あらすじ
第1巻
20XX年4月10日、日本国内で男性が次々と突然死していく事件が発生する。死亡した男性たちの共通点は性体験のない童貞だということが判明し、その謎の病は「DTG」と名づけられる。DTGはあっという間に全国に広がっていき、風俗店や援助交際の相場が100倍以上となり、童貞への差別が起こって日本は混沌とした社会へと変わっていく。そんな中、来海英利の親友の志村悠はもうすぐ誕生日を迎え、18歳になることを気にしていた。英利と森久保信は志村を助けるために、彼をソープに連れて行ったり、ナンパに協力したりと奮闘する。しかし、志村は18歳の誕生日を迎えた瞬間にDTGによって死亡し、英利と信は強いショックを受ける。自分も早く童貞を卒業しなくてはと焦った英利は、以前から片思いだった天宮乃亜に、性行為を前提とした最低の告白をしてしまう。実は英利に好意を抱いていた乃亜はその告白に幻滅し、それからは彼を避けるようになる。そんなある日、英利は童貞の南方彰真が飯田美沙希を襲おうとしている場面に遭遇し、放っておけないと助けに入る。
第2巻
日本国内では「DTG」によって死亡する童貞が急増し、それを受けて童貞差別も激しくなっていく。来海英利のクラスでも童貞は差別され、嫌がらせやいじめの対象にされていた。そんな中、非童貞のふりをしていた吉良が童貞であることが明るみに出て、吉良はクラス中から糾弾を受ける。英利はそんな吉良を助け、その姿を見た天宮乃亜は、英利に助けられた過去を思い出す。そして一時は幻滅していた乃亜だったが、英利への恋心が再燃し、今すぐ童貞を卒業して欲しいと告白する。こうして英利と乃亜は付き合うようになったものの、時を同じくして米国アサルトチーム「DAT」が日本国内での活動を開始する。DATが童貞たちを強制的に童貞監獄へと連れ去っていく中、英利たちの高校にもその手がせまる。英利もエイミー愛崎によって連行されそうになり、乃亜はもうすぐ英利が童貞を卒業するから待っていて欲しいと懇願するものの、その願いは届かずに二人は離れ離れになってしまう。しかし、英利は乃亜と初めての性体験を実現させるため、童貞監獄からの脱獄を決意する。
第3巻
来海英利に続き、森久保信も童貞監獄へ送られることになったが、途中で乗っていたオスプレイが墜落してしまう。山の中で気を失っている信を見つけた能條響は、彼を保護して手厚く看護をする。これまで女性に嫌悪感を抱いていた信だったが、響との交流によって自らの優しい気持ちを取り戻していく。その頃、童貞監獄では白菊健や馬来波紀たちが童貞を卒業して日常の生活に戻っていた。白菊は童貞を卒業したことで自信が芽生えるものの、今度はクラスメイトの一部から「所詮は素人童貞」とバカにされるようになり、愛のある性行為を体験したい気持ちが高まっていく。そこで英利を救出するため、童貞監獄の場所を知りたがっている天宮乃亜をそそのかし、ラブホテルへと連れ込もうと行動を起こす。一方、仲間が次々と童貞を卒業して童貞監獄からいなくなっていく中、それでも英利は乃亜と初体験をすることをあきらめていなかった。
第4巻
チェリーピッカーズのメンバーである薬師寺ユマから興味を抱かれた来海英利は、彼女から誘惑を受ける。英利はユマに欲情しそうになるが、祖母や母親の来海由恵のことを思い出し、興奮を鎮めることに成功する。英利の天宮乃亜への一途な愛に心を動かされたユマは、童貞監獄から英利を脱獄させる手助けをすることを決意。そして英利は、ユマとリーアム軍曹の力を借り、みごとにエイミー愛崎から逃げ切り、外の世界へと戻る。しかし、その際に英利を助けにきた乃亜と行き違いになってしまい、お互いの姿は認識するものの、再会は果たせなかった。脱獄した英利はとりあえず自宅へ戻ろうと歩き出すと、山の中で偶然にも森久保信と出会う。童貞監獄へ向かう途中で事故に遭い、行方不明になっていた信との再会に喜ぶ英利に対して、信はこれまで自分が何をしていたのかを語り出す。そして信は、英利に対して「もう童貞ではない」と衝撃の事実を告げる。
登場人物・キャラクター
来海 英利 (くるみ えいり)
高校3年生の男子。年齢は17歳。童貞ながら周囲には見栄を張り、小学生の時に童貞を卒業したと吹聴していた。しかし、突然「DTG」によって死亡する童貞男性が多発し、焦りを覚えるようになる。中学時代から同じクラスの天宮乃亜に片思いをしており、一時は性行為が前提の最低な告白をしたことで疎遠になるも、最終的に両思いになる。初体験同士で性行為することを約束したが、すぐに童貞監獄に収監されてしまったことで、脱獄を決意する。以降、乃亜と再会して初体験をすることを励みに、米国アサルトチーム「DAT」の司令官を務めるエイミー愛崎と対立する。ふだんは地味でまったく目立たないが、ここぞという時に正義感を発揮するタイプ。また、乃亜への一途な愛を貫いており、感銘を受けたDATのリーアム軍曹を味方につけることに成功する。
天宮 乃亜 (あまみや のあ)
高校3年生の女子。来海英利のクラスメイト。英利とは中学時代から同じクラスで、彼から恋心を抱かれている。中学生の時に姉のいたずらで、ペンケースにコンドームを入れたまま登校し、クラス中で問題になった。その際に英利が自分のものだと主張してくれたことで、彼に恋心を抱くようになった。しかし、英利が「DTG」で死ぬことを回避したいとはいえ、性行為目的での最低な告白をしてきたことに幻滅し、一時は疎遠になる。吉良をかばった英利の姿を見て気持ちが再燃し、自ら告白をして両思いとなる。その際に、英利と初体験同士で性行為をすることを約束をした。以降、英利と結ばれるために童貞監獄に助けに行くなど、積極的に行動を起こすようになる。素直で明るい性格で、思い込んだら一直線に突き進むタイプ。学校内でも目立つ美少女で、複数の男子から好意を抱かれているが、これまで男性と交際したことはなく、キスの経験もない処女。
森久保 信 (もりくぼ のぶ)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利とはクラスメイトにして親友で、英利よりも誕生日が早い。本来は優しく穏やかな性格ながら、英利と共通の親友である志村悠が「DTG」によって死亡したことで、たった一度の性行為もさせてくれない女子に恨みを抱き、攻撃的な一面を見せるようになっていく。しかし、童貞監獄に向かうオスプレイが墜落し、気を失っていた自分を助け、親身に世話をしてくれた能條響に心惹かれるようになる。英利からは「ノブ」と呼ばれている。
志村 悠 (しむら ゆう)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利のクラスメイトで、森久保信と共に三人で行動している。三人の中では、いち早く18歳の誕生日を迎えたため、英利と信の奮闘もむなしく「DTG」により死亡する。意思の強い性格で、英利と信のフォローをすることが多かった。天宮乃亜に好意を抱いていたものの、最後まで気持ちを伝えることはなかった。英利と信からは「シムさん」と呼ばれている。
南方 彰真 (みなみかた しょうま)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利のクラスメイト。もうすぐ18歳の誕生日を迎えることもあり、1日でも早く性体験を済ませたい衝動に駆られ、飯田美沙希を襲おうとしたところを英利に邪魔される。その後は自暴自棄になり、南方彰真自身がDTGによって死亡するまで動画配信を行っていた。以前から美沙希に対して熱烈な片思いをしていたが、彼女が永田と交際していることを知り、愛が憎しみへと変わっていく。
飯田 美沙希 (いいだ みさき)
高校3年生の女子。来海英利のクラスメイト。童貞の南方彰真から襲われそうになっていたところを、英利に助けられる。そのことを逆恨みされ、自暴自棄になった南方から攻撃を受けるようになる。眼鏡をかけた清楚でかわいらしい容姿をしており、奥手で心優しい性格の持ち主。しかし南方を拒否したことで、一部の童貞たちから彼を見殺しにしたと責められ、童貞を差別するようになる。チャラけた言動とは裏腹に自分を大切にしてくれる永田と交際している。
永田 (ながた)
来海英利と同じ高校に通う3年生の男子。クラスメイトの前で、非童貞のように振る舞っていた英利のウソを見抜いていた。チャラけた言動が多いヤンキータイプではあるものの、その見た目とは裏腹に男気があり、飯田美沙希と真剣に交際している。美沙希が南方彰真から性行為をせまられて断ったことで、一部の男子生徒に嫌がらせを受けるようになった際も、自らが盾になって彼女を守った。美沙希とは性交渉があり、童貞ではない。
吉良 (きら)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利のクラスメイト。クラス内では非童貞のふりをしており、童貞を見下して英利や森久保信にも悪態をついていた。しかし、キスマークの付け方を知らなかったことで周囲に童貞であることが明るみとなり、迫害を受けるようになってしまう。その際に英利に助けられ、さらに童貞監獄では同室になったことで、友情を築いていく。エイミー愛崎に思いを寄せており、童貞を卒業する相手は彼女がいいと熱望している。
馬来 波紀 (ばき なみのり)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利のクラスメイト。クラス内では童貞であることを知られており、英利たちと共に差別を受けている。心優しく穏やかな性格で、ぽっちゃりとした体型をしている。やや小心者なところがある。クラスで嫌がらせを受けつつも、童貞仲間の英利たちに会えるからと前向きに考えて登校している。深夜のラジオ番組で、モテないことや童貞を面白おかしくいじるハガキ職人として才能を存分に発揮している白菊健にあこがれている。
白菊 健 (しらぎく たける)
高校3年生の男子。年齢は17歳で童貞。来海英利のクラスメイト。クラス内に童貞であることが知られており、英利たちと共に差別を受けている。前髪で目を隠し、ボソボソと話をすることから、クラス内では「陰キャ」扱いされている。白菊健自身の男性器が小さいことがコンプレックスで、性行為をすることにも恐怖心を抱いていた。しかし、童貞監獄で童貞を卒業し、その際に相手の女性からお世辞で男性器を褒められたことで調子に乗り、今度は天宮乃亜と性行為をしようと企む。童貞を卒業する以前は深夜のラジオ番組で、モテないことや童貞を面白おかしくいじるハガキ職人として才能を発揮しており、馬来波紀からあこがれられていた。その際のペンネームは「トゥシャイシャイボーイ」。
安達 弘道 (あだち ひろみち)
日本の内閣総理大臣を務める男性。国内で起こる「DTG」を、できるだけ早く穏便な方法で解決しようと動き出す。しかし、側近の阿蘇に裏切られ、アメリカ大統領率いる米国アサルトチーム「DAT」が国内で活動することを許してしまう。非人道的な童貞監獄にも反対の考えを持つが、海外から早期解決をするようにせまれていることもあり、非常に難しい立場にある。
阿蘇 (あそ)
日本の内閣総理大臣、安達弘道の側近を務める男性。国内で起こった「DTG」を、1日でも早く収束させることを望んでおり、そのためには過激な手段を取ることも厭(いと)わない。できるだけ早く穏便な方法で解決しようとする安達を裏切ってアメリカ大統領と密約を交わし、米国アサルトチーム「DAT」が国内で活動する計画に手を貸したり、童貞監獄の存在を支援したりと、傍若無人に振る舞う。
連藤 (れんどう)
日本の国会議員として活動している女性。暴走童貞によって女性が傷つけられるのではないかと考え、治安の悪化を危惧している。そのため、手荒な手段を取ってでも強制的に童貞を卒業させるべきだという考えを持ち、安達弘道と対立している。また、童貞監獄の存在も肯定的にとらえている。国会内でも過激な言動が目立つ。
アメリカ大統領 (あめりかだいとうりょう)
アメリカ大統領を務める男性。日本国内で流行している「DTG」を危険視し、早々に日本人男性のアメリカ国内への入国および自国から日本への出国も禁止した。その一方で、DTGが強力な生物兵器になり得るのではないかと考え、米国アサルトチーム「DAT」を派遣し、独自に研究しようと画策する。そのための研究施設として、童貞監獄も建設している。アメリカの介入を拒否する安達弘道に見切りをつけ、独自に側近の阿蘇と密約を交わす。
エイミー愛崎 (えいみーあいさき)
アメリカから「DTG」問題を解決すべく、日本に派遣されてきた少女。米国アサルトチーム「DAT」の関東第一ブロック責任者兼DAT司令官を任されている超エリート。見た目はかわいらしい巨乳の金髪美少女ながら、傲慢で残忍な性格の持ち主。来海英利たちの高校を訪れ、童貞の男子を強制的に童貞監獄へと送り込んだ。その際に、英利と天宮乃亜から近々童貞を卒業する予定があると訴えられたものの、非情にも英利を連れ去っている。自分勝手な妄想を繰り返して女性を傷つけ、非処女を見下す童貞を心底毛嫌いしている。そのため、童貞に身体を触れられるだけで逆上し、容赦のない暴力で制裁を下す。童貞監獄内では「愛崎司令官」と呼ばれている。
薬師寺 ユマ (やくしじ ゆま)
米国アサルトチーム「DAT」が管理する童貞監獄で、チェリーピッカーズのメンバーとして任務をこなす若い女性。サバサバとした性格の姉御肌タイプで、抜群のスタイルを誇る。来海英利が人気のない階段で、天宮乃亜への愛を叫んでいた場面を偶然目撃したことで知り合う。最初は言葉巧みに英利をだまして童貞を卒業させようと誘惑したものの、乃亜への一途な思いに胸を撃たれ、童貞監獄からの脱獄に手を貸す。
リーアム軍曹 (りーあむぐんそう)
アメリカから「DTG」問題を解決すべく日本に派遣されて来た男性。米国アサルトチーム「DAT」に所属している。過去に好きな女性がいたが、童貞では嫌われてしまうと適当に初体験を済ませ、結果的に相手に絶縁された過去を持つ。そのことから、来海英利の天宮乃亜と初体験したい気持ちを汲み、チームを裏切って薬師寺ユマと共に英利の脱獄に手を貸す。英利にとって心強い味方で、「米兵の人」と呼ばれている。
敷島博士 (しきしまはかせ)
高齢の男性。「DTG」問題を解決すべく童貞監獄に招かれ、建物内の研究施設で働いている。DTGを生物兵器として軍事利用しようとしているアメリカの企みに気づき、阻止しようと動き出す。来海英利が脱獄しようとしていることを知り、自分もいっしょに連れ出して欲しいと頼み込む。童貞の研究をしているため、童貞監獄内では「童貞博士」と呼ばれているが、敷島博士自身は当然その名前を気に入っていない。
能條 響 (のうじょう ひびき)
森久保信が童貞監獄へ送られる際に事故に遭い、山の中で気を失っているところを助けた少女。傷を負った信に優しく接し、女性に対して嫌悪感を抱いていた信の心を変えていく。ボーイッシュな服装のため、初対面の相手からは少年に間違われることも多いが、顔の整った美少女。兄の能條奏を「DTG」で亡くしており、現在は祖父と二人で暮らしている。
能條 奏 (のうじょう かなで)
能條響の兄で故人。19歳の時に「DTG」によって死亡している。見た目は非常に整っているものの、ふだんの言動から中二病的なところがあり、そのために女性との縁を逃していた。響からのサポートもあって、やっと彼女ができたものの、性行為をする前に亡くなっている。山の中で響と祖父の三人で暮らしていたこともあり、妹の響を非常に大切にしていた。
曽良 翔 (そら かける)
報道ヘリコプターのパイロットを務める男性。童貞で、かつて女性といい雰囲気になったことはあるが、その際につまらない下ネタギャグを口にしたせいでチャンスを逃した。ヘリコプターの操縦中に「DTG」が発症し、キャスターとカメラマンを乗せたまま、東京都庁に突っ込んで死亡する。その一連の様子が生放送されたことで、世の中にDTGの恐ろしさを広めるきっかけとなった。
細川 研太 (ほそかわ けんた)
大学院で細胞の研究をしている男性。童貞で、研究室に引きこもっているために女性との接点がなく、勇気を出して参加した街コンでねずみ講の勧誘に遭った悲しい過去を持つ。「DTG」の研究をしていく中で、女性との性行為を体験し、性行為をするとDTG発症の原因となっている細胞が消えていくことを発見する。
伊切 霧人 (いきり きりと)
童貞の独身男性。女性に対して高い理想を持つ。年齢は34歳。女性には顔立ちもスタイルも妥協したくないと考えており、これまで童貞を卒業するチャンスを何度も逃してきた。「DTG」による突然死が社会問題化したことで結婚相談所に登録し、理想の女性を探している。伊切霧人自身が童貞だとばれないため、髪の毛の色を金髪にして遊び人風を装っている。
来海 由恵 (くるみ よしえ)
来海英利の母親。童貞の英利を心配して、自分と性行為をして「DTG」の発症を防ごうと提案し、英利が家出をするきっかけを作った。英利が童貞監獄に送り込まれた際には、これで英利の命が助かると安堵していた。ぽっちゃりとした体型の典型的なおばさんタイプで、英利が誰かに色仕掛けでせまられた際には、興奮を鎮めるために母親を思い出すことが多い。
集団・組織
DAT (どうていあさるとちーむ)
「DTG」を収束させるべく、アメリカが日本に派遣したチーム。パック・イ・ワイクルーなど特殊な道具を用いて童貞を探し出し、童貞監獄に送り込んでいる。暴走童貞を起こした者には、容赦ない制裁を加えることもある。また、童貞監獄のセキュリティ面での管理も行っている。日本に数チームが存在しており、関東第一ブロックの責任者はエイミー愛崎で、愛崎はDATの司令官を兼任している。
チェリーピッカーズ
童貞アサルトチーム「DAT」が管理している童貞監獄で働く女性の集団。実際に童貞の男性と性行為を行い、卒業させる重要な役割を担っている。「DTG」の研究のためにさまざまなタイプの女性がおり、薬師寺ユマのようなスタイル抜群の若い女性もいれば、熟練のテクニックを持つ老女も所属している。また、所属している女性たちはふだんから性風俗産業に従事しており、さらに童貞に特化した特殊な訓練を受けているため、恋愛に慣れていない男性の心を揺さぶる術に長(た)けている。阿蘇からは「どスケベお姉さん」と呼ばれている。
場所
童貞監獄 (どうていぷりずん)
パック・イ・ワイクルーなど特殊な機器を用いて、性経験のない男性の体内に突然変異した細胞があると測定された者が収容される場所。測定によって数値が高かった者から、強制的に童貞を卒業することになる。アメリカ軍が運営しており、童貞アサルトチーム「DAT」が管理している。自分の番が具体的にいつ回って来るかは不明。表向きは童貞を保護して卒業させることで、「DTG」による死亡者を減らすことが目的となっているが、裏では生物兵器としての研究もおこなわれている。相手は誰でもいいから童貞を卒業したいと焦る者からは尊い施設だと認識されているが、来海英利のように、初めては好きな女性と経験したいという希望を持つ男性たちからは反感を抱かれ、安達弘道をはじめとした一部の男性からは、非人道的な施設だと批判されている。
その他キーワード
パック・イ・ワイクルー
「DTG」収束のために開発された道具。棒の先に測定器が付いており、性経験のない男性の体内の細胞にある、突然変異した細胞の有無を即座に判断し、さらに発症するまでの時間を測定することができる。DTG発症の恐れがあると判断された男性は、童貞監獄へと収監され、強制的に女性と性行為を体験することになる。
DTG (どうていじぇのさいど)
突然、日本に住む男性を襲った突然死現象のこと。年齢が18歳以上になり、性体験のない男性の体内の細胞がサクランボの形に変異し、発症することで死亡することが解明されている。また、性行為をすると変異した細胞が消えていく。現在、日本人男性以外には確認されておらず、原因も不明。そのため、童貞の日本人男性がなんらかのウイルスを持っているという説もあり、国際的な差別問題へと発展している。また、性風俗や援助交際の相場が通常の100倍以上になるなど、童貞からの金銭搾取も社会問題化している。
暴走童貞 (ぼうそうどうてい)
年齢が18歳以上で童貞の男性が、「DTG」発症による死の恐怖から、女性を無理矢理襲って性体験をしようとする行為を指す。暴走童貞を行った男性には、ショックで気絶するほどの強さを持つ麻酔銃が使われるなど、死には至らないものの、厳しい処置が行われる。DTGによる死亡者が増えるにつれ、暴走童貞行為が蔓延化し、日本だけでなく世界の治安が悪化するのではないかと問題視されている。
書誌情報
童貞絶滅列島 10巻 講談社〈マガジンエッジKC〉
第1巻
(2019-10-17発行、 978-4065171448)
第2巻
(2019-11-15発行、 978-4065176221)
第3巻
(2020-05-15発行、 978-4065194959)
第4巻
(2020-10-16発行、 978-4065208502)
第5巻
(2021-04-15発行、 978-4065228586)
第6巻
(2021-09-16発行、 978-4065248065)
第7巻
(2022-04-15発行、 978-4065274910)
第8巻
(2022-10-17発行、 978-4065295359)
第9巻
(2023-04-17発行、 978-4065313688)
第10巻
(2023-12-15発行、 978-4065343333)