概要・あらすじ
1970年。何をやってもダメな青年・大口守は、山中で自殺を図るが、そこで、不思議な美女・イヴと出会う。彼女は、異星の辺境偵察員で宇宙船が不時着してしまったという。イヴが地球の情報を母星へ届ければ、侵略の魔手が迫ると咄嗟に判断した守は、宇宙船を破壊。その日以来、守とイヴの奇妙な同棲生活が始まるのだった。
登場人物・キャラクター
大口 守 (おおぐち まもる)
腕力も知力も無く、何をやってもダメな青年。会社をクビになり、彼女にもフラれてしまい、世を儚んで山中で自殺を図る。そこで、異星の美女・イヴと出会い、人生が激変する。イヴによって、彼女が収集した地球上のあらゆる情報をその頭脳に移植されている。だが、この知識は守が切羽詰った時や追い詰められた時にのみフル回転し、普段は自由にはならない。 イヴが集めた地球の情報が母星へ報告されれば、侵略の魔手が迫る、と咄嗟に判断し、彼女の宇宙船を破壊するなど、原始的だが卓越したな防衛本能を持っている。また情にもろく、真摯に愛を貫く優しさの持ち主でもあり、そこにイヴは惚れ込んでいるようだ。
イヴ
星雲イタスの惑星サレスから地球へやって来た辺境偵察員。日本山中で大口守と出会い、墜落した宇宙船の修理を手伝わせようとするが、逆に破壊されてしまう。帰還不能となったイヴは、守と同棲することとなる。高度な知力と技術を持ち、地球の機械から超マシンを組み上げることもできる。 また、あらゆる人物に変身でき、守の好きなアイドルに変身したり、敵を欺いたりする。本当の姿は謎で、死んだ時に正体を現すという。敵であるヘドは冷徹に抹殺するが、守に対しては、深い情愛を注ぎ「ダイ」と呼ぶ。これは、イヴ達の言葉で「愛する人」「一緒に死んでもいい人」という意味である。 地球で仕事をする際には「伊部理律子」と名乗っている。
サド
イヴの恋人で太陽系を調査に来た辺境偵察員。木星付近でイヴの宇宙船を見失い、彼女を求めて地球へやって来た。地球人を原始人と断じて蔑視する。イヴの収集したデータを頭脳に移植された大口守を捕獲し、イタスへ連れて行こうとする。
エヴァ
西暦4567年の第七次世界大戦で戦っていたドイツ軍の女性突撃兵。負傷したところを大口守に助けられる。歴史学者の娘でイヴやヘドの故郷である惑星サレスの行く末を知っている。その事実を探るため、ヘドはタイムマシンを造り、その騒動に巻き込まれた守とイヴは未来にやって来てしまう。
藤森 雅子 (ふじもり まさこ)
ヘドの女性。夫のヘドの命令で地球人の子供を宿すために模造皮膚で変装し、ヤクザ者の男、藤森の妻になる。女をいたわる気持ちのない藤森に嫌気が差し、大口守の子を宿そうと誘惑し、駆け落ちしようとする。
魔由子 (まゆこ)
地球人の女だが、ヘドの侵略計画を知って、なお協力する。自由奔放な性格で、現状が幸福であれば、人類の命運には無関心。埋立地の地下のヘド基地にイヴと大口守を拉致して殺害し、その皮膚を剥いで成り済まそうとする。
ヘラ
土星の衛星ユーロパに残る超古代遺跡に眠っていた美女。彼女は文明の遺産である人体改造機の危険性を警告するために冬眠状態でただ一人残されていた。警告を無視し、装置を悪用しようとしたヘド達は過剰代謝のために全滅、役目を終えたヘラもミイラ状になり永眠する。
ヘドラ
大口守とイヴがタイムマシンの不調で迷い込んでしまった世界を支配する女帝。全ての男性を去勢する「去勢法」を成立させることにより徹底的な女性上位社会を樹立した。非去勢男子は、婦人警官隊に逮捕され、強制去勢と重労働に処せられる。また自分の夫を去勢せずにかくまった女は生皮を剥がされてしまう。 子供は全て人工授精によって生まれている。
集団・組織
ヘド
『ミステリー・イヴ』に登場する一族。イヴと同じ惑星イタスからやって来た有尾人で、イヴの所属する種族と敵対している。地球人が偶然作ってしまった空間転位機で襲来。地球人と交わり、第Ⅲ人類と呼ばれる混血児を作り出そうとする。特にイヴとの混血児を切望し、執拗に彼女を狙う。ヘドの子供は親の記憶はもちろん、限りなく遡る祖先の全ての記憶と知識をもって生まれ、胎児の時から会話する知能を持つ。 普段は精巧な人造皮膚で全身を覆い、地球人の中に潜んでいる。だが、この皮膚は水に触れると、溶解してしまい、筋肉組織が剥き出しになってしまう。また、体臭が魚のように生臭く、これによって正体が暴露されることもある。 優れた科学力を持ち、強力な武器を有するが、その肉体は打撃に脆く、スイカや豆腐のように粉砕されてしまう。当初、空間転移してきたのは60人だったが、その後、タイムマシンを製造し、地球のあらゆる時代に潜伏するようになってしまう。
対ヘド族対策本部人類防衛司令部秘密警戒網本部 (たいへどぞくたいさくほんぶじんるいぼうえいしれいぶひみつけいかいもうほんぶ)
『ミステリー・イヴ』に登場する組織。ヘドと戦うために作られた一種の防衛軍的集団。ヘドの侵攻に気付き始めた各国が協力して組織した。東京地下、関東ローム層のさらに下に基地を建設。ヘドの死体や混血児の胎児を収集し体組織を研究しているが、その根拠地などは掴めていない。大口守とイヴがヘドと戦っていたことも知っており、イヴが異星人であることを隠しつつ、二人は、この組織の元で働くことになる。
場所
サレス
『ミステリー・イヴ』に登場する惑星。地球人が観測し得る最遠距離の100倍彼方のセセラセラリウムナトリアヘラニヤラスウルバニア太陽系の第20番惑星。イヴやヘドの故郷である。イヴの種族は北半球にヘドは南半球に住み、イタスの覇権を巡って争い続けてきた。
その他キーワード
タイムマシン
『ミステリー・イヴ』に登場するメカ。惑星サレスの行く末を知る西暦4567年の女・エヴァを探すため、ヘドが作り出した。円盤状のベッドのような形状で、大口守とイヴがヘドから奪取する。以降は二人の部屋のベッドとして使用される。元々ヘドが作った機械のため、イヴにも使い方は今ひとつ分からず、幾度か勝手に過去や未来へ跳んでしまい、騒動を巻き起こすことになる。
カプセル爆弾 (かぷせるばくだん)
『ミステリー・イヴ』に登場するメカ。ヘドが自分達と関係を持った女性で、その正体に少しでも疑問を持った者を殺害するために使用する。チョコレートでコーティングし、口移しで女の体内に入れ、爆殺する。
メド・セット
『ミステリー・イヴ』に登場するメカ。ヘドが開発した装置。時空を超越して惑星サレスに続くメドと呼ばれるトンネルを作り出す。ヘドが大挙して押し寄せるためのものだが、イヴの弁に寄れば、逆に人類がヘドに気付けば、ヘドの本拠へ攻め込むチャンスにもなるという。