重戦機エルガイム

重戦機エルガイム

出世を夢見てハンドメイドのヘビーメタル(人型機動兵器)であるエルガイムと共に田舎から町へと出てきた青年、ダバ=マイロードが、世界を支配するオルドナ=ポセイダルとの戦いに巻き込まれていく姿を描いたSF作品。

正式名称
重戦機エルガイム
原作者
富野 由悠季
作者
ジャンル
ロボット
レーベル
コミックスボンボン(講談社)
巻数
全3巻
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あらすじ

第1巻

大志を抱き、惑星コアムにある田舎から町へと出て来た青年のダバ=マイロードとその親友のミラウー=キャオは、ある日、盗賊に襲われている女性、ファンネリア=アムに遭遇。大型の人型兵器である「ヘビーメタル」のエルガイムを駆って盗賊を撃退したダバは、瀕死になった盗賊の生き残りから100万ギーンという巨額の手形(クレジット)を託され、アマンダラ=カマンダラに届けるように懇願されるのだった。事切れた盗賊の願いを聞き入れたダバは、アマンダラを探す旅を始め、キャオとアムを伴ってプリャーモの街に立ち寄る。見世物小屋に捕らわれていた妖精のリリス=ファウを開放したダバは、そこで手形を執拗に探している謎の男達を目撃。手形を巡る不穏な抗争に自分が巻き込まれてしまった事を知るのだった。その後、手形を盗んだ野心家の青年、ギャブレット=ギャブレーが駆るヘビーメタルを倒したダバは、武器商人のアマンダラに直接手形を渡すため、戦争の勃発が噂されるミズン星に目をつける。正規軍の一員となったギャブレーの追撃をかわして宇宙船を強奪し、ミズン星へ到着したダバは、そこでアマンダラとの謁見を果たし、手形を返すという当初の目的を果たす。アマンダラとの謁見を終えたダバは、正規軍を裏切った女性の軍人、ガウ=ハ=レッシィを伴って反乱軍へと入り、宇宙に存在する数々の王朝を滅ぼし、世界を支配するオルドナ=ポセイダルとの戦いへと身を投じる事になる。持ち前のカリスマ性と卓越したヘビーメタルの操縦技術によって頭角を現したダバは、正規軍と互角の戦いを繰り広げるものの、攻勢をかけてきたギャブレーやネイ=モー=ハンとの決戦で、反乱軍のリーダーであるステラ=コバンを失ってしまう。劣勢を感じ取ったダバは再び宇宙へと飛び出し、雌雄を決するために、ポセイダルの本拠地であるガストガルへと向かうのだった。

第2巻

正規軍に追われ、アステロイドベルトの中にある治外法権の要塞「サードスター」へと逃げ込んだダバ=マイロード一行。しかし、ファンネリア=アムを騙して置き去りにした罪悪感から、宇宙船でミズン星へ一人舞い戻ろうとしたガウ=ハ=レッシィを追ったダバとミラウー=キャオは、再び危険な宙域に出る事になった。正規軍の執拗な追撃を受け、いつしかオルドナ=ポセイダルの本拠地であるガストガルへとたどり着いたダバ一行は、隕石に紛れて首都スヴェートへと到着。そこで正規軍との戦いになるが、圧倒的な物量差によって瞬く間に窮地に追い込まれてしまう。しかし、現地へと駆け付けたアム率いる反乱軍の活躍により窮地を脱し、無事に宇宙へと逃れる事に成功する。その後、商船イプシオンに遭遇した際に、生き別れた義理の妹であるクワサン=オリビーの姿を見つけたダバは、危険を感じつつもイプシオンへと乗り込む。しかし、オリビーはすべての記憶を失っており、それどころかダバは、ポセイダルの命によりヤーマン族の抹殺を真の目的としていたオリビーによって捕らわれてしまう。キャオやレッシィの奮闘で脱出に成功したダバだったが、オリビーとは再び離れ離れになってしまうのだった。正規軍の追跡を逃れ、トライデトアル星へと逃れたダバ一行は、そこで現地の反乱軍と合流。戦いの中で、いつしか反乱軍の象徴的存在となったダバは、ミズン星の反乱軍と手を結ぶために再び宇宙へと飛び出す。ミズン星を目前にして正規軍に見つかったダバ一行は、身を隠す際にアステロイドベルトでアマンダラ=カマンダラと再会。敵か味方かわからない彼の言動に困惑しながらも、ミズン星へと降り立ち、反乱軍の統括に成功する。そこでポセイダルによって滅ぼされたヤーマン王家の生き残りであり、本当の名前が「カモン=マイロード」である事を周囲に明かしたダバは、ポセイダルに苦しめられている人々の解放を決意するのだった。

第3巻

打倒オルドナ=ポセイダルのために反乱軍をトライデトアル星の宙域に集結させたダバ=マイロードは、大量の隕石をガストガルに落とす「スターダスト計画」を成功へと導くため、かつてはポセイダルの支配下にあった宇宙衛星「パラータスター」へ協力を取り付けるために出立。しかし、その途中でポセイダルに反旗を翻したギワザ=ロワウの軍勢の襲撃を受け、混乱の中でパラータスターの中心部にある原子炉の自爆装置が作動してしまう。原子炉を止めるべく中心部へ潜り込んだミラウー=キャオリリス=ファウの活躍により事なきを得るが、その過程でリリスが命を失ってしまう。多くの犠牲を払いつつも前に進み続けるダバは、勢いに乗って「スターダスト作戦」を敢行し、多数のヘビーメタルを引き連れてガストガルの首都であるスヴェートへと乗り込む。ギワザ軍とポセイダル軍の戦いに乗じてオリビーを救い出したダバは、反乱軍の力を結集してスヴェートへの再攻撃を開始。ポセイダルの屋敷へとたどり着くが、フル=フラットやギワザ軍の妨害を受け、ポセイダルを討ちそこなってしまう。自分をかばって命を落としたフラットの姿を見て、洗脳から目覚めたポセイダルは、自分を影であやっていたアマンダラ=カマンダラに反旗を翻し、オリジナルのヘビーメタル「オージェ」に乗り込んだアマンダラを倒すため、ダバに助力。命を捨ててアマンダラの力を削ぎ、ダバにアマンダラを討ち取らせるのだった。再び戦線へと舞い戻ったダバは、ギワザをも討ち果たし、長きにわたる戦いに自らの手で終止符を打つ。

登場人物・キャラクター

ダバ=マイロード

黒色で長髪の颯爽とした雰囲気の青年。ペンタゴナ太陽系の惑星コアムにある辺鄙な田舎から、出世を目指して親友のミラウー=キャオと共に町へと出てきた。盗賊一味からファンネリア=アムを救出した際、瀕死の盗賊から100万ギーンの入った手形(クレジット)をアマンダラ=カマンダラに届けるように依頼され、願いをかなえるために、アマンダラを探して各地を冒険するようになった。 その過程で周辺の宙域を支配するオルドナ=ポセイダルの正規軍と対立したダバ=マイロードは、成り行きから加わった反乱軍で頭角を現し、いつしか反ポセイダルに加わる者の象徴的存在となっていく。ハンドメイドの人型兵器「ヘビーメタル」のエルガイムを所持しており、操縦技術は抜群。 強い正義感に加え優れた行動力を持ち、人を惹きつける求心力もある、生まれながらのカリスマ。実は惑星ミズンにあった王朝ヤーマン族の最後の生き残りであり、キャオの誘いを受けて町へ出たのも、生き別れた義理の妹であるクワサン=オリビーを探すことに真の目的があった。

ギャブレット=ギャブレー

紫色の髪色をした長髪の青年。この世での栄達を目指して、オルドナ=ポセイダルの正規軍に入るため一人旅をしていた野心家。道中で出会ったダバ=マイロードたちの食事を盗み食いしたうえ、手形を盗んだことがきっかけとなって対立。ポセイダルの正規軍に加った以後はダバの行く先々に姿を現し、数々の「ヘビーメタル」を駆って激突するようになる。 上昇志向の強さと誇り高い騎士道精神を併せ持っており、ダバの仲間となったガウ=ハ=レッシィに破れて意識を失う。命を見逃されたギャブレット=ギャブレーは、これを恥辱と捉えてレッシィと再戦。レッシィを敗北に追い込んでから勝負を預け、去り際に「これで貸し借りはなしだ」と言い放っていた。反乱軍の旗頭となったダバを執拗に追い続けていたが、のちに軍で見初めたクワサン=オリビーを救うために、ダバに協力をするようになる。

クワサン=オリビー

オルドナ=ポセイダル率いる正規軍所属の軍人の女性。商船イプシオンに乗ってスパイ活動に従事し、ポセイダルの命を受けてヤーマン族の生き残り撲滅を実行していた。ダバ=マイロードの義理の妹であり、かつては結婚を約束していた仲であったが、後に生き別れてしまう。ポセイダルによる洗脳で記憶を失った後は、彼女の忠実な手駒として活動していた。 ダバとの遭遇後は、自身の心の中にあるダバの幻影に苦悩を続け、懸命にダバを討ち取ろうとする。

ファンネリア=アム

元気で明るい黒髪の女性。盗賊の一味だったが、仲間を裏切って追われていたところを通りがかったダバ=マイロードに救われ、ダバのことを気に入って彼らの旅に同行するようになった。戦闘にも積極的に参加するタフな性格。ダバにベタ惚れしており、途中から仲間に加わったガウ=ハ=レッシィとはダバを取り合う恋敵となった。

ガウ=ハ=レッシィ

赤髪の女性。オルドナ=ポセイダル率いる正規軍所属の「十三人衆」と呼ばれる仕官の一人。ダバ=マイロードたちがコアムベースを襲撃し、トランスポーターごとハイジャックした際に人質とされた。その失態を新米のギャブレット=ギャブレーに責められたことと、ダバの人柄が忘れられなかったことが理由で、正規軍を裏切ってダバのもとに参じる。 皆の信頼を勝ち取るために髪の毛をバッサリ切るなど、一本気で勝気な性格だが、恋するダバのために尽くそうとする、乙女らしい繊細な一面も持ち合わせている。恋敵のファンネリア=アムとはしばしば感情的な衝突をしていた。

ミラウー=キャオ

ダバ=マイロードと共に出世を目指して田舎から出てきた青年。生真面目なダバとは対照的にノリの軽い性格で、やや軽率な面もある。「ヘビーメタル」をはじめとする機械全般に精通しており、エルガイムの整備も担当している有能なメカニックマン。ダバとは互いに信頼し合っている親友同士。ミラウー=キャオいわく、「(ダバは)おれがいなきゃ、な~~んにもできないからな」とのこと。

オルドナ=ポセイダル

ペンタゴナにある王朝を壊滅させた女性。独裁体制を敷いて周辺宙域を支配している。私欲のために戦争を繰り返した民族を滅ぼすのは当然として、ダバ=マイロードの父母を殺害。今もなお生き残ったヤーマン族の撲滅に心血を注いでいた。ヤーマン族の生き残りであるダバ率いる反乱軍と激闘を繰り広げる。「バイオリレーション」と呼ばれる特殊な技術でクワサン=オリビーを洗脳し、意のままに操っている。

アマンダラ=カマンダラ

武器商人の男性。あらゆる勢力に武器を売りさばいている死の商人。ダバ=マイロードは、盗賊から受け取った手形を渡すために、ミズン星にいた彼のもとに出向くことになった。正規軍を敵に回してまで手形を持ってきたダバの心意気を気に入ったアマンダラ=カマンダラは、戦いの長期化による実利も兼ねてダバのいる反乱軍側にも武器を流していた。 常にサングラスをかけており、表情から真意を読み取ることはできない。

ネイ=モー=ハン

オルドナ=ポセイダル率いる正規軍所属の女性。ギャブレット=ギャブレーの上官。A級「ヘビーメタル」のオージェを駆り、ダバ=マイロードのエルガイムと死闘を繰り広げた。上官のギワザ=ロワウに心酔しており、彼が謀反を企んだ時も、軍人としての本分を果たすか、ギワザについていくか逡巡していた。

フル=フラット

アステロイドベルト宙域にある治外法権の衛星基地「サートスター」の指導者の女性。超然とした雰囲気をしており、正規軍に追われていたダバ=マイロードたちを、危険を顧みずにかくまっていた。

ギワザ=ロワウ

オルドナ=ポセイダル率いる正規軍に所属する男性。配下である「十三人衆」を強化する計画を、ポセイダルに咎められたことから逆心を抱く。指揮官としては有能だが、他人を信じきれない小心な面がある。ポセイダルへの謀反を企てた際、配下であったネイ=モー=ハンがポセイダルに通じていると考え、彼女の命を狙った。

チャイ=チャー

ミズンベースを指揮する男性。オルドナ=ポセイダル率いる正規軍に所属する。規律に非常に厳しく、ダバ=マイロードに人質にされるという失態を犯したガウ=ハ=レッシィに厳しい処分を下そうとし、彼女が正規軍を離れるきっかけを作った。

ステラ=コバン

ミズン星を根城にして正規軍と対決している反乱軍の首領。手形を渡すためにアマンダラ=カマンダラのもとに向かおうとするダバ=マイロードを支援し、彼を反乱軍の同志として仲間に引き入れようとしていた。

リリス=ファウ

背中から羽根が生えた妖精。見世物小屋に捕らえられていたが、見かねたダバ=マイロードが買い取って自由の身にした。恩人であるダバのことを気に入り、彼の旅についてくるようになる。

その他キーワード

エルガイム

「ヘビーメタル」と呼ばれる巨大な人型兵器の一種。オルドナ=ポセイダルにペンタゴナワールドを制圧され、滅ぼされかけたヤーマン族の技術者が、ダバ=マイロードを連れて脱出した際に持ち出した「カイラム」を改造して作り上げた。ヤーマン族独自の技術が用いられた高性能のA級ヘビーメタルで、ギャブレット=ギャブレーの駆るA級ヘビーメタル「アシュラテンプル」に敗れるまでは無敵を誇った。 のちに「エルガイムマークⅡ」という、変形機構のついた後継機も作られている。

クレジット

書誌情報

重戦機エルガイム 全3巻 講談社〈コミックスボンボン〉 完結

第1巻

(1984年6月発行、 978-4061004412)

第2巻

(1984年11月発行、 978-4061004481)

第3巻

(1985年2月発行、 978-4061004535)

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