概要・あらすじ
過激派グループ「民族のキバ」を主犯とする250名の囚人が刑務所を占拠し、看守たちを人質にジャンボ機でのリビア行きを要求するという事件が発生した。事態を重く見た警察は、ある民間の飛行機クラブに機体の操縦を依頼する。その名は「コンドル航空」。メンバーわずか3名の小さなクラブながら、リーダーの火鳥剣太郎はあらゆる機種の飛行機を操るアメリカ航空局お墨付きの凄腕パイロットだった。
依頼を引き受けた剣太郎は仲間の桔梗次郎、マヤとともに囚人たちを乗せたジャンボ機に搭乗。犠牲者を出さずに犯人たちの国外逃亡を阻止するという困難なミッションに挑む。
登場人物・キャラクター
火鳥 剣太郎 (ひどり けんたろう)
飛行機クラブ「コンドル航空」のリーダーを務める男性。仲間の桔梗次郎やマヤからは「剣ちゃん」と呼ばれている。アメリカ航空大学創立以来の秀才と謳われた凄腕のパイロットで、プロペラ機、戦闘機、ジャンボ機など、ありとあらゆるタイプの飛行機を手足同然に操る。道理の通らぬことや権力のゴリ押しを嫌う熱血漢で、「空の無法は許さない」を合言葉に、仲間たちと数々の難事件に挑んでいく。
マヤ
飛行機クラブ「コンドル航空」の紅一点。いつも革ツナギの胸元をはだけているグラマラスな美女で、気が強く男勝り。クレー射撃の女子チャンピオンとなった経歴を持つなど射撃の腕も一流。さらに、周囲の海域や空域の異常をいち早く察知するレーダーのような特殊能力も持っており、リーダーの火鳥剣太郎に劣らぬ活躍を見せる。
桔梗 次郎 (ききょう じろう)
飛行機クラブ「コンドル航空」のメンバーの男性。口は軽いが勇敢で腕っぷしが強く、銃を持った相手にもまったくひるまない。パイロットとしての腕も確かで、リーダーの火鳥剣太郎が操縦する際には副操縦士を務めるなど、剣太郎の良きサポート役となっている。
鳥羽 翼 (とば つばさ)
鳥羽機長の一人息子で火鳥剣太郎の昔なじみ。アメリカで両親と暮らしていたが、東京で心臓の手術を受けることとなった母親に付き添って、父親が操縦する日本行きのジャンボ機に搭乗。同機が犯罪組織にハイジャックされた際、剣太郎たちとともに犯人グループに立ち向かった。ハイジャック事件解決後に飛行機クラブ「コンドル航空」に加入し、4人目のメンバーとして蜂ノ巣地区買収を目論む帝国産業と戦う。
博士 (はかせ)
蜂ノ巣地区で暮らす本名不明の陽気な老人。どんな時も酒ビンを手離さない飲んだくれだが、実は優秀な工学博士。自動車、ジェット機、クルーザーに変形する水陸空対応の可変マシンを開発し、帝国産業と戦う火鳥剣太郎たちに提供する。
清河 竜吉 (きよかわ たつきち)
蜂ノ巣地区の買収を画策する帝国産業の若き男性社長。エリート街道を歩いてきたやり手だが、幼少期に両親である前社長夫妻にかまってもらえず、祖父母に甘やかされて育った。そのため幼児性が抜けておらず、敵対する者や仕事に失敗した者を執拗に責め立てる児童のようなわがままさと残虐性を秘めている。愛読書はアドルフ・ヒトラーの「わが闘争」。
上原
警視総監を務める男性。過激派グループ「民族のキバ」が国外へ逃亡するのを阻止するよう、飛行機クラブ「コンドル航空」に依頼する。「民族のキバ」が起こした爆破テロ事件で愛娘を亡くしており、異常なまでの執念で捜査にあたり、組織を壊滅させたという過去を持つ。
津山 義雄 (つやま よしお)
平安製薬へのテロを予告した男性。かつては一流の商社マンだったが、平安製薬が起こした薬害事件で身重の妻を亡くしたことから復讐を決意。職を捨ててパイロットの資格を取り、小型飛行機で平安製薬のビルに特攻しようと企む。
石川 (いしかわ)
末端価格4億円の麻薬を持ち逃げしたため、所属していたヤクザ組織に追われているチンピラの男性。火鳥剣太郎の操縦する小型機に恋人のミユキを連れて乗り込み、剣太郎を銃で脅して韓国領に向かうよう要求。領空侵犯で機体が韓国空軍に追われている間にパラシュートで脱出しようと試みる。
ジョン・ジェロニモ (じょんじぇろにも)
アメリカ先住民の血を引く男性。火鳥剣太郎のアメリカ航空大学時代の友人で、学生時代に2人の乗る練習機が故障してロッキー山中に不時着した際、負傷して動けなくなった剣太郎を助けた。航空大学卒業後はアメリカ空軍に入隊するが、偵察飛行に出たバミューダ海域で行方不明になってしまう。
ヘンリー・カニンガム (へんりーかにんがむ)
米海軍西インド艦隊所属のパイロットの男性で階級は中尉。火鳥剣太郎とジョン・ジェロニモのアメリカ航空大学時代の友人。偵察飛行に出たジェロニモがバミューダ・トライアングルで行方不明になったことを剣太郎に伝えるが、自身もまた同じ海域で消息を絶ってしまう。
鳥羽機長 (とばきちょう)
鳥羽翼の父親で火鳥剣太郎の昔なじみ。セントラル航空の機長をしていて、家族とアメリカで暮らしていたが、妻が東京で心臓の手術を受けることになったため、自身が操縦する便に妻と息子を乗せて日本に向かう。ところが、飛行中に機内でハイジャック事件が発生。コクピットに侵入した犯人が発砲したため風防が割れ、そこから機外に放り出されてしまう。
集団・組織
コンドル航空 (こんどるこうくう)
京浜工業地帯の一角にあるドヤ街、蜂ノ巣地区にある飛行機クラブ。会社はオンボロだがリーダーの火鳥剣太郎はじめ凄腕のメンバーがそろっており、空を舞台にしたさまざまな事件に立ち向かっていく。当初は剣太郎、桔梗次郎、マヤの3人で活動していたが、のちに鳥羽翼が加わり4人体制となった。
民族のキバ (みんぞくのきば)
新宿歩行者天国で爆破事件を起こすなど、数々のテロを起こしてきた超過激派グループ。日野刑務所に収監されていたが、囚人たちを率いて暴動を起こして刑務所を占拠。看守たちを人質にして日本政府にジャンボ機でのリビアへの出国を要求する。
平安製薬 (へいあんせいやく)
津山義雄の復讐のターゲットとされた大手製薬会社。スモン病を引き起こすキノホルムという成分が含まれた整腸剤を製造・販売したために982名が発病、18名が死亡するという重大な薬害事件を過去に起こしている。空からの攻撃を予告する脅迫状が津山から送られてきたことから、飛行機クラブ「コンドル航空」に解決を依頼する。
4人組の男 (よにんぐみのおとこ)
アメリカの犯罪組織のメンバーたち。東京に向かうセントラル航空のジャンボ機に乗り込み、敵対する全米マフィアのボスを機内で暗殺するが、同乗していた鳥羽翼の母親に目撃されたため同機をハイジャック。乗り合わせていた火鳥剣太郎や桔梗次郎を痛めつけ、人質を次々に射殺するなど無法の限りを尽くす。
帝国産業 (ていこくさんぎょう)
清河竜吉が社長を務める総合商社。一大緑地公園を建設するという名目のもと蜂ノ巣地区の買収を進める。だが、真の目的は巨大な地下工場を建設することであった。暴力を使って用地買収に反対する者を強引に排除しようとしたため、蜂ノ巣地区をアジトとする飛行機クラブ「コンドル航空」と激しく対立することになる。
場所
蜂ノ巣地区 (はちのすちく)
コンドル航空がアジトを構える京浜工業地帯の一角にあるドヤ街。一般社会では生きていけない者たちが集まっていて、警察もヘタに入り込めない無法地帯となっている。京浜ふ頭の目と鼻の先という絶好の場所にあることから、巨大地下工場の建設を目指す帝国産業の標的となる。
神巣島 (かみすじま)
帝国産業の社長である清河竜吉が所有する無人島。東京の南方800キロに位置する周囲4キロたらずの小島だが、四方がそそりたつ絶壁となっている天然の要害で、島内にも多数の高射砲が配備されているなど難攻不落の要塞となっている。
関連リンク
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