概要・あらすじ
場所は、地球イナカ村。村の少年アラシは、鉄条網をペンチでねじ切り、ゾイドが出没する危険区域に足を踏み入れた。ゾイドとは、この星に何万年も前からいるメカ生命体である。アラシの目的は、森の主であるクワガタムシ型ゾイド・クワーガを捕まえる事。クワーガとはこれまで幾度となく闘い、戦績はアラシの0勝99敗だった。アラシはうまくクワーガをおびき寄せ、崖に仕掛けてあった、10トンもある巨大岩石をクワーガに落下させた。
やっと仕留めたと思った次の瞬間、クワーガは岩石を粉々に砕いてしまう。一転してピンチに陥ったアラシ。襲いくる敵に覚悟を決めた瞬間、上空から別のゾイドが飛んできて、クワーガを破壊した。それは、ベーコンという若者の相棒ゾイド・ファングタイガーだった。
ベーコンはアラシを助け、村に連れ帰った。ベーコンは、ゾイドチーム「シュプリーム」のリーダーだった。デスメタル帝国から逃げた凶暴なゾイド、ワイルドライガーを追って、この村に来たのだという。祖父にこっぴどく叱られたアラシだったが、まったく懲りていなかった。アラシがゾイドを狙うのは、相棒ゾイドを見つけて、父を探す旅に出るためだった。
アラシの父は、相棒ゾイドと一緒に冒険に出たまま行方不明なのだ。アラシが再び、危険区域に入ろうとした瞬間、ものすごい迫力の遠吠えが聞こえた。アラシは遠吠えの主を相棒にするべく、危険区域の森に入っていく。やがて、彼の前に現れたのは、1000体を単機で破壊したという、伝説の機体、ワイルドライガーだった。
その迫力とオーラに、アラシは腰を抜かして尻餅をついてしまう。しかし、恐怖を克服して立ちあがった瞬間、帝国からの追手集団が現れた。帝国の奴らは、ワイルドライガーに、いきなり銃をぶっ放した。心配して駆け寄るアラシの手に、ワイルドライガーが嚙み付いた。彼は人間を恐れていたのだ。「ゾイドと相棒になるには心を開き、自分の気持を伝えろ」という父の言葉を思い出し、アラシはワイルドライガーに全力で気持ちをぶつけた。
すると、ワイルドライガーはそれに応え、少年を自分の背中に乗せた。その様子を見ていたベーコンは、機体の背中に光るゾイドキーを、ワイルドライガーに差して回すよう教える。ゾイドと絆を結ぶために必要なのだという。その言葉通り、キーを差し込むと、ゾイドが変形して、その背中から巨大な三本爪が現れた。
それは、人とゾイドが絆で結ばれた時に発動する隠れた武器で、本能解放(ワイルドブラスト)という現象だった。人機一体となったアラシ達は、帝国の奴らを一蹴した。アラシはついに、最強の相棒ゾイドを見つけた。黄金の砂漠、マグマの谷、空に浮く島などなど、見た事のない世界を旅するアラシの大冒険が、今始まったのだ。
登場人物・キャラクター
アラシ
地球イナカ村という辺鄙な土地出身の少年。大きな「Z」の文字のアクセサリーがついた赤い帽子を被り、大きなペロペロキャンディを持っている。左上の犬歯が発達しており、牙のように見える。また、いつも舌を出しているのも特徴。恐れ知らずで負けず嫌いな性格。行方不明になった父を探すために、相棒ゾイドとともに冒険の旅に出る。相棒ゾイドは、ライオン型ゾイド、ワイルドライガーで、1000のゾイドを単機で破壊したという、伝説のゾイド。
ベーコン
ゾイドチーム「シュプリーム」のリーダーを務める青年。アフロヘアにバンダナが特徴。相棒ゾイドはファングタイガー。デスメタル帝国を逃げ出した、伝説のゾイド、ワイルドライガーを求めてイナカ村にやってきて、アラシと出会う。
ワイルドライガー
ライオン型ゾイド。全長8.4メートル、体重48トン。単機で1000体のゾイドを破壊したという、最強のゾイド。デスメタル帝国に囚われていた際、迫害を受けて人間を恐れていた。アラシの強く素直な気持ちに応え、彼の相棒ゾイドとなる。ゾイドキーでアラシと絆を結び、本能解放(ワイルドブラスト)が発動すると、背中に巨大な三本の爪が出現。 キング・オブ・クロウという必殺技が使えるようになる。
その他キーワード
ゾイド
地球に何万年も前から生息するメカ生命体。金属の肉体と動物の本能・闘争心を持ち、生態系の頂点に立つ最強生命体。ゾイドキーによって人間と絆を結んだ時、秘められた武器と力が覚醒する。その現象を、本能解放(ワイルドブラスト)という。
書誌情報
ゾイド ワイルド 3巻 小学館〈コロコロコミックス〉
第1巻
(2018-08-28発行、 978-4091427601)
第2巻
(2018-12-28発行、 978-4091428387)
第3巻
(2019-06-28発行、 978-4091428998)
ゾイドワイルド 2巻 小学館〈てんとう虫コミックス(少年)〉
第2巻
(2020-06-26発行、 978-4091432032)