元最強勇者の再就職

元最強勇者の再就職

『ユリア100式』などで知られる萩尾ノブトが作画を担当し、シナリオライターの阿久津拓矩が原作を手がけた作品。無職でお金も底をついた元最強勇者のダンヴェール・オースフィアが、再びパーティーを組んで冒険の旅に出る再生異世界ファンタジー。20年前に魔王を倒して一躍英雄となったダンヴェールは、自堕落な生活から抜け出せず、結婚した王国の姫にも愛想をつかされてしまう。かくして冒険者として復活することを誓ったダンヴェールと、かつて彼にあこがれていた今時の若者冒険者たちとの交流と戦いが描かれる。ヒーローズ「コミプレ」内の「わいるどヒーローズ」で、2022年4月1日より配信の作品。2023年、第7回「さいとう・たかを賞」にノミネートされた。

正式名称
元最強勇者の再就職
ふりがな
もとさいきょうゆうしゃのさいしゅうしょく
原作者
阿久津 拓矩
作画
ジャンル
アドベンチャー
 
ファンタジー
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落ちぶれた元勇者の再就職

かつて勇者として果敢に魔王に挑み、人間を救ったダンヴェール・オースフィアは、自堕落な生活がたたってバツイチの無一文になる。仕方なく冒険者としてクエストに参加し、生活費を稼ごうとするものの、魔物との戦い方はアップデートされており、20年前にダンが活躍していた頃の戦い方はまったく通用しなくなっていた。そんなダンに手を差し伸べたのが、Sランク冒険者のアンバーや元勇者のパトロンで現貴族のマドルン・ド・ミルドーラ。体力も知力も衰えていたダンは強力なバックアップを受け、再び冒険の旅に出ることとなる。

元勇者の経験と知識を活かす

現代の冒険者は事前に解析魔法を用い、魔物の弱点などのデータを分析してから、より効果的な攻撃を遠距離から仕掛ける無駄のない戦い方が主流となっていた。しかし、ダンヴェール・オースフィアの時代はとにかく気合いで立ち向かい、接近戦で魔物にとどめを刺してきた。年を重ね、さらに自堕落な生活で体力の低下が著しいダンヴェールにとって接近戦はハードルが高く、だからといって現代風の戦い方も難しい。だが、時代遅れと揶揄(やゆ)されるダンヴェールだったが、魔法を封じられたダンジョンではアナログな方法を活用し、かつての経験と知識を活かして不利な状況を打破するなど、自分の強みを活かして奮闘。そんなダンの姿に冒険者のアンバーやバーロブルたちも一目置くようになる。

ダンを気にかける個性的な女性たち

ダンヴェール・オースフィアは、情に厚い性格で弱い者に優しいため、彼に恋心を寄せる女性も多い。魔王の娘・ゼノビアは、父親を倒した相手と結婚すると決めており、ダンヴェールに淡い恋心を抱いていたこともあり、バツイチになった彼に猛アプローチを開始し、アンバーと共にパーティーにも参加する。またダンヴェールが勇者として活躍していた時代に、パトロン役として資金提供していたマドルン・ド・ミルドーラも何かと彼を気にかけ、さまざまな支援を行う。

登場人物・キャラクター

ダンヴェール・オースフィア

20年前に魔王を倒し、最強勇者と名高い中年男性。国家戦略級の功績者のみに与えられる王剣大綬章(だいじゅしょう)を授与している。世界を救ったあとに王国の末娘と結婚し、莫大な報奨金を得て悠々自適な生活を送っていた。しかし自堕落な生活を続けた結果、資産を使い果たして妻と離婚。無一文になったことで、冒険者として復帰することを決意するものの、かつての自分の戦い方はすでに時代遅れであることを思い知らされる。そんな中、苦戦を強いられていたところをSランク冒険者のアンバーに助けられ、以降彼とパーティーを組んで行動を共にするようになる。基本的に適当で面倒くさがり屋ながら、人情味あふれる性格で、困っている人は放っておけない。また不思議と周囲から好かれる、いわゆる人たらしでもある。周囲からは「ダン」と呼ばれている。

アンバー

冒険者として活躍している銀髪エルフのイケメン青年。職業は魔法使い。最高のSランク冒険者で、依頼を受けたクエストの成功率は100パーセントを誇る。幼き頃、当時勇者として活躍していたダンヴェール・オースフィアに助けられたことがあり、自らも冒険者を志すようになった。しかし魔王が討伐されてからは、冒険者が弱い者を救うのではなく、金銭目的でクエストに挑む者ばかりになったことにうんざりしていた。そのため誰ともパーティーを組まず、これまでソロで活動してきた。しかし、ダンヴェールが改めて冒険者になることを知り、彼の時代遅れの戦い方を改めるための師匠として名乗り出る。自堕落なダンヴェールにあきれながらも、一方であこがれの気持ちも捨てきれず、どこか厄介なファン心理を抱いている。

クレジット

原作

阿久津 拓矩

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