宇宙鉄人キョーダイン【完全版】

宇宙鉄人キョーダイン【完全版】

異星人による侵略によって人類撲滅の危機に瀕していた未来の地球。異星人に誘拐され、肉体を失った地球人兄弟がサイバロイドとなって生まれ変わり、地球人類のために異星人との激烈な戦いに挑む姿を描く、兄弟愛をテーマにしたSFロボットアクション。上巻は全17話構成で前半はシリアスタッチだが、後半からはギャグタッチとなっている。一方、下巻は全14話構成、女性キャラクターを前面に押し出した叙情的なストーリー展開となっている。上巻は「テレビマガジン」1976年3月号から1977年3月号にかけて、また1976年8月号増刊と1977年1月号増刊に連載された作品。下巻は「テレビランド」1976年3月号から1977年3月号にかけて連載された。連載と並行し、1976年4月から1977年3月にかけて実写特撮ドラマ版がTBS系列にて全48話で全国放送された。

正式名称
宇宙鉄人キョーダイン【完全版】
ふりがな
うちゅうてつじんきょーだいんかんぜんばん
原作者
石ノ森 章太郎
漫画
漫画
ジャンル
ロボット
関連商品
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あらすじ

上巻

ダダ星のロボット工場に強制収容されていた葉山ジョージ葉山リュージの兄弟は脱出に失敗し、戦闘用ロボットのダダロイドによって無残にも射殺されてしまう。葉山兄弟の父親、葉山博士は死亡した息子たちの肉体を改造し、サイバロイドとしてよみがえらせる。一方、地球では葉山兄弟の末っ子である葉山ケンジたちが絶体絶命の危機に瀕していた。そこへ「宇宙鉄人キョーダイン」となったジョージとリュージの二人が地球に飛来し、弟のケンジを救う。最初は変わり果てた姿の兄たちを受け入れられなかったケンジだが、自分の生命を救ってくれた宇宙鉄人キョーダインと共にダダ星人と戦う決意をするのだった。(第1話「帰ってきたロボットにいちゃんの巻」。ほか、16エピソード収録)

下巻

ダダ星からの侵略を受けた地球は壊滅的な状況に陥っていた。葉山健治は、最強のダダロイドであるタンクーダの襲撃を受け、絶体絶命となる。しかしその時、二体のロボットが健治を救う。その正体は宇宙鉄人キョーダインとなってよみがえった葉山譲治葉山竜治だった。タンクーダを撃破した宇宙鉄人キョーダインは、地球防衛軍の仲間たちと共に、ダダ星人が作り出したダダロイドたちと戦い、地球の平和を守る決心をするのだった。(第1話「帰ってきたぞ、兄弟ロボットの巻」。ほか、13エピソード収録)

登場人物・キャラクター

葉山 ジョージ (はやま じょーじ)

葉山博士の長男。弟の葉山リュージと共に、地球でダダ星人が作り出した戦闘用ロボットのダダロイドを迎え撃つ勇気ある青年。正義感が非常に強い一方で、弱い者へのいたわりの心を持った優しい性格の持ち主。ダダ星人によって肉体を失うが、葉山博士によって脳の記憶を移植されたスカイゼルとなり、地球の平和のために戦う。名前が上巻ではカタカナ、下巻では漢字表記となっている。

葉山 リュージ (はやま りゅーじ)

葉山博士の次男。兄の葉山ジョージと共に、地球でダダ星人が作り出した戦闘用ロボットのダダロイドを迎え撃つ勇気ある青年。正義感が強い性格で兄を非常に慕っている。ダダ星人によって肉体を失うが、葉山博士によって脳の記憶を移植されたグランゼルとなり、地球の平和のために戦う。名前が上巻ではカタカナ、下巻では漢字表記となっている。

スカイゼル

葉山博士によって葉山ジョージの脳の記憶を移植された戦闘用のサイバロイド。スカイジェット、スカイミサイルに変体する。さらにグランゼルと合体して敵を攻撃し、破壊する。グランゼルとコンビを組んで「宇宙鉄人キョーダイン」を名乗っているが、上巻の後半では二頭身のギャグバージョンキャラクターとなり「ジョーダイン」とも呼称される。

グランゼル

葉山博士によって葉山リュージの脳の記憶を移植された戦闘用のサイバロイド。グランジェット、グランミサイルに変体する。さらにスカイゼルと合体して敵を攻撃し、破壊する。スカイゼルとコンビを組んで「宇宙鉄人キョーダイン」を名乗っているが、上巻の後半では二頭身のギャグバージョンキャラクターとなり「ジョーダイン」とも呼称される。

葉山 ケンジ (はやま けんじ)

葉山博士の三男で末っ子の小学生。兄の葉山ジョージと葉山リュージを慕っている。ふだんはいたずら好きのやんちゃな性格だが、寂しがり屋の一面もある。自分の家族を離ればなれにしたダダ星人に強い憎しみを抱いている。名前は第1巻ではカタカナ、第2巻では漢字表記となっている。

葉山博士 (はやまはくし)

世界的なロボット工学の権威とされる初老の男性。葉山ジョージと葉山リュージの兄弟の父親でもある。その優秀な頭脳を狙われ、ダダ星人によってダダ星に誘拐され、拘束されてしまう。ダダ星人によって肉体を失ったジョージとリュージの脳の記憶を移植した戦闘ロボットのスカイゼル、グランゼルを完成させ、ダダ星人に抵抗する。

白川 エツ子 (しらかわ えつこ)

地球防衛軍に所属する女性少尉。年齢は16歳。かつては葉山博士の助手を務めていた。葉山博士がダダ星に誘拐されてからは、一人ぼっちとなった葉山ケンジの母親代わりとなって面倒を見ている、優しい性格の美女。

ゴンベス

葉山博士が作った作業用のロボロイド。スカイゼル、グランゼルをサポートする目的で行動する。おっちょこちょいな性格は、まるで人間のようで周囲からはからかわれることが多い。しかし地球防衛軍では、兵器や設備機器類などの修理を担当するなど万能ぶりを発揮する。

バスカード

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。攻撃時には手足が身体部分に収納され、砲台に変体する。顔の下半分がバズーカ砲の砲口になっており、そこからバズーカ弾を発射して敵を攻撃する。ダダ星人から下された生け捕りの命令を無視して、敵を殺害しようとする凶暴な性質を持つ。

タンクーダ

ダダ星のロボット部隊の司令官を務めるダダロイド。巨大な戦車に変体してスカイゼル、グランゼルを襲う。キャタピラで敵を踏み潰し、巨大な砲口から弾丸を発射して敵を破壊するという高い戦闘能力を持つが、上空からの攻撃に弱い。

デビルアトラス

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。巨大な体軀で頭部に野牛のような角がある。体の周りにバリアーを張り巡らし、敵の攻撃を無力化する。両腕部分がはずれてサイバロイドに変体するという特性を持つ。

ダイキライ

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。攻撃時には、全身に空いたいくつもの穴からトゲ状の突起が現れる。名前の由来どおり、敵に体当たりすると爆発するという全身が機雷になっている自爆型のロボロイド。

レーダーバットン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。おっちょこちょいな性格をしている。コウモリの姿をしたロボロイドで、バズーカ砲となっている両腕から砲弾を発射して敵を攻撃する。木の枝にぶら下がり、翼にくるまって眠る習性がある。

ボーガン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。地球上の山間部にある秘密基地に所属している。全身が多数の砲丸でできており、その砲丸がバラバラになって敵をめがけて飛んでいく「分身攻撃」が得意。

サイクルマン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。サイの姿をしたロボロイドで、大きな角で敵を襲うが目が悪く、自分の角で自分の体を突き刺してしまうという失態を犯す。

タイホーン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。土管の姿で、二つの車輪で移動する。おっちょこちょいな性格をしている。伸縮性の土管になっている体を伸ばし、砲弾を発射して敵を攻撃する。

ロボンフッド兄 (ろぼんふっどあに)

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。ロボンフッド弟と共にタコの姿をした潜水艇を操縦して海からキョーダインを襲う。弓矢が武器で、丸い形のものを見ると、つい弓を引き矢を放ってしまうクセがある。

ロボンフッド弟 (ろぼんふっどおとうと)

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。ちょっとエッチでおっちょこちょいな性格をしている。ロボンフッド兄と共にタコの姿をした潜水艇を操縦して海からキョーダインを襲う。

ダダゼーミ

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。セミの姿で、山奥の古びた洋館に見せかけたダダ星人の秘密基地に隠れている。木にのぼると「ミーンミーン」と鳴く習性がある。

丸井大佐 (まるいたいさ)

地球防衛軍で大佐を務める中年男性。頭は角刈りで太った丸っこい体形をしている。力自慢で調子のいい性格ながら、孤児を引き取って面倒を見るなど人格者の一面もある。

クラゲモン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。クラゲの姿で全身が軟体でできている。野球のグラブなどに変身する特性がある。

ガブリン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。全身が巨大な手のひらの姿で、指を折り曲げて敵をにぎりつぶす攻撃が得意。

デスギャット

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。額にも眼球がある三つ目の猫の姿をしたガブリンクイーンに仕えている。毛玉を見るとじゃれたりかつお節の匂いに惹かれたりと、猫の習性がある。レーダーバットンをライバル視している。

ガブリンクイーン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。外観は人間の女性のような姿をしている。自身の美貌を自画自賛するナルシスト。地球派遣軍のリーダーを務めており、デスギャットを従えて宇宙船からダダロイド兵士たちの指揮を執る。ダダ星人に忠誠を尽くし、ダダ星の権力者を神格化している。

デンキューバン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。半球形に多数のくねる足が付いたタコの姿で、飛行することができる。

青山 (あおやま)

地球防衛軍で丸井大佐の秘書として働く女性。有能で心優しい性格だが、どこか陰のある美女。家族がダダ星人に誘拐され、ダダ星に連行されているという、気の毒な境遇にある。

ノコギリン

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。破壊工作士官を名乗る。頭部と両腕の付け根が回転ノコギリ状になっており、両脚をロケット噴射して空中を自在に飛行できる。ダダ軍に都合の悪いものはすべて破壊するという任務を担っている。

二階堂博士 (にかいどうはかせ)

白髪の老人。優秀な科学者で特殊な兵器を短期間で製造する高度な技術を会得している。ダダ星人に最愛の娘を殺害され、復讐心に燃えている。寂しさのあまり酒におぼれる自暴自棄な日々を送っている。

ビータ星第四惑星人 (びーたせいだいよんわくせいじん)

宇宙を放浪する宇宙人男性。ダダ星人に滅ぼされた故郷の星から追放され、以降は宇宙の放浪者となる。父親の仇であるダダ星人に強い憎しみを抱いており、ダダ星人たちを殺害し続けることに生きがいを感じている。地球に飛来してからは、若い地球人の男性に変装している。

カメレオンナ

地球に飛来し、スカイゼル、グランゼルと戦うダダロイド。レーダーを無力化する人工霧を発生させることができる。さらに、さまざまな顔の美女に変装し、敵をあざむいて相手が油断したスキに攻撃する。

スピーガン

士官を名乗るダダ星のダダロイド。ハンサムな地球の青年に変装している。白川エツ子に接近し、彼女を恋の虜にしてしまう。スカイゼル、グランゼルを倒すために卑劣な手段を用い、彼らの怒りを買う。

一平 (いっぺい)

盲目の少年。利発でおとなしい性格ながら寂しがり屋なところがある。多忙な父親に代わって自分を守ってくれるデンキマーダが、唯一の友人であり話し相手でもある。

デンキマーダ

一平の父が一平の護衛用として作ったロボロイド。試作用であるために性能は不十分だが、一平を守り抜くという使命には忠実に活動する。

一平の父 (いっぺいのちち)

地球防衛軍附属電気工学研究所で主任を務める初老の男性で、一平の父親。研究所においてダダ星人に対抗する先進的なロボットを製造する「マーダ計画」を推進するチームのリーダー的な存在。一平のためにデンキマーダを製造する。

カオル

孤児の少年。ダダ星人との戦闘時に逃走した父親のせいで周囲からいじめを受け、ひねくれた性格になった。暴れん坊のガキ大将で親戚にも嫌われて身寄りがないため、丸井大佐に引き取られる。葉山ケンジたちの仲間となるが、さまざまな問題を引き起こす。野球が得意。

場所

ダダ星 (だだせい)

地球から遙か遠く離れたドクロ模様の星。この星に住むダダ星人は軍事独裁の帝政組織をしいており、高度な科学力とロボット部隊を擁する巨大な軍事力によって多くの星々を支配している。地球に軍事攻撃を仕掛け、都市を破壊し、有能な科学者を誘拐して収容所に拘束するなど、悪虐の限りを尽くす。

その他キーワード

ロボロイド

ロボットと、より人間に近いロボットであるアンドロイドを組み合わせた高性能ロボット。外観は無機質な機械だが、人間のように自分で思考して行動することができる。

サイバロイド

脳など人体の一部を移植したアンドロイド。外観はロボットで中身は人間と同様のスカイゼル、グランゼルのようなタイプと、外観もまったく人間と見分けがつかないためにスパイとして敵側に潜入するタイプとの二種類が存在する。

ダダロイド

ダダ星人によって作られた戦闘用のロボロイド。地球征服を目的とするロボット部隊を編成し、さまざまな特徴を持ったロボットがスカイゼル、グランゼルや地球防衛軍と戦闘する。

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