サディスティック・19

サディスティック・19

妖怪、変わり者のお嬢様、耽美趣味の医者など、個性あふれる人々の不条理でシュールな日常を描いたショートギャグコミック。「花とゆめ」平成2年15号から平成9年8号にかけて連載され、また「花とゆめEPO」「別冊花とゆめ」といった増刊号にも多数掲載された。

正式名称
サディスティック・19
ふりがな
さでぃすてぃっく ないんてぃーん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

世界観

妖怪や幽霊といった人ならざる存在が普通に暮らす世界で、登場人物たちのシュールでブラックな笑いにあふれた日常が描かれる。レギュラーキャラは多数存在するが特定の主人公はおらず、毎回登場するキャラクターが変わり、入れ替わっていくのが特徴。

作品構成

本作『サディスティック・19』はオムニバス形式のショートギャグとなっている。毎回8ページ程度のボリュームの中に、2~8ページの短い作品がいくつか盛り込まれる構成で進行していく。登場人物はその回のみの単発で登場する者と、回をまたいで何度も登場するレギュラーキャラクターに二分される。登場順に規則性はなく、毎回どのキャラクターが登場するかはわからない仕組みになっている。

あらすじ

太田由香は、好奇心旺盛でサディスティックな親友の重政桂子の思い付きに振り回される日々を送っている。幽霊を見たり、桂子が蝶に変身してしまったり、謎の儀式に付き合わされたりと、不条理なことが次々起こる中で時に恋愛もしながら、由香の気苦労の絶えない日常は続いていく。

登場人物・キャラクター

マリ

妖怪「百目女」と人間の男性のハーフの少女。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした髪の毛をおさげにしている。一見すると普通の人間と変わらないが、実は全身に目が50個あり、肌を露出すると目が48個隠れている。ちなみに50個なのはハーフだからで、母親は目が100個ある。そのような容姿を持つため、母親とともに温泉に行くのは難しいと考えていたが、ある日訪れた温泉で、口が100個ある「百口女」、鼻が100個ある「百鼻女」、耳が100個ある「百耳女」などの仲間の妖怪に遭遇し驚かされることとなる。

愛子 (あいこ)

涼子の双子の姉。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばした茶髪ストレートロングヘアをハーフアップにしてまとめている。穏やかな性格で、涼子とは非常に仲が良い。しかし涼子のブラックジョークにはついていけないことが多く、時折密かに涼子を恐ろしくも感じている。

涼子 (すずこ)

愛子の双子の妹。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばした茶髪ストレートロングヘアをヘアベンドでまとめている。ブラックジョークが大好きで、例えば辞書の中の「殺意」や「凶器」といった恐ろしい単語にマーキングをしていたり、しりとりをする時は「断末魔」や「首吊り」などといった恐ろしい単語しか使わない。これにより、愛子を困惑させたり怯えさせることが多いが、涼子自身はそのような愛子のリアクションを楽しんでいる節がある。

西神田 夢彦 (にしかんだ ゆめひこ)

「西神田クリニック」で医師を務める若い男性。漫画同人誌を自主制作する、同人活動も行っている。前髪を左寄りの位置で分け、腰まで伸ばしたロングヘアを1本の三つ編みでまとめており、眼鏡をかけている。本作『サディスティック・19』が漫画の世界であることを理解しており、漫画の登場人物、つまり「絵」である本作のキャラクターたちに、「直接絵を描き直す」形で美容整形を施すことができる。 しかし、耽美な絵柄が好きなため、キャラクターたちを自分好みの絵柄に勝手に書き換えては困らせている。また、いつまでも鏡を見つめていられる極度のナルシストでもある。

桃子 (ももこ)

「西神田クリニック」で看護師を務める若い女性。前髪を目の上で切って左寄りの位置で分け、ゆるくウェーブがかったロングヘアを胸まで伸ばしている。素直な性格のしっかり者で、マイペースでとぼけたところのある西神田夢彦にツッコミを入れたり、寝坊をたしなめたりしている。

神保町 花子 (じんぼうちょう はなこ)

西神田夢彦の友人で、「西神田クリニック」の隣にある「神保町内科医院」に勤める若い女性医師。前髪を左寄りの位置で分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。勤め先がすぐ近くであるため、頻繁に「西神田クリニック」を訪れてはお茶を飲んだり、「西神田クリニック」の看護師たちとともに夢彦の言動にツッコミを入れている。

渢太 (ふうた)

両親と、妖怪「油すまし」のすまちゃんと一緒に暮らす小学生男子。前髪を目の上で切ったふんわりとしたショートカットヘアをしている。お人好しな性格。ある日母親の美登里が連れて来たすまちゃんと一緒に住むことになり困惑するが、次第に親しくなっていく。両親の破天荒なふるまいには振り回されることが多い。

すまちゃん

渢太の家に住む、油すましの妖怪。茶色いキノコのような形の頭にすました表情をし、蓑を着て杖を持った姿をしている。性別は不明で、「すまちゃん」も愛称であるため本名は不明。すまちゃん自身はあまり気に入っていないが、渢太の父親である信太郎からのみ「すまっぷ」「すまちー」と呼ばれている。ある日渢太の母親の美登里が突然拾ってきたことで渢太と知り合った。 言葉を発することはないが、落ち着いた雰囲気の働き者で、よく気の付く性格。そのためいろいろと謎は多いものの、すぐに一家になじんだ。

美登里 (みどり)

渢太の母親で、信太郎の妻。前髪を目の上で切って真ん中で分け、肩上まで伸ばしたボブヘアをしている。明るくお茶目な性格で、気に入ったものは何でも拾って家に持ち帰ってしまう困った癖がある。ある日偶然出会ってそのまま連れ帰ったすまちゃんのことを気に入っており、家族同然に接している。信太郎とは海で知り合い、自分の無茶なお願いを聞いてくれたのがきっかけで結婚した。

信太郎 (しんたろう)

渢太の父親で、美登里の夫。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした長髪を後ろで1つにまとめている。細かいことを気にしないおおらかな性格で、妻の頼みは多少無茶でも聞いてしまう。2年前に美登里から「結婚記念日に、ラフレシアの花が欲しい」と言われて以来、採取の旅に出かけ家を空けていた。無事ラフレシアの花を持って帰宅し、すまちゃんと知り合う。

原田 翔太郎 (はらだ しょうたろう)

東原小学校1年3組に所属する、すまちゃんのクラスメイトの小学生男子。髪型は前髪を真ん中で分けて額を全開にし、耳の下まで伸ばした外巻きボブヘアで、額にはサングラスを乗せている。気が強く負けず嫌いな性格。渢太の中学校進学を機に小学校に通い始めることになったすまちゃんをライバル視しており、牛乳の早飲み勝負などさまざまな勝負を挑むが、その過程ですまちゃんのことを認め、親しくなっていく。

太田 由香 (おおた ゆか)

重政桂子の友人で、同じ学校に通う女子。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした茶髪セミロングヘアをハーフアップにしている。一見おとなしい雰囲気だが、実際は肝の据わった性格。しかし桂子の思い付きに振り回され、気苦労の絶えない日々を送っている。やがて近い境遇のセバスと親しくなり恋人になるが、同じようにセバスを想う桂子と、まさかの三角関係になってしまう。

重政 桂子 (しげまさ けいこ)

太田由香の友人で、同じ学校に通う女子。前髪をヘアバンドで上げて額を全開にし、胸まで伸ばした黒髪ストレートロングヘアをしている。何事にも動じない性格でいつも落ち着いており、幽霊などの怖いことに強い耐性を持つ。好奇心旺盛で、興味関心のあることは何でも積極的に行う性格。そのため由香やセバスをはじめとする周囲の人物を振り回すことが多い。

セバス

重政桂子に執事として仕える、年老いた男性の姿をしたサイボーグ。前髪を上げて額を全開にして撫でつけ髪にし、顎ひげを伸ばしてスーツを着ている。もともとは400年ほど前に生まれた普通の男性で、重政家に出入りする金魚売りだった。しかし当時の当主が動物に襲われているところを助けたのがきっかけで、重政家に仕えることになり、死後も秘術によりサイボーグ化して執事として働いている。 現在の身体は28代目で、現在の身体になるまでは「崇一郎」という名前だった。しかし桂子に「あなたは今日からセバスちゃんね」と命名されて以来は「セバス」に改名した。桂子には「ちゃん」付けで呼ばれているため、「セバスチャン」という名に誤解されやすい。密かに太田由香に想いを寄せている。

岡田 靖幸 (おかだ やすゆき)

重政桂子の恋人。前髪を目の上で切ったショートカットヘアに、キャップをかぶっている。ラップを自作するのが趣味で、ある日帰宅途中の桂子に自作のラップが入ったカセットテープを渡したのがきっかけで桂子に想いを寄せられるようになる。そして、どうしても岡田靖幸と交際したいと考えた桂子により力ずくで捕らえられて怪しい宗教儀式を行われ、記憶を改ざんさせられたうえで交際することになる。 ワニに食べられることに憧れているなど、一風変わったところがある。

さおり

栄太郎と裕二の2人に想いを寄せられている女子。前髪を目の上で切って真ん中で分け、胸まで伸ばしたロングヘアをしている。裕二と交際していたが、ある日2人の交際に納得していない栄太郎が裕二に決闘を申し込み、自分を置いてきぼりにして争う2人に巻き込まれ困惑している。

栄太郎 (えいたろう)

さおりに想いを寄せる男子。前髪を目の上で切ったショートカットヘアをしている。ある日さおりが自分よりも裕二の方が好きだと知り、裕二に決闘を申し込む。思い込みの激しい熱い性格で、さおりを想うあまり、心拍数が500を超えている。

裕二 (ゆうじ)

さおりと交際中の男子。前髪を目の上で切って真ん中で分け、髪全体を後ろに流している。クールな性格で栄太郎からの決闘には乗り気でなく、一度勝負に負けてしまう。しかしその後さおりを取り戻すため、再度栄太郎と、さおりを置いてきぼりにした勝負を始める。犬笛並みの高音を出すことができる。

米本 (よねもと)

さおりの新しい恋人。前髪を目の上で切って真ん中で分けたショートカットヘアに眼鏡をかけている。笑顔を絶やさぬにこやかな雰囲気だが、四隅に刃の付いたトランプを操るのが得意で、自ら故意に刃でケガをしてなお笑っているという一風変わった人物。栄太郎と裕二に愛想を尽かし、栄太郎から乗り換えたさおりと交際することとなった。

炎田 焼子 (ほのおだ やきこ)

常に全身が燃えている女子学生。癖のある前髪を目の上で切り、ゆるくウェーブがかった髪を胸まで伸ばしている。丁寧なお嬢様口調で話すが、行動は非常にパワフルでエネルギッシュ。想いを寄せる相手にアタックしようと抱き着いた際、相手と一緒に灰になって燃え尽きてしまうが、1年後、五月病に苦しむ友人の想いを受けて墓場から復活する。

硯 京四郎 (すずり きょうしろう)

書道家の若い男性。前髪を真ん中で分けて額を見せ、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。職業柄、常に和服を着ている。書をする際は、墨だけでなく自分の血も用いて書くことから「耽美派」の書道家として知られているが、そのため貧血になりやすいのが悩み。業界内では異端視されている。

妙子 (たえこ)

硯京四郎の弟子兼お手伝いとして働く若い女性。前髪を目の上で切って左寄りの位置で分け、ロングヘアをシニヨンにしてまとめている。京四郎の作品が大好きで強く憧れており、ある日京四郎の作品に自分の血を提供することになる。しかしその際自分の血が通常の赤ではなく、さまざまな色がまじりあったマーブルカラーであることが発覚する。

布美子 (ふみこ)

休日を利用して川田湖へやって来た若い女性。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、肩につくほどまで伸ばした癖のあるロングヘアをハーフアップにしてまとめている。川田湖を探索中、釣りをしている魚唇と知り合い、以来彼と頻繁に遭遇するようになってしまう。腕っぷしが強く、無理やり自分の首に筋子でできたネックレスを巻こうとした魚唇を撃退したことで、なぜか魚唇に好かれるようになってしまう。

魚唇 (ぎょしん)

釣り人の若い男性。副業として、魚介類でできたアクセサリーを扱うジュエリーショップ「GYO:SIN」を経営している。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした長髪を後ろで1つにまとめ、常にサングラスをかけている。釣りと魚介類をこよなく愛し、川田湖の底に家を建てて魚と一緒に暮らしている。その一風変わった趣味から布美子には敬遠されているが、嫌がる布美子に無理やり首に筋子でできたネックレスを巻こうとして殴られたのをきっかけに想いを寄せるようになる。

椎名 サカナ子 (しいな さかなこ)

魚唇の新しい恋人。海女として働いている。前髪を目の上で切り、ロングヘアをシニヨンにしてまとめている。明るく海が大好きで、魚唇とは非常に趣味が合う。布美子から離れた魚唇と交際するようになったが、布美子のパンチをどうしても忘れられない魚唇に、一方的に別れを告げられてしまう。

陽子 (ようこ)

テリィに想いを寄せる若い女性。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばしたロングヘアをしている。「集団ババロア食わせ」にババロアを無理やり食べさせられそうになった時と、「集団マニキュア落とし」にマニキュアを無理やりはがされそうになった時の2回にわたりテリィに危機を救われたことで運命を感じ、恋人と別れてテリィを探し求めるようになる。

テリィ

陽子の前に現れた、謎の若い男性。前髪を右寄りの位置で分け、耳の下まで伸ばしたふんわりとしたボブヘアに、糸のように細い目、鼻、口という非常にシンプルな顔立ちをしている。本名は「照井」だが、髪型がいがらしゆみこの漫画『キャンディ♥キャンディ』に登場するテリィと同じことから、主に「テリィ」と呼ばれている。悪いことをした人間の生爪を剥いでしまうことから「生爪はがしのテリィ」の異名を持つ。 非常に寡黙で無表情だが、まれに「ふ」と小さく笑うこともある。あさりを1000匹飼っている。好物はババロア。

木村 彬子 (きむら あきこ)

テレビ局「テレビ仏滅」で働く若い女性。前髪を目の上で切ったショートカットヘアをしている。ある日テレビ番組「ふるさと探訪」のレポーターとして山間の小さな村「富田村」を訪れるが、怪しい食べ物を食べさせられそうになったり、入浴すると身体が溶ける温泉に入れられた果てに行方不明になってしまう。

石川 (いしかわ)

ある学校で養護教諭として働く若い女性。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、胸まで伸ばしたロングウェーブヘアをハーフアップにしている。おっとりとしたマイペースな性格で、生徒のケガの手当てをしている時にも考え事を始めてしまう困った人物。そのせいか生徒からあまり人気がなく、校内にもう一か所「第二保健室」ができてからは、自分のいる保健室にはまったく人が来なくなり、大量の閑古鳥が現れて鳴くようになってしまう。 人体を改造して魚に変えてしまう技術を持っている。

小坂 (こさか)

シュメールに想いを寄せる男子。前髪を目の上で切り、ふんわりとした髪を襟足まで伸ばしている。極端に明るくポジティブな性格で、シュメールにどんな理不尽な目に遭わされても笑顔でアプローチを続けている。しかし、ある日シュメールの自宅を訪れた際、「お嬢さんを僕にください」を「お父さんを僕にください」と言い間違え、そのまま、シュメールではなくシュメールの父親と結婚することになってしまう。

石田 (いしだ)

小坂の友人で、同じ学校に通う男子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたストレートショートヘアをしている。冷静で落ち着いた性格。そのため小坂のとぼけた言動にツッコミを入れることが多い。また、小坂に冷たい態度や暴力的を振るうシュメールのどこが魅力的なのかわからず、小坂に恋をあきらめさせようとしている。

シュメール

小坂が想いを寄せる、同じ学校に通っている女子。非常に目が大きく髪の短い女性の石像という、シュメール人の像そのものの姿をしている。首を落とされても問題なく生きていることから人間ではないと思われ正体は謎だが、女子の制服を着ているため女性と判断されている。非常にクールで一切言葉を発さない謎の多い性格。小坂のアプローチにも全くなびかないどころか、小坂に殴る蹴るの暴行を加えることもしばしば。 そのため石田はシュメールのことを快く思っていない。しかし奇妙な魅力にあふれており、小坂に好かれるのみならず、芸能事務所にスカウトされたりと、一部の層に非常にもてる。

助川 伍郎 (すけかわ ごろう)

シュメールの母親。前髪を目の上で切って左寄りの位置で分け、巻き髪セミロングヘアを後ろで1つに結んでいる。非常に美しいが、もともとは男性。かつてシュメールに結婚を申し込もうとした際、「お嬢さんを僕にください」を「お父さんを僕にください」と言い間違え、そのままシュメールの父親と結婚することになってしまった。その後なぜか身体が女性化し、今では完全な女性となっている。 自分と同じ言い間違いをし、想いを寄せるシュメールではなく、シュメールの父親である自身の夫と結婚することになってしまった小坂に共感し、小坂と夫の関係を応援している。

いいわけ巫女 (いいわけみこ)

依頼者から寄せられたトラブルについて、言い訳と謝罪を代行する若い巫女。前髪を目の上で切って真ん中で分け、腰まで伸ばした茶髪ロングヘアを低い位置で結び、巫女装束を着ている。たとえば作中で作画が乱れたり、誤植が発生した際、作者である立花晶や編集スタッフに代わって言い訳をするために現われ、「蛇に呑まれる」という形で謝罪をする。

一ノ原 閲子 (いちのはら えつこ)

ある家で働く家政婦。前髪を目の上で切って真ん中で分け、胸まで伸ばしたロングウェーブヘアを、後ろで1つにまとめている。ドラマ『家政婦は見た!』に登場する石崎秋子に境遇が似ており、また石崎秋子を演じた女優の市原悦子に、名前と容姿が良く似ている。会話に独特の間があり、本人は普通に話しているだけのつもりでも周囲を不安な気持ちにさせる不気味な雰囲気がある。

傘木 シヅ子 (かさぎ しづこ)

研究と改造が趣味の少女。前髪を目の上で切り、セミロングヘアを両サイドで輪っかを作る形でまとめた髪型で、眼鏡をかけている。サッカー選手を目指す兄のために、ある日突然無断で兄の身体を改造し、ロボットのような姿に変えてしまう。科学に傾倒するあまり美的感覚が狂っており、人間であった頃よりも、ロボットと化した現在の兄の容姿の方が気に入っている。 しかし、兄の要望を受け、彼を少しずつもとの人間に近い姿へ改造していく。

ミラクルレッド

5人組の正義の味方「バトルレンジャーミラクルⅤ(ファイブ)」のレッドとして活躍する若い男性。リーダーを務めているため、他のメンバーからは「リーダー」と呼ばれている。前髪を目の上で切り、ふんわりとした髪を襟足まで伸ばしている。真面目で正義感の強い性格で、ヒーロー活動に強い思い入れがある。そのためアルバイトを3つ掛け持ちし、収入のほぼすべてを「バトルレンジャーミラクルV」の衣装代や運営費につぎ込んでいる。

小幡 愛理 (おばた あいり)

ある日突然、家に巨大な毛ガニのジャンを届けられた若い女性。前髪を上げて額を全開にし、胸まで伸ばしたロングウェーブヘアをハーフアップにしている。当初はジャンがやって来た理由がわからず、勝手にくつろいでいるジャンを食べてしまおうと考えていたが、木下孝男と衝突事故を起こしそうになった際にジャンに助けられ、次第に惹かれるようになっていく。 しかし、恋人の正利の存在をすっかり忘れており、それが原因でトラブルが起きてしまう。

ジャン

小幡愛理の家に届けられた毛ガニ。大きめの段ボールに何とか入るほどの巨大な姿をしている。人間の言葉を話し、ぶっきらぼうで口が悪い。愛理のもとにやって来てすぐ、小幡家に自分の家のように馴染み、勝手な態度をとっていたが、事故に遭いそうになった愛理を颯爽と助けたのがきっかけで愛理と親しくなっていく。

木下 孝男 (きのした たかお)

ある会社で課長を務める、サラリーマンの45歳の男性。頭頂部が禿げてバーコード頭になっており、眼鏡をかけている。妻のセシリアが、長女の真理奈を連れて出て行ってしまってからは、次女の木下聖理奈と2人で暮らしている。そのため、聖理奈のことを溺愛している。一見普通の中年男性だが、辛いことがあると、ストレス解消のため塀の上にのぼって走らずにはいられないという習性があり、周囲からは「へいマン」と呼ばれている。 塀の上でのみ、ケンカが非常に強くなるという特性を持つ。好物はそばで、やや忘れっぽいところがある。

木下 聖理奈 (きのした せりな)

木下孝男とセシリアの娘で、真理奈の妹。前髪を目の上で切り、ロングヘアをポニーテールにしてまとめている。クールで常識的な性格。思春期であるため孝男に反発することもあるが、基本的には非常に父親想いで、孝男のお弁当も毎日作っている。母親のセシリアは自分が生まれた直後に家出したため亡くなったものだと聞かされており、姉の真理奈の存在はそもそも知らなかった。

真理奈 (まりな)

木下孝男とセシリアの娘で、木下聖理奈の姉。「四菱物産」の営業部部長を務める若い女性。前髪を目の上で切り、ロングヘアをシニヨンにしてまとめている。実際は夫婦げんかがもとでセシリアが家出しただけということを知らず、自分とセシリアが孝男に捨てられたと長らく誤解していた。孝男に勝つため、孝男と同じ塀の上を走る女性「へいウーマン」として勝負を挑む。

セシリア

木下孝男の妻で、真理奈と木下聖理奈の母親。前髪を目の上で切り、肩につかない長さの外巻きボブヘアをヘアバンドでまとめている。外国人で、片言の日本語で話す。13年前、聖理奈が生まれた直後に建てたマイホームの塀が、希望のレンガではなくブロックになってしまったことに深いショックを受け、真理奈を連れて家出してしまった。

中野 (なかの)

木下孝男と同じ会社で働く、部下の若い女性。前髪を左寄りの位置で分け、ゆるく巻いて胸につくほどまで伸ばしたロングヘアをしている。密かに孝男に憧れているが、孝男の男性としての評判はいまいちなため、周囲には秘密にしている。孝男の良さを周囲にも知ってもらおうと、こっそりPR活動を行っているが、いつも裏目に出てしまう。

さつき

津森の友人の少女。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。クールでいつも津森のとぼけた思い付きにツッコミを入れているが、なんだかんだでいつも付き合ってはひどい目に遭っている。その結果ボディビルダー並みの筋肉を手に入れてしまったり、津森と肉体が入れ替わってしまったりと苦労が絶えない。

津森 (つもり)

さつきの友人の少女。前髪を目の上で切り、耳の下まで伸ばしたボブヘアをしている。小柄で目が細く、いつも笑っているように見える。好奇心旺盛で、思い付きは何でも実行するところがあり、たとえば「スタイルの良い女性になりたい」と考えて必要以上の筋力トレーニングにさつきを付き合わせたり、死後の世界に興味を持って臨死体験マシーンを作り、やはりさつきを付き合わせたりと、常にさつきを巻き込んではさまざまな迷惑行動をしている。

狭山 (さやま)

田舎の県立高校に通う女子高生。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばしたロングヘアをツインテールにした髪型で、丸いサングラスをかけている。やや不良でいつも授業をさぼって隠れており、土の下や天井裏に潜んでいる。面倒見が良く機転が利くため、クラスメイトたちからは頼られている。

SHARE
EC
Amazon
logo