかし、結婚から4年後、まだ南波六太たちが子供の頃に死没してしまう。照れ屋でシャイだが、シャロンを愛する心優しい人物だった。
田村 (たむら)
金子シャロンの助手を務める女性。南波六太や南波日々人が子供の頃からシャロンの助手をしており、南波兄弟の素顔もよく知る人物。シャロンが難病である「ALS」に侵されてからもそばにおり、その生活をサポートしている。
ダニエル・モリソン (だにえるもりそん)
ハワイ大学で天文学を研究している天文学者であり、その世界における世界的な権威。金子シャロンの提唱した月面望遠鏡建設計画に興味を示し、協力者となる。シャロンの夫である金子進一と同じく、自身が発見した小惑星に妻の「シノーラ」という名前を付けたことがある。
レオナルド
ダニエル・モリソンの助手を務める恰幅の良い体型の男性。どこか少し抜けた感じのする人柄であり、ダニエルの言葉に過剰反応してみたり、余計な一言を挟んだりしては、「お前は黙っとれ」とダニエルにあしらわれるやり取りが定番。
ケリー
金子シャロンの妹。「ALS」を発症し、徐々に筋力を失っていくシャロンをサポートするため、同居している。なお、シャロンが提唱した月面望遠鏡建設計画の打ち合わせをするためにダニエル・モリソンが訪れた歳、その助手のレオナルドに「姉妹2人とも美人」と言われている。
五月蝿 静 (さつきばえ しずか)
上下ジャージ姿にサングラスをかけ、首元にホイッスルを下げた出で立ちをした中年男性。いつでも口角のつり上がったニヤけ顔をしている。実はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員で天文学者だが、見た目で判断されることを嫌っており、わざとジャージ姿で過ごしているという。金子シャロンの「シャロン月面天文台」建設に協力しており、「ALS」の症状で体の自由がきかないシャロンに代わり、ダニエル・モリソンらとともに計画を進める。
伊東 凛平 (いとう りんぺい)
伊東せりかの父親。医者であったが自身が「ALS」にかかってしまい、せりかが14歳の頃に亡くなっている。あまり口数は多くなかったが、大事なことはしっかりと教える良き父親で、せりかの尊敬する父親だった。なお、生前にせりかをつれてJAXA(宇宙航空研究開発機構)を訪れた時に、展示されている宇宙服のヘルメットに自分の顔を映し「こうすると自分が宇宙飛行士になったような気がする」と言うような無邪気な部分があり、のちに南波六太が同じ行動をしていたことでせりかが父親を思い出す一面がある。
真壁 ユキ (まかべ ゆき)
真壁ケンジの妻。娘を持つ父親として安定した生活を心がけるケンジの思いを知りつつ、ケンジが宇宙に憧れていることを知っており、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験を受けるように背中を押した。このエピソードからも分かるように、ケンジとの仲は非常に良好で、夫思いの良妻といえる。ケンジが宇宙飛行士になってからは、ともにヒューストンに在住。 当初は英語が話せないことで周囲との意思疎通が図れないことにストレスを感じるも、次第に馴染んでいく。のちに第2子を妊娠して無事出産。
真壁 風佳 (まかべ ふうか)
真壁ケンジの娘。2023年生まれでまだ幼く、初登場時にはまだろくに言葉も話せず、「頑張れ」というのを「かぺ」と発音する程度であったが、物語の進行とともに健やかに育っている。のちにケンジに2人目の娘が生まれることになった際、「あん」と名付ける理由の一端を作った。
真壁 安 (まかべ あん)
真壁ケンジと真壁ユキの間に生まれた2人目の娘。2028年12月28日生まれ。名前の由来は、姉である真壁風佳に名前のアドバイスを求めたところ、出産直前に読んでいた絵本のタイトル「あんころちゃんとわたし」から「あん」を連想したこと、またケンジが任命されることになった小惑星探査ミッションの対象小惑星名が「314225AN41」であり、「AN」が入っていたことに由来する。
リック・ターナー (りっくたーなー)
ビンセント・ボールドやピコ・ノートンの幼なじみ。1984年4月1日、ミネソタ州ポットヒル生まれの少年。子供の頃にはビンセントやピコとともに宇宙を目指し、ピコの作った宇宙船にビンセントが宇宙飛行士として乗り込み、リック・ターナーが管制官としてそれをサポートするのが共通の夢であった。明るく前向きで、夢に向かって全力で生きていたが、ある日ビンセントやピコが、親や大人たちから宇宙飛行士を諦めるように言い聞かされたことをきっかけに仲違いする。 そしてその直後、リックの乗った車が交通事故を起こし、わずか18歳の若さで帰らぬ人となった。
カール
ロサンゼルス在住の少年。その姿が描かれたことはないが、ヒューストンで流れる「モーニングレディオのQ&Aコーナー」に質問を投稿しまくっており、度々質問が取り上げられてはDJにアドバイスをもらっている。なお、物語の時間進行とともに順調に歳を重ねており、番組が仕込んだ架空の人物ではない様子。
新田 カズヤ (にった かずや)
新田零次の弟。少年時代には零次を超える宇宙の知識を持ち、憧れを抱く、何の変哲もない少年だった。零次はそんなカズヤに影響を受け、いつしか宇宙飛行士になろうと思ったと打ち明けている。しかし、カズヤはなんらかの理由で大学を中退。その後アルバイトなどをしても続かず、現在は2年にわたる引きこもり生活に突入してしまっている。 零次によれば、普段は大人しいが癪に障ったことがあると途端に豹変し、物を投げたり、壁を殴るなど攻撃的な性格になってしまう。また引きこもりの理由を聞いても「自分にも分からない」と応えるのみであるという。ちなみに、零次が南波六太のことをライバル視し、南波日々人という優秀な弟を必要以上に持ち上げるのは、自分とカズヤの関係に対して、あまりに南波兄弟が羨ましいからだったと語っている。
間寺 (まてら)
南波六太の元職場であるミラクルカーコーポレーションの役員。六太の前で南波日々人の悪口を言ったことで頭突きを食らい、六太を退職に追い込んだ人物。また六太をクビにした後も、同業他社にまで根回しをして六太を採用させないようにしたばかりか、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から六太の退職の理由について問い合わせがきた際も、ボロボロにこき下ろすなど徹底した嫌がらせを行った。 なお、のちに再登場した際は宇宙飛行士になった六太に対し、またもとんでもないことを言い出すが、逆にまんまと言いくるめられ、依頼された仕事をほぼ無料同然で請け負うことになる。娘が1人おり、娘は新田零次の大ファン。
消火器男 (しょうかきおとこ)
ヒューストンに現れた連続強盗犯。消火剤を店員に噴射し、その隙に金銭を盗むという手口から「消火器男」と呼ばれ、各地で犯行を繰り返していた。ところが新たな犯行に及んだ際、たまたま同じ店にいた南波六太に取り押さえられてあえなく御用。六太はこれによってアメリカのテレビ番組に出演し、注目を集めることになった。なお逮捕された時の服装は、シマシマ模様のニット帽にボロいスニーカーという出で立ちだった。 その店で一番高い肉を食べているところを六太に観察されており、不思議に思われていた。
太田 (おおた)
南波六太らが宇宙飛行士選抜試験を受けた時点で、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の2代前の理事長だったとされる人物。六太が真壁ケンジと選抜試験の予習をしている際の会話の中にのみ登場した。ケンジの説明によれば、28年間、JAXAで衛星の設計に携わった人物であったというが、プライベートでは宇宙とは関係のない鉄道模型を作るのが趣味で、しかも貨物車専門のオタクだったことが明かされている。
学生バイト (がくせいばいと)
その昔、閉鎖環境下における人物の精神への影響を見るためにJAXA(宇宙航空研究開発機構)が行った実験で、公募されてアルバイトとして選ばれ、閉鎖ボックス内で一定期間を暮らすことになった普通の大学生。閉鎖ボックス内での生活は10日間が予定されていたが、8日目に突入した頃、茄子田シゲオいわく「テンションがちょっとおかしくなってしまい」、監視カメラに向かって臀部を露出して叩くといういわゆる「おしりペンペン」の奇行に走ってしまった。 このことで実験は中止。一般的な人間でも閉鎖環境下ではどうなるか分からないという例として紹介された。
塩川 (しおかわ)
テレビで活躍している女性キャスター。辛口コメントが売りで、視聴者からの支持率も高い。宇宙開発に莫大な予算が割かれている一方で目立った科学的成果がないことをニュースで取り上げ、無駄であると持論を展開して話題を呼んだ。これに因んで宇宙飛行士選抜試験の第3次審査では、宇宙開発の正当性について塩川を納得させる抗議文を作る、という試験が課されることになった。
手島 勇吉 (てしま ゆうきち)
手島有利の父親で大学の教授を務める人物。勇吉も宇宙飛行士選抜試験を過去に3度も受けたことがあり、専門も宇宙関係。「宇宙飛行士伝説」など、宇宙に関係する著作をいくつも残している。息子の名前をユーリ・ガガーリンにちなんで「有利」と付けるほど宇宙が好きで、自然に、息子に宇宙飛行士になる夢を託すようになった。思惑通り、有利も父親の影響を受けて宇宙に興味を持つものの、本当の夢は宇宙飛行士ではなく宇宙研究者になること。 しかし、厳格な父親の夢を崩す事ができず、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験に挑むことになった。のちに有利が選抜試験の最終面接を辞退したという報告を受け、彼のもとを訪問。その真意を知ることになる。
アスパラガス嫌いの少年 (あすぱらがすぎらいのしょうねん)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験3次審査終了後、サンタクロースに扮するバイトをしていた南波六太と記念撮影会を行った少年。サンタに扮した六太に、この世からアスパラガスを消してほしいという願いをかける。なお六太がこれを了承するとついでにセロリも消してほしいと欲をみせた。
ジョニー
フレディ・サターンの弟であり、ティムとマットの父親。見た目は紳士然としたフレディとは異なり、長い髪をツンツンに立ち上げ、丸いサングラスをかけたパンクな格好をしている。宇宙飛行士である兄を心から尊敬しており、これまでのロケット打ち上げには毎回足を運んでいる。そしてその度に兄の勇姿をカメラに収めようとするものの、毎回のように感動でカメラを持つ手が震えるため、一度としてまともに撮影できた例がない。
ティム
南波日々人が月へ行くCES-51ミッションの打ち上げイベントに参加したモヒカンの髪型が特徴的な男の子。その見た目とは裏腹に礼儀正しく宇宙の知識に長けている。ガイドとして打ち上げロケットの紹介をしていたジェニファーから質問を受けると、模範解答を返したうえでさらに専門的な質問をするなど、ジェニファーのお株を奪ってしまう。 このことで気分を害したジェニファーには質問に答えてもらえず「答えが知りたいならwikiで検索しろ」と冷たい言葉を投げかけられる。ちなみに後で判明するが、ティムが宇宙のことに詳しいのは、CES-51ミッションのクルーのリーダーであるフレディ・サターンの甥であるせいである。
マット
フレディ・サターンの甥の1人で、ジョニーの息子、ティムの弟。まだ小学生程度と思われる小さな子供だが、父親の影響か、髪をツンツンにかためて鋲付きのレザージャケットを羽織ったパンクな格好をしている。言葉の枕に「クソ~」を付ける子供ならではの乱暴な言葉づかいにハマっており、汚い言葉を使う度にティムから叱られている。 CES-51ミッションに臨むメンバーを乗せたアレスⅠ打ち上げ直前、南波六太が目を離した隙に、鎖で繋いで逃げないようにしていたAPOを発見。「自由になりたいんだろ」と言葉を投げかけ鎖を解いてしまう。
アラン・クウェラー (あらんくうぇらー)
ダミアン・クウェラーの子供で、まだ幼い小学生程度の小さな男の子。同じクルーの付き合いで家に招待した南波日々人と意気投合し、まるで兄弟のようにべったりとなついていた。なお、故人であるブライアン・ジェイとも親交があり、ブライアンからもらった「ダース・ベイダー」のフィギュアを宝物にしている。そのダース・ベイダーのフィギュアを含め、なぜかクリスマスツリーに悪役を飾ろうとする変な好みがある。
ティッシュ太郎ズ (てぃっしゅたろうず)
日本で人気のお笑い芸人コンビ。「ニャンボ」と言いつつ変なポーズを決める一発芸が持ちネタ。南波兄弟の両親はこの2人の漫才が好きで、お笑いライブのDVDも所有している。
海人 (うみんちゅ)
カムバックコンペティション'26に出場した日本人技術職の男性。背中に大きく「海人」と書かれたTシャツを着ていることから、南波六太らにそう呼ばれる。コンペでは他を圧倒する驚異的な技術力を見せ、見事1位を獲得した。実は日本の民間企業である株式会社スイングバイの社員であり、六太とともにJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験を受けた福田直人の部下。
ヒビット
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場する、南波日々人をモデルにしたウサギのキャラクター。日本ではアニメが放送されるや子供を中心に絶大な人気となり、一躍国民的アニメキャラクターに成長した。勇気溢れる元気なキャラクターで、「イエーイ」というのが口癖。
フレディドッグ
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場するキャラクター。南波日々人が月面に行った時のCES-51ミッションのクルーであるフレディ・サターンをモチーフにしており、口ひげを生やした精悍な顔をした犬のキャラクターとして描かれる。豊富な経験と統率力を持つまとめ役。
ダミアンホーク
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場するキャラクター。南波日々人が月面に行った時のCES-51ミッションのクルーであるダミアン・クウェラーをモチーフにした、鷹のキャラクター。高い技術力を持つ。
バディゴリラ
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場するキャラクター。南波日々人が月面に行った時のCES-51ミッションのクルーであるバディ・ウォーターズをモチーフにした、ゴリラのキャラクター。モチーフとなった人物同様、筋力に自信がある。
レッサーリンダ
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場するキャラクター。南波日々人が月面に行った時のCES-51ミッションのクルーであるリンダ・クリフをモチーフにした、レッサーパンダのキャラクター。豊富な知識を持っている。
カレンキャット
作中アニメ「Mr.ヒビット」に登場するキャラクター。南波日々人が月面に行った時のCES-51ミッションのクルーであるカレン・ジョーンズをモチーフにした、猫のキャラクター。医療技術に長けているという設定。
スヴ・タキーユ (すゔたきーゆ)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する男性宇宙飛行士。プライベートで日曜大工を行い、宇宙船の飾りを自宅の屋根に取り付けようとしたところ、転落し腰を打って全治2週間の怪我を負った。このことが、南波日々人がスーパーバイザーに就任した「安全スーパーバイザー危機管理運営会議」で明らかになり、その対策について話し合われた。 なお、スヴは日々人と同じく宇宙飛行士22期生であるが、特に面識はない様子。
チャン・テイシー (ちゃんていしー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)に所属する男性宇宙飛行士。プライベートで趣味のエレキギターを演奏中、ストラップが切れてギターを足の甲に落としてしまい、中足骨を骨折。全治3か月の怪我を負ったことが「安全スーパーバイザー危機管理運営会議」で明らかにされた。なお本人は、怪我よりも落としたヴィンテージのギターに傷がついたほうが痛いと語っていたという。
トミー・ジェイ (とみーじぇい)
エディ・ジェイの息子で大学生。趣味でメタルバンドを組んでおり、時に「開校記念日で休みだから」といって大学を休んでバンドの練習をするほど打ち込んでいる。バンドでは楽曲の作詞も担当しており、エディに新作の歌詞を見てもらうなど親子仲は非常に良い様子。なおバンドの新曲である『血まみれの魂』の歌詞を観てもらった時には、エディから『血みどろの魂』のほうが力強いというアドバイスをもらい感動。 父親のセンスをリスペクトしている。
クリス・レイン (くりすれいん)
ベティ・レインとタック・ラベルの間に生まれた男の子。タックを事故で亡くした時点で3歳、ベティがCES-62ミッションに任命された時点で8歳になる。ベティは当初、父親を宇宙船の事故で亡くしたことがクリスのトラウマになるのではないかと危惧し、一時期宇宙飛行士を辞めていたものの、他ならぬクリスが宇宙に興味を持ち始めたこと、そのクリスから激励を受けたことで、再度宇宙を目指すことを決心する。
ベリンダ・ボールド (べりんだぼーるど)
ビンセント・ボールドの妻。せっかちで神経質なビンセントとは違い、非常に明るく温和な性格をしている。ビンセントとは長い夫婦生活の末にツーカーの仲になっており、ビンセントに呼びかけられるだけで何を求めているのか理解し、行動に移すことができる。これにより、ビンセントのチェスの相手をすると先が読めてしまうため、彼の顔を立てるためにわざと負けることもあるという。
アンソニー・ボールド (あんそにーぼーるど)
ビンセント・ボールドの息子。初めてビンセントの家に行った南波六太がその姿を見て「ビンセントさんが小さくなった」と勘違いするほど父親似の容姿をしている。感情を表に出さない表情や知的好奇心が旺盛なところも父親似。だが、ビンセントが不在の際は、母親に「父親に禁止されている食べ物が食べたい」と言うなど、欲望に忠実な子供らしい一面もある。
大沢 厚 (おおさわ あつし)
製薬会社「大沢製薬」に所属する男性医師で、主に「ALS」の研究に携わっている。宇宙飛行士になる前の伊東せりかの先輩にあたり、せりかがISS(国際宇宙ステーション)のミッションに任命されたことを受け、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を通じて正式に研究協力を依頼する。この時、面識のあったせりかに研究資料を渡すために、街角のカフェテラスで資料のやり取りをした場面を黒川に目撃され、せりかの裏取引問題のネタにされてしまう。
黒川 (くろかわ)
製薬会社「池内製薬」に務める会社員の男性。ISS(国際宇宙ステーション)への搭乗が決まった伊東せりかとその付き添いである羽賀翔子に、自社の新薬開発を依頼するものの、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「特定の製薬会社に利益が生じる取引は原則禁止」という規定により、断られてしまう。この際、せりかとライバル製薬会社である「大沢製薬」の大沢厚が打ち合わせをしている現場を目撃。 自分の依頼を断ったのに他社と取引をしていると逆恨みし、インターネットやマスコミに情報をリーク。せりかの悪評を高めるべく暗躍する。
オーウェン・パーカー (おーうぇんぱーかー)
ヒューストンにあるバー「OUTPUT TAVERN」の店主を務める中年男性。現在こそバーの店主をしているが、過去にはNASA(アメリカ航空宇宙局)でさまざまなプロジェクトに携わった経験のある人物で、ウォルター・ゲイツの1年先輩にあたる。チャレンジ精神旺盛で部下からの信頼も厚かったが、1人の部下がプロジェクトの進行中に失踪し、多額の損失を出した責任をとって日陰部署に追いやられ、そのまま辞任。 その後、火事によって倒壊した「OUTPUT TAVERN」を買い取って再建し、自身がマスターになって宇宙関係者のオアシスになるような店作りを目指している。
笑川 賢太郎 (えみかわ けんたろう)
株式会社スイングバイおよびその親会社である株式会社BYPの代表を務める43歳の男性。目を大きく見開いた表情が特徴で、福田直人からは「眼光が鋭い」と評されている。眼力だけではなく強い信念を心に秘めた熱い人物で、日本初の民間有人ロケットの開発や、民間宇宙飛行士(コムノート)を活躍させるべく、各方面の技術者をスカウトして回っている。
門村 忍 (かどむら しのぶ)
株式会社スイングバイに所属し、民間ロケット「FUJI」の開発プロジェクトチームの一員を務める51歳の男性。後ろになでつけたオールバックの髪に、ちょび髭を生やし、高く尖った鼻に細く鋭い目つきを持っている。代表の笑川賢太郎とともに有人ロケット開発の協力者を探しているが、なかなか思うように人材が見つからず、その理由が自分の強面のせいなのではないかと懸念している。 なお見た目に反して性格は穏やかで、他人に気配りのできる良い人。
来栖 質文 (くるす ただふみ)
株式会社スイングバイでロケットの緊急脱出システム開発部の部長を務める52歳の男性。同僚の門村忍とは逆に、穏やかな顔つきをしているが、思ったことを素直に口に出すはっきりとした性格。門村に「自分の顔は怖いでしょうか」と聞かれた時も「十分怖い、口ひげがチンピラっぽい」と辛口な評価を下した。
ジョン・アーチャー (じょんあーちゃー)
株式会社スイングバイの民間宇宙飛行士(コムノート)試験を受けた44歳の男性。元NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士だったが、脚に怪我を負ったことを理由に退職。しかし宇宙への情熱を捨てきれず、再トライしたいと試験を受けた。日本人の女性と結婚しており、現在は日本在住。日本語も達者で「ヤバァイ」など砕けた言葉も話す。 宇宙飛行士時代にはISS(国際宇宙ステーション)への飛行経験を持つ。
菅原 五郎 (すがわら ごろう)
株式会社スイングバイの民間宇宙飛行士(コムノート)試験を受けた49歳の男性。ISS(国際宇宙ステーション)の「きぼう」モジュールの電気系プロジェクトに携わった経歴を持つ人物でISSの機械系に詳しい。コムノート試験ではその経歴が高く評価されている。
対馬 新 (つしま あらた)
株式会社スイングバイの民間宇宙飛行士(コムノート)試験を受けた34歳の男性。現職は航空宇宙工学科の准教授を務めている。スイングバイの審査員からイケメンと評されるほど爽やかで整った容姿の持ち主。
五十嵐 寿 (いがらし ことぶき)
株式会社スイングバイの民間宇宙飛行士(コムノート)試験を受けた35歳の男性。軽くパーマのかかった長い髪に濃い眉毛と厚い唇を持つ個性的な容姿が特徴。容姿だけではなく、どんなことでも自分にとって好意的に前向きに考える独特な思考の持ち主。受験の審査員たちからも「独特のオーラがある」と言われていた。
馬場 奈々美 (ばば ななみ)
株式会社スイングバイの民間宇宙飛行士(コムノート)試験を受けた26歳の女性で、馬場広人の娘。JAXA(宇宙航空研究開発機構)で宇宙服の開発に携わっている父親と同じく、自身もJAXAで働いており、主にISS(国際宇宙ステーション)用メンテナンスロボットの開発などに携わっている。関西弁を話し、非常に元気で明るい性格の持ち主。 名前に「ばなな」が入っているからそう呼ばれるというのを自己紹介の掴みにしており、誰に対しても気さくに話しかける。試験で初めて出会った古谷やすしとは、父親と同じ職場で働いていること、同じ関西人であること、身長が同じ156センチであることを理由にすぐに打ち解ける。
たぶさん
伊東せりかの地元にあるよっこい商店街でコロッケ専門店を営む初老の男性。耳たぶの大きな福耳の持ち主で、本名は「多部」だが、「たぶさん」という愛称で親しまれている。1日にコロッケ2000個を売る人気店を育て、店の前に「バカ売れ御免」というのぼりを立てるのが夢だったが、せりかがまだ幼い頃は経営が芳しいというわけではなかった。 しかし、せりかを含む伊東家がたぶさんの作るコロッケが大好物であることを聞き、せりかの何気ないアドバイスからハート型のコロッケを考案。看板メニューにすることで自身の夢をかなえることができた。
リベリオ・ゴッティ (りべりおごってぃ)
イタリアシチリア島に拠点を置くイタリアンマフィアのボスであり、カルロ・グレコの実の父親。カルロは16歳の頃に家を飛び出してから、父親と一切連絡を取り合っていなかったが、宇宙飛行士になったことなどは部下のサンドロが伝えていた。ジョーカーズが正式に月面ミッションに任命され、訓練が始まった頃に、余命宣告を受けるほどまでに体調が悪化。 これを見かねた部下のサンドロがカルロを呼び戻し、数十年ぶりに息子と対面する。なお、リベリオ・ゴッティは偽名であり、本名は「レオ・グレコ」。
サンドロ
リベリオ・ゴッティ率いるマフィアファミリーで幹部を務める男。カルロ・グレコが子供の頃からリベリオの右腕として働いており、本人よりもリベリオのことをよく知っているとまで言わせる男。リベリオの正体について薄々感づいていながらもその人柄に魅せられ、誰よりも深く信頼し、尊敬の念を傾けていた。
エンリコ・ドナート (えんりこどなーと)
イタリアのマフィア捜査本部に所属した男性。1993年9月30日に、リベリオ・ゴッティこと「レオ・グレコ」と2人で、警察内部にも極秘のマフィア潜入任務を開始した。しかし、その極秘任務の遂行中、何者かによって殺害された。
宍戸 レミ (ししど れみ)
日本ALS協会に所属するヘルパーの女性。「ALS」患者の身の回りの世話を担当している。明るく笑顔を絶やさない性格で礼儀正しいが、金子シャロンのことを「シャーさん」という愛称で呼び、初対面の南波六太の前で思わず口にするなど、抜けたところもある。
幸田 (こうだ)
「ALS」を患っている成人女性。同じ病気の患者である金子シャロンと日本ALS協会を通じて知り合い、そのつてで「一度本物の宇宙飛行士に会いたい」と、田井らとともに、南波六太に会うためJAXA(宇宙航空研究開発機構)まで駆けつけた。現在は瞼と口元しか動かせない程度まで病状が進行しているが、決して悲観的にならずに日常的に軽口を叩くほど前向きな性格の持ち主。
田井 (たい)
「ALS」を患っている成人男性。同じ病気の患者である金子シャロンと日本ALS協会を通じて知り合い、そのつてで「一度本物の宇宙飛行士に会いたい」と、幸田らとともに、南波六太に会うためJAXA(宇宙航空研究開発機構)まで駆けつけた。口ひげを蓄え精悍な顔つきをした男性で、礼儀正しい性格。
空 (そら)
日本ALS協会に所属するヘルパーの女性。「ALS」患者たちの身の回りの世話を担当している。宍戸レミらがシャロンを呼ぶ時の「シャーさん」という愛称を名付けた。レミのことを「ねーちゃん」と呼ぶが血縁関係にあるかは不明。
エイミー・ジェイ (えいみーじぇい)
ブライアン・ジェイの娘。母親似の褐色の肌で、大きな瞳が特徴的な美しい容姿を持つ。エディ・ジェイの月面ミッション打ち上げ前のパーティーに参加し、ブライアンの写真を持ってくる。南波六太とは初対面だが、面識のあった南波日々人から事前に話を聞いており、パーティーで六太に声をかけてくる。
マリアン・ジェイ (まりあんじぇい)
ブライアン・ジェイの妻。褐色の肌にパーマのかかった黒髪が特徴的な女性。エディ・ジェイの月面ミッション打ち上げ前のパーティーに参加し、南波六太と出会う。六太とは初対面だが、南波日々人を通じて話を聞いていたといい、ブライアンも会いたがっていたことを六太に伝えた。
集団・組織
ジョーカーズ
ビンセント・ボールドたちCES-63メンバーのサブクルーである、南波六太たちのチームを表す愛称。メンバーは、エディ・ジェイをチームリーダーとして、フィリップ・ルイス、アンディ・タイラー、カルロ・グレコ、ベティ・レイン、六太の5人。エディはともかく、それぞれに一癖も二癖もあるメンバーばかりを寄せ集めたチームであり、その面子を見たピコ・ノートンが、はぐれ者ばかりであることから「ジョーカーズ」と名付け、その名が定着した。
アンツ
南波六太たち、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士23期生全体のことを指す愛称。六太や真壁ケンジがNEEMO訓練を行った際、ジョージ・ラブから23期生がそう呼ばれていることが初めて明かされた。なお、ネーミングの由来は不明。
モンスターズ
南波日々人やアンディ・タイラーたち、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士22期生全体のことを指す愛称。ジョージ・ラブいわく、ネーミングの由来は圧倒的な存在感を持つタイラーの容姿によるものと言われている。
ボルツ
マルコム・エルキンやジョセフ・トレンスなどのメンバーで構成された宇宙飛行士チームの1つ。先に挙げた2名の宇宙飛行士は2回の宇宙飛行を済ませており、その他にも経験豊富な30~40代の宇宙飛行士たちで構成されている。シャロン月面天文台建設ミッションを開始するCES-66ミッションのプライムクルーとしては、当初は「ジョーカーズ」が選ばれるはずだったが、ウォルター・ゲイツの強い後押しにより、ボルツが任命されることになった。
クローバー
ISSでの滞在任務をこなすCTV-28ミッションに臨むメンバーたちに付けられたチームの愛称。ロビン・ブラウンをコマンダー、ダグ・ホワイトをサブコマンダーとして、伊東せりかと北村絵名を含めた4名がチームメンバー。
スウェッツ
NASA(アメリカ航空宇宙局)初の有人小惑星探査任務に任命されたチームの愛称。真壁ケンジと新田零士に、バディ・ウォーターズ、リーダーのフレディ・サターンを加えた4人がメンバーとなっている。なお、チーム名が名付けられた理由は「忍耐力があり、力強いメンバーを選んだらなんとなく汗臭くなってしまったから」。
デンバー社
宇宙開発関連企業で、同社の職員いわく「NASA(アメリカ航空宇宙局)の下請け」企業の1つ。ピコ・ノートンが所属する。主に帰還船の開発を請け負っており、ピコはこの会社における帰還船パラシュート展開システムの開発・製造のプロジェクトマネージャーを任されている。
株式会社スイングバイ (かぶしきがいしゃすいんぐばい)
笑川賢太郎が代表を務める日本の宇宙関連企業の1つ。英字表記は「Swing-by」。笑川が代表を務める株式会社BYPの子会社であり、日本初の民間有人ロケットの開発を推し進めている。立ち上げ当初、協力者や担当者をスカウトする段階で、かつて南波六太とともに宇宙飛行士採用試験を受けた福田直人と接触。部長待遇で採用し、現在は福田が所属する会社になっている。
ミラクルカーコーポレーション
2025年まで南波六太が勤めていた自動車開発会社。六太が設計・開発した車がベストカーオブザイヤーを受賞するなどしており、街角でも多くの人が同社の車に乗っている姿を見ることができる。また六太が頭突きをした同社役員は、同業他社に根回しを行って六太の再就職を阻害するほどの力を持つ。ちなみに、本社ビルの側壁には車が突き刺さったようなモニュメントがあり、非常に目立つ外観をしている。
シューリー吉原 (しゅーりーよしはら)
自動車開発会社をクビになった南波六太が、宇宙飛行士選抜試験を受けるまでの間、在籍していた修理会社。「なんでも格安修理屋」というキャッチコピーで営業を行っている。
場所
ブランブルック山 (ぶらんぶるっくやま)
月面にある山の1つ。南波日々人たちが月面での任務をこなしていた際、駆動していたギブソンの連絡がこの山の周辺で途絶えたことを受け、日々人とダミアン・クウェラーが周辺の捜索を行った。その結果、ギブソンと同様に、日々人たちも遭難してしまうことになる。
リッテンディンガー峡谷 (りってんでぃんがーけいこく)
月にある峡谷の1つで、ブランブルック山近辺に位置する。周囲を高い崖に囲まれ、谷底にいるとヒューストンはもちろん、月面基地との通信もできないほどの深さを持つ。通信の途絶えたギブソンの捜索に向かった南波日々人とダミアン・クウェラーがバギーで転落し、遭難した場所。
DOG YOU
ヒューストン周辺で営業を行っている移動型ホットドッグ専門店。APOはこの店のホットドッグが大好物であり、ここのホットドッグを持っていれば見知らぬ人にでもついて行ってしまう。ちなみに、南波六太はこの店のホットドッグを「普通にうまい」と評しているが、オジー・スミスによれば特にうまくもないという。
ぐでんぐでん
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験の第2次審査で「B班」に振り分けられた15名のメンバーたちが、第2次審査の結果を受け、合格者を祝う飲み会を開いた居酒屋。B班のメンバーは全員飲み会に出席しており、南波六太はこの飲み会で真壁ケンジの計らいにより、伊東せりかのメールアドレスを知ることになる。
試験専用バス (しけんせんようばす)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験の第3次審査で使われたバス。窓がなく、全面打ちっぱなしの鉄板で覆われたような独特の車体を持ち、運転席と座席の間にはシャッターが搭載されているため、搭乗者からは外の景色が一切見えない。また各座席上部には監視カメラが搭載されていて、搭乗者の様子が分かるようになっている。 このバスでの移動前には、茄子田シゲオから第3次審査を開始する旨が告げられていたため、真壁ケンジはすぐに監視カメラの存在に気づいている。ちなみに審査内容とはまったく関係ないが、南波六太いわく、試験の際の運転手はカツラをかぶっていた。
閉鎖ボックス (へいさぼっくす)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験の第3次審査で使われた特殊な試験施設。ダイニングキッチン、シャワールームなど生活に必要なものはそろっているが、物品受け渡し室以外は外界とは一切遮断された空間になっている。当然、窓もないが、唯一、窓枠に宇宙の壁紙が貼り付けられたそれらしいものはある。なお、用意されている食料は試験期間の2週間分きっかり。
CINEMANBOW
宇宙飛行士選抜試験第3次審査が終了した後の打ち上げを経て、街をぶらついていた南波六太が訪れた映画館。スタローン主演の『ロッキー12』と『スターシップトゥルーラブ』が公開されていた。
ちどり足 (ちどりあし)
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士選抜試験が終了し、見事合格したメンバーを祝う打ち上げで使われた居酒屋。打ち上げには合格者のほか、不合格となった福田直人や溝口大和たちも駆けつけている。
ポットヒル
ミネソタ州にある小さな町で、ビンセント・ボールドやピコ・ノートンの出身地。郊外に巨大な鉱山があり、町に暮らす者たちはほとんどその鉱山の露天掘りで生計を立てている。そういった環境特有の共通意識があり、幼い頃のビンセントやピコは、鉱夫になる以外の進路を周囲から許されないでいた。
AQ-Ⅱ (あくえりあすつー)
NASA(アメリカ航空宇宙局)の訓練で使用される施設。海底20メートルに作られた仮想月面基地であり、全部で3棟が存在する。AQ-Ⅱはその1つであり、南波六太と真壁ケンジが訓練を行った場所。
REGGAE REGGAE BAR
ヒューストン郊外にあるバー。シャロン月面天文台の建設を担う重要な月面ミッションであるCES-66ミッションに「ジョーカーズ」の面々が選ばれなかったことを受け、その対策会議を行う場所としてフィリップ・ルイスが予約した。エディ・ジェイには「関係者に会わず静かに話せる隠れ家的な店」を指定されていたにもかかわらず、店内は非常に騒がしく、大声を出さなければ会話もできないほどだった。
OUTPUT TAVERN (あうとぷっとたゔぁーん)
オーウェン・パーカーが店主を務めるバー。店主の趣味により店内には多くの宇宙飛行士の写真やアイテムが飾られており、「宇宙飛行士御用達のバー」を公言している。CES-66ミッションの再任命権をかけてウォルター・ゲイツにプレゼンを行った「ジョーカーズ」のメンバーが、そのプレゼンでゲイツを怒らせてしまった後、飲みに出かけた場所。 実は店主であるパーカーとゲイツは旧知の間柄でもある。食べると元気が出るという「ギャラクシースパイシーバーガー」という激辛メニューがおすすめ。
よっこい商店街 (よっこいしょうてんがい)
伊東せりかの出身地である横浜のある町に存在する商店街。せりかがまだ子供の頃、通学路として毎日通った道であり、地元の人間の中にはせりかの幼少時代を知る者も多い。せりかがISS(国際宇宙ステーション)への搭乗を決めると、商店街のアーケードには応援する横断幕が張られ、せりかを乗せるロケットが発射される際には、商店街内の公園に特設モニターが設置された。 また、せりかはインタビューを受けた際、よっこい商店街の中にある「たぶさんのハートコロッケ」のコロッケが食べたいと語った。
たぶさんのハートコロッケ
伊東せりかの地元であるよっこい商店街の中に店を構えるコロッケ専門店。たぶさんが店主を務めており、それが店名になっている。せりかがまだ小学生の頃は「たぶさんのおいしいコロッケ」という売れないコロッケ専門店だったが、せりかの何気ない一言にヒントを得てハートの形をしたコロッケを揚げたところ、一躍人気に。ISS(国際宇宙ステーション)へ行ったせりかがインタビューでこの店のコロッケが食べたいと言ったことで、人気はさらに高まり、店の前には行列ができるほど繁盛している。
カルロム洞窟 (かるろむどうくつ)
月の裏側にある大きな横穴。シャロン月面天文台で使用するパラソルアンテナ12本を月上空から投下したところ、そのうち1本が投下したはずの位置で行方不明になり、周囲を捜索していた際に南波六太が発見した。穴の周りは玄武岩で囲まれており、天井や壁面は滑らか。壁面の下部には溶岩の流れた跡があることから溶岩トンネルであることがうかがえる。 なお、このトンネルの名称は、六太が発見し、カルロ・グレコが初めて足を踏み入れたことから、「カルロム洞窟」と名付けられた。
プロフィ
ロスコスモスにある集合住宅。南波日々人がロシアで宇宙飛行士として再起するにあたって、オレグ・ボルシュマンから宿泊許可を得ることができた場所。部屋は全体的に狭く、水道の水は黄色く濁っており、テレビもほぼ映らないうえにベッドルームの片隅でしか携帯の電波が届かないという粗悪な環境だった。その噂は宇宙飛行士関係の人間には有名で、星加は日々人が生活する前情報として「小規模で貧相な暮らし」になると表現していた。
その他キーワード
CTV-28ミッション
『宇宙兄弟』に登場するNASAの有人宇宙ミッション。伊東せりか、北村絵名を含むチーム・クローバーがISSに搭乗する。ロビン・ブラウンがコマンダー、ダグ・ホワイトがサブコマンダーを務めた。
アレスⅠ (あれすわん)
『宇宙兄弟』に登場するNASAの有人ロケット。CES-51、CES-62、CES-66ミッションなどでクルーを軌道に乗せた。貨物は史上最大の無人ロケット・アレスVで打ち上げる。
アルタイル
『宇宙兄弟』に登場するNASAの宇宙船。ピコ・ノートンが開発を指揮した新型月面着陸船。CES-62ミッションで初投入。10代で事故死したピコ・ノートンとビンセント・ボールドの旧友にちなみ、リックのニックネームを付けられる。
BRIAN (ぶらいあん)
『宇宙兄弟』に登場するNASAの月面無人ローバー。月面で酸素を生成する。ブライアン・ジェイが3機を月面に運んで起動した。CES-51ミッションからBRIANの愛称で呼ばれることに。3号がCES-51ミッションで遭難した南波日々人の命を救う。
CES-66ミッション
『宇宙兄弟』に登場するNASAの有人宇宙ミッション。月面にシャロン月面天文台を建設する。ジェーソン・バトラーはクルーに南波六太らのチーム・ジョーカーズを推薦したが、ウォルター・ゲイツの意向で経験豊富な30~40代からなるチーム・ボルツの6人が選ばれた。だが南波六太らの予算削減案やチームの知名度向上などでウォルター・ゲイツが翻意し、チーム・ジョーカーズがミッション任命を勝ち取る。 このミッションから南波六太が考案したナビ付きフロントウインドウがバギーに装備される。
AT-Ⅰ (あまてらすわん)
『宇宙兄弟』に登場する民間企業スイングバイのロケット。2028年にAT-Ⅰが打ち上げたFUJI宇宙船がISSドッキングに成功、JAXAの有人安全審査委員会で全ての審査項目をクリアする。
関連外部リンク
宇宙兄弟Official Web - 『宇宙兄弟』や宇宙にまつわる最新ニュースを掲載するウェブサイト。関連商品を扱った公式ネットショップも併設されている。
書誌情報
宇宙兄弟 44巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2008-03-21発行、 978-4063726749)
第2巻
(2008-06-23発行、 978-4063727111)
第3巻
(2008-09-22発行、 978-4063727326)
第4巻
(2008-12-22発行、 978-4063727630)
第5巻
(2009-03-23発行、 978-4063727821)
第6巻
(2009-06-23発行、 978-4063728026)
第7巻
(2009-09-23発行、 978-4063728323)
第8巻
(2009-12-22発行、 978-4063728583)
第9巻
(2010-03-23発行、 978-4063728835)
第10巻
(2010-06-23発行、 978-4063729092)
第11巻
(2010-09-22発行、 978-4063729399)
第12巻
(2010-12-22発行、 978-4063729610)
第13巻
(2011-03-23発行、 978-4063729818)
第14巻
(2011-06-23発行、 978-4063870060)
第15巻
(2011-09-23発行、 978-4063870381)
第16巻
(2011-12-22発行、 978-4063870657)
第17巻
(2012-03-23発行、 978-4063870909)
第18巻
(2012-06-22発行、 978-4063871180)
第19巻
(2012-10-23発行、 978-4063871494)
第20巻
(2013-02-22発行、 978-4063871692)
第21巻
(2013-06-21発行、 978-4063872231)
第22巻
(2013-10-23発行、 978-4063872637)
第23巻
(2014-03-20発行、 978-4063872941)
第24巻
(2014-09-22発行、 978-4063883510)
第25巻
(2015-02-23発行、 978-4063884258)
第26巻
(2015-07-23発行、 978-4063884753)
第27巻
(2015-11-20発行、 978-4063885231)
第28巻
(2016-04-22発行、 978-4063885927)
第29巻
(2016-09-23発行、 978-4063886382)
第30巻
(2017-01-23発行、 978-4063886801)
第31巻
(2017-06-23発行、 978-4063887341)
第32巻
(2017-11-22発行、 978-4065105085)
第33巻
(2018-04-23発行、 978-4065113493)
第34巻
(2018-10-23発行、 978-4065130520)
第35巻
(2019-03-22発行、 978-4065147498)
第36巻
(2019-08-23発行、 978-4065168967)
第37巻
(2020-02-21発行、 978-4065184318)
第38巻
(2020-08-20発行、 978-4065203668)
第39巻
(2021-02-22発行、 978-4065223468)
第40巻
(2021-09-22発行、 978-4065244616)
第41巻
(2022-05-23発行、 978-4065271537)
第42巻
(2022-12-22発行、 978-4065300787)
第43巻
(2023-09-22発行、 978-4065325384)
第44巻
(2024-07-23発行、 978-4065360002)