概要
東京在住の小磯健二は、高校2年の夏休みに憧れの上級生篠原夏希から長野県でのバイトを頼まれる。長野県上田市に着いた健二は夏希の親族に会い、彼女のフィアンセとして紹介される。夏希がいうバイトというのは彼女の偽フィアンセを演じるということだった。
嘘とわかっていてもフィアンセ役を一生懸命演じる健二。その夜、健二のケータイに数字が羅列されたメールが届く。数学が得意な健二は何かの問題が出題されたと軽く考え、その解読に夢中になるが…この数字の回答が世界を大混乱に巻き込んでいく。
登場人物・キャラクター
小磯 健二 (こいそ けんじ)
東京都内の久遠寺高校に通う高校2年生。17歳、男子。物理部に所属している理科系人間で、国際数学オリンピック日本代表に挑戦するほど数学が得意。父は海外赴任、母は仕事と、家ではひとりで生活する時間がほとんど。 人付き合いが下手で、ちょっと気の弱い性格である。夏休み、憧れの先輩、篠原夏希にアルバイトの誘いを受け、長野県上田市を訪れる。夏希の本家、陣内家で、いきなり彼女の婚約者として紹介され、恋人役の演技をすることになる。 その夜、健二のケータイに「数字の羅列」が書かれた謎のメールが届く。健二は、数学の問題と思い、解いて回答してしまう。この「数字の羅列」は、世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZ(オズ)の管理権限の暗号パスであり、健二の回答によりOZは人工知能ラブマシーンに乗っ取られ大混乱をおこしてしまう。 この後、ラブマシーンが引き起こす、世界の危機に立ち向かうこととなる。
篠原 夏希 (しのはら なつき)
東京都内の久遠寺高校に通う高校3年生。18歳、女子。剣道部所属で校内のアイドル。明るく、勝負強い性格だが、天然ボケの一面もあり。小磯健二の憧れの人物。陣内家の曾祖母、陣内栄の誕生日のために長野県上田市に向かうが「今度来るときには、お婿さんを連れてくる」という栄との約束のために、健二に婚約者のバイトを頼んだ。 栄の養子である陣内侘助41歳に恋心を抱いている。仮想世界OZのユーザーであるが「アカウント」もよくわかっていないほどのPC音痴。
陣内 栄 (じんのうち さかえ)
篠原夏希の曾祖母で、89歳。戦国時代より続く陣内家16代目の当主である。先祖の気風を受け継ぎ、広い人脈を持ち政界にも幅が利くカリスマ的存在。古武道の心得もありバイタリティにあふれ、正義感に満ちた老女である。 この夏90歳の誕生日を迎えるため子供から曾孫まで全国から大勢の親族が集まってくる。夏希が婚約者として紹介した小磯健二を気に入り受け入れている。
池沢 佳主馬 (いけざわ かずま)
13歳、男子。中学1年生で篠原夏希の又従兄弟。陣内栄の曾孫のひとりである。前髪が長く、部屋にこもりがちで、ゲームばかりしている暗いオタク少年に見えるが、実は、格闘ネットゲームのチャンピオンで、仮想世界OZではスポンサー企業がついている有名人。 「格闘王キングカズマ」を操る達人である。
陣内 侘助 (じんのうち わびすけ)
陣内家当主陣内栄の今は亡き夫の隠し子。幼少期に栄 の養子となった、現在41歳の男。篠原夏希の想い人である。天才的な頭脳を持っているが、陣内一族の資産を持ち逃げして10年間行方知れずとなった。 しかし、栄の90歳の誕生日に突然帰宅。行方知れずの間にアメリカで人工知能の研究に没頭し、ラブマシーンを開発した。
佐久間 敬 (さくま たかし)
東京都内の久遠寺高校に通う高校2年生。17歳、男子。物理部に所属しており小磯健二の同級生である。健二 と共に、部室でOZの保守点検のバイトをしており、ラブマシーンとの対決において情報収集作業で健二をサポートした。