概要・あらすじ
宇宙船クイーンエメラルダス号を駆り、漂泊の旅を続ける孤高の女・エメラルダス。彼女に戦いを挑む者は容赦なく葬り去られる。人は彼女を宇宙の魔女と呼んで恐れた。そんな彼女は、火星で出会った少年・海野広に対しては、なぜか優しく接する。それは、宏が、エメラルダスが唯一認め、愛した男に似ていたからだった。
エメラルダスは、愛する人の面影を求めて、今日も無法の宇宙を彷徨う。
登場人物・キャラクター
エメラルダス
出身地は地球。左の頬に傷を持つ美女。宇宙船クイーンエメラルダス号に乗り、ただ一人で宇宙を旅する。刃向かう者は、容赦なく抹殺するため、「宇宙の魔女」と呼ばれ恐れられている。その反面、本当に勇気のある信念を持った男には優しい女とも噂されている。左頬の傷は、かつて敵に情けをかけたために反撃に遭って出来た傷であり、自戒の意味を込めて傷跡を残している。 血のような赤に染め抜いた白いドクロを旗印にする宇宙海賊でもある。
海野 広 (うみの ひろし)
地球の少年。自作の宇宙船で地球を飛び出したが、火星へ不時着してしまう。そこで出会ったエメラルダスに見込まれ、絶体絶命の危機に瀕した際には救済の手を差し伸べられるようになる。強い信念の持ち主で、様々な逆境に耐えながら、宇宙船を再建し、自由の天地を目指す。
トチロー
痩身短躯で極度の近眼だが、幾度も死線を乗り越えた者だけが持つ気迫に満ちあふれている。射撃は下手だが、重力サーベルの腕は抜群で一瞬で眼前の敵を倒す。優秀な技術者でもあり、親友である黒衣の戦士が採集してきた重金属で高性能宇宙船の建造を目指している。酒は苦手で、ワイン一杯で泥酔する。エメラルダスが探し求める最愛の人でもある。
黒衣の戦士 (こくいのせんし)
トチローの親友。黒いスーツに黒い帽子を目深に被り、人相はハッキリしないが、顔面に大きな傷跡が確認できる。トチローとは対照的に長身で、銃の腕は抜群、酒にも強い。トチローの名誉を何よりも重んじ、侮辱した者には容赦ない制裁を加える。トチローと共に高性能宇宙船を建造するために、その材料となる重金属を採集してきた。 その正体はキャプテンハーロックと思われる。
ゾナラーナ
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。惑星モスガルートの老いた女戦士。高度に発達した科学文明のために頽廃した故郷を捨て、宇宙へと旅だった。クイーンエメラルダス号の元の持ち主であったが、病に冒され、余命尽きるのを惑星ジュラの砂漠の下で待っていた。ジュラへ不時着した若きエメラルダスに、戦士の教えとエメラルダス号を託して息絶える。
デススカル
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。暗黒星ネガ出身の宇宙山賊で、暴力交易人とも呼ばれている。宇宙戦艦ダークシャー4号を操り、自分に従わない者は、その惑星ごと粉砕する。すでに自らの故郷ネガを含めて65個の惑星を葬っている危険人物。現在は、暗黒星アロザウルスを拠点として暴れ回っている。 エメラルダスを力尽くで我が物としようとしたが、彼女の敵では無く、重力サーベル戦で敗退、アロザウルスごと破壊されてしまった。
アフロダス
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。容姿の醜い者は不要という厳格な統治方針で惑星を支配する大総統。醜いと判断された者は、「人間牧場」と呼ばれる収容所へ収監されてしまう。彼の惑星に接近する宇宙船は侵入者と見なされ、振動砲で撃墜される。エメラルダスが収容所を開放したことをきっかけに大暴動が起こり、爆殺される。
バイダーズ
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。惑星ナスカに流れ着いたお尋ね者。金星の植民都市生まれを自称し、その賞金は600万ドバール(約3600万円)。ナスカの住民や接近する者に難癖を付けては惨殺する。住民は何の抵抗も出来ず、震え上がっている。エメラルダスの銃撃により、その正体がアンドロイドであったことが判明する。
ラメール
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。惑星ナスカの重科学大学の空中機械工学部に十年もいる万年留年生。不時着した海野広の宇宙船を酷評し、対立する。完全な宇宙船を設計するために、日夜研究に明け暮れているが、そのため、体力は衰え、過酷な宇宙旅行に耐えられない体になってしまっていた。高性能の燃料制御バルブを宏に託し、再会を誓い合う。
ジョン・F・ダークバック少佐 (じょんえふだーくばっくしょうさ)
『クイーン・エメラルダス』に登場する人物。大船団を率いるリーダーで、航海歴7年、戦闘参加12回の輝かしい経歴を持つ。ミュクレット座の惑星サマルカンドを目指すが、危険を冒すことを恐れ、時間をかけて平坦な道のりを選ぶ無能な指揮官である。人探しのために船団を訪ねたエメラルダスを、自らに会いに来たと思い込み、下船を阻止しようとしたため、その逆鱗に触れ、重力サーベルで顔を切り裂かれてしまう。
集団・組織
サイレンの女神族 (さいれんのめがみぞく)
『クイーン・エメラルダス』に登場する一族。彼女たちは、サルガッソ小惑星団に住んでおり、その声を聴いた者を幻覚の中に引きずり込まれ、抵抗できなくなってしまう。彼女たちは、捕らえた者を幽閉の岩戸に閉じ込め、人生で最も辛く悲しい場面を繰り返し見せ、もがき苦しませた挙げ句に白骨化させてしまう。ゆえに女神族と出会って生還した者はおらず、唯一の例外はエメラルダスのみと言われている。
場所
ジュラ
『クイーン・エメラルダス』に登場する惑星。オリオンの馬の首暗黒ガス雲に遮られて地球からは見ることが出来ない太陽系アンモナイト、その第三惑星がジュラである。エメラルダスとクイーンエメラルダス号が出会った星でもある。高度な文明都市を残したまま、それを造り上げた生命体は消え去っている。 都市周囲は金属を腐食させる砂漠で、不時着した宇宙船を飲み込んでいく。地球を旅だった若きエメラルダスも、この砂漠で最初の宇宙船を失っている。
その他キーワード
クイーンエメラルダス号 (くいーんえめらるだすごう)
エメラルダスが乗る無限航海船。飛行船のような流麗な船体を持ち、ゴンドラ部は帆船型をしている。自らの意志を持ち、航行に関しては、ほぼ自動化されている。元々は、モスガルートのゾナラーナという女性の所有船であったが、惑星ジュラにてエメラルダスが譲り受けることになった。キャプテンハーロックの海賊戦艦アルカディア号に匹敵する強力な武装を持ち、惑星を破壊することも出来る。
重力サーベル (じゅうりょくさーべる)
『クイーン・エメラルダス』に登場する白兵戦用武器。エメラルダスが左腰に下げており、突く、斬り払うなど、サーベルのように使用する。グリップの部分が拳銃のようになっており、ビームガンとしても使用できる。開拓者や無法者の中でも愛用する者は多い。