グラゼニ ～夏之介の青春～

本編である「グラゼニ」シリーズ（原作：森高夕次、漫画：足立金太郎（アダチケイジ））は、講談社「週刊モーニング」 2011年2・3合併号より連載の野球漫画。年俸や移籍といったプロ野球のリアルを描いて話題となり、「東京ドーム編」（第2部）、「パ・リーグ編」（第3部）、「大リーグ編」（第4部）と長期連載となり、2018年にはテレビアニメにも展開された。本作はそんな「グラゼニ」シリーズのスピンオフ第1弾。女子にモテまくっていた中学時代、体育会系の数々の洗礼を受けた高校時代など、シリーズの主人公・凡田夏之介の知られざる青春時代を描いている。

本編にも「ナッツ編」という、夏之介の高校時代を描いたサイドストーリーがあるが、本作の舞台はそれより少し前。物語開始時点の夏之介は中学3年生の15歳。同級生はもちろん、インターハイ出場経験のある体育教師をも手玉に取るほどの運動神経の持ち主で、女子にモテモテのリア充である。そんな夏之介の本職は野球の投手。ノーヒットノーランも珍しくなく、バッターやランナーとしても非凡な才能を持つ。また、中学時代からクレバーな選手で、中学最後の市大会では、ベンチからリモートでチームメートを操り、見事なを見せた。

リア充な中学3年生・夏之介の前に、ある日突然、永倉さよりが現れる。彼女は夏之介の同級生で、野球談義の交換日記がしたいという。こうして交換日記を始めた夏之介だったが、さよりの目的は野球談義ではなく、試合を対象にした「賭け」だった。さよりの巧妙な手口に巻き込まれた夏之介は、賭けに負けて3000円を支払うことになる。雀荘の経営者であるさよりの父は、夏之介の父の旧友であり、本編に登場したスパイダーズのスカウト・安田良樹のはとこでもある。本作には、さよりの父の情報で、才能のある中学生・夏之介の試合を見にくる安田が登場する。ほかにも、本編登場のケーブルテレビ勤務の西浦菜津樹が、名門鶴見川高校のエースとして登場。一年後輩の夏之介をいびったり、女子生徒と恋したりする姿が描かれる。