概要・あらすじ
ある雪が降る日、ジミーは凍死しそうなところを背中に刺青を入れた男に救われる。それ以来、彼は刺青にあこがれ、中学時代には自分の体に自ら刺青を彫り、高校生になった今では、校内の不良たちに3000円で刺青を入れていた。見た目は不良だが、筋を通す性格で気は優しい男なので、同じ1年生の不良たちからは兄貴分のように慕われていた。
だが、ケンカ強さと、1年の不良から慕われていることを理由に、周囲のギャングチームがジミーを警戒。ジミーを仲間に加えるか、つぶそうとして動き始める。
登場人物・キャラクター
ジミー
銀髪で、体に自らが彫った不動明王の刺青がある。私立薔薇十字学園高等学校の工業科1年生で16歳。自宅は銭湯を営んでいて、父、母、弟という家族構成。刺青を入れたときは、母親に泣いて叱られた。本名は、勝也。祖父、祖母も健在だが、母は彼が刺青を入れていることを2人には絶対にばれないようにいわれている。 刺青にあこがれるようになったきっかけは、9歳の頃、自宅の銭湯の女風呂をのぞこうとして雪で足を滑らせ、そのまま地面に落ちて動けなくなったところを、彫師に助けられたことから。彫師の背中の見事な刺青を見て、ジミーは世界一の彫師になることを夢見るようになった。 高校生になると、不良たちにワンポイントの彫物をするようになる。金を稼ぎ、いずれはアメリカへ行くつもりでいる。通称「和彫りのジミー」。ケンカが極めて強く、さらに人情家で筋を通す性格。そのため、同じ1年生の不良たちから兄貴分のように慕われ、それがギャングたちの目には油断ならない勢力のように映っていた。
バンコ
ジミーの相棒で、いつも一緒につるんでいる。頭がよく、仲間たちの相談役。金髪で、少し身長は低い。私立薔薇十字学園高等学校の工業科1年生で16歳。各学校の人気の高い女の子の情報、特に電話番号などを売って小銭を稼いでいる。身軽さが武器で、ジミーとはタイマンで引き分けたこともある実力者。 趣味はパチスロ。通称「ニトロバンコ」。
サイコ
ジミーの仲間。身長176㎝、体重63㎏。正面から見るとリーゼントのようだが、頭頂部はツルツルにしており、風呂に入るとカッパのようになる、変わったヘアー。私立薔薇十字学園高等学校の工業科1年生で16歳。石川県から引っ越してきた。中学生から地元では番長を張っていたので、新しい学校でもしめてやろうとするが、下っ端に叩きのめされる。 ケンカは強くないが、根性はかなりのもので、気合だけで上級生を退散させたこともある。のちに、ジミーのケンカの強さにあこがれ、五分の兄弟分になりたいと付きまとうようになり、そのまま仲間になった。石川県に1人舎弟がいる。趣味はギター演奏。
ゾンビ
私立薔薇十字学園高等学校の工業科2年生で17歳。身長171㎝、体重58㎏。赤い髪の男。ケンカの実力も高いが、どんなことをしても勝てばいいという考えを持ち、ジミーからはアブナイ男と称される。いつもバイブ(大人のおもちゃ)を持ち歩き、倒した相手をこれで突こうとする。 もとはギャングチーム「ジャーム(バイ菌)」のトップで、チームメンバーはチームのリストバンドをしている。チームに入るようジミーを強引に誘うが、彼は無所属を貫き決別。タイマン勝負でジミーに負ける。その後他校のギャングチームにゾンビが単身で乗り込むときは、ジミーやバンコ、サイコが加勢に来た。 これがきっかけで、ゾンビはチームを離れ、ジミーたちと行動を共にするようになる。通称「ナンパ通りのケンカ屋」。
キャンディ
私立薔薇十字学園高等学校の普通科1年生で16歳。身長181㎝で体重125㎏。体はでかいが、昼間は学生服を着て、黒縁眼鏡のまじめな生徒。だが、夜の12時を過ぎるとオールバックにして青や赤の色に染め、バイクで夜道を疾走する。暴走族「狂天動血」の総長。ある事情で、ジミーとタイマン勝負を張り、負けてしまうが、それ以降ジミーと行動を共にするようになった。 学校の成績は非常によく、東大入試問題も簡単に解くほど。通称は「ビッグ・ザ・ブドー」。
アネとイモート
双子の姉妹で、女子高生。実家は八百屋「八百長」を営む。姉妹そろって、ジミーに胸の谷間に蝶の彫物を彫ってもらったが、それが三日で消えてしまった。実はそれは偽のジミーの仕業だったが、それがきっかけでジミーたちと友人になる。姉妹は援助交際のあっせん役で儲けていたが、アネがジミーに恋心を持つようになり辞めてしまう。
勝針 (かつしん)
凄腕の彫物師。ジミーを雪の中から救った男。この背中の刺青を見て、ジミーは彫物師になる夢を持つ。ヤクザとのトラブルによりアメリカへ逃れ、隠居している。ジミーは勝針の弟子になるため、渡米費用を稼ごうと、学校内り不良たちに彫物をしていた。一番弟子に、竜針がいる。 勝針一門は、27歳以下には彫物は入れない決まりがある。
ゴリ
私立薔薇十字学園高等学校の工業科1年生で16歳。サイコとは同じクラス。サイコが石川県から転校してきた初日、1年の一番強い奴出てこいというので、彼が教室の外へサイコを連れだし、勝負した。結果はゴリの圧勝。このとき、一番強い奴はジミーだとサイコに教え、サイコとジミーがつるむきっかけとなる。 ゴリ自身、ジミーをかなり慕っており、のちにジミーをかばうような形で学校を辞めている。
まち子 (まちこ)
私立薔薇十字学園高等学校の保健医。眼鏡をかけたナイスバディの美女。不良たちの中にいてもまったく平然とし、彼らも彼女には頭が上がらないようす。ジミーの大ファンで、すぐに抱きつくほど。ジミーに刺青を入れてほしいと願っているが、ジミーは女に刺青は入れないと断り続けている。
集団・組織
私立薔薇十字学園高等学校 (しりつばらじゅうじがくえんこうとうがっこう)
ジミー、バンコ、サイコ、ゾンビ、ゴリ、まち子が通う高等学校。普通科と工業科があり、普通科は進学校として有名。だが、工業科は不良のたまり場となっており、教師の中には、工業科廃止を考える者もいる。
ジャスティス
『ギャングキング』の登場する組織。ジャスティスとは正義という意味。私立卍牡丹(まんじぼたん)高等学校内にあるギャングチーム。白い制服。この周囲一帯では、最強とされるギャングチームで、そのトップは生徒会長も務めるピンコ。ジミーの首に賞金をかけ、周囲の不良たちからジミーを襲わせた。ピンコのケンカの実力は地域ナンバーワンで、さらに強くなるためボクシングジムに通っている。 また、チームもヤクザ相手に平気でケンカを売るという。
私立卍牡丹高等学校 (しりつまんじぼたんこうとうがっこう)
地域最強のギャングチーム「ジャスティス(正義)」がある高校。この高校自体、他校から不良高校として恐れられ、暴力団への就職率は30%を越える。まさに最強最悪の高校。
書誌情報
ギャングキング 37巻 講談社〈イブニングKC〉
第32巻
(2019-03-22発行、 978-4065148105)
第33巻
(2019-07-23発行、 978-4065163139)
第34巻
(2019-11-21発行、 978-4065180136)
第35巻
(2020-06-23発行、 978-4065200063)
第36巻
(2020-10-23発行、 978-4065211960)
第37巻
(2021-05-21発行、 978-4065235478)