万年Dランクの中年冒険者、酔った勢いで伝説の剣を引っこ抜く

第1巻

Dランク冒険者のルーカスは、冒険者としてのピークを過ぎ、剣士レイクのパーティでも荷物持ちなどの雑用が主な仕事だった。パーティ内で冷遇されている自分の立場に自暴自棄となり、泥酔したルーカスは町の広場で伝説の剣を見つける。広場に刺さったままのその剣は、200年以上もの長きにわたって誰にも抜くことができず、それを抜いた者はとてつもない力を手に入れることができるという伝説があった。ルーカスは酔った勢いのまま、その剣を抜いてしまう。翌朝、目覚めたルーカスはウェヌス・ウィクトという、謎の存在から声を掛けられる。ウェヌスは昨夜ルーカスが抜いた剣に宿る精霊で、ルーカスと契約を交わしたいと告げる。伝説の剣であるウェヌスの力を手に入れたルーカスは、幼い頃に騎士になるという夢を思い出し、ウェヌスと共に王都の騎士選抜試験に臨むこととなる。

第2巻

伝説の剣であるウェヌス・ウィクトの力を手に入れたルーカスは、これまでとは比較にならないほどの戦闘力を身につけていた。幼い頃からの夢だった王都の騎士選抜試験に臨んだルーカスは、自分と同じく騎士志望のアリア・リンスレットと出会う。アリアは王都の剣術指南役の娘だったが、その地位を狙っていたライオス・レガリアによって王都を追放されていた。自分自身の誇りを守るためにも、騎士になることを目指すアリアは、ルーカスの圧倒的な強さを知って協力を依頼する。その申し出を承諾したルーカスは、二人で協力しながら騎士選抜試験をクリアして、いつしか二人のあいだには強い絆が芽生えていく。そしてウェヌスは、アリアに自身のレプリカである「紅姫」を授ける。紅姫を手に入れたアリアは、ルーカス同様の伝説の力を身につけ、二人は騎士を養成するための騎士学院に入学する。