ねこ神様はふわふわのお布団がお好き

ねこ神様はふわふわのお布団がお好き

ゲーム会社に勤め、理不尽なまでに過酷な日々を送っていた菜都庭彩夏は、古びた社で力を失いかけたねこ神様のちよと出会う。周囲の人々を癒やしながら、人として、神として成長していく二人の姿を描いた、ストレス社会における「ぐっすり眠りたい」という願望をかなえる睡眠コミック。快眠するためのさまざまなノウハウも紹介されている。「ヤングエースUP」2018年8月17日から2020年2月21日にかけて配信された作品で、コミックス各巻には描き下ろしのおまけエピソードも収録されている。

正式名称
ねこ神様はふわふわのお布団がお好き
ふりがな
ねこがみさまはふわふわのおふとんがおすき
作者
ジャンル
その他宗教・伝記・教育
 
ハウツー
 
動物擬人化
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あらすじ

第1巻

会社での激務を終えての飲み会で意識をなくしたあと、見知らぬ場所でふと目を覚ました菜都庭彩夏は、スマホのGPSで自分が山奥にいることを知る。そこに小さな社を見つけた彩夏は、「暖かい布団で永遠に眠りたい」と願い事をしたうえで、会社に悪態をつきながらその場をあとにする。彩夏はその後、なんとか家に帰って眠りにつくが、そこに出刃包丁を手に、彩夏を殺そうと一人の小さな女の子が姿を現す。彼女は「ちよ」と名乗り、先ほどの彩夏の願い事を叶えるためにやって来たのだと告げる。慌てた彩夏は言葉のあやであり、死ぬつもりはないことを説明し、一方のちよも自分は神で36年ぶりに願い事をされたこと、そして人間の願いを叶えて礼をもらわなくては、自分が消えてしまうことを語る。ちよの話を聞き、自分の境遇とも重ね合わせて彼女に同情した彩夏は、疲れている自分を助け、いっしょにちよも元気になって、ちよが人々に忘れられないようにとあらためて願う。そんな願い事をされたのは初めてだと、どうしていいかわからずに困惑するちよに対し、彩夏は「まずは寝よう」と快適に眠るためのうんちくを語り出す。(第1話「ねこ神様とOL」。ほか、7エピソード収録)

第2巻

菜都庭彩夏は、会社を辞めたいという新人部下の御法川に、アルバイトへの勤務体系の変更を提案。彩夏の思いを汲んだ御法川は、会社に残ることとなった。だが、その事実を知ったちよは、御法川の勤務時間が減った場合、その仕事の穴埋めは誰がするのかと彩夏を問い詰める。自分がやるつもりだったと答える彩夏に対し、ちよはなぜもっと自分を大切にしないのかと激怒。「その仕事はお前以外でもできる」「お前の代わりはいる」と言い残し、姿を消してしまう。ちよの言葉にショックを受けたまま家に帰った彩夏は、そこに「実家に帰る」というちよの書き置きを見つける。迎えに行こうというりこに対し、彩夏はちよに会いたくないと返すが、りこは自分たち神々は理由もなく人を傷つけたりはしないと、説得を試みる。(第9話「同僚とカフェイン」。ほか、7エピソード収録)

登場人物・キャラクター

菜都庭 彩夏 (なつのにわ あやか)

ゲーム開発会社に勤める若い女性。給料はいいがブラックすぎる職場で働いており、嫌みな部長や口先ばかりでいいかげんなディレクターを相手に、精神をすり減らす日々を送っている。まじめで心優しい性格で、ついつい自分を犠牲にしてしまいがち。ある日、飲み過ぎて意識を失い、山の荒れ果てた小さな社にたどり着く。ここで「永遠に眠りたい」と願い事をしたことをきっかけに、その社を守っていたねこ神様のちよと知り合う。この時、人間に必要とされなくなった神であるちよの境遇を知り、自分とちよがいっしょに元気になって、ちよがずっと人間に忘れられないようにと新たな願い事をした。以降、願いをかなえるというちよといっしょに暮らし始める。そして、彼女に荒れた生活ぶりや仕事ぶりを心配されるうちに、なんでもかんでも一人で抱え込まず、自分自身を大切にすることを考えるようになっていく。

ちよ

小さな少女の姿をしたねこ神様で、語尾に「にゃん」をつけて話す。猫のような耳と、先っぽだけ白くなった黒くて長い猫のような尻尾を持つ。もともとは機姫(はたひめ)神社の神様である姫のもとにいたが、小さな社に招かれて移り、そこを守ってきた。しかし今では社の近くから人が去り、願い事をしに来る人間がおらず、力を失いかけている。実に36年ぶりに願い事をした菜都庭彩夏の「永遠に眠りたい」という望みをかなえるため、当初は彼女の命を狙っていたが、ちよの境遇を知った彩夏に新たな願い事をされ、共に暮らすようになる。以後は、休みたいと口にしながらも自ら休めない状況へと踏み込んでいく、彩夏の矛盾に満ちた荒れた生活ぶりに困惑しながらも、彩夏が自己を見つめ直し、正しく未来へ歩んでいけるように協力する。

りこ

小さな少女の姿をした犬張子の神様。犬のような耳と、先が黒くなった太い尻尾を持つ。りこのいた社が大型商業施設の建設に伴ってなくなったことで野良眷属となり、力を失って「獣」になりかかっていたが、ちよに力を分け与えられ、元の姿に戻った。菜都庭彩夏やちよと共に新たに宿る場所を探すことになったが、結局適切なところが見つからずに、彩夏の家で暮らすようになる。のちに、もともといた社は壊されたわけではなく、大型商業施設の屋上に移設されていることが判明する。泣き虫で、嬉しいことがあっても悲しいことがあっても、すぐに泣いてしまう。

風祭 (かざまつり)

菜都庭彩夏と同じゲーム開発会社に勤める青年で、彩夏の部下。まじめでさわやか、さらに気がきく人物で、彩夏の片腕として業務を的確にサポートしており、仕事への熱意は彩夏にも高く評価されている。新たに彩夏の部下になった御法川と向島昌弘の教育係を務め、のちに社内の新人教育係としてその腕を振るうようになる。

御法川 (みのりかわ)

菜都庭彩夏の勤めるゲーム開発会社に、新たに採用された若い女性社員。専門学校ではCGを専攻しており、イラストもうまいことから即戦力として採用され、彩夏の部下となった。クールな性格で、どこか冷たい印象を与える人物。仕事は的確にこなしているが、会社の作業効率の悪さに憤りを覚え、同時に効率の悪い作業に耐えるだけの体力がないことから、入社早々に会社を辞めようと考えていた。だが、彩夏にその作業体系を取らざるを得ない理由を聞かされて納得し、さらに余裕のある勤務体系への変更を提案され、彼女の思いに応えて会社に残ることを決意する。ゲーム開発の仕事をするかたわら、イラストレーターとして一人立ちすることを目標としている。スマホゲーム好きで、就寝前にゲームをすることがやめられず、結果的にまともに睡眠を取れなくなっているのが悩み。

向島 昌弘 (むこうじま まさひろ)

菜都庭彩夏の勤めるゲーム開発会社に、新たにアルバイトとして採用された青年。チャラいうえに非常にノリが軽く、ゲーム開発に関しては完全な未経験者。ちなみに前職はイタリアン居酒屋の店員で、志望動機についても、前職より給料がよかったからと素直に語っている。面接を担当した彩夏は不採用にするように強く主張していたが、やる気があるという一点で、3か月の試用アルバイト期間を設けることを条件に人事が勝手に採用を決め、彩夏の部下として配属された。まだわからないことが多いため、何かと彩夏や風祭の手を煩わせることはあるが、仕事にはそこそこまじめに取り組んでおり、その明るい性格からチームのムードメーカー的な存在となっている。のちに、イタリアンの店を出すことを画策し始める。

機姫(はたひめ)神社の神で、荘厳な雰囲気の若い女性の姿をしている。ちよのことを神にした存在で、彼女をはじめとするほかの神々のことを導き、温かく見守っている。また、ちよとケンカをして思い悩む菜都庭彩夏の前に姿を現してちよの真意を伝え導いたりと、人間のことも「哀れで愛しい子たち」と慈しんでいる。なお、ちよには「姫」と呼ばれているが、本当の名は不明。ちよら小さな神々を相手にするときには、砕けた言動をすることもある。

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