ニューイヤー星調査行

ニューイヤー星調査行

藤子・F・不二雄によるSF短編の1作。ある仮説を証明しようと熱心な博士を通して、真実とはときに残酷であることをアイロニカルに描く。

正式名称
ニューイヤー星調査行
ふりがな
にゅーいやーせいちょうさこう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

宇宙の辺境に存在するニューイヤー星バンボルグ博士は「宇宙にいくつか存在する人類の祖先は、すべてニューイヤー星から飛び立ったもの」という仮説を打ち立てるために、調査隊を率いてこの地を訪れていた。ニューイヤー星の住人たちも調査には協力的で、やがて仮説を裏付ける決定的な証拠を発見。大喜びするバンボルグ博士だったが、博士の助手は真実を知らされて衝撃を受ける。

登場人物・キャラクター

助手 (じょしゅ)

バンボルグ博士が敢行したニューイヤー星の現地調査への参加を熱望した青年。作中に名前は登場しない。ニューイヤー星の少女と交流を持ち、バンボルグ博士の説を裏付ける大発見へと導かれる。

バンボルグ博士 (ばんぼるぐはかせ)

ニューイヤー星の神話をもとに、宇宙に存在するすべての人類のルーツがニューイヤー星にあるのではないかという仮説を立てる。そして学者生命を賭け、ニューイヤー星の現地調査団を率いる。

イケガミ博士 (いけがみはかせ)

ニューイヤー星調査団のひとり。かつてバンボルグ博士の説に大きな刺激を受けていたが、現在は非現実的だと感じている。

ロッシュ博士 (ろっしゅはかせ)

ニューイヤー星調査団のひとり。地質学者。バンボルグ博士のことを、科学者ではなく童話作家だとまで言い切る。しかし、高額の報酬を目当てに調査隊に参加。職務は誠実にこなしている。

ニューイヤー星の住人 (にゅーいやーせいのじゅうにん)

『ニューイヤー星調査行』に登場する異星人。原始的な生活を営んでいる。見た目は地球人とほぼ同じ。感情をほとんど表に出さない非常に温厚な性格で、効率ということには無頓着。樹状に生息するこの惑星の生物に呼びかけると、1つ食べるだけで満たされる木の実が手に入るため、農耕や産業はまったく必要とされていない。彼らもまた、「求められたことには素直に応える」という気質を持つ。

場所

ニューイヤー星 (にゅーいやーせい)

『ニューイヤー星調査行』の舞台となる惑星。ロルカル系第3惑星。地球から6万光年離れた位置に存在する。ネーミングの由来は、フダラク探査隊がこの惑星に初めて降り立ったのが2133年1月1日だったため。その時点では無人の惑星であると断定されたが、のちに2307年に偶然立ち寄った鉱山師の目撃をきっかけに、原始的な生活を営む人類の存在が確認される。 しかし惑星の場所があまりに辺境であることと、すでに高度な文明を持つ異星人との交流が成立していたことが重なり、これまでこの惑星に興味を持つ者はほとんどいなかった。

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