10年間監禁された男の復讐劇
物語は、都内のあるビルの7階と8階の間に、設計図を誤魔化して秘密裏に作られた7.5階から始まる。ここは暴力団が「監禁ビジネス」を行う私設刑務所であり、口封じや警察から匿うために監禁されている者などがいる。元サラリーマンの五島は、そんな場所に10年間も監禁されていたが、ある日突然解放される。薬で気絶させられ、1000円だけを持たされて渋谷の公園に捨てられたのだ。やっと自由を手に入れた五島だったが、一体誰が何の目的で自分を10年間も監禁したのか、まったく心当たりがなかった。何の手がかりもない中、密室で鍛え抜いた肉体と執念を武器に、五島の復讐劇が幕を開ける。
少女エリと出会い、手がかりを追う
逆オヤジ狩りで金を得た五島は、居酒屋で酒を飲み朝まで過ごす。そこで出会ったのが店員の少女、エリだった。エリは五島を自分のマンションに泊め、処女を捧げる。五島はエリに心を許し、10年間の監禁生活のことを打ち明けた。味方を得た五島は、自分が監禁されていた小部屋を探し始める。手がかりは「青龍」という中華店だった。監禁されていた間の食事は中華の出前だけだったが、ある日もやしソバに伝票の切れ端が入っており、そこに「青龍」の文字があったのだ。電話帳では「青龍」という中華店は都内に8軒しかない。五島とエリは、8軒の「青龍」巡りを始める。
謎の男、堂島
10年前、堂島という男が「監禁ビジネス」を行う暴力団に接触し、五島の監禁を依頼する。期間は10年、費用は3億円だった。堂島はどこかの企業の社長であり、贅を尽くした生活をしている。そして、五島が解放された後も、発信機や腕利きの尾行者を使い、堂島は彼を監視し続けている。監禁ビルを突き止めた後、五島は堂島と直接電話で話す機会を得る。「キミを廃人にしたかった」と監禁理由を語る堂島だったが、五島はその声に聞き覚えはなく、ますます謎は深まっていく。
登場人物・キャラクター
五島 慎一 (ごとう しんいち)
35歳の大柄な男性。小さな広告代理店で働いていたが、飲み歩いていた際、何者かに拉致され、とあるビルの小部屋で10年間監禁される。小部屋ではテレビを見ることと体を鍛えることを、ストイックに続けた。お陰で高い戦闘能力を得た。解放されてからは「ヤマシタ」という仮名で肉体労働の職に就きながら、自分を監禁した相手を突き止めるため、行動を開始する。
エリ
居酒屋で深夜のアルバイトをする若い女性。店を訪れた五島を自分の部屋に泊め、処女を捧げる。その後も五島を慕い続け、彼の復讐に協力しようとする。
クレジット
- 原作
書誌情報
ルーズ戦記 オールド・ボーイ 全8巻 双葉社〈アクションコミックス〉
第1巻
(1997-05-28発行、978-4575822403)
第8巻
(1998-10-28発行、978-4575823783)








