概要・あらすじ
柳守望は、超エリートを育成する私立竜凰学園中等部で軟式野球部に所属していた。しかしある日、軟式野球部はブランキーズによって突如廃部にされてしまう。望は、1週間以内に新たな部活に入らなければ退学になってしまうという状況の中、軟式野球をするという目標を失い、特にしたいことも見つけられず悶々としていた。望は、そこに現われた風紀委員の不破巌らに拘束されそうになるが、持ち前のすばしっこさで難を逃れる。
その望の行動は学園内で次第に噂になり、生徒会長の竜宮寺真央の耳に入ることとなった。そして望は真央によって無理矢理見習いとしてブランキーズに加入させられてしまうのだった。こうして望の前途多難にして新たな学園生活がスタートする。
登場人物・キャラクター
柳守 望 (やなもり のぞむ)
私立竜凰学園中等部1年D組に所属する小柄な男子中学生。ブランキーズのメンバーや烏丸美幸からは「もっちー」と呼ばれている。軟式野球部に所属していたが、ブランキーズに廃部にされてしまい、他に才能もなくやりたいこともなかったので、学校の方針に反して次の部活を探さずにいた。そのため不破巌率いる風紀委員に目をつけられて拘束されそうになるが、自慢のすばしっこさで逃げ切ることに成功。 その行動が学校内で噂になり始め、竜宮寺真央に無理矢理見習いとしてブランキーズに加入させられ、結果的に退学を免れることとなった。ちなみに見習いとは、宝来カヲリのおやつの買い出しなど、いわゆる使い走りである。普段はやや頼りない性格をしているものの正義感は強く、自分の信念を曲げない強い意志を持つ。 幼なじみの吉良一騎に理不尽に振り回された過去があるため、年上のサバサバしたタイプの女性が苦手で、カヲリに対しても苦手意識を抱いている。
竜宮寺 真央 (りゅうぐうじ まお)
私立竜凰学園中等部1年の女子中学生。ブランキーズのメンバー。ブランキーズのコードネームは「マオマオ」で、メンバーたちにもそう呼んでほしいと願っているが、ほとんど呼ばれることはない。生徒会会長だが、副会長の宝来カヲリが表に出ているため、姿を見たことのある生徒はほとんどいない。私立竜凰学園の理事長、竜宮寺鬼八の孫であり、IQ200の天才少女。 3歳で渡米し、中学1年生の時点で大学院も卒業している。年齢以上に子どもっぽい容姿をしており、話し方も幼い。柳守望が、あまりのすばしっこさに不破巌が巻かれたと聞いて興味を持ち、ブランキーズに見習いとして加入させた。アメリカにいたため日本の文化など知らないことは多いが、すぐに体得してしまう。 両親は事故で亡くなっている。
宝来 カヲリ (ほうらい かをり)
私立竜凰学園中等部3年の女子中学生。生徒会副会長で、ブランキーズのメンバー。ブランキーズのコードネームは「カヲリン」で、竜宮寺真央にだけコードネームで呼ばれている。まだ1年生ながら会長を務めることになった真央に代わり、表に立って仕事をしている。阪神タイガースの大ファンで、好きな食べ物はメロンパン。黒髪ロングヘアの大人っぽい美少女で関西弁で話し、社交的でサバサバした性格。 その一方で怖がり屋で、また占いを気にするなど、女の子っぽい一面もある。ほかの生徒たちからは魅力的だと評価が高いが、柳守望にとっては、幼なじみでトラウマの原因ともなっている吉良一騎にそっくりなので、苦手意識を持たれている。武術のスポーツ特待生であり、ブランキーズの3人の中でも身体能力は非常に高い。
不破 巌 (ふわ いわお)
私立竜凰学園中等部2年の女子中学生。ブランキーズのメンバーであり、風紀委員長も務めている。ブランキーズのコードネームは「巌ちゃん」で、竜宮寺真央にだけコードネームで呼ばれている。「汐斬丸」という刀を常に持ち歩いており、言葉の通じない者の前では刀を振るうこともある。非常に真面目で、あまり笑顔を見せないクールな性格。 「猪口才(ちょこざい)な」など中学生の割に古風な話し方をする。好物は豆乳。
烏丸 美幸 (からすま みゆき)
私立竜凰学園中等部1年D組に所属する女子中学生。柳守望とは同じクラスで親しい間柄である。のほほんとした雰囲気の人物で、心優しい穏やかな性格をしている。語尾を延ばすなど甘えるような話し方をする。あまり知る人はいないが、実は生徒会書記である。望を言葉巧みに誘導し、竜宮寺真央のもとに連れていった。ブランキーズのマネージャーのような立ち位置であるが、廃部候補対象となる部活によっては、烏丸美幸もブランキーズとして行動することもある。
周防 一学 (すおう いちがく)
私立竜凰学園中等部に所属する男子中学生。生徒会会計で、ブランキーズの4人のメンバーのことを知っている。大人びた容姿をしており、柳守望に対しては「甘いことばかり言っていないで、やる気がないなら去れ」など厳しい言葉をかける。
吉良 一騎 (きら いっき)
私立竜凰学園中等部3年の女子中学生。陸上部の絶対的なエースで、部長も務めている。中学生女子100m記録保持者で、次期オリンピック代表最有力候補。宝来カヲリとは同じクラスで、同じくスポーツ特待生ではあるが、地味な武術系を得意とするカヲリを少々見下している節がある。高飛車な性格であり、周りを振り回すことを何とも思わない強引な性格。 柳守望とは幼なじみなのでかわいがっているが、望からすると理不尽に振り回されているので、トラウマの原因となっている人物。望からは血の繋がりはないが「姉貴」と呼ばれてる。ブランキーズから望を引き抜き、陸上部へ招こうと画策する。
法院坊 静 (ほういんぼう しずか)
私立竜凰学園中等部に所属する女子中学生。超自然現象研究部の部長を務めている。霊能力があり、相手の未来などを予測することができる。もともとは心霊現象やUMAなどを熱心に研究していたが、現在の超自然現象研究部は、法院坊静を霊能力者アイドルとして崇め奉るオタクたちの集団と化している。そのため、ブランキーズが廃部にしようと勝負を挑み、柳守望が戦うこととなった。
月野 良子 (つきの りょうこ)
私立竜凰学園中等部に所属する女子中学生。漫画研究部の部長を務めており、ペンネーム「あるてみす」で創作活動をしている。ベレー帽にメガネをかけているオタク。中学生でありながら、オタク界隈では抜群の知名度を誇る漫画家でもある。ブランキーズから勝負を挑まれたが、単体では勝てないと予測したため、同じくブランキーズに目をつけられた黒三稜ハジメ率いるコスプレ研究部と共同で勝負を挑むことにした。
黒三稜 ハジメ (みくり はじめ)
私立竜凰学園中等部に所属する男子中学生。コスプレ研究部の部長を務めている。長髪で常に恰好をつけたポーズをとっている。中学生ではあるものの、男性コスプレ界ではカリスマ的な存在である。ブランキーズから勝負を挑まれたが、コスプレ研究部だけでは勝てないと予測したため、同じくブランキーズに目をつけられた月野良子の漫画研究部と共同で勝負を挑むことにした。
竜宮寺 鬼八 (りゅうぐうじ きはち)
私立竜凰学園中等部を含む私立竜凰学園の理事長を務める老人。竜宮寺真央の祖父。以前は豪快な人物だったものの、真央の両親を事故で亡くしたことで心を病んでしまった。そのため現在は極秘で療養施設に入っており、時々真央がお見舞いに訪れている。
集団・組織
ブランキーズ
私立竜凰学園中等部に存在する集団。正規メンバーは竜宮寺真央、宝来カヲリ、不破巌の3人で、見習いの柳守望を加えた4人で構成されている。女子3人にはそれぞれ「マオマオ」「カヲリン」「巌ちゃん」のコードネームが与えられているが、真央以外は使用していない。エリート養成学校である竜凰学園中等部にふさわしくない、とされた部活を粛清するのが仕事であり、生徒たちの間では「学園の掃除屋」と認識されている。 成績の振るわない部はブランキーズに勝負を挑まれ、負ければ即廃部となるが、勝利すれば廃部までに執行猶予が与えられる。ただし、ブランキーズのメンバーはあらゆる分野において非常に高い能力を誇り、運動部も文化部も対抗できる部は存在しない。 そのため、基本的に目をつけられたら廃部はほぼ確定となる。ちなみに、ブランキーズの正体は謎とされており、生徒会のごく限られた人物しか詳細を知らない。そのため、実際にブランキーズに会うと、メンバーのほとんどが女子であることに驚く者も多い。次々と部を潰していくので悪者と見なされがちだが、その本質は適当に活動をしている部活を失くし、生徒たちが本当に熱中できるものを見つけるための存在である。
場所
私立竜凰学園 (しりつりゅうほうがくえん)
小中高一貫教育校であり、エリート養成校としても知られている学校。柳守望やブランキーズのメンバーたちは、私立竜凰学園の中等部に所属している。テニスやラグビー、新体操といったさまざまな方面で優秀な人材を輩出しており、表向きは子供たちの才能を伸ばし、将来に光を与える校風とされている。しかし、実際のところは利益至上主義、弱肉強食の戦場のような場所で、成績や結果を残せない人材は容赦なく退学処分となる。 部活も同様で、好成績を出せなければ容赦なく廃部になり、部活以外に才能のない人間は退学処分とされる厳しい掟がある。ただし、ブランキーズとの勝負に勝てば廃部までの執行猶予が与えられる。また、部活に所属することが絶対条件であり、どこの部にも所属できない人間も退学処分となる。 学園の運営は生徒会に任されており、学校内では生徒会役員たちが絶対的な権力を握っている。