概要・あらすじ
イズァローン王国では王位継承をめぐり、アル・ティオキア派とシド・ルキシュ派に分裂していた。イズァローン王はアル・ティオキアを隣国イシュカに人質に出すと発表した。その後イズァローン王国はイシュカに攻め入り、滅ぼしてしまう。辛くも難を逃れたアル・ティオキアは、その後、封印されていた魔を開放してしまい、身体の中に魔を取り込んだ魔王として生きることになる。
登場人物・キャラクター
シド・ルキシュ
イズァローン王国先代王の兄王の息子。武道に長け、雄々しくリーダーシップがあるが、繊細な面もある。国内はルキシュ派とティオキア派に別れていたが、それを収めるためにフレイア・ベアトリスと政略結婚をする。彼女は、偶然樹海で出会い、一目惚れした少女だった。周りのお膳立てにもかかわらず彼は王位に執着はなかったが、運命を受け入れ、王として国をまとめていくようになる。
アル・ティオキア
イズァローン王国先代王の息子だが、両性体(プロトタイプ)。争いを嫌う心優しい王子。女性と見まごう美しい容姿をしている。イシュカに人質として送られた。その後、地下に封印されていた魔を開放し、体内に魔を宿す魔王となる。そのことに苦悩しながら、魔を押さえ込み、彼を慕う者たちと旅を続ける。
フレイア・ベアトリス
樹海の金の谷で育った。美しい金髪の美少女。アスナベル・レムと恋人同士だったが、シド・ルキシュとの縁談が持ち上がり、別れさせられ、王妃となった。国の安泰をもたらすための政略結婚だったため、表向きは円満を装っている。シド・ルキシュの誠実さには心打たれているが、かたくなに彼を拒んでいる。
ユーディカ
両性体であることを誇りにするイズァローン王国の衛兵。アル・ティオキアを主人として慕い、また想いを寄せている。アル・ティオキアがイシュカに人質として向かう際に同行し、以来側に仕え、一緒に旅をしている。
タズト
ユーディカの弟。やんちゃで好奇心が強く、いつもユーディカに叱られている。アル・ティオキアがイシュカに人質として向かう際にユーディカと共に同行し、以来側に仕え、一緒に旅をしている。
ルーン・ヒオド
イシュカでアル・ティオキアと出会い、彼に魔術を授けた。古代イズァローンを封印した八人の導師の子孫。教養が高く冷静。アル・ティオキアを導き、見守っている。
エゼキエル
エコ族の水案内の巫女。アル・ティオキアに出会い、その能力が更に開花した。以来、側に仕え、一緒に旅をしている。異国の言葉を話すが、タズトとは意思疎通ができる。
アスナベル・レム
フレイアの元恋人。彼女にシド・ルキシュとの縁談が持ち上がった際、国外追放になった。彼女の姿を一目見たいとイズァローン王国に戻った際に偶然シド・ルキシュと知り合う。文武両道で、彼に仕える七王騎士のリーダーとなる。
カウス・レーゼン
イズァローン王国の学者だったが、アル・ティオキアがイシュカに下る際に同行し、以来一緒に旅をしている。冷静で皮肉屋。アル・ティオキアが魔に取り込まれないよう厳しくも常に寄り添い見守っていくうち、忠誠心が敬愛に変わっていった。
イズァローン王 (いずぁろーんおう)
アル・ティオキアの父。樹海の中の小国だったイズァローン王国を強大にした勇猛果敢な王。金の谷の娘を娶り、王妃とした。兄王が亡くなるまでは共同統治を行っていた。
ゼーダ
ヌバタマ山に住んでいる魔術師。かつて魔王の側近だったゼクの子孫。少年のような姿をしているが、中身は残酷な魔物。
セイレン
山賊の長。ユーディカに惹かれ、アル・ティオキアの一味に加わり、旅をすることになる。肌が黒く野性的。
大教母ガラテア (だいきょうぼがらてあ)
金の谷の長である老婆。数ある教母の中から選ばれ、歴史や魔法など、すべての知識を前任の大教母から受け継いでいく。
リカピ
樹海に住む魔族の少年。普段は鹿の姿をしているが、時折ヒトに変身し、人間の世界を覗きに行く。物語の冒頭でシド・ルキシュに矢で射られたところをアル・ティオキアに救われた。
マーリ
中の領主の娘。フレイア・ベアトリスに憧れて王城へ見習いへ来る。次第にシド・ルキシュ王に惹かれていく。
獅子公使グラフィン (ししこうしぐらふぃん)
かつての魔王の側近。人面を持つライオン。アル・ティオキアについてまわり、魔王の復活をこの目で見ようとしている。
場所
イズァローン王国 (いずぁろーんおうこく)
シド・ルキシュとアル・ティオキアの祖国。この世界の人間は、両性体(プロトタイプ)として産まれ、その後成人するまでに男女のどちらかに分かれ、ヒトとなる。