ルーズ戦記 オールド・ボーイ

ルーズ戦記 オールド・ボーイ

『天牌』(原作:来賀友志)、『女医レイカ』(原作:剣名舞)などの作画で知られる嶺岸信明の代表作の一つ。原作者の土屋ガロンは、『ハード&ルーズ』(画:かわぐちかいじ)、『迷走王 ボーダー』(画:たなか亜希夫)などの代表作を持つ狩撫麻礼の別名義である。舞台は現代の日本で、ある日突然拉致され、10年間監禁された後に解放された五島慎一が主人公。わずかな手がかりから、自分を監禁した男を突き止めようとする五島の姿を描いたハードボイルドアクション。双葉社「漫画アクション」にて1996年から1998年にかけて連載。2007年、アメリカの「アイズナー賞」最優秀日本作品賞を受賞。2003年に韓国、2013年にアメリカで実写映画化された。

正式名称
ルーズ戦記 オールド・ボーイ
ふりがな
るーずせんき おーるどぼーい
原作者
土屋ガロン
作画
ジャンル
バトル
 
復讐
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
全8巻完結
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10年間監禁された男の復讐劇

物語は、都内のあるビルの7階と8階の間に、設計図を誤魔化して秘密裏に作られた7.5階から始まる。ここは暴力団が「監禁ビジネス」を行う私設刑務所であり、口封じや警察から匿うために監禁されている者などがいる。元サラリーマンの五島は、そんな場所に10年間も監禁されていたが、ある日突然解放される。薬で気絶させられ、1000円だけを持たされて渋谷の公園に捨てられたのだ。やっと自由を手に入れた五島だったが、一体誰が何の目的で自分を10年間も監禁したのか、まったく心当たりがなかった。何の手がかりもない中、密室で鍛え抜いた肉体と執念を武器に、五島の復讐劇が幕を開ける。

少女エリと出会い、手がかりを追う

逆オヤジ狩りで金を得た五島は、居酒屋で酒を飲み朝まで過ごす。そこで出会ったのが店員の少女、エリだった。エリは五島を自分のマンションに泊め、処女を捧げる。五島はエリに心を許し、10年間の監禁生活のことを打ち明けた。味方を得た五島は、自分が監禁されていた小部屋を探し始める。手がかりは「青龍」という中華店だった。監禁されていた間の食事は中華の出前だけだったが、ある日もやしソバに伝票の切れ端が入っており、そこに「青龍」の文字があったのだ。電話帳では「青龍」という中華店は都内に8軒しかない。五島とエリは、8軒の「青龍」巡りを始める。

謎の男、堂島

10年前、堂島という男が「監禁ビジネス」を行う暴力団に接触し、五島の監禁を依頼する。期間は10年、費用は3億円だった。堂島はどこかの企業の社長であり、贅を尽くした生活をしている。そして、五島が解放された後も、発信機や腕利きの尾行者を使い、堂島は彼を監視し続けている。監禁ビルを突き止めた後、五島は堂島と直接電話で話す機会を得る。「キミを廃人にしたかった」と監禁理由を語る堂島だったが、五島はその声に聞き覚えはなく、ますます謎は深まっていく。

登場人物・キャラクター

五島 慎一 (ごとう しんいち)

35歳の大柄な男性。小さな広告代理店で働いていたが、飲み歩いていた際、何者かに拉致され、とあるビルの小部屋で10年間監禁される。小部屋ではテレビを見ることと体を鍛えることを、ストイックに続けた。お陰で高い戦闘能力を得た。解放されてからは「ヤマシタ」という仮名で肉体労働の職に就きながら、自分を監禁した相手を突き止めるため、行動を開始する。

エリ

居酒屋で深夜のアルバイトをする若い女性。店を訪れた五島を自分の部屋に泊め、処女を捧げる。その後も五島を慕い続け、彼の復讐に協力しようとする。

クレジット

書誌情報

ルーズ戦記 オールド・ボーイ 全8巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第1巻

(1997-05-28発行、978-4575822403)

第8巻

(1998-10-28発行、978-4575823783)

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