概要・あらすじ
上院町に「イタズラ大王三人悪」の名を轟かせる悪ガキ、金森てつし、新島良治、椎名祐介の三人は、身近に起こった事件がきっかけで、近所の不気味な薬屋、通称地獄堂に入り浸ることになる。そこのおやじの豊富なオカルト知識に導かれ、てつしら三人悪は、次々と怪異な事件と対峙、解決していくのだった。
登場人物・キャラクター
金森 てつし (かなもり てつし)
新島良治、椎名祐介といつも行動を共にし、「イタズラ大王三人悪」の名で呼ばれている。喧嘩っ早いが情に厚い、親分肌の少年で、三人の中でもリーダー的存在。小学五年生ながら上院小学校の番を張っており、後輩を守るために中学生をブッ飛ばした等、逸話も多い。近隣の人間からは「上院のてつ」の異名で呼ばれている。 地獄堂のおやじと知り合ったことで、怪異な世界の存在を知り、三人悪のメンバーと共にその謎に立ち向かう。勇気があり、猪突猛進型の彼は地獄堂のおやじから不動明王尊の印と呪文、そして雷、火、風を起こすことができる呪札を授かる。
新島 良次 (にいじま りょうじ)
金森てつし、椎名祐介といつも行動を共にし、「イタズラ大王三人悪」の名で呼ばれている。てつしの家の向かいに住んでいる幼馴染で、彼の右腕的存在。まるという名の犬を飼っている。怖がりで、泣き虫であるが、優しい性格で、感受性が高いことの裏返しでもある。そのため、地獄堂のおやじから人を守るための結界を作れる水晶の数珠、そして地蔵菩薩の印と呪文を授けられる。 また、意外にも足が早く、三人悪の中の機動力担当でもある。
椎名 裕介()
金森てつし、新島良次といつも行動を共にし、「イタズラ大王三人悪」の名で呼ばれている。家が金持ち。冷静沈着で、頭脳明晰、大人顔負けのボキャブラリーも持つ三人悪のブレイン的存在。地獄堂のおやじから文殊菩薩の印と呪文、そして神仏の言葉、呪文の載った経典を授けられる。また、突っ走りがちなてつしの安全装置的な役割も受け持つ。
おやじ
地獄堂店主。100歳を越えるといわれている老人で、いつも半纏を着て店の奥に座っている。ボサボサの白髪、異様に長い爪、長い耳、ギザギザの歯と不気味なルックスをしており、ボロボロで暗い店構えと相まって、近隣の子供たちから恐れられている。オカルト知識と、それに関する書物を豊富に有しており、怪異な事件に立ち向かう三人悪に、助言や、役に立つ道具を与えている。 同時に善悪の判断や、人の運命、業などについても話して聞かせ、その様はアドバイザーというよりも、師匠といってもいいほどである。
ガラコ
『地獄堂霊界通信』に登場するキャラクター。地獄堂に住み着いている謎の黒猫で、いつもおやじの膝の上にいる。金色の目をしており、歯をむき出し、「ヒヒヒ」と人間の声で笑う。人間の姿に変化することもある。
三田村 豪 (みたむら ごう)
上院駅前派出所勤務の若い警察官。勤務時には眼鏡をかけている。元暴走族のヘッドで、不良のカリスマと呼ばれていた。イタズラ好きの三人悪とはよく衝突しており、特にリョーチンに付けられた「ミッタン」のあだ名で呼ばれると、キレて追いかけてくる。
金森 竜也 (かなもり りゅうや)
てつしの兄。上院中学二年生で、「上院の竜」の名で呼ばれる番長格。さらに成績優秀でクールで男気もある三人悪の憧れの存在。超低血圧症で、一日の半分は半病人状態。その分夜に強く、深夜の散歩を趣味としている。
牧原 宗士 (まきはら そうし)
イラズ神社の若い神官。三田村豪と高校時代からの友人で元ヤンキー。リョーチンから「マッキー」というあだ名を付けられる。骨董趣味があり、神社の倉庫整理を楽しんでいる。しかしその際に曰く付きの物に触れることも多く、怪異な事件に度々巻き込まれている。
藤門 蒼龍 (ふじかど そうりゅう)
後ろで結った黒髪に黒ずくめの服が特徴。49歳だが、20代にしか見えない容姿をしている。霊能者藤門龍雲の最初で最後の弟子。ヨーロッパの呪術界で更なる修行するべく旅へ出ていたが、ある事件を切っ掛けに帰国。上院町の地獄堂を訪れた際に三人悪と出会う。
亜月 カンナ (あずき かんな)
てつしたちの同級生でショートカットの女の子。霊感の強い幼馴染拝征将とよく遊んでいたせいで、怪異な出来事に理解と耐性がある。イラズの森に出現した霊獣(イヌガミ)が起こした騒動が縁で、三人悪と知り合いになる。
日向 (ひなた)
『地獄堂霊界通信』に登場するキャラクター。イラズの森の霊気から生まれ、300年生きている霊獣(イヌガミ)。普段はイタチに似た姿をしているが、ポケットサイズの大きさから、人間の青年男子まで、姿を自在に変えることができる。ある事が原因で人間を恨み、復讐を誓っていたが、カンナの優しさに心打たれ改心。その後は彼女の家でペットとして暮らすことになる。
拝 征将 (おがみ ゆきまさ)
てつしたちの同級生で、亜月カンナの幼馴染。生まれつき体が弱く、あまり登校してこない。左目のアザを隠すように前髪を垂らしている。彼の家は代々霊感の強い家系で、苗字の「拝」は「拝み屋(除霊師)」に由来するという。彼自身にどんな能力があるのかはまだ明らかになっていない。
鳴神 流華 (なるかみ るか)
上院小学校のてつしたちのクラスに転校してきた長い黒髪の美少女。日本人とフランス人のハーフで、母親はエジプトに起源を持つ魔女グラディオラ家の血を引く。その事に過剰なプライドを持っており、てつしをはじめとするクラスメイトに対し高飛車な態度を取ってしまい、衝突してしまう。流華自身も魔女の能力を受け継いでおり、黒犬型の使い魔ゾディアックを操ることができる。
集団・組織
イタズラ大王三人悪 (いたずらだいおうさんにんあく)
『地獄堂霊界通信』に登場するグループ。金森てつし、新島良治、椎名祐介ら三人の総称で、上院町に知らぬ者は無いほどの名物トリオ。小学生レベルを超えた機動力と突飛な行動から、周りの人間には恐れられている。その反面、同じ学校の生徒からは、もめ事を解決してくれる頼りになる存在として認識されている。イタズラで名を馳せた三人だったが、彼らが地獄堂に出入りするようになってからは、オカルトがらみのトラブル解決屋としての面も出てきた。
場所
イラズの森 (いらずのもり)
上院小学校の裏手にある大きな森で、怪異な事件がよく起こる。昔刑場があった場所で、幽霊や妖怪がよく出ると噂される。そのため、入ってはいけない森という意味を込めて「不入森(いらずのもり)」の名で呼ばれるようになったという。
極楽堂 (ごくらくどう)
100歳を越えているといわれる怪しい老人が経営する薬屋。外観がボロボロで、店内は薄暗く、怪しい商品が所狭しと並んでいる。おまけに、人間の声で笑う猫まで住み着いており、近所の子供たちにとっての「恐怖のおつかいポイント」となっている。てつしら三人悪が入り浸っており、店の奥にある大量の書物や、店主のおやじからオカルト知識を学んでいる。
クレジット
- 原作
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香月 日輪
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地獄堂霊界通信