タッジー・マッジー

タッジー・マッジー

不思議な力を持つ少女が、村の人々との共存を目指し、仲間と共に魔女と戦うファンタジー作品。山口美由紀の『フィーメンニンは謳う』と同一の世界観で描かれていて、引き続き登場するキャラクターも存在する。「花とゆめ」平成4年10号から平成6年16号まで不定期に掲載された。

正式名称
タッジー・マッジー
ふりがな
たっじー まっじー
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

ある日シャルロッテ・グリューン(ロッテ)は、年齢を偽り、小さな町にたった1人で引っ越してきた。彼女は幼い頃から不思議な力を持っていたために、魔女と言われては町を追われ、町から町へと転々とする人生を送ってきた。そんなロッテが新しい町で新居に選んだのは、その昔、魔女ルルーが住んでいたという、曰くつきの一軒家だった。

そんな折、ロッテの前に1人の青年シルヴィが現れる。彼は行方不明となった妖精のマリーンを探しに人間界へ来た妖精であった。そしてマリーンは現在意識と体が分離しており、その意識はロッテの中に同居していることが明らかになる。シルヴィはロッテにマリーンの体探しの協力を要請するが、ロッテは自分の持つ人間とは明らかに違う力を改めて自覚し、再び町を出る決意をする。

しかし投げかけられたシルヴィの言葉にロッテは奮起し、この町でもう一度頑張ってみることを心に決めるのだった。

登場人物・キャラクター

シャルロッテ・グリューン (しゃるろってぐりゅーん)

自称18歳の少女。幼い頃から不思議な力を持っていたことで、母のもとを離れ、町を転々とする生活を余儀なくされていた。そんな普通でない自分を受け入れられず、普通の女の子に戻りたいと常々思っている。彼女手作りのハーブ小物にはさまざまな効果があり、ハーブキャンドルには真実の姿を照らし出す力がある。

シルヴィ

妖精と人間のクウォーターの青年。妖精界に住んでいるが、行方がわからなくなった妖精マリーンを探すため、人間界にやってきた。人間界に長居すると体にダメージがあるが、シャルロッテ・グリューン(ロッテ)のハーブティーを飲むと劇的に元気になる。また、彼にはロッテの魔法を安定させる効果がある。『フィーメンニンは謳う』に登場したシルヴィと同一人物。

マリーン

シルヴィに想いを寄せる妖精の少女。気が強いが、それは照れ隠しの側面もある。シルヴィに心配し、追いかけてきて欲しくて人間界に来たが、妖精であるマリーンにとって人間界の空気が体に与えるダメージは予想以上に大きく、強いエネルギーを持ったシャルロッテ・グリューン(ロッテ)の中に意識だけ逃げ込んでいた。しかし出られなくなってしまい、現在は意識がロッテと同居している状態。

カロリーネ・ヘルダー (かろりーねへるだー)

シャルロッテ・グリューン(ロッテ)に家を紹介した大家でリヒトの祖母。変わった力を持つロッテを受け入れ、厳しくも暖かく接してくれる良き理解者である。

リヒト

カロリーネ・ヘルダーの孫。あちこち破れた独特のパンクファッションが好み。いつも元気に飛び回っているが、いきなりぷっつり動かなくなり、電池が切れたように眠りこむ時がある。

チコリ

昔、魔女ルルーが住んでいた家を守り続けているほうきの精。引っ込み思案で恥ずかしがり屋な青年。魔女の家が、夜になると幽霊が出ると噂されていたのは、彼の姿を見た人が誤解したものと思われる。

魔女ルルー (まじょるるー)

昔、この町に住んでいた魔女。人間と共存していたが、ある時些細なことがきっかけで、人間の手によって追い詰められ心を閉ざして深い眠りについた。しかし、いつの日かその眠りから覚め、夏至の夜に復活するという予言を残している。

エーリヒ・ザヴィニー (えーりひざゔぃにー)

シャルロッテ・グリューン(ロッテ)が想いを寄せている王子様的存在。リヒトからは「白バラキザ男」と呼ばれているだけあって、何かとキザな言動が多いフェミニストである。ロッテの通っている学校に教師として赴任してくる。

ルーイ

エーリヒ・ザヴィニーの助手としていつもそばにいる人物。しなやかな身のこなしとその麗しい風貌から誤解を受けやすいが、女性ではない。何かと謎の多い人物である。

ムート

ラウラの弟。純粋な心を持っている少年で、魔女や妖精の不思議な力を心から信じている。同時に、シャルロッテ・グリューンが良い魔女に違いないと考えている。

ラウラ

シャルロッテ・グリューン(ロッテ)のクラスメイトでリヒトのファン。リヒトと必要以上に仲良くなっていくロッテに対してジェラシー全開の態度を見せる。ロッテに対して意地悪な態度を見せることもあるが、本当は口が悪いだけの友達思いな少女である。ムートの姉であり、ユリアとはいとこ同士。

ユリア

シャルロッテ・グリューンのクラスメイトでラウラとはいとこ同士。ピアノが上手な笑顔の優しい少女で、片思いの彼がいるが、自分に自信がないため、告白できずにいる。

ププラ

魔女ルルーが飼っていた青いドラゴン。かつてこの町を襲ったとされているが、実際は子供たちから好かれていた優しいドラゴンだった。山のてっぺんにある大きな木は昔ドラゴンの止まり木だったといわれており、ププラのお気に入りの場所だった。

その他キーワード

タッジーマッジー

さまざまな花言葉に想いやメッセージを込めた、ハーブをあつめて作った小さなハーブの花束のこと。疫病を防いだり、魔除けにもなるとされている。

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