ショートショートショートさん

ショートショートショートさん

クールを装いながらルサンチマンをこじらせた、ショートヘアの20代女性、五十嵐樹の日々の葛藤を描く、下ネタ満載のショートショートコメディ。コミックス刊行にあたり、描き下ろしエピソードも収録されている。

正式名称
ショートショートショートさん
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あらすじ

第1巻

友人の黒田花との二人飲みの席で、彼氏がいないことをからかわれた五十嵐樹は、自分は花とは違ってそこまで男に飢えているわけではないと冷静に告げ、その場を切り抜ける。そんな樹は、家に帰るや否や通販で肩を大きく露出したオフショルダーのニットを購入。鏡の前で試着し、その大胆さに羞恥心で顔を真っ赤にしながら、これを着て飲みに行ったらモテるだろうか、SNSに写真を上げたらフォロワーが増えるだろうかと妄想を暴走させていく。(エピソード「ショートさんと服」。ほか、24エピソード収録)

第2巻

ある朝、目を覚ました五十嵐樹は、時計が7時50分を指していることに気づいてあわてて飛び起きる。会社の始業は8時30分で車での通勤に20分かかるため、5分でシャワー、5分で朝食を食べ、10分で化粧をすませればギリギリ間に合う。そんな計算をしながら急いで身支度を済ませた樹が部屋を出ると、外には昨晩降った雪が降り積もっていた。車から雪を下ろす時間も惜しく、ボンネットの雪は車体の熱で溶けるだろうと考えた樹は、フロントガラスだけ除雪して出発。だが赤信号で停車した瞬間、その衝撃でルーフに積もっていた雪がフロントガラスに落ちて来る。しかも雪の重みでワイパーが動かなくなり、樹は運転中に完全に視界を失ってしまう。(エピソード「ショートさんと焦り」。ほか、22エピソード収録)

登場人物・キャラクター

五十嵐 樹 (いがらし いつき)

事務職に就いて働いている20代半ばの女性。現在は実家近くで一人暮らしをしている。黒髪のベリーショートヘアで非常に目が悪く、ふだんはコンタクトレンズを入れている。周囲からはクールに見られることも多いが、実際は心の内にさまざまな葛藤を抱えており、虚勢を張っているだけで、ちょっと観察眼に優れた人にはすぐにバレてしまうレベル。中学時代に「ハ○レン」にハマり、親の携帯電話を使ってファンサイトを転々としていたある日、「ロイ○ド」の同性カップリング小説を目にし、以来、自分でも小説を書くようになった。現在は「樹短髪」のペンネームで、SNSでほそぼそと小説を発表している。ちなみに学生時代は「†世界樹†」のペンネームで中二病丸出しのブログを開設していたことがあり、五十嵐樹にとっては黒歴史になっている。現在は彼氏がおらず男に飢えており、友人の黒田花に何かと愚痴ることが多いが、花からは、周りの風潮に合わせて恋人がいないことを自虐しているだけ、もしくは本当に欲しいけど自分から動きたくないだけだと手厳しく指摘され、そのどちらもが正しいことを自認している。運転免許を持っているが非常に運転が下手で、誰もが同乗を嫌がるほど。ただし、樹の父親だけは娘の運転の腕を見るためにいっしょに乗りたがり、今の状態でも以前よりはマシになった方だと評している。

五十嵐 渉 (いがらし わたる)

五十嵐樹の弟。黒髪を短く刈り込んでいる。がっしりとした体形の青年で、東京で一人暮らししながら働いている。常識人でしっかり者だが、知り合いの師匠とは付き合っていないものの体の関係にあり、彼女のアブノーマルな性的欲求を満たすために何かとひどい目に遭っている。樹とは姉弟仲が非常によく、彼女の部屋を訪れることも多い。

黒田 花 (くろだ はな)

五十嵐樹と仲のいい友人の若い女性。黒髪のロングヘアで眼鏡をかけ、胸が大きくスタイルがいい。言いたいことははっきりと言う、明るく社交性に富んだ性格をしている。承認欲求が非常に強く、近くに男がいてくれないと耐えられない性質。そのため、つねに男をとっかえひっかえしている。樹とは互いを貶(おとし)めあう悪友で、「度を超した色ボケ」「かまってちゃんが過ぎる」などと酷評されているが、一方では努力家でセンスがいいこと、また前向きで自分の意思をはっきりと表現することを高く評価されている。ちなみに喫煙者である。

佐久間

五十嵐樹と仲のいい友人の若い女性。中学校の教師を務めている。黒髪のボブヘアでさっぱりと親しみやすい性格で、生徒からも人気が高い。実は重度の二次元オタクで、生徒たちに持ちかけられる恋愛相談も、基本的に恋愛ゲームから得た知識で対応している。現在は武器を擬人化したイケメンソーシャルゲームにドハマりしており、廃人とも呼べるレベル。生徒たちがそのゲームの話題で盛り上がっているとつい参加したくなるものの、モンスターペアレントからの理不尽な苦情を恐れ、どうにか踏みとどまっている。ただしその際も、深入りはしないながらもツボを押さえた返答をして生徒に喜ばれるなど、世渡りがうまい。

師匠

五十嵐渉の知人の若い女性。「師匠」と呼ばれている。無造作なミディアムボブヘアで、にこやかな目の奥にはどこか底知れない雰囲気を醸し出している。渉とは明確に付き合ってはいないものの体の関係にあり、薬で彼の意識を奪ったままいっしょに4Pに参加したり、奇抜な道具でとことんまで攻め抜いたりと、性的にドSを通り越していっさいの容赦がない。ちなみに師匠自身は、「奇抜」も「ふつう」もすべてひっくるめたうえで、「素敵なこと」が好きなだけだと公言している。なお、電話番号も知らされず、予定もいっさい知らないはずなのに、街中で渉と偶然会う確率が非常に高いため、渉には敬愛されつつ恐れられてもいる。一方で外面はよく、渉以外にはその本性をまったく見せない。

おとなりさん

五十嵐樹の隣室に住む若い女性。淡い色のストレートロングヘアで、優しそうな顔立ちをしている。本名は「音無」だが、樹には「おとなりさん」と呼ばれている。もともと一人身同士ということで、料理のおすそ分けをしたりと樹と親しくしていたが、実は秀一という彼氏がおり、薄い壁を通して毎晩の情事の声が樹に筒抜けだった。ただし、おとなりさん自身は、樹が自分に彼氏がいると知っていることには気づいていない。

秀一 (しゅういち)

おとなりさんの彼氏。眼鏡をかけた優しそうな顔立ちの青年。実は五十嵐樹が「樹短髪」のペンネームでネット上で公開している小説のファン。ちなみに、おとなりさんとの毎晩の情事の声が、薄い壁を通して樹に筒抜けなことは知らない。

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