あらすじ
第1巻
結城友奈一行は、勇者部の活動をもっと周囲に知ってもらうべく、PR動画を撮る事にした。撮影者を東郷美森が担当し、一人一人自己紹介をしつつ動画を撮っていく勇者部だったが、個性的な勇者部の自己紹介は一筋縄ではいかない。さらに悪ノリした東郷と友奈がコスプレまでしだして、PR動画撮影はさらにハチャメチャになっていく。(エピソード「PR動画を撮ってみました」。ほか、3エピソード収録)
第2巻
海にやって来た勇者部は夏を満喫し、旅で疲れた体を旅館で癒やしていた。そんな夜も更けていく中、ふと目を覚ました結城友奈は、寝ずに一人で月を眺めていた東郷美森の姿を見かける。今までを振り返ってお互いに感謝の気持ちを交わす二人だったが、東郷は実は胸に悩みを抱えており、一人涙を流す。しかし友達の涙をまっすぐ受け止める友奈、そしていつでも支えると、温かな言葉を贈って来る勇者部の仲間達の気遣いに、東郷は心癒やされるのだった。そして旅も終わり、いつもの日常に戻った勇者部は新たな仲間の乃木園子を迎える。(エピソード「旅館来訪記…内緒です。(祝・新入部員)」。ほか、7エピソード収録)
第3巻
期末テストも終わり、活動に精を出す勇者部だったが、三好夏凜がインフルエンザで寝込んだ富子の看病をきっかけにして、夏凜がインフルエンザにかかってしまう。犬吠埼風と犬吠埼樹が夏凜の看病を担当するものの、風と樹、さらには乃木園子と東郷美森まで病魔の前に敗れ去るのだった。一人残った結城友奈は困っている人を助けるため、独りきりの戦いを続ける。睡眠時間まで削ってハードワークを続ける友奈は徐々に憔悴していくが、富子や手鞠、そしてこれまで勇者部の活動で紡いで来た人々の絆が友奈を助けるため集結する。(エピソード「結城友奈は勇者部所属です!」。ほか、7エピソード収録)
関連作品
わしおすみは勇者ラジオ。
『わしおすみは勇者ラジオ。』は「電撃G'sマガジン」で連載されていたタカヒロ原作の小説『鷲尾須美は勇者である』との連動で、『鷲尾須美は勇者である』公式ページで配信されていた4コマ作品。東郷美森を主人公として、乃木園子と三ノ輪銀と共に小説の内容にちなんだトークをするもので、本作『結城友奈は勇者部所属』の1巻に全話収録されている。また1巻には、『結城友奈は勇者部所属』と『鷲尾須美は勇者である』の両作品のキャラクターが共演する描き下ろしの「鷲尾須美は勇者である ANOTHER STORY」が収録されている。
登場人物・キャラクター
結城 友奈 (ゆうき ゆうな)
元気潑剌な中学2年生の女の子。人の役に立つため勇者部の活動が好きで、いつも率先して部活動に参加している。風邪を引いた事がないほど体が頑丈で、みんなが風邪でダウンしている中でも一人だけ元気だった。食いしん坊で、かなりの大食漢。「皆なかよく」をモットーにした裏表ない性格をしており、勇者部の仲間達だけではなく、クラスメイトや地域の子供達にまで好かれる魅力を持つ。特に東郷美森となかよしで、いっしょに行動する事が多い。趣味は押し花作り。
東郷 美森 (とうごう みもり)
中学2年生の女の子。理知的な性格をしている。頭がよく、手先が器用なため、勇者部ではパソコン関係の仕事をしたり、料理を作ってみんなに振る舞ったりしている。結城友奈が大好きで、彼女への愛が深すぎるあまり、友奈の将来も面倒を見ると豪語するほどである。歴史の授業が好きで、趣味は時代劇を見る事。また護国思想に深入りしており、最近は自らが考えた「国防体操」を年少の子供に吹き込んだり、「国防仮面」として活動したりと、勇者部の中でも抜きん出た奇行に走っている。一方、横文字が苦手で、古風な単語を使う事を好む。足が悪かったため、当初は車椅子で行動していたが、夏以降はリハビリを兼ねて歩く姿が多くなっている。実は先代勇者「鷲尾須美」その人で、『わしおすみは勇者ラジオ。』では主人公を務める。乃木園子からは「わっしー」の愛称で呼ばれる。眼鏡をかけた女教師のコスプレが怖いほどよく似合うと、園子と三ノ輪銀から好評だった。
犬吠埼 風 (いぬぼうざき ふう)
中学3年生の女の子。面倒見がいい。勇者部の部長を務めており、部の依頼は基本的に部長が請け負って来る。「女子力」を気にした発言をたびたびするが、基本的に女子から程遠い言動が多いため「オカン」や「イケメン」など、乙女からはかけ離れた呼び方をされている。妹の犬吠埼樹を溺愛しており、家でも彼女の世話をするため家事を取り仕切っている。また樹の授業参観にはつけヒゲを付けて、父親として参加するほどの筋金入りのシスコン。そのため、樹が風に隠れて花嫁修業を始めた際には荒れに荒れた。結城友奈並みの大食漢で、食事の際には二人してかなりの量を食べる。趣味は散歩。実はホラー系の話題が苦手で、廃墟で出会った少女が幽霊だと知った際には腰を抜かすほど怯えていた。
犬吠埼 樹 (いぬぼうざき いつき)
中学1年生の女の子。甘えん坊の内気な性格で、家事はほとんど姉の犬吠埼風が担当している。また犬吠埼樹自身が不器用な事もあり、掃除や料理などの家事はほとんどできない。そのため、それらを自覚して以降は、同じく家事ができない三好夏凜と共に花嫁修業を行っている。占いが趣味で、最近は黒魔術の儀式で使うようなかなり本格的なセットを揃えており、セットを使うと的中率が8割5分まで上昇する模様。
三好 夏凜 (みよし かりん)
中学2年生の女の子。まじめな性格をしている。勇者になるために幼い頃から特訓を繰り返したため運動神経は抜群で、剣道部の助っ人に行った際には勧誘されるほど。反面、日常生活能力は犬吠埼樹と並んで壊滅的。勇者部での活動にもそれが現れており、最初は乗り気ではなかった。しかし、部の活動で子供の世話をして富子に懐かれて以降は、前向きに活動するようになった。当たりが強いように見えるが、根はやさしく、素直になれないだけという事を仲間達から見抜かれており、仲間内では「ツンデレ」と評されている。また園子にあっさり懐柔された際には、「チョロイ」と思われた。富子とは勇者部の活動も家族ぐるみで付き合いを続けており、彼女が家族共にインフルエンザの猛威に倒れた際には看病に駆けつけている。
乃木 園子 (のぎ そのこ)
中学2年生の女の子。のんびりとした性格をしている。夏以降に新入生として復帰し、勇者部に入部した先代勇者。東郷美森とは古い友人関係で、彼女からは「そのっち」と呼ばれている。小説を描くのが趣味で、ネタ探しで勇者部の面々をからかいつつ、的確な助言を与える知恵者。勇者部の面々が進路調査で悩んでいた際には、みんなの適正に合った職業を教えながら、自らの希望を語った。ぼーっとするのが得意で、他者にそれを感染させる事でケンカを仲裁する「必殺α波」という技を持つ。
富子 (とみこ)
三好夏凜が勇者部の活動で出会った幼い少女。自分に自信がなく、人と面と向かって話す事ができない気弱な性格をしており、周囲からはトロい子を意味する「トロ子」という蔑称で呼ばれている。たまたま勇者部の活動で保育園を訪れ、体を動かす事が得意な夏凜にあこがれの感情を抱く。彼女にうどん作りを教わった事で、自分に自信を持ち、少しずつ変化している模様。またこの経験は夏凜にとっても、勇者部の活動を前向きに捉える大きなきっかけとなっている。彼女の影響を受けて最近は運動を積極的に行うようになったが、同時に夏凜のニボシ好きな面も影響を受けてしまい、親から心配されている。その後も夏凜とは家族ぐるみで付き合っていたようで、富子が家族ぐるみでインフルエンザに倒れた際には、夏凜が看病に駆けつけている。
手鞠 (てまり)
海の家「てまり」の看板娘。肌をこんがり日焼けさせた幼い少女。年齢の割にちゃっかりした性格をしており、迷子の振りをして犬吠埼樹に近づき、彼女を海の家に客引きした。実は父親思いで、近所におしゃれなカフェができたせいで経営不振になった海の家を不安に思い、客引きをしていた。勇者部の活動と樹の歌声で店が繁盛した際には、樹にお礼を言った。
集団・組織
勇者部 (ゆうしゃぶ)
地域のボランティア活動をする部活動。ほかの部活への助っ人から保育園の手伝いまで、幅広い活動を行っている。最近は部員達が全員うどん好きで、いつもうどんを食べているため、周囲の生徒達からは「もう、うどん部でイイんじゃないかな」と思われ始めている。
クレジット
関連
結城友奈は勇者である (ゆうきゆうなはゆうしゃである)
TVアニメ『結城友奈は勇者である』のコミカライズ作品。明るく活発な女子中学生の結城友奈が、ある日を境に勇者となり、仲間達と共に異形の怪物であるバーテックスとの戦いに身を投じていく姿を描いたヒロインアク... 関連ページ:結城友奈は勇者である
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タカヒロの小説『鷲尾須美は勇者である』のコミカライズで、TVアニメ『結城友奈は勇者である』の前日談にあたる作品。異形の怪物、バーテックスから人々を守るため戦う鷲尾須美と、仲間達の活躍を描くバトルアクシ... 関連ページ:結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-