概要・あらすじ
運び屋のアルゲマイネ(アル)は、親友のユージニアスと共に、グランドライナーになるという夢を抱きつつ、自らの仕事を全うする日々を過ごしていた。そんなある日、アルはギルティライナーに追われていると語る少女、マヤを救出するのだが、彼女は感謝の意を示しつつも、裏で不審な行動をとり始める。一方、時を同じくしてユーラシア鉄道による陰謀が静かに進行しつつあった。
登場人物・キャラクター
アルゲマイネ
鉱山都市ファールンに住む、運び屋の少年。モト・ライナーを使い、依頼された荷物を運搬している。勤勉かつ真っ直ぐな性格で、運び屋としての技量も確か。そのため多くの住人に頼りにされているが、純朴で思い込みが激しいところがある。外国を自らの目で見て、自らの列車を走らせてみたいという希望を抱いており、そのためにグランドライナーになることを人生の目標としている。 一方、父親との確執が原因で、ギルティライナーに対しては並々ならぬ憎悪を燃やしている。
マヤ
ギルティライナーに追われていたところを、アルゲマイネ(アル)に救出された少女。ユーラシア鉄道による支配体制に疑問を抱いており、一生懸命働いても儲けが少ないアルに対して、その疑問を提示している。身のこなしが巧みで、列車の扱いにも精通しているが、精神的にもろいところがあり、そこを突かれて窮地に陥ることもある。
列車長 (れっしゃちょう)
ギルティライナーの一つ、紅の暁号の頭領。優れた剣の腕と、指導者としての資質を併せ持つ勇敢な青年。ユーラシア鉄道の横暴を憂いており、彼らに汚名を着せられながらも真っ向から立ち向かう姿勢から、部下の信頼も篤い。ユーラシア鉄道の陰謀によって窮地に陥ったアルゲマイネを救い、後に紅の暁号へと誘っている。
ユージニアス
運び屋を営んでおり、アルゲマイネ(アル)とは親友同士。お調子者かつ女好きで、深く物事を考えない性格。実家はパン屋で、母親からは家業を継ぐことを求められているが、ユージニアス本人は運び屋という仕事に誇りを持っており、理由こそ異なれど、アル同様にグランドライナーになることを日々夢見ている。
ルデレ公王 (るでれこうおう)
ファールンの領主。民族衣装に身を包む白髪の男性。領民のことを第一に考える名君で、ファールンにおけるモリブデンの採掘のため、有志の働き手を募集している。ギルティライナーを退けたアルゲマイネに対し、ユーラシア鉄道から賞金が授与されることを伝えるが、のちにそのユーラシア鉄道によって偽札作りの嫌疑をかけられてしまう。
ハミル
ルデレ公王の秘書を務める女性。才色兼備の秘書官としてユージニアスに慕われている。実際に諸外国に関する知識が豊富のようで、ファールンでモリブデンが採掘された際には、エタルニア王国の王でありグランドライナーの一人でもある「エタルダス」に対して採掘機械の運搬を依頼し、無償で引き受けてもらっている。ルデレ公王同様、アルゲマイネに注目しており、グランドライナーの資質を持っているとまで言っている。
ガリエン大佐 (がりえんたいさ)
ユーラシア鉄道警備隊の部隊長で、階級は大佐。引き締まった体格をしている禿頭の男。苛烈で傲慢な性格をしており、自分たちにとって不都合なことを知る者は容赦なく抹殺しようとする。「国潰しのガリエン」のあだ名を持っており、ユーラシア鉄道の意に沿わない国を、難癖を付けて取り潰してきており、ファールンに対しても、偽札作りの罪をでっちあげて壊滅させようとする。 紅の暁号とは因縁があり、自らの手で捕縛することにこだわっている。
集団・組織
ユーラシア鉄道 (ゆーらしあてつどう)
世界的な規模を誇る大手鉄道会社。大昔の大戦争で断層と渓谷だらけになった世界に線路を敷き詰め、孤立した都市や国を繋げている。現在も、ギルティライナーを取り締まる警察としての役割や、全世界を走る鉄道の運営を一手に引き受けているが、鉄道の使用料は非常に高価だったり、グランドライナー以外の国の行き来を厳しく制限しているなど、独占状態ゆえの歪みが生じてしまっている。
紅の暁号 (くれないのあかつきごう)
七大ギルティライナーの一つに数えられているライナー集団。高額な懸賞金がかけられている。しかし、民間人に対して略奪を行うようなことはしておらず、敵意の矛先はユーラシア鉄道に向けられている。ユーラシア鉄道も幾度となく辛酸を舐めさせられ続けており、ガリエン大佐を始め、捕縛するため躍起になっている存在は数多い。
場所
ファールン
世界有数の鉱山都市。街の中に線路が敷き詰められており、個人所有のモト・ライナーを使った商売が盛んになっている。長らく質のいい鉱石が取れていなかったが、最近になって貴金属を含んだ鉱石「モリブデン」が採掘されるようになり、更なる発展を期待されている。
その他キーワード
モト・ライナー (もとらいなー)
個人用の小型車両。サイドカーのような形状をしており、運転手を含めて2人まで搭乗することができる。基本的には線路の上で用いられるが、ある程度の悪路なら難なく走破でき、アルゲマイネは階段を上るという離れ業も披露している。また、クレーンなどのオプションパーツを搭載することも可能である。
グランドライナー
ユーラシア鉄道により選抜される、優秀なライナーの称号。現時点では7人存在する。ユーラシア鉄道から超高速列車を貰える、レール使用料がタダになる上にダイヤグラムを最優先で取得できる、国境を超える運行ができるといったさまざまな特典が与えられる。ライナーにとってグランドライナーに選ばれることは最高の栄誉であるとされている。
ギルティライナー
ユーラシア鉄道の定めた鉄道法を違反した行動をとるライナーの総称。野盗まがいの小物から、高額な懸賞金をかけられている大物まで存在する。特に危険であるとユーラシア鉄道に定められているものは、七大ギルティライナーと呼称されており、紅の暁号もその一つである。アルゲマイネを始めライナーたちには疎まれているが、ユーラシア鉄道の姿勢を快く思わない者からは、真のグランドライナーと英雄視されることもある。