死者の魂を救済する「ソウルリヴァイヴァー」
現世で死を迎えた人間の魂は「死界」と呼ばれる世界に堕ち、そこで108回「鬼(ゴブリン)」たちに殺されることで完全なる消滅を迎える。だが、完全な消滅を迎える前に死界から脱出することで「ソウルリヴァイヴ」という現象が発生し、元の肉体の損壊を完全に修復したうえで蘇ることができる。ふつうの人間は死界から脱出することはできないが、ソウルリヴァイヴァーは現世と死界を行き来することが可能で、彼らの力によってソウルリヴァイヴを実現できる。なお、神竜介と赤町クララは生まれながらにソウルリヴァイヴァーの能力を持っていたわけではなく、一度死んで死界を訪れた際に「白夜」と呼ばれる謎の少年と契約を交わしたことでこの能力を手に入れた。
死と無の狭間「死界」
人間が死を迎えた際に堕ちるとされる「死界」は、生と無の狭間に存在する異世界。108の層で構成されており、人間の魂が死界の中で死を迎えるたびに一つ下の層に移動させられ、最後の層で死を迎えることで完全な消滅に至る。死界には「番人」と名乗る者が鬼(ゴブリン)を召喚し、人間の魂を能動的に殺害させるため、ほとんどの場合はすぐに108回の死を迎えてしまう。また、ソウルリヴァイヴァー以外は死界と現世の境界を視認できないため、彼らの助けなしでは無に帰ることを免れることはほぼ不可能である。なお、「番人」は現世で死を迎えた人間で、「閻魔」と呼ばれる神様と契約を交わしたことで番人になったという経緯がある。
生者を死に誘う悪しき存在「シンカー」
本作では、ソウルリヴァイヴァーとは逆に、生きている人間を死界に取り込んでそのまま無に帰そうとする「シンカー」が存在する。シンカーはソウルリヴァイヴァーの妨害をもくろんでおり、神とクララの体を海に沈めて、復活してもすぐに溺死するように仕向けるなど、卑劣な手段で彼らを追い込もうとする。シンカーの契約主である神楽と、ソウルリヴァイヴァーの契約主・白夜は敵対関係にあり、シンカーがソウルリヴァイヴァーの排除を狙う理由の一つとなっている。なお、クララの家族は「名無し」と呼ばれるシンカーに殺害されているほか、神が一度目の死を迎えるきっかけとなった凶悪殺人犯「D」ものちにシンカーになるなど、彼らとシンカーのあいだにも強い因縁がある。
登場人物・キャラクター
神 竜介 (じん りゅうすけ)
内閣情報調査室特務一課に雇われているソウルリヴァイヴァーの青年。ゴールドの目には奇妙な梵字が刻まれ、複数の心臓が埋め込まれているなどの特徴を有する。明るく豪快な性格で、すさまじいまでの食欲を誇る。生前は刑事を務めていたが、連続殺人犯「D」との戦いで殉職した。その後、死界に堕ちた際に白夜と契約し、強靭な身体能力とともに現世と死界を行き来する能力を得たことで、かつての上司だった安藤麗子直属のソウルリヴァイヴァーとして活動することになる。死界ではマシンガンや手榴弾などの重火器で武装したうえで、「斬鬼刀」と呼ばれる巨大な剣を自在にあやつり、「鬼」と呼ばれる無数のゴブリンや、シンカーと戦う。
赤町 クララ (せきまち くらら)
神竜介と共にソウルリヴァイヴァーとして活動している少女。勝気な性格で、イタズラ好きな一面を持つ。神と同様に現世と死界を行き来する能力に加え、並外れた射撃能力と運転技能を誇る。格闘能力も高く、手ごわいシンカーも一人で圧倒するほど。趣味はドライブで、現世では複数の高級車を所有しており、ソウルリヴァイヴァーとしての活動でも、オートバイや車を自由自在に乗りこなしている。2年前はふつうの高校生で、母親がソウルリヴァイヴァーだったことも知らなかった。だが、シンカーの契約主である神楽の指令により、「名無し」に母親をはじめとする家族を皆殺しにされてしまう。そんな中、現れた白夜から家族の仇を打つための力を与えると持ち掛けられ、彼と契約して母親を継ぐ形でソウルリヴァイヴァーとなる。
クレジット
- 構成
書誌情報
ソウルリヴァイヴァー 全6巻 小学館クリエイティブ〈ヒーローズコミックス〉
第1巻
(2012-09-05発行、 978-4864683036)
第6巻
(2015-02-05発行、 978-4864683999)