オカルト少女と怪奇現象「出席番号0」の出会い
ある日、神空中学校オカルト研究部の少女、イオは、ずっと教室にいるのに誰にも気づかれない怪奇現象「出席番号0」の少年(0番)と出会う。彼は「現世」と「異界」の狭間、0の場所にいる、生き物でも化け物でもない「何か」だという。0番に近づきすぎたイオは、「神隠し」にあい、0の向こう側である異界へと転移。そこで怪異(化け物)に襲われるが、0番に救われ、現世に戻る。「名前がないのは悲しい」というイオは、0番に「明日(アスカ)」という名前をつける。すると、アスカは実体化し周囲から認識されるようになる。肉体を持つ怪奇現象として生きることになったアスカと、彼を研究したいというイオ。本作は、こうして出会った二人の関係性の変化と大きな事件に巻き込まれていく姿を描いた青春オカルトストーリーである。
怪異を祓(はら)い人を守る集団「怪師」
0番が実体化しアスカになったことが原因で、現世と異界の境界が急に不安定になる。それを察知したのが、異界と現世の均衡を守る「怪師」たちだった。彼らは、怪奇現象を操ったり、「八咫(やた)の一族」が作る呪符や呪具を用いて怪異を祓う集団である。神空中学校には、数学教師の東海林とイオのクラスメート、赤馬鉄斗という二人の怪師が、正体を隠して潜入しており、アスカを危険視した赤馬は彼を祓おうとする。しかし、イオの側にいたいアスカは、怪師の敵対組織「終末の証明(オルタナ)」殲滅(せんめつ)への協力を申し出ることで存在を認めてもらう。こうして怪師たちと行動をともにするようになったアスカは、様々な怪異を祓うことになる。
「怪師」と敵対する「終末の証明」
怪師と敵対関係にあるのが「終末の証明」という勢力である。5年前、神空中学校のある町で、何者かが現世と異界の境界を崩壊させる怪奇現象を起こした。これにより、大量発生した怪異による変死者が推定2万人、神隠しの行方不明者は推定4万7000となった。00年代以降最大の怪異災害に乗じて、世界の崩壊を進めようとする組織が現れ、「終末の証明」を名乗ったのだ。彼らは現在も現世に怪異を送り込み続けており、神空中学校のイオのクラスメート、糸原百はそのメンバーの一人である。彼らは2024年の来たるべき日に世界を終わらせようとしているが、具体的な理由や計画は謎に満ちている。
登場人物・キャラクター
佐渡 イオ (さわたり いお)
神空中学校2年C組の女子生徒。銀色のセミショートヘアが特徴の美少女。怪奇現象や不可思議なことが大好きで、オカルト研究部を設立した。心霊トンネルで不良たちと喧嘩したり、おまじないの調査と称して小学校に侵入したり、突拍子もない行動をとる。また、初対面の相手には社交性を発揮するが、知り合いになると人見知りにするという複雑な性格。現世と異界の狭間にいるため霊感がある人にもない人にも見えないはずの「出席番号0」の少年を認識し、オカルト研究部に勧誘する。名前がないのは悲しいという理由で「出席番号0」に「明日(アスカ)」という名前をつけた。
明日 (あすか)
神空中学校2年C組にいるが、誰も存在に気づくことができない「出席番号0」という怪奇現象。現世と異界の狭間に存在し、近づいたものを神隠しとして異界に送る力を持つ。なぜかイオに認識され、彼女から明日(アスカ)という名前をもらったことから肉体を得て、みんなに見えるようになる。肉体を得てからは感情を持つようになり、ずっとイオの側にいたいと願うようになる。怪異を放つ超能力や、相手の存在を消す能力、治癒能力などを持ち、怪師たちに協力して怪異を祓うようになる。基本的には「アスカ」だが「0番」と呼ばれることもある。
書誌情報
出席番号0番 3巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2024-01-18発行、978-4098530779)
第2巻
(2024-05-17発行、978-4098532230)
第3巻
(2024-06-18発行、978-4098533800)







