学習型自律ロボット、アルマの誕生
人工知能の開発者、エンジと、ロボット工学の研究者、スズメ。昔からケンカばかりしていた二人だが、自分たちの才能を世に示すため、一緒に部屋を借りて共同で研究を始める。その結果生み出されたのが、学習型自律ロボットの神里アルマである。優れた学習能力と分析力を持つアルマは、エンジとスズメを見るなり、「おとうさん」「おかあさん」と呼ぶ。アルマによると、生み出してくれた男女を「父母」と呼称するのは当たり前であり、心拍や体温などからも二人が互いに好意を持っている「夫婦」だと判断したという。長年研究に没頭してきたため異性への免疫が小学生レベルの二人は、顔を真赤にして否定するが、アルマがロボットであることを知られずに生活するため、家族のフリをすることにする。こうして疑似夫婦となった二人は、「家族は川の字で寝る」といったアルマの純粋な言動に振り回されることになる。
家族や友達との絆で成長していくアルマ
完全無欠のロボットになるため、アルマは様々な経験を積んでいく。期間限定のアイスクリームを買う「おつかいミッション」では、無事にアイスの購入に成功。しかしその帰り道、言葉が通じず道に迷う外国人の高齢男性に出くわしたアルマは、翻訳機能を使って案内してあげる。アイスは溶けてしまうが、エンジとスズメは人助けをしたアルマを褒めるのだった。またある雨の日、アルマは失踪した犬を探す不良少女の屋敷華(ハナ)と出会い手助けをする。ハナのことを初めての友達だと認識するアルマだったが、ひねくれ者のハナは認めようとしない。友達のことを知りたいアルマは、翌日小学校に転入し、ハナのクラスメイトになった。本作は、家族や友達との絆を通じて、成長していくアルマを描いたハートフルなコメディである。
ライバルロボット(?)の登場
アルマとエンジ、スズメが映画を観た帰り、マキナと名乗る少女型ロボットに襲われる。アルマを超えて最強になるというマキナは、スズメの大学の後輩、思兼常夜(トコヨ)が製作した少女型兵器だった。スズメを崇拝するトコヨは、スズメに見合う存在になり研究を手伝うために、大学に残されたデータからマキナを完成させたという。しかし、スズメと同居し、パートナーとして振る舞うエンジにトコヨは嫉妬する。そして、いつかエンジをギャフンと言わせ、スズメの目を覚ますため、マキナのパワーアップを誓うのだった。
登場人物・キャラクター
神里 アルマ (かみざと あるま)
エンジとスズメによって開発された学習型自律ロボット。見た目は、身長130センチメートル、体重36キログラムの可愛い少女。人知を超えたスーパーパワーを持つ戦闘ロボットで空を飛ぶこともできる。エンジとスズメを夫婦で自分の父と母だと認識する。小学5年生として学校にも通い、様々なことを学習していく。
神里 エンジ (かみざと えんじ)
人間に迫る人工知能を開発する天才科学者の若い男性。メガネを掛けている。スズメによれば、陰湿でモテないらしい。研究一筋で、異性への免疫は小学生レベル。スズメとは昔からの知り合いでケンカ友達だが、密かに好意を抱いている様子。己の才能を世に示すためスズメと組んで、学習型自律ロボットのアルマを完成させた。世間の目を欺くため、スズメ、アルマと三人家族として暮らす。
夜羽 スズメ (よばね すずめ)
天才ロボット工学者の若い女性。黒のロングヘアーが特徴で、名門夜羽家の長女。エンジによれば、性格は「クソ」だがロボット工学の技術だけは本物だという。なお、研究一筋で、異性への免疫は小学生レベル。エンジとは昔からの知り合いで何かと張り合う仲だが、心の中では好意を抱いているらしい。己の才能を世に示すためエンジと組んで、学習型自律ロボットのアルマを完成させた。世間の目を欺くため、アルマのおかあさん、エンジの妻として一緒に暮らす。
書誌情報
少女型兵器は家族になりたい 全3巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2022-03-10発行、978-4041121788)
第2巻
(2023-03-10発行、978-4041129340)
第3巻
(2024-03-26発行、978-4041147573)







