概要・あらすじ
バラダット・ナイブスは、灼熱の星・ダウロスで行き倒れていたところを、この星の奴隷労働者マットに救われる。マットは病を得た盲目の女性・ユカと二人暮らしをしており、日中は星の支配者であるバルカス種族のもとで肉体労働を強いられていた。そんな彼の元に、ナイブスが全宇宙で最高額の賞金をかけられていた賞金首であるという情報が入ってくる。
彼は、ナイブスは惑星マリスの住民を全滅させたことにより、追われているというのだ。ユカのため、ナイブスを倒して、賞金を得ようとするマットだったが、ナイブスの特殊な力の前に銃器を無力化され、これを諦める。この後、ユカのためにダウロスでは非常に貴重な水を得ようと、水泥棒を企み、失敗し、捕らわれるマット。
ナイブスは、一宿一飯の恩義を返すため、バルカス人を倒し、マットを助けるのだった。実はナイブスが、マリス星の住民を殺した背後には、Jという男の策謀があり、彼はJへの復讐を果たすために宇宙を旅していたのだった。
登場人物・キャラクター
バラダット・ナイブス (ばらだっとないぶす)
惑星マリスの全住民を一人で虐殺したとされ、全宇宙で最高額の賞金をかけられ、指名手配されている。マリスの科学者であり、人類が宇宙により適応し、種として生き延びるための研究をしていた。研究の結果、「特殊細胞」(タフブースター)と呼ばれる細胞を生み出したが、これをJに悪用され、マリス星の人間たちを自らの手で絶滅させることとなった。 特殊細胞は人間の肉体が耐えられなくなるという不完全なものであったが、ナイブスは適性があったため、強靭な肉体を手に入れている。また特殊細胞を得た後、自在剣(スパイラル・ナイフ)という、精神力で操る定型のない剣を使う事ができるようになった。現在は、マリス星の仇であるJを追って宇宙を旅している。 感情はあまり表に出さず、やや皮肉屋な面がある。
J (じぇい)
特殊細胞を盗むため、実の妹、シェリーをスパイとして送り込んでいた。だが、シェリーとナイブスが心から愛し合うようになり、シェリーが自分の言う事を聞かなくなってきたため、彼女を殺害している。特殊細胞を自分に植えつけ、この力を手に入れたが、完全にはコントロールできていないため、主人公を手に入れたいと考えている。 自在剣を操れるのみならず、分子を結合・分解する力をもっており、相手の体を破壊したり、自分の分身を生み出したりすることが可能。最終的には人類に君臨する神になろうとしている。
メロウス
激しい闘争本能をもち、このため、自滅したと言われているグール種族、最後の一人。四つの目をもち、強い精神力を備え、自在剣を操ることができる。本来、自在剣は太古から続く獣型異星人のグール種族が作りだしたものであった。宇宙海賊(シーク)・スピッドロウの仲間。親友であったアンブロウをバラダット・ナイブスに殺されたため、仇を取るためにナイブスをつけ狙っている。 (アンブロウは、ナイブスがマリス星虐殺の犯人だと信じ、義憤からナイブスを倒そうとしていた)。
ダロフィー
砂漠の惑星・エイジアの少年。過酷な環境に適応し、進化しており、額に小さな触覚が隠されている。この触覚により、通常の人類に比べて格段に優れた知覚能力を備えるようになったが、一方で、この特徴のために小さい頃からバケモノ扱いを受けていた。彼らが住む一帯の集団のリーダーを務めている兄がいる。エイジアに来たバラダット・ナイブスと知り合い、鋼虫の襲撃を受けていた彼を助けた。
集団・組織
バルカス種族 (ばるかすしゅぞく)
『惑星をつぐ者』に登場する種族。わずかな水分摂取量で生きることができ、乾燥し気温の高い土地で生きていくことに適した種族。人類に比べて体格がよく、怪力であり、長大な剣を自在に操ることができる。灼熱の星・ダロウスを支配していた。