キリン

キリン

「POINT OF NO RETURN!」編に登場する、主人公キリンの意志を、様々な形で人々が継いでゆく群像劇形式のバイク漫画。1987年から2010まで、途中掲載紙を変えて連載された長編コミック。作者東本昌平の代表作。

正式名称
キリン
ふりがな
きりん
作者
ジャンル
バイク
関連商品
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概要・あらすじ

中年に差し掛かったキリンと呼ばれる男。彼はかつてバトルを挑んで敗れたポルシェに、再びカタナで挑戦しようとしていた。東京から浜松までのノンストップ公道レース、その狂気のスピードに誘われバトルに乱入してくる男たち。ついにキリンのカタナがポルシェを抜くが、バイクごと海に投げ出されるという結末。しかしキリンは満足そうに笑う。

そして、キリンの意思はバイク乗りたちに受け継がれていく。

登場人物・キャラクター

キリン・1部 (きりん)

「POINT OF NO RETURN!」編から登場。初登場時では38歳。ポルシェを「デカ尻女」と呼び、ポルシェとのバトルにこだわっている。一度はポルシェとのバトルで転倒し、背骨を骨折。2年半かけてリハビリから復帰する。その間に妻とは離婚、小さな広告代理店にスーパーバイザーとして参加し、人並み以上の給料を得ている。 若い中村に出会い抱いたことで再びバイクへ情熱がくすぶり始め、クライアントでありポルシェ乗りである橋本に都内から浜松までのバトルを持ちかける。そのために、かつて乗っていたGSX1100GSカタナで勝負しようとする。公道レースとも言える狂気の疾走に、モヒカンとチョースケも加わるが、ポルシェを抜き去った後のギア抜けにより、バイクごと海に投げ出されるが無事に生還。 作品中では本名は出てこない。あだ名のキリンは彼の良く言う「キリンは泣かない」という口癖から。シリーズを通して、他の登場人物たちの憧れとして語られる。

琴吹 凛 (ことぶき りん)

3人目の「キリン」。「WONDER NET WONDER」編から登場。琴吹輪業の三代目。バイクを扱うのが上手い。金髪に染めた髪を全方位に逆立てており、カオルからは「タンポポ頭」と呼ばれる。店の前の廃バスの中で生活している。当初自分のバイクを持っていなかったが、祖父から元服と称して青の750SS(H2)マッハを譲り受ける。 その後マッハを乗りこなしたところで、琴吹凛蔵からバイク屋を継げと言われ拒否。街を出ようと家出をする。しかし旅先で出会ったバイク屋でモヒカンに出会い、バイク屋を継ぐ決心をする。

中村 (なかむら)

「POINT OF NO RETURN!」編に登場。24歳のOL。バーで1キリンと出会い惹かれ、関係を持つ。1キリンがバイクにこだわり、ポルシェを追う理由を求め、自らも二輪の免許を取る。免許取得後は初期型のVFR400Rを購入。

渡辺 長介 (わたなべ ちょうすけ)

「POINT OF NO RETURN!」編に登場。愛車はGPZ900R。1キリンに憧れる若者だが、憧れるが故に反発する。ヤゴのGSX1100S(SE型カタナ)とGPZ900Rを交換して、1キリンと同じ世界を見ようとする。1キリンとポルシェとのバトルを偶然目撃しそのまま追走するが引き離され、さらに後から来たモヒカンのCB1100Rに抜かれる。 「POINT OF NO RETURN!」編ではモヒカンと同じく「バーンストーム・トループス(曲技旅団突撃隊)」の看板を背負う。サイコと恋人関係になる。ドーンコメッツのスカイラインGT-Rとのバトルで事故を起こし、その後リハビリを経てZZ-R1100に乗り換え再びバトルを挑むが、バトル中にトラックに轢かれ死亡。

バイク屋の主人 (ばいくやのしゅじん)

「POINT OF NO RETURN!」編に登場。1キリンの古い友人。大学生時代に1キリンと共に北海道にツーリングに行った際、1キリンがポルシェとバトルして負けたという過去を知る男。

橋本 (はしもと)

「POINT OF NO RETURN!」編に登場。ヤマタケ不動産に勤める。リゾートの広告を依頼しに1キリンの元を訪れる。ポルシェフリークで、複数の911を所有。1キリンと浜松までのバトルをする。二輪乗りたちを下に見る傾向がある。

泰三 (たいぞう)

「POINT OF NO RETURN!」編から登場。「バーンストーム・トループス(曲技旅団突撃隊)」のメンバー。CB1100Rに乗る。髪型がモヒカン。1キリンとポルシェのバトルを見かけ、中途参戦するが、エンジンからオイルを吹いて、戦列から離脱。カタナごと宙を飛ぶ1キリンを目撃する。 「The Horizontal Grays」編では喫茶店ランブルを経営。GPZ900に乗るが、最速のマシンをということで、ZZ-R1100に乗り換える。店の裏では、1キリンの残したカタナを整備中。「WONDER NET WONDER」編では、4キリンが動かなくなったマッハを持ち込む、人里離れたバイク屋の主人として登場。

不破 雅樹 (ふわ まさき)

「The Horizontal Grays」編に登場。地蔵峠の走り屋チームRTむてきんぐに所属。ナンバーは最速の01。91年型RGV250γに乗る。高校二年生の始業式で自主退学。バイク便の仕事をしながらウィンディ・レディを追う。その後地元の峠で再会するが、力量の差に圧倒され限定解除を決意。 モヒカンからGPZ900を譲り受ける。

本郷 研二 (ほんごう けんじ)

「The Horizontal Grays」編に登場。地元の走り屋チームRTむてきんぐに所属。ナンバーは03。紀子に一目ぼれし、ハンバーガーショップでバイトを始め、紀子と交際を始める。その後レースに傾倒し、ミニバイクレースから250ccクラスにクラスアップ。アルバイトもガソリンスタンドに変える。

竜二 (りゅうじ)

「The Horizontal Grays」編に登場。地元の走り屋チームRTむてきんぐに所属。ナンバーは02。NSR250Rに乗る。通学しながらガソリンスタンドでアルバイト中。彩子に告白するが振られる。峠で四輪の走り屋とバトルになり転倒。限定解除を目指すが、教官と相性が良くなく途中で挫折。 普通免許を取って車へと転向する。

彩子 (さいこ)

「The Horizontal Grays」編に登場。マサキたちの友人。ハンバーガー屋でアルバイトをしている。髪は赤く染めたソバージュ。竜二に告白されるが振る。一時はマサキに気があったようだが、結局チョースケと二人でスキーに出かけ、バージンを捧げる。後に中型免許でZEPHER400を、限定解除でZEPHER1100に乗る。

土屋 紀子 (つちや のりこ)

「The Horizontal Grays」編に登場。ハンバーガー屋でアルバイトをしているロングヘアーの少女。ケンジの彼女になる。

ウィンディ

「The Horizontal Grays」編に登場。ホイールをピンクに塗った、リトラクタブルライトのカタナ・GSX750Sに乗った女性。地元の峠でマサキを抜き去った。ウィンディとも呼ばれている。彼女に負けたことで、マサキは限定解除を決意する。

浩司 (こうじ)

「The Horizontal Grays」編に登場。バイクショップの常連。GSX1100Sに乗るカタナフリーク。モヒカンとチョースケのGPZ900Rを追って公道バトルで転倒。二人に「思い込みだけは1キリン並み」と言われる。その後タクシードライバーに転職し、壊れたカタナをランブルの裏で修理し、再び走り出す。

銀留 (ぎんとめ)

「The Horizontal Grays」編に登場。モヒカンが旅に出ている間に居付いたランブルの常連。金髪に左耳に5連のピアスを付ける。貧乏にもかかわらずドラッグレースにハマり、80万の改造パーツをローンで買うが、一瞬でお釈迦にする。モヒカンに騙されて装着した「伝説のマフラー」で初の1勝を勝ち取る。 あゆみに頻繁にモーションをかけていた。

シゲル

「The Horizontal Grays」編に登場。ポルシェに乗る男。かつてバイクに乗っており、マサキの走りを見て再びバイクへの情熱が蘇る。ポルシェを手放し、XJR1200を購入、マサキと共に首都高を走るが、早々に転倒。

あゆみ

「The Horizontal Grays」編に登場。モヒカンが旅に出ている間、ランブルのバイトに入った娘。バイクの免許は持っていない。マサキの恋人になる。

キリン

「RUN THE HAZARD」編の主人公。2人目の「キリン」。ランブルのマスターから1キリンのGSX1100Sを受け継ぐ。卓越した格闘技のセンスと、バイクの腕を持つ。父親はグリフォンの幹部で医者。

カシラ

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダのリーダー。本人の意思とは別に急激に大きくなってゆくガルーダをコントロールできず、対外的な抗争や内紛を経てチームが崩壊してゆく様を目の当たりにする。ガルーダの崩壊が3キリンに因る物だとし、北海道へ向かった3キリンを追う。

マスター

「RUN THE HAZARD」編より登場。バー・ヴェルベットピーチセブンのマスターで、バイクチームガルーダのメンバー。カシラの古い友人で、片足は義足。ガモウを殺した男に刺され、病院で死亡する。

加藤 (かとう)

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダのメンバー。チームの事実上のナンバー2で、格闘技にも精通している。パブの与えたドラッグで中毒となり廃人寸前になり、施設に収容された。

寺崎 (てらさき)

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダに憧れて大阪から上京する。胸にはガメラとギャオスの刺青がある。一時はAV男優として稼いでいたが、3キリンとのバトルに固執しガルーダとは関係なく首都高C1を二周した上で足柄までのロングコースで勝負を挑む。 北海道遠征ではZX-9Rに乗るが、鹿と衝突し意識不明の重体となる。

蒲生 慎亮 (がもう しんすけ)

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダのメンバー。殺人事件でガルーダ側のスポークスマンを務める。良識派故にパブと対立し、武闘派が占めるようになってからは浮き始め、刺殺される。

ハチ

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダのメンバー。あだ名の由来は首に入れたビリヤードのエイトボールの刺青から。ガルーダの若頭。

大竹 (おおたけ)

「RUN THE HAZARD」編より登場。バイクチームガルーダのメンバー。ちょびヒゲ。性格は陰湿で快楽主義。裏ではヤクザと通じドラッグの密売をやっており、そちらが本業。ガモウと対立し、謀殺するが最後はヤクザに拉致され殺される。

松本 善行 (まつもと よしゆき)

「RUN THE HAZARD」編より登場。自称、撮影所から来たと言うが、実際は裏ビデオや出会い系の下働きをしている。バイクチームガルーダにはドキュメンタリーを撮ると称して入り浸り、より抗争を過激化するべくランブルに放火するなど暗躍した。さらには手に入れたジャケットでガルーダを名乗るが、放火の自慢話をバーンストーム・トループスのメンバーに聞かれ、ボコボコにされる。

プリン

「RUN THE HAZARD」編より登場。風俗嬢。3キリンが「いい男」という噂を聞きつけて追いまわし、北海道遠征に同行。3キリンの後を追う。無免許でバイクを乗り回す。

琴吹 凛太郎 (ことぶき りんたろう)

「WONDER NET WONDER」編から登場。4キリンの父。バイク屋を辞め、骨董品屋「ひょうたん堂」を営む。傍若無人で、ヤクザ相手にカツアゲをする程、金にがめつい。車を持ち上げるなど異常な体力を持ち、劇中でもほぼ無敵を誇るが、過去に琴吹凛蔵から時速200キロで追いかけられ、バイクの前輪でどつき回されて以来、凛蔵のマッハにはトラウマがあり、毛嫌いしている。

琴吹 凛蔵 (ことぶき りんぞう)

「WONDER NET WONDER」編から登場。4キリンの祖父。第二回アサマ火山レースに初参加でクラス優勝するなど、優秀なライダーでありメカニックだった。自作のコトブキ麒麟号でコトブキモータースを日本一のメーカーにしようと奮闘するが、ホンダのマン島TT参戦の報を聞き対抗したものの設備投資で莫大な借金を抱えて倒産。 残る琴吹輪業だけでも存続させようとするが、琴吹凛太郎が働かないので孫の4キリンに希望を繋ぐ。仕込み杖を使う。顔に北斗七星の形にホクロがある。最後は老人仲間と二人旅に出る。

神成一家の親分 (かみなりいっかのおやぶん)

「WONDER NET WONDER」編から登場。元々は網元の倅で、金に飽かせて琴吹凛蔵のところでバイクを買いまくっていた。カミナリ族と呼ばれたので、神成一家と命名。息子は服役中。現在は常に酸素吸入をしており、土砂崩れで埋もれた時はそれで助かった。介護としてナース直子が付き添っている。 土砂崩れで事務所が埋もれたのを契機に、4キリンの寝泊りしていた廃バスを新たな事務所とし、再出発を図る。

カオル

「WONDER NET WONDER」編から登場。地元のバイク仲間で、4キリンをツーリングに誘う。実家は八百屋で、忙しいときはアルバイトと称して手伝うこともある。家出をした4キリンを追いかけ、告白する。愛車はNSR250R。

ドーンコメッツ

「The Horizontal Grays」編に登場。チョースケたちには「暁の彗星」と呼ばれている。首都高や東北道などの高速道で早朝走る白いGT-Rとポルシェのコンビが目撃され、マサキは第三京浜で張っていた。実際には「モルフィス」なるGT-Rのチームのこと。

集団・組織

グリフォン

『キリン』に登場するモーターサイクルクラブ。歴史はバーンストーム・トループスより長い40年。スリー・セイジやセブンスターズと呼ばれる上級幹部の意思決定によって方針が決定する。今回のガルーダの暴走についてはガルーダ内部にスパイを送り込み、情勢を見つつ抗争を避けるという方針だった。上層部は政治家との繋がりもある、秘密結社めいた組織。

ガルーダ・モーターサイクルクラブ (がるーだもーたーさいくるくらぶ)

『キリン』に登場するモーターサイクルクラブ。当初は小さいチームだったが、3年ほど前から急激に勢力を拡大したチーム。リーダーのカシラを筆頭に多くは武闘派で、集団暴走行為などで警察ともトラブルを起す。最終的にはキリンに翻弄され多数の怪我人を出し、カシラが求心力を失ったこともあって組織が瓦解。内紛を経て少数のメンバーが北海道へ向かった3キリンを追う。

場所

ランブル

『キリン』に登場する店舗。「The Horizontal Grays」編から登場。モヒカンが開いた喫茶店。基地の外れにあり、店の裏はバイク工房になっている。「RUN THE HAZARD」編ではガルーダとグリフォンの対立を煽る松本善行によって放火され、全焼する。

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