あらすじ
書店で働く44歳の戸馳灯は、30代で精神科女医の三角鹿乃子、20代でインテリアショップ店員の男性である波多浦仁という同性愛者の二人と、「ミカヅキ」という名の一匹の猫とマンションの一室で共同生活を送っている。そんなある日、灯は三人での夕食の席で、仕事中に女子高校生の客から「オバサン」と呼ばれたことを愚痴っていた。結婚せずに歳だけ重ね、世間からズレていくことを感じ、何かが欠けたまま大人になりきれずにいるとため息を漏らす灯に、仁も同意する。そんな二人に鹿乃子は、欠けているのではなく、満ちていく途中で人生最後までずっとそんなものだから、そんなこと気にする必要はないとなぐさめるのだった。
実写映画
登場人物・キャラクター
戸馳 灯 (とばせ あかり)
書店で働いている女性で、年齢は44歳。10年前に彼氏と別れて以来、独り身。熊本にあるマンションの407号室で、飼い猫の「まゆげ」と暮らしており、2016年の4月に発生した熊本地震で避難した際に、同じマンションに住む三角鹿乃子、波多浦仁と知り合ってなかよくなった。その後、愛するまゆげを亡くし、いずれはマンションを出ていこうかと考えていた際に、鹿乃子からの提案で彼女の部屋で仁を交えた三人での共同生活を始めることとなる。独り身でいることを両親から心配され、肩身の狭い思いもしているが、飼い猫の「ミカヅキ」を愛し、三人での共同生活に幸福を感じている。共同生活では料理を担当している。
三角 鹿乃子 (みすみ かのこ)
精神科の医師を務める女性で、年齢は34歳。熊本にあるマンションの805号室で、飼い猫の「ミカヅキ」と暮らしている。2016年の4月に発生した熊本地震で避難した際に、同じマンションに住む戸馳灯、波多浦仁と知り合ってなかよくなった。その後、灯が飼い猫を亡くし、いずれはマンションを出ていこうかと考えていると知り、三角鹿乃子自身の提案で自らの部屋で仁を交えた三人での共同生活を始めることとなる。経済的にも家庭環境にも恵まれており、これまで何不自由なく育ってきた。ふだんからのクールな振る舞いから、灯からは気持ちを完璧にコントロールできる人間だと思われている。しかし、私生活ではわりとずぼらですぐに部屋を散らかしてしまう。「住吉沙奈」という女性と付き合っている。
波多浦 仁 (はたうら じん)
インテリアショップで販売員をしているゲイの男性。年齢は29歳。かわいらしい顔立ちをしており、愛想も非常にいい。熊本にあるマンションの2階で一人暮らしをしていたが、2016年の4月に発生した熊本地震で避難した際に、同じマンションに住む戸馳灯、三角鹿乃子と知り合ってなかよくなり、その後、鹿乃子からの提案で彼女の部屋で三人での共同生活を送っている。
書誌情報
三日月とネコ 全4巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2020-10-23発行、 978-4088444079)
第2巻
(2020-11-25発行、 978-4088444086)
第3巻
(2021-06-24発行、 978-4088444994)
第4巻
(2021-12-24発行、 978-4088445953)