チ。―地球の運動について―

チ。―地球の運動について―

15世紀ヨーロッパのP王国。異端者が容赦なく火炙りに処せられていた時代が舞台。合理的に生きることを信条とする神童ラファウは、異端の元学者フベルトと出会い、「地動説」を信じるようになる。異端思想である「地動説」を、命懸けで探求する人々の姿を描いた叙事詩。小学館「ビッグコミックスピリッツ」2020年第42・43合併号より連載を開始。2021年第14回マンガ大賞2位、2022年第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。

正式名称
チ。―地球の運動について―
ふりがな
ち ちきゅうのうんどうについて
作者
ジャンル
西洋史
 
その他宗教・伝記・教育
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概要・あらすじ

15世紀前期のP王国。C教に背く異端思想の学者は酷い拷問を受け、改心しない者は生きたまま火炙りにされていた時代。孤児として生まれ、神学者ポトツキの養子として育った少年ラファウは、12歳にして大学に合格し、神学を専攻することになった。天体観測が好きなラファウに、義父ポトツキは、これからはすべての時間を神学に割き、天文学はやめるように命じる。ラファウは、多少のとまどいを覚えながらも、義父の言葉に従うことにした。続けて、義父のポトツキはラファウに頼み事をする。それは、自分の知人であるフベルトの身柄引き受けだった。フベルトは「禁じられた研究」のため、異端者として捕まっていたが、改心したため、明日釈放されるのだという。翌日、城門前でフベルトを引き受けたラファウは、彼を義父の別宅に案内する。その途中、ラファウが持っていた天体観測記録を目にしたフベルトは、ラファウを脅迫して、自分の研究の手伝いをさせようとする。これは、フベルトの目が拷問のために弱ってしまっていたことも理由だったが、ナイフで脅されたラファウはフベルトを手伝うことを承知した。翌日、二人は見晴らしのいい丘で天体観測を行った。「禁じられた研究」について、ラファウがフベルトに尋ねると、彼は自分が考える宇宙の姿を説明する。フベルトが考える宇宙では、太陽は動かず地球が動いているという。地球は自転をしながら、太陽を軸として公転しているというのだ。常識を覆す「地動説」に反発するラファウだったが、家に戻って検証してみると、地動説の方が合理的で美しいことに気がついた。その後、フベルトは再び捕まり、異端者として火炙りになった。フベルトの研究資料のすべてを受け継いだラファウは、地動説の研究を続けるが、異教徒審問官であるノヴァクにより、投獄されてしまう。裁判前日、ラファウの牢を訪れたノヴァクは、「裁判で改心を宣言して、研究資料のすべてを燃やせば助かる」と進言する。一旦はノヴァクに従おうと考えるラファウだったが、牢の小さな窓から見える宇宙(そら)の姿に魅せられ、考えを変えた。ラファウは裁判で「地動説を信じる」ことを宣言し、その晩、牢で自ら命を絶った。そして10年後、二人の男がある山中で石棺を見つける。それはフベルトからラファウへと引き継がれた、地動説研究の資料が入っている石棺だった。

登場人物・キャラクター

ラファウ

P王国に住む12歳の少年。金髪。12歳にして大学に合格し、神童と呼ばれる。孤児として生まれるが、神学者であるポトツキに引き取られて養子となる。「合理的に生きる」ことを信条とし、無為な感情や無駄な欲望に惑わされず、合理的な選択をすることで、楽に生きられると考えていた。天体観測を趣味としていたが、義父のポトツキに禁止され、天文学を捨て、大学で神学を専攻する予定だった。しかし、地動説を研究するフベルトとの出会いで、自らも地動説を信じるようになり、命を捨てて研究を後世に残す。

ポトツキ

P王国に住む神学者。黒髪に口ひげが特徴の中年男性。孤児だったラファウを、養子として育てる。かつては地動説の研究者であったが、異端の罪に問われて改心。以後、神学に転向し、子供たちに学問を教えている。昔の教え子であるフベルトの身柄を引き受け、別宅を貸して住まわせる。異教徒審問官のノヴァクに脅され、ラファウが地動説研究をしていることを密告する。

フベルト

地動説を研究したため、異端の罪に問われて投獄されていた大柄な男性。投獄中の拷問により、口が裂け、皮膚はただれて視力も弱くなっている。ポトツキの昔の教え子であり、釈放後はポトツキの世話になる。ラファウに地動説を教え、自分の研究資料のすべてを託した後、再び投獄されて処刑される。

ノヴァク

P王国の異教徒審問官。口ひげとあごひげが特徴の男性。元傭兵だが、司教にその腕を買われて特例で異教徒審問の任にあたっている。冷酷無比な性格で、さまざまな拷問器具で異端者をいたぶる。

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