概要・あらすじ
大国トロイアの若き王子ガニュメデスは、近隣諸国にも知れ渡る程の、光輝く美貌を持っている。その美しさのあまり、オリンポスの神々にいずれ攫われてしまうことを恐れた兄は、ガニュメデスの成人の日に護身用の小刀をプレゼントする。しかし、既にガニュメデスの背後には太陽神アポロンがいた。一瞬にして兄は殺され、攫われたガニュメデスは、「箱庭」と呼ばれる不思議な空間に閉じ込められ、永遠の命を押し付けられてしまう。
登場人物・キャラクター
アポロン
太陽を司る神。トロイアの王子ガニュメデスを攫い、神の箱庭に閉じ込める。ガニュメデスに永遠の命を与え、出口のない箱庭で脱出を試みる様子を眺めている。美しい少女のような外見をしている。人間はバカで愚かだと思っていたが、ガニュメデスや生贄に差し出されたイリスとの触れ合いで、心に変化が現れる。
ガニュメデス
主人公アポロンに攫われた青年。光輝く美貌がうたわれるトロイアの若き王子。成人の日、アポロンによって兄を殺され、自身も攫われてしまう。謎の空間である神の箱庭に閉じ込められ、永遠の命を押し付けられてしまう。
ハーデス
冥界の神。三人の兄弟神の長男。角の生えた化け物のような姿をしている。普段は死んだ女のような顔をしているが、その姿は見る者の心をそのまま映しだすと言われている。アポロンにいつも答えのない質問を繰り返し、意味深な言葉を投げかける。
ポセイドン
海界の神。三人の兄弟神の次男。寂しがりやで好奇心旺盛。主人公アポロンにいつも構ってもらおうとするが、面倒くさそうにあしらわれている。人間たちの前に容易に姿を現し、出来るだけ強そうに見せようとする。
ゼウス
天空の神。三人の兄弟神の末弟。アポロンによれば、箱庭を作り、ガニュメデスを捕えるよう仕組んだ張本人。一度だけ箱庭に降臨するが、翼で顔は覆われており一言も発さずに天空に戻ってしまう。その正体は謎に包まれたままとなった。
イリス
主人公アポロンに捧げられた生贄。豊作のためにアポロン神殿に差し出された人間の少女。純粋で心優しく、神を崇拝している。逃がそうとするアポロンに対して、それを断り喜んで命を捧げようとする。おしゃべりで活発な性格で、人間嫌いのアポロンの心をすぐに開いてしまう。
アルテミス
主人公アポロンの姉。月の神。恐ろしいまでに美しく、アポロンにとって絶対的存在であり良き話し相手。しかし、アポロンが人間のイリスと親しくなっていくにつれ、二人の距離は徐々に遠ざかっていく。
ハインツ
遺跡発掘家の青年。教会で神に願っていると、突然、神であるアポロンが現れる。神の箱庭から引きこもりの青年を連れ出すことが出来れば、何でも願いを叶えると約束された。
場所
箱庭 (はこにわ)
ガニュメデスがアポロンによって閉じ込められた、不思議な空間。出口はなく、頭上には満点の星空が広がり、あたり一面純白の花で埋め尽くされている。
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