アルカライラ

アルカライラ

今からおよそ500年後の世界における、地球外知的生命体と地球サイドのファーストコンタクトを描いたSF作品。「サウス」第2号から第14号にかけて不定期に掲載された。

正式名称
アルカライラ
ふりがな
あるからいら
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

2521年、人類はGo・7498・2星という異星人の住む惑星を発見する。そこには、かつて高度な文明を築いていた形跡の残る遺跡が多数残されていた。天涯孤独な青年のエイグ・F・リードの親友で、同じく身寄りのないロッド・ラグレーは、Go・7498・2星に存在する最大規模の遺跡「アルカライラ」への調査隊に志願したが、隊ごと行方不明となってしまう。

その知らせを受けたエイグは、ロッドを探すため単身Go・7498・2星へと降り立つ。原住民である金目人は友好的で、エイグを家に泊めて歓待した。その夜、エイグのもとにカル・サーナデュイと名乗る美青年が現れ、デュイは自身の体に寄生した意思を持つ寄生生物ダフが、エイグを気に入ったと告げる。

エイグにも宿主になるよう命じるが、エイグはそれを拒絶。デュイは言葉の力の通じない人間であるエイグに対し強い興味を抱き立ちつつも去る。翌日捜索隊と合流したエイグは、捜索隊から、外界の音を遮断するためにヘルメットを付けるよう指示される。捜索隊の隊員は、カル・サーナを言葉を操る一種の超能力者と見ており、人間に敵意を持っていると伝える。

その言葉通り、捜索隊が「アルカライラ」へと進むにつれ、カル・サーナの妨害は激しさを増して行くが、エイグだけはデュイの協力を得ながら、謎の核心である巨大遺跡へと迫っていく。

登場人物・キャラクター

エイグ・F・リード

肩までかかるくらいの黒髪の青年。移民船オリオンⅡの生き残りであり、同じく生き残ったロッド・ラグレーとは天涯孤独の身同士で親友でもある。かつて軍に属していたが、望まぬ脳手術を施されて自棄を起こし、自殺まで考えていたのをロッドに救われ、生きる希望を見出した。右腕は義手で、戦闘用の銃回路と、肉弾戦も可能な長く強靭な爪が仕込まれている。 Go・7498・2星の一番大きな遺跡「アルカライラ」の調査隊に同行し、行方不明になったロッドを探しに、単身異星に降り立つ。

ロッド・ラグレー (ろっどらぐれー)

短髪の青年。移民船オリオンⅡの生き残りであり、同じく生き残ったエイグ・F・リードとは天涯孤独の身同士で親友でもある。かつてエイグと同じ軍に所属していたが、軍が勝手に身体を作り替えていくのに嫌気がさし、自殺まで考えていた彼を誘い、ともに軍から逃げ切った過去がある。Go・7498・2星にある異星人の遺跡「アルカライラ」で調査隊ごと行方不明になった。 エイグを自身の保険金の受取人に指定していたことから、行方不明になったという情報がエイグに伝わった。ロッド・ラグレーは「アルカライラ」に強い関心を抱いており、調査隊に加わるために大学に入学し直していた。

デュイ

金目人の青年。女性と見間違えるほどの整った顔立ちに、背中の半ば位まである長髪が特徴的。金目人の中でも「カル・サーナ」と呼ばれる巫子として、言葉によって他者を操ることのできる特別な力を有している。自身の体に共生し、独自の感情を有しているダフの「デューイ」がエイグ・F・リードを気に入ったため、ダフを分裂させて彼の義手の右腕の代わりにするよう命じた。 だがエイグがデュイの言葉に支配されることなく反抗したことで、エイグに興味を持つ。

S・ティーア (しゃなてぃーあ)

頬の半ばあたりの長さに髪をそろえた若い女性。遺跡「アルカライラ」へ調査に向かい、行方不明になった調査隊を捜索する、捜索隊チーム02に所属している。先行する捜索隊01から送られてきた映像資料を隊員全員で視聴した際、カル・サーナの言葉を聞いて他の隊員たちが意識を失う中、ただ1人平然としていた。

ヘンリー

見た目は若い女性だが、胸のふくらみはダフによって形成された男性。男性として生まれたことに不満を抱き、かつて別の遺跡で見つかったダフを胸に寄生させ、「人体実験第一号」と自称している。遺跡「アルカライラ」へ調査に向かい、行方不明になった調査隊を捜索する、捜索隊チーム02に所属している。先行する捜索隊01から送られてきた映像資料を隊員全員で視聴した際、カル・サーナの言葉を聞いて意識を失ってしまう。 ところが胸のダフは意識を保っており、言葉の影響を受けずに動いていたS・ティーアを知覚し、何者なのかと彼女に疑惑を抱くようになる。

場所

Go・7498・2星

2521年に地球人類が人型の異星人を発見した星。高度な文明を有していたことがうかがえる遺跡群を持ちながら、その星で暮らす金目人は原始的で素朴な生活をしている。人間が宇宙服を着なくても生活できる環境で、また金目人とはほとんどの食べ物も共有できるなど、地球に似通ったところがある。

アルカライラ

Go・7498・2星にある巨大な遺跡。かつて遺跡が建造された頃には高度な文明を有していたと思われるが、その遺跡の様子に比べると、この星で暮らす金目人は原始的で素朴な暮らしをしているなど、不審な点がある。地球の調査隊が「アルカライラ」に足を踏み入れた時から急に活動を開始し、助手のロッド・ラグレーを含む調査隊の全員が行方不明となった。 のちに捜索隊も遺跡に入ったが帰らず、結果的に行方不明者を増やしただけに終わっている。

その他キーワード

金目人 (きんめじん)

Go・7498・2星に暮らす異星人。地球人類に似た姿形をしている。エイグ・F・リードは金目人の綺麗な容姿を称賛した。素朴で原始的な生活を営んでおり、カル・サーナの言葉に支配され、時に個々の意思関係なく操られてしまう。

カル・サーナ (かるさーな)

金目人の巫子で、言葉によって他者の精神を支配することができる存在。言葉で殺人までできるほど強い支配力を持っている。地球人類からは、一種の超能力者と考えられ、敵意を持っている危険な存在と思われている。金目人も操ることのできる存在で、彼らの神アル・カラルを崇拝している。

ダフ

人体と融合して表出したり、身体に同化することが可能な生物。個体ごとに感情を持っており、感情を表す時はトカゲのような顔を出す。寄生した相手が怪我をした際に修復するなど、足りない部分を補ったり、変形し槍のように伸びて攻撃もする。金目人の巫子であるデュイの腕に共生している「デューイ」と名付けられた個体や、捜索隊の隊員であるヘンリーの胸に寄生している個体などが登場する。

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