原宿こぶし組

原宿こぶし組

いじめられっ子の少年・旋風一平が空手拳法に目覚め、強者たちに挑んで行く姿をシリアスに描いた格闘漫画。一平は空手拳法を使うが、相手は他の流派であったり別の格闘スタイルであったりと、異種格闘戦が主体となっている。

正式名称
原宿こぶし組
ふりがな
はらじゅくこぶしぐみ
作者
ジャンル
格闘技・武道
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

穏やかな性格の旋風一平は、以前から片想いをしていたユキ子にラブレターを出した。ユキ子はデートに応じてくれたものの、一平はデート直前に強い腹痛に襲われてしまう。結局トイレに間に合わず、その場で用を済ませている場面をユキ子に見られてしまった一平は、失恋すると同時に学校内でいじめを受けるようになった。毎日理不尽な暴力を受け続ける一平の心の中には、次第に強くなりたいという意志が芽生えてくる。

そんな矢先、一平は男子生徒10人の襲撃を受けるが、彼らは助けに入った老人・鯉作の空手拳法によりあっさり撃退されてしまう。鯉作の強さに圧倒された一平は、弟子入りを志願する。こうして、一平は格闘家としての第一歩を踏み出すこととなった。その後、辛い修行に耐えた一平は以前より格段に強くなり、池之端乱子舘正人らとともに原宿拳組として、強者の学生たちが集う格闘大会に参加することとなる。

登場人物・キャラクター

旋風 一平 (つむじかぜ いっぺい)

小柄な体格の中学1年生の男子。池之端乱子からは「アンちゃん」と呼ばれている。気の優しい平和主義者であり、理不尽な振る舞いにも反抗せずに耐えてしまうところがある。片想いだったユキ子にラブレターを出し、デートの約束にこぎつけたものの、当日に強烈な腹痛に襲われてしまう。どうしてもトイレまで間に合わず、公園の茂みで用を済ませていたところをユキ子に見られて失恋。 さらにユキ子がその一連の出来事を言いふらしたことで学校中の笑いものとなり、それは次第に暴力を伴う激しいいじめへと発展していった。されるがままの自分に嫌気がさし、反撃するために書籍を参考に自己流の空手を練習していたが、男子生徒10人に襲われていたところを鯉作に助けられ、弟子入りを決意。 以来、放課後は鯉作のもとで修行をすることとなった。やがて実力をつけ、強者の学生が集う大会に出場するため、原宿拳組を結成する。

鯉作 (こいさく)

孫の池之端乱子と2人で生活をしている高齢の男性。周りからは「じっちゃん」と呼ばれている。一見穏やかな老人ではあるものの、実は空手拳法の達人。旋風一平がいじめを受けていた際、見かねて助けに入ったことで一平と知り合いになる。一平から空手拳法を教えてほしいと言われた際には、最初は断るつもりでいたが、一平の精神力の強さを認め、学校へ行くことを条件に師匠となった。 その強さは本物であり、男子学生10人をたった1人で倒した他、瓦3枚程度ならば小指1本で割ることができる。強くなりたい一平のために、さまざまなトレーニングマシンも自作する。

池之端 乱子 (いけのはた らんこ)

幼稚園に通う女の子。両親はおらず、祖父の鯉作と2人で暮らしている。周囲からは「ラッコ」と呼ばれている。見た目は年相応ではあるが、鯉作から空手拳法を習っているため力はめっぽう強く、瓦を2枚割ることもできる。また料理もうまく、年上の旋風一平が「なんでもできる」と引け目を感じてしまうほど。一平が鯉作に弟子入りしてからは、一平のことを熱心に応援している。 強者の学生が集う大会に出場するため、原宿拳組のメンバーの一員になる。

舘 正人 (たち まさと)

不良仲間には有名な、ケンカの強い青年。ケンカの技術だけでなく、武術の心得もある。旋風一平をいじめていたところを鯉作に返り討ちされた男子生徒たちから、鯉作を倒すことを依頼された。たまたま鯉作が留守の時に自宅を訪れ、その場にいた一平と知り合い、拳を交えることとなった。幼稚園児の池之端乱子にも暴力を振るうなど、本来は情け容赦ない性格の持ち主。 しかし、一平と戦ってからは性格が丸くなり、一平がピンチの場面には助けに入るなど友情を築いている。一平が数か月で強くなった理由を知るため鯉作に弟子入りし、空手拳法を習う。その後、強者の学生が集う大会に出場するため、原宿拳組のメンバーの一員になる。

桜 真理子 (さくら まりこ)

ボーイッシュな雰囲気を持った中学2年生の女子。街で不良たちに無理矢理ナンパされていたところを旋風一平に救われ、その男気に惚れ込んでしまう。その後は、鯉作の家で修行中の一平に会いに来るなど積極的に行動している。どんな時でも明るく能天気に振る舞い、一平からは「ちょっとプッツンしている」と評されている。池之端乱子のことは妹のようにかわいがっている。 自身が戦うことはないが、原宿拳組のメンバーであり、練習には参加している。

ヤマト

過去に原宿拳組に所属していた15歳の男子。格闘大会では大人に混じって優勝しており、一度も負けたことがなかった。しかし、5年前に榊原の兄を試合中に不慮の事故で死亡させてしまい、その後は行方不明になっている。拳法を習う者たちの間では「ヤマトの伝説」として語り継がれる存在。

石田 まさる (いしだ まさる)

少林猿拳という拳法を習得している男子中学生。坊主頭で素早い動きをすることから、周りからは「サル」と呼ばれている。2年前に鯉作のところで修行をしており、池之端乱子とは旧知の仲。乱子が歩き始めた頃から仲良くしている。

山沖 (やまおき)

拳法を習得している青森県出身の男子中学生。とても中学生とは思えないほどの大柄な体格で、初対面の旋風一平が圧倒された。見た目は怖いが礼儀作法はしっかりとしており、一平たちにも友好的である。

榊原 (さかきばら)

神道流という拳法を習得している男子中学生。5年前に原宿拳組のヤマトとの戦いの最中、実兄を試合中の不慮の事故で亡くした。それからというもの、原宿拳組に対して深い恨みを抱いている。旋風一平に対しても好戦的で、挑発するような言動を取る。

富田 耕作 (とみた こうさく)

少林寺哲弾道場で拳法を習っている男子中学生。武術の大会では上位にランクインするほどの実力の持ち主。関節技を用いた投げ技が得意で、そのスピードは常人の目では追い切れないほど。榊原とは顔見知りであり原宿拳組が気になる点は同じで、旋風一平の前には2人で現われることが多い。

嵐山 光 (あらしやま ひかる)

空手道武国会という拳法を習得している男子中学生。大柄な体格をしており、表情に変化がない。蹴りが得意で、容赦なく相手を攻撃していく戦い方をする。

花梨 あかね (かりん あかね)

優しく上品な雰囲気が漂う高齢の女性。「全国青少年格闘大会・花梨杯」という少年たちの格闘大会の主催者であり、自身も拳法を習得している。崖の上で精神統一をしていたところ、旋風一平が自殺と間違えて制止したことで顔見知りになった。鯉作とは以前からの知り合いである。

ケニー・牙 (けにーきば)

牙空手道場の道場主を務める、日系二世の大柄な男性。かつて軍隊で空手を教えていた強者。教える技は急所攻撃に関節技、目くらましなど卑怯な技ばかりである。道場の名を失墜させた者には容赦がなく、暴力で服従させることも日常茶飯事。

大崎 (おおさき)

牙空手道場師範の男性。師範といっても金で雇われているだけであり、実力がないわけではないが、道場の中でトップというわけでもない。道場から抜けた舘正人に対して怒りを覚えており、一方的に暴力を振るい、舘を痛めつけた。

正一 (しょういち)

牙空手道場に所属する門下生の男性。師範である大崎とともに行動をしている。大崎のことを慕っており、彼が命令をすれば素直に従う。ケニー・牙から直接制裁を受けることはないが、大崎が目の前で倒される姿を目撃しており、恐怖心を抱いている。

ユキ子 (ゆきこ)

旋風一平が恋心を寄せていた中学1年生の女子。かわいらしい容姿で人当たりの良い人物ではあるが、実は腹黒い性格をしている。ラブレターをくれた一平のことをからかうつもりでデートに応じ、腹痛に襲われトイレに間に合わなかった事件をおもしろおかしく周囲に言いふらした。その行動を一平にとがめられて平手打ちをされた際には、周囲の男子をけしかけて一平を殴らせるなど、基本的に自分の手を直接汚すことはしない。

集団・組織

原宿拳組 (はらじゅくこぶしぐみ)

鯉作とその弟子たちの総称で、状況に応じてメンバーは変化する。現在のメンバーは鯉作、旋風一平、池之端乱子、舘正人であり、戦わないが応援係として桜真理子も含まれる。原宿拳組が格闘大会に出場すると優勝することも多く、武術を習得している者たちからはある種の伝説的な存在となっている。

場所

牙空手道場 (きばからてどうじょう)

舘正人が所属していた空手道場。教えるのは「実践空手」であり、純粋に空手をするのではなくケンカなどに役立てるために道場に通う者ばかりである。そのため不良やチンピラ風の男性ばかりが集っており、雰囲気が悪い。旋風一平からは「ケンカの養成所」と酷評された。舘は鯉作のもとに通うようになり、原宿拳組に所属することとなったため、牙空手道場はやめている。

SHARE
EC
Amazon
logo