概要・あらすじ
恋人の一也に浮気され、自殺をしようとビルの屋上に向かった内田響。そこで喧嘩をしていた日野ヒョオと出会う。彼も死に場所を求めてさまよっていた。二人の自殺志願者はそのまま連れ添い、バイクレーサーの一也に仕返しをするためレースを始める。死を畏れない日野ヒョオの走りはみるみると頭角を現していった。サーキットに死に場所を定める日野ヒョオと、生きて欲しいと支える内田響との恋は危うげに膨らんでゆく。
登場人物・キャラクター
日野 ヒョオ (ひの ひょお)
自殺願望が強い謎の男性。高校生だが、高校には通っていない。髪を後頭部で結っている。ヤクザと喧嘩をして、わざと殺されようとしていたが、同じく自殺しようとしていた響によって救われる。その後、響に感化されて、バイクの道を志すこととなる。
内田 響 (うちだ ひびき)
資産家の娘。金髪の少女。恋人である一也の浮気現場を目撃してしまい、ショックで自殺しようとする。しかし、そこで偶然ヒョオと出会ってしまい、徐々に魅かれていく。
一也 (かずや)
内田響の恋人で、女性からの人気が高いイケメンバイクレーサー。バイクの運転技術も一級品。彼女であった響がヒョオと知り合ってからは、ヒョオに対し敵意をむき出しにしていく。
ジェイソン
バー・バッカスの新人バーテンダー。本名は不明で、常にお面を被り、素顔は誰も知らない。正体は失踪したヒョオの父親であり、すっかり荒んでしまった息子を陰ながら見守っている。
龍 (りゅう)
愚連隊バッカスのリーダー。「龍さん」と呼ばれて慕われている。バー・バッカスを根城にしており、ヒョオとも面識があるらしい。昔は暴走族もやっていて、バイクの修理もこなせる。
石沢 徳芳 (いしざわ あきよし)
響の父親の秘書であり、徹底したスケジュールを組んで響を監視する。ヒョオを「悪い虫」と呼んで、響と接触させないように画策する。
五味 (ごみ)
白髪の男性。五味二輪スクールの校長で、いつも手に竹刀を持っている。龍とも知り合いで、ヒョオにバイクの運転を一から叩きこむ。異様にスパルタなせいで、他の生徒がほとんどいない。
すみ子 (すみこ)
ヒョオの母親の妹。ヒョオの叔母にあたる。心優しい性格で、廃人となってしまった姉に代わってヒョオの面倒を見ている。響にヒョオがなぜ死にたがっているのかを伝えた人物。
トメ
愚連隊バッカスのメンバー。茶髪にサングラスが目印。いつも龍と行動を共にしており、龍がヒョオのピットクルーになると、これに従って、クルーの一員となる。
利男 (としお)
愚連隊バッカスのメンバー。パンチパーマが特徴。田舎臭い喋り方をする。龍のことを慕っており、龍と共にヒョオのピットクルーとなる。足が臭い。
安 (やす)
愚連隊バッカスのメンバー。リーゼントの髪型に、眼鏡をしている。初対面の響をいきなり襲おうとした。龍に従ってヒョオのピットクルーとなる。
可奈 (かな)
ヒョオの母親。黒髪の美女。元々は有名なバレリーナだった。しかし、ヒョオを生んだことで二度とバレエができなくなってしまい、心を深く閉ざしている。
五味 静江 (ごみ しずえ)
五味の妻。定男と言う息子がいたが、バイクの事故で失っている。相談もなしに二輪教習所を閉鎖してしまった五味に辟易しているが、関係は良好らしい。
場所
バー・バッカス (ばーばっかす)
国分寺にある小さなバー。愚連隊バッカスの根城になっており、ヒョオも入り浸っている。従業員はジェイソンだけだったが、物語の中盤で響も店員として働く。