カコとニセ探偵

カコとニセ探偵

『怪物王女』ほかで知られる、光永康則の連載作品。舞台は現代の日本。死者の霊が見える、元天才少年探偵の高校生・六波羅覚(サトル)と、サトルに憑依する幽霊・化子(カコ)のコンビが、怨霊がらみの事件を解決していく、オカルトミステリー。集英社「週刊ヤングジャンプ」2014年27号に読み切り版を掲載後、同誌2015年2号から43号まで連載。

正式名称
カコとニセ探偵
ふりがな
かことにせたんてい
作者
ジャンル
オカルト
 
推理・ミステリー
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全4巻完結
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推理ドラマ×オカルトファンタジー 

高校生・六波羅覚(サトル)は、論理的な思考で事件の全容を解明していく、元天才少年探偵である。通常の推理モノと異なるのは、サトルが、死の真相を伝えようとする被害者の霊が視えるという点。それゆえサトルは、自分がやっていることを「見れば分かることを警察に伝える翻訳作業に過ぎない」という。タイトルに「ニセ探偵」とあるのはそういう理由からである。また、化子(カコ)という幽霊に憑依されたサトルは、背景に怨霊が絡む事件を扱うことになる。そのため、推理要素に加え、恐ろしい姿をした怨霊たちとのバトルや、憎悪や怨念が渦巻く人間ドラマといったストーリーが展開されるのが本作の特徴である。

元天才少年探偵の高校生×元土地神の憑依霊 

サトルは多くの難事件を解決してきたが、11歳の時に家族が危険にさらされ、探偵をやめようとしたことがあった。しかし、自分が協力しなかったせいで亡くなった被害者を目の当たりにし、探偵を続ける決意を固めた。一家が離散し、犯人家族等からの訴訟で多額の借金を背負う現在も密かに警察に協力しているのは、その時の激しい後悔が理由である。カコは元々、私立笹由里女学園あたりの土地を鎮める神だが、神社が壊された上に学園が建てられ、その場所に縛られてしまう。約40年前、霊が視える学園中等部の芦原縁に憑依することで自由になるが、何者かが縁を殺し、カコも学園3階のトイレに封印されてしまう。そして現在、カコはサトルと出会い、彼に憑依することで再び外に出られるようになった。カコは怨霊を浄化することにより、少しずつ失った力を取り戻し、縁を殺した相手を突き止めようとしている。 

私立笹由里女学園の探偵部 

40年前の芦原縁殺しにつながる手がかりを得たサトルは、学園長・菱崎梓の理解を得て、私立笹由里女学園に編入した。そして、学園長の計らいで、学園での活動拠点として「探偵部」を設立する。探偵部の部員は、クラスメイトの沢角みさきとヤンキー少女・弥島銀杏。みさきは、サトルと懇意の刑事・沢角泉の妹である。第0話「花子さん事件」において、意識不明だったところをサトルに助けられた少女で、そのときの体験から「幽体離脱」ができるようになった。銀杏は、亡くなった兄・の冤罪をサトルに晴らしてもらった過去を持つ。銀杏は兄の霊に加護されており、一般人には見えない巨大な手で悪霊をぶっ飛ばすことができる。こうした様々な能力を武器に、探偵部は現在と過去の事件に挑んでいく。

登場人物・キャラクター

六波羅 覚 (ろくはら さとる)

進学校である練北高校2年生の男子。後に私立笹由里女学園に特別編入し探偵部を設立する。細身とメガネが特徴。殺人事件の被害者の霊が視えることから、小学生の頃は天才少年探偵として多くの難事件を解決する。しかし、その代償として家族をはじめ多くのものを失い、孤独な人生を送ることになった。現在でも警察からの要請を受け、殺人事件解決に協力している。私立笹由里女学園での「花子さん事件」で化子(カコ)と出会い、それ以降、カコの依代となり、ともに怨霊退治をすることになる。

化子 (かこ)

六波羅覚(サトル)に憑依する霊。ハロウィンのカボチャのような形相をしたセーラー服の少女だが、怨霊退治後の一瞬だけ、可愛い少女の姿に変わる。元は土地を鎮めていた神で、紆余曲折を経て、学園の3階トイレの地縛霊となっていた。そこでサトルと出会い、彼を依代にすることでトイレから解放された。怨霊を浄化する力を持ち、サトルと協力して怨霊絡みの事件を解決していく。

書誌情報

カコとニセ探偵 全4巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2015-05-19発行、 978-4088901978)

第4巻

(2015-10-19発行、 978-4088903033)

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