概要・あらすじ
原始時代。集落(アーツ)と呼ばれる共同体に生まれた少年のアクウは、占いによって「村に災いをもたらす忌み子」とされ、迫害されていた。周囲の人たちに自分を認めさせるため、大物を狩ろうと、密かに狩りの練習をしていたアクウ。ある日、アーツの青年ボロジャイたちが、巨大な生物、グラシュに襲われていたところを目撃する。
登場人物・キャラクター
アクウ
ダダアとルルの間に生まれた少年。赤い月の夜に生まれたので、オバジジから「災いを呼ぶ忌み子」と呼ばれる。ダダアの活躍によって、生まれてすぐに殺されることは免れるものの、集落(アーツ)の人間からは迫害されて育つ。狩りで巨大な獲物を仕留めれば、周囲の人間に自分を認めさせることができると考え、密かに狩りの練習をしている。
ダダア
アクウの父親。幼いころは動物に育てられていた。ある時期から集落(アーツ)で暮らすようになり、成長してからは、周囲から一目置かれる勇敢な戦士となる。息子のアクウが「災いを呼ぶ」とされる言い伝えに反発。人間ではかなわないとされる巨大な生物、ヴォルガを単身で狩り、生贄に捧げてアクウの命を救う。しかし、ヴォルガとの戦いで右目と左手の自由を失い、狩りができなくなる。 その後は、集落の人間が使う武器を作って過ごすが、集落の人間からは距離を置かれるようになっている。
ルル
アクウの母親。子どもの頃から心優しい性格の持ち主。集落(アーツ)に来たばかりで言葉も話せず、誰にも馴染めなかったダダアを、最初に受け入れた人物。アクウを産んでからは体調を崩し、あまり出歩けなくなっている。
オバジジ
アクウたちの暮らす集落(アーツ)の長老的な存在の男性。先祖からの言い伝えによって、アクウを「災いをもたらす忌み子」だと判断し、生まれた日にアクウを殺そうとする。集落で唯一「太陽との対話」が行えるシャーマンで、アクウを殺さない代わりに、太陽にヴォルガの生贄を捧げることをダダアに求める。アクウが生まれてからは、アクウたち親子3人を迫害するようになる。
モーグ
アクウの暮らす集落(アーツ)の男性。ダダアたちと比べて浅黒い肌を持つ。絵を描くのが得意。少年のころ、ヴォルガを狩るダダアに同行し、狩りの様子を洞くつに描き残している。迫害されているアクウたちのことを気にかけている。
ボロジャイ
アクウの暮らす集落(アーツ)の若い男。狩りが得意で人気がある。アクウを激しく非難し、集落(アーツ)から出ていくように詰め寄る。ある日の狩りで、巨大な生物、グラシュと出会い、仲間を殺されてしまう。一人集落に帰ってからは、グラシュに対する復讐に燃える。
集団・組織
集落 (あーつ)
アクウたちが暮らす共同体。森のなかにある集落で、数十世帯が暮らしている。太陽と月を信奉する原始的な宗教を持ち、大人たちの合議制で運営されている。長老であり、「太陽との対話」が行えるオバジジの発言力が最も強い。
その他キーワード
ヴォルガ
サイのような巨大な生物。集落(アーツ)の近くにある「黒き草原」の王とされる。2本の角を持ち、獰猛な性格で、大型の肉食獣も倒す力を持つ。集落では「人間ではかなわない」とされており、草原には近づかないように、という取り決めがある。
グラシュ
マンモスのような巨大な生物。「グラシュ」とは集落(アーツ)の言葉で「絶望の山」という意味。姿を見た人間はなく、先祖の言い伝えに残されている。体高が数メートルほどもあり、凶暴な性格。ボロジャイがグラシュと遭遇したため、オバジジは集落の移動を提案する。
クレジット
- 原作