あらすじ
第1巻
春から高校生になった安藤夏希は、冗談で「帰宅部に入ろうかな」と口にした。すると高校には帰宅部という部活動が本当に存在しており、夏希はクラスメイトの塔野花梨といっしょに帰宅部に入部する事になってしまう。(第1話「帰宅部入部希望」)
自ら帰宅部の入部を希望した花梨だったが、彼女は帰宅部が何をする部活動かわかっていなかった。それを部長の道明寺桜に尋ねると、帰宅部は楽しい事をする部活動だと答える。そして、桜は部活動の一環として公園にハトの餌をやりに行くと言い出し、後輩達を連れ出す。(第2話「命短し帰れよ乙女」)
大萩牡丹は「萩月流」のデモンストレーションとして、手刀でかまいたちを作る事によって、ペットボトルの飲み口を切り裂くという離れ業を披露する。それに驚いた夏希と花梨に対して、桜は牡丹が去年の夏休みに敢行した「クマさんツアー」と名付けられた熊との戦いについての思い出話を始めた。(第3話「萩月流出没注意」)
昼休み、花梨が購買部で消しゴムを買おうとするが、お気に入りの消しゴムが売り切れていた。すると、九重クレアが、その消しゴムを売っている文房具店ごと買ってしまおうと言い出す。(第4話「浪費した青春:プライスレス」)
授業で習った「ホトトギスの句」に感動を覚えた花梨は、どの武将にも俳句があれば苦手な歴史ももっと覚えやすくなるのに、と口にする。これを受けて桜達は、武将ごとに俳句を考え始める。(第5話「ホトトギスはなかないただのしかばねのようだ」)
金髪のツインテールである桜は、世間ではそのような容姿のキャラクターには「ツンデレ」が多いという情報を知り、自分も「ツンデレ」っぽく振る舞い始める。そして帰宅部のみんなは、特定の容姿には特定のキャラクターが多いという例題を考え始める。(第6話「人は見かけによれ」)
花梨がクッキーを作って持って来た。花梨の事を、料理をすれば鍋を爆発させるような天然ドジっ子キャラクターだ、と考えていた帰宅部のみんなは大いに驚く。さらに花梨が女子力を発揮するような発言をするたびに、帰宅部のみんなは大げさなリアクションを見せるのだった。(第7話「女子力オーバードライブ」)
桜が突然、歌曲「魔王」を歌い出した。すると牡丹は、その歌曲に登場する「魔王」は、少々雑魚っぽくないかと言い出す。そこで帰宅部では、どうすれば本物の魔王らしくなるか、議論を交わす事になる。(第8話「魔王の品格」)
桜と牡丹の在籍するクラスでは、国語の授業で習った夏目漱石の小説『こころ』が密かなブームになっていた。帰宅部で桜と牡丹がその事を話していると、話は次第に国語の教科書にはいい話が多いという話題へと移り、みんなは「少年の日の思い出」「ちいちゃんのかげおくり」などの話で盛り上がる。(第9話「文学のすゝめ」)
花梨が、中学の頃の同級生から合同コンパの話を聞くと、桜は来たるべき合同コンパに備え、その訓練をしておこうと言い出す。そこで帰宅部では男役と女役に分かれて、合同コンパの状況を再現してみる事になる。(第10話「合コン訓練」)
帰宅部の面々は牡丹から護身術を教わる事になった。しかし、牡丹の教える護身術は彼女にしか実現不可能なものばかりで、帰宅部のみんなは混乱してしまう。(第11話「不審者を殺せ!!」)
牡丹は富士山までジョギングをするなど、常軌を逸した修行を日常的に行っていた。そんなに修行をしてどうするのかと夏希が尋ねると、牡丹はこの漫画がバトル路線にシフトした時に備え、修行をしているのだと答える。さらにクレアもまた、この漫画がギャグで人気が落ちた際には社会派頭脳戦が行なわれるという、設定を明らかにする。(第12話「テコ入れの原理」)
クレアはミカンの皮を花梨の代わりに剥いてあげるなど、花梨を徹底的に甘やかしていた。そんな中、これでは花梨が将来何もできないダメ人間になってしまうと、桜が指摘する。そして、牡丹も花梨にも厳しく接しないといけないと言い出し、花梨を部室の外に連れ出す。そして、牡丹は花梨に自分の力で学校の階段をのぼってみろ、と誰でもできるような試練を与えるのだった。(第13話「可愛い子には飴をあげよ」)
第2巻
帰宅部のみんなで缶蹴りをして遊んでいたところ、鬼を務めていた道明寺桜が抗議を始める。桜が大萩牡丹を見つけて缶を踏もうとしても、缶を踏まれる前に牡丹がその缶を蹴飛ばしてしまうのだ。それがあまりにも理不尽だと、桜が言い出した事により、牡丹の手足には手錠が嵌められる事になった。(第14話「青春は爆発だ」)
安藤夏希と帰宅部の部室で二人きりになった桜は、みんなが来るまでのあいだ、しりとりをして遊んでいた。桜は普通にしりとりをしてもつまらないと、特殊ルールの「禁句札ルール」を追加。さらに「る攻め」の攻め方で、夏希を追い詰めていく。(第15話「封じられた言葉!!」、第16話「激闘の果て!!」)
夏希は購買部に行くついでに、シャーペンの芯を切らしてしまった九重クレアのおつかいをする事にした。しかし、クレアはシャーペンの芯の値段を知らず、夏希に1万円を渡してしまう。夏希に200円で十分だと言われたクレアは、そのあまりの安さに驚愕してしまう。(第17話「バラエティギフト」)
ある日、桜は夏希に対して、「アホ毛」と身体のどっちが本体なのかと尋ねる。当然身体の方が本体だと返す夏希に、桜はなぜか納得しない。さらに桜は仮に夏希の本体が「アホ毛」だった場合、下についている人間みたいな部分は一体なんだろうか、と考えてしまう。(第18話「名も無き目印」)
牡丹は自らの精神力を鍛えている証として、中学生の頃の日記を他人に読まれてもまったく動じないと、誇らしげに言い放つ。すると、それを聞いた桜達は信じられないと、実際に牡丹が中学生の頃に書いた日記を、牡丹の目の前で音読してみる。(第19話「中学生日記」)
桜は金太郎のキャラクターが出ているCMを見て、金太郎がどんな話かあまり覚えていない事に気づく。そこで帰宅部のみんなは、金太郎の話を思い出してみる事にする。しかし、うろ覚えの金太郎の話は、本来のものとは似ても似つかないものになっていく。(第20話「うろおぼえ御伽草子」)
突然、桜が「ものまねあて大会」を開くと言い出した。ルールは最初に桜が何かの物真似をして、ほかの部員がそれが何かを当てるというもの。夏希達1年生が、桜がなんの物真似をしているかまったくわからないのに対して、クレアや牡丹ら2年生達は難解な桜の物真似をいとも簡単に当て続ける。(第21話「第18回ものまねあてクイズ大会」)
桜は最近、「ムラサキババア」の都市伝説の噂を耳にする。そんな彼女に夏希は、「100キロババア」と呼ばれている都市伝説なら知っていると返す。それは高速で車を走らせていると、老婆が車に並走して来るという内容だった。しかし、牡丹はたかだか時速100キロ程度で走っても驚くに値しないと、笑い出してしまう。(第22話「都市伝説の恐怖」)
帰宅部のみんなが、廊下を使って超ロングボウリングをしていたところに、高円レイナがやって来る。牡丹がレイナを警戒し、夏希に気をつけるよう伝える。そんな中、レイナは特殊能力を使って桜の動きを封じるのだった。夏希はバトル漫画のようなその展開に、思わずツッコミを入れる。(第23話「校則の縛り」)
帰宅部では、夏休みを利用して合宿をする事が決まった。だが、合宿地をどこにするかと相談しているうちに話が脱線。そして話題はいつしか、「究極の選択」の話に変わっていく。(第24話「至高の選択」)
第3巻
大萩牡丹の流派「萩月流」には分派「萩調流」が存在しており、その流派の者達は牡丹をライバル視していた。そんな「萩調流」の実力者「萩調流四天王」はファミレスに会して、定例会議を行っていた。しかし、その定例会議は肩書に反して、どこか抜けたものだった。(第25話「萩調流四天王」)
道明寺桜は競泳の自由形には、実質クロールしか選択肢がないという話を始めた。そこで帰宅部では、競泳の自由形はどこまで自由なのかという話が話題に上がった。そんな中、牡丹が競泳の自由形で水の上を走るのはルール上、「自由形で泳いでいる」と認められるのかと言い出す。(第26話「デッド・フリーダム」)
安藤夏希は人気のない場所に古橋愛と塔野花梨から呼び出された。夏希がなぜ呼び出したのかと愛に尋ねると、愛は夏希に見せたいものがあると言う。そして、二人は夏希にショートコントを披露し始め、その感想を尋ねる。(第27話「笑いの頂上」)
ある日、牡丹がフェイスブックを見ていたところ、中学の頃のクラスメイトを見つけた。そこには中学の同窓会が行なわれたという記事が掲載されており、その同窓会に呼ばれてすらいない牡丹はショックを受けてしまう。そんな話を聞いた夏希は、中学の頃に友達はいなかったのかと、牡丹に尋ねる。すると牡丹は人生で最初にできた友達は、高校の頃に出会った桜だったという衝撃の事実を語る。(第28話「友情岩を穿つ」)
牡丹は「萩月流」の後継者だったという理由で殺されかけた話を、さも笑い話であるかのように話し始めた。さらに3歳の頃には胸を銃弾で撃たれた事もあると話し、周囲を驚愕させる。花梨が大丈夫だったのかと尋ねると、牡丹はあるものが胸に入っていたから無事だったと答えた。しかし、牡丹の言うあるものとは肋骨の事で、それを聞いた夏希が思わずツッコミを入れるのだった。(第29話「SSコレクション」)
帰宅部での何気ない会話の中で、夏希に弟がいる事が発覚した。それに驚いた帰宅部のみんなは、是非その弟を見てみたいと夏希にお願いした。そのテンションの高さに夏希は面倒になる事を予感しつつも、渋々承諾するのだった。(第30話「姉と弟」)
夏希は家に遊びにやって来た帰宅部のみんなに、弟の安藤路往人を紹介する事になった。そして夏希の呼び掛けに応じてやって来た路往人は、夏希から散々な扱いを受けてしまう。すると、そんな路往人に桜は同情するのだった。(第31話「姉と友達」)
球技大会の日に夏希と花梨は、桜達が出場するソフトボールの試合を見学しに行く。試合は桜と牡丹の在籍する2年1組対九重クレアの在籍する2年5組の対決となった。そこでバッテリーを組んでいた桜と牡丹は、クレアの打順を迎える。(第32話「熱闘!! 前期球技大会」)
帰宅部では先日行われた防災訓練の話が話題に上がった。そんな中、桜は牡丹に避難の合言葉「おかし」がなんの略か言えるかと尋ねる。しかし、牡丹はなんの略かを正確に答える事ができなかった。それを桜に叱られた牡丹だったが、自分は例え炎に囲まれたとしても逃げる必要はないと、よくわからない言いわけを始めてしまう。(第33話「燃えろ!! 防災魂!!」)
路往人がリビングのクーラーで涼んでいると、夏希もやって来た。そこで何気なく甲子園を見始めた夏希のもとに、桜からいっしょにプールに行かないかと誘いの電話が掛かって来る。しかし、今甲子園を見ているからあとでいいかと答える夏希に対して、路往人はそんなに真剣に観ていたのかと、ツッコミを入れた。(第34話「人類最大の発明はクーラー」)
帰宅部の部室にいた桜が突然、気分が悪いと言って倒れた。その瞬間、帰宅部の部室にあったテレビが映り、そこに怪しげな仮面をつけた桜が登場する。そして、桜は帰宅部のみんなで「ギルティ・ジャッジ」というゲームを始めるように、強制する。(第35話「ギルティ・ジャッジ」)
萩調流古武術の道場に、萩月流の後継者、牡丹が出稽古に来る事となった。青山龍一はみんなに喝を入れるなど、気合を入れて臨む一方、牡丹は帰宅部のみんなを伴って出稽古にやって来るなど、どう見ても真剣には見えない。そんな牡丹を相手に龍一は、部外者絶対禁止などの鉄の掟を解禁するなど、徐々に気持ちが緩んでいく。(第36話「見学!! 萩調流古武術」)
夏希の誕生日を明日に控え、帰宅部のみんなでそのサプライズパーティーの準備を進めていた。しかし、帰宅部のみんなは夏希がいる前で堂々とその準備を進め始め、夏希本人の前で隠そうともしない。そして、誕生日当日、サプライズパーティーの内容をすべて知っている夏希は、どうリアクションしていいかを悩んでいた。だが、いざパーティーが始まると、まったく違うサプライズが披露される。(第37話「サプライズ・パーティー」)
帰宅部は体育祭の部活対抗リレーに出場する事になる。そこで運動場に行ってリレーの練習をしようとするが、サッカー部がすでに使用している。そこで桜が運動場を使わせてもらえるよう交渉を始めるが、話の成り行きからサッカー部と運動場の使用権を賭けて、サッカーで勝負する事になってしまう。(第38話「ゆずらないよ」)
第4巻
帰宅部対サッカー部の運動場の使用権を賭けた勝負が始まった。その試合開始直後、大萩牡丹が強烈なシュートをゴールに叩き込む。そのシュートを見たサッカー部員達は、一気に戦意を喪失して降参を宣言。見事、帰宅部は勝利を収めるのだった。(第39話「決めろ!! 弾丸シュート!!」)
道明寺桜が星空占いを見て、どのような方法で占っているのかと、疑問を持ち始めた。すると、牡丹が星空占いなんてプログラムで占い結果をランダム生成しているだけだと、持論を語り始める。(第40話「星空イマジネーション」)
桜が高校1年生の頃の話を後輩達に聞かせていた。高校1年生の頃の桜は、退屈だった中学生活と違う高校生活を過ごすために、新たに部活動に入ろうとしていた。しかし、興味の沸く部活動が見つからなかった桜は、新たに部活動を作る事に決める。それにクラスメイトの牡丹も同意して、面白そうだからと部活、帰宅部を設立したのだった。(第41話「花の名前」)
桜の発案により、路上で販売するためのポエムを作る事になった。ポエムなんて書いた事がないと尻込みする塔野花梨に対して、桜は路上で販売しているポエムなんて、どうでもいい事をへたな字で書いて、雰囲気を出しているだけだから簡単だと言い出す。そこで、みんなで実際にポエムを作って発表してみると、どこかおかしなものばかりだった。(第42話「ストリート・ポエム」)
桜がサッカー部と野球部が運動場で揉めているから観に行こうと、言い出す。そこにはサッカー部と野球部を仲裁するべく、生徒会から派遣された生徒会副会長の飯塚公平がいた。牡丹は帰宅部のみんなに、公平が「理想家」の異名を持つ能力者だと説明する。しかし、その公平の能力「絶対平等」は給食を平等に配膳するだけの効果しか持たず、それを聞いた九重クレアはゴミクズ同然の能力だと辛辣な物言いをする。(第43話「理想的平等」)
文化祭を前にして帰宅部でも何か催し物をやらないかと、話し合いが持たれた。すると、桜がバンドをやりたいと言い出し、楽器の担当を割り振り始めた。(第44話「憧れのロックスター」)
桜が突然、この漫画『帰宅部活動記録』がアニメになると言い出した。すると、帰宅部のみんなは、何をどう間違えたらこの漫画がアニメになるのかと騒ぎ始め、桜に詰め寄る。そして、アニメにするにはエピソードが足りないのではないかと牡丹が指摘し、桜がアニメで放映するためのオリジナルシナリオを考え始める。(第45話「メディアの交差点」)
帰宅部の部室にゴキブリが出没して、みんなが慌て始めた。さらに混乱した花梨とクレアはもう死ぬしかないと言い出し、それに安藤夏希がツッコミを入れる。そして夏希がみんなに落ちつくようにとうながすと、途端にみんなはゴキブリなんていないもののように振る舞い、落ち着き始める。(第46話「ブラック・デーモンズ・インセクト」)
桜がクレアにお願いして、帰宅部の「裏サイト」を作ってもらう。そんな事をすっかり忘れていた夏希は、その裏サイトにアクセスしてみる。そこでは夏希について帰宅部員達による熱い議論を交わされており、それを見た夏希は赤面してしまう。(第47話「裏の裏サイト」)
桜が用意したお題に合わせて、帰宅部でテーマトークが行われる事となった。そこではなぜか『帰宅部活動記録』の初代担当編集「O編集」がSMバーに行った話がお題に挙げられる。(第48話「高校生には早い街」)
古橋愛と花梨によるコントが夏希の前で披露される。しかし、夏希はそれを見てもいっさい笑わず、愛はボケとツッコミの役割を変えた方がいいのかと、悩み始めるのだった。(第49話「古橋さんのいる日常」)
帰宅部では夏休みを利用した強化合宿が行われる事となり、その合宿先をダーツを投げて決定する事となった。しかし、その合宿先は「さいたま」に決まり、みんなは「さいたま」なんて何もない場所だと、盛り上がっていたテンションが一気に下がってしまう。(第50話「夏の思ひ出」)
生徒会定例役員会議が行われる事となった。生徒会役員は生徒会長の高円レイナをはじめ何かしらの能力を持っている者ばかりで、能力を持たない金田正男がなぜ生徒会に所属しているのかと、みんなは疑問に思うのだった。(第51話「生徒会定例役員会義」)
第5巻
道明寺桜は、この学校に七不思議はないのかと探し始める。すると、塔野花梨がこの学校には七不思議と呼ばれる類のものはないと断言した。花梨はこの高校を受験する前に、七不思議がないかと事前に調べていたのだ。しかし、桜はそれを聞いても納得せず、ますます七不思議に固執するようになる。(第52話「七不思議アドベンチャー」)
萩調流四天王は、議題がないにもかかわらず、いつもの癖でファミリーレストランに集まっていた。そんな中、青山龍一は、大萩牡丹の監視を務めている赤羽詩天使に対して、どうして彼女と同じ高校に進学しなかったのかと尋ねた。もともと詩天使は牡丹と同じ高校に進学を決めていたが、土壇場になって牡丹が進路を変更してしまったのだ。しかも詩天使には転校したくてもできない理由があった。(第53話「萩調流四天王~因縁編~」)
帰宅部のみんなは落ち葉を集めて、焼き芋をする事にした。そこで芋を九重クレアに用意してもらったところ、クレアは芋を高そうな木箱に入れて持って来た。(第54話「秋深き」)
牡丹から詩天使の話を聞いた花梨は、詩天使が牡丹と友達になりたいのだと即座に気づいた。しかし、牡丹は詩天使のその気持ちにまったく気づいていなかった。そこで花梨は牡丹に詩天使と遊びに行ってあげるようにと命令する。それにより牡丹は週末を利用して詩天使を呼び出す事にした。一方の詩天使は、牡丹から誘われた事を嬉しく思うあまり、新しい下着をつけて来てしまうほどテンションが上がっていた。(第55話「友達以上宿敵未満」)
牡丹は詩天使と遊びに行った話を、花梨に報告する。しかし、その話を聞いた花梨は牡丹のあまりの鈍感さに呆れ果ててしまい、ついつい辛辣な物言いをしてしまう。そして、そんな牡丹に対して花梨は、やり直しを求めるのだった。(第56話「女子力削減会」)
クリスマスの日、帰宅部でパーティーを開く事になった。そして桜の提案によりクリスマスっぽい恰好をして集まる事になる。安藤夏希と牡丹がシカ、花梨がサンタクロースのコスプレをして来る中、クレアはプレゼント袋のコスプレという変な恰好をして来た。さらに桜はソリのコスプレという謎の恰好で現れる。(第57話「クリスマス・ドレスコード」)
牡丹とサッカーのテレビゲームをしていた桜は、どうしても牡丹に勝つ事ができず、つまらないと投げ出してしまう。そして、桜は自分が勝つ事ができるサッカーゲームを作ってほしいと、クレアにお願いした。そして、億単位の金をつぎ込まれたサッカーゲームができあがるが、色々とツッコミどころ満載の謎のゲームが仕上がってしまう。(第58話「キリング・イレブン」)
帰宅部のみんなは、廊下でフィギュアスケートごっこに興じていた。すると、風紀委員の封鬼院アゲハが彼女達を注意しにやって来る。しかし、帰宅部のみんなはアゲハの注意に対して、減らず口を叩くばかりで反省の色をまったく見せない。(第59話「風紀の乱」)
古橋愛は夏希を呼び出し、花梨とのコントを披露し始める。しかし、夏希はそのコントでピクリとも笑ってくれない。それにより花梨とのコントに限界を感じた愛は、夏希にいっしょにコンビを組んでほしいと頼み込む。そして夏希は一度だけだったらと条件をつけ、愛とコントを組む事を承諾する。(第60話「笑いの深淵」)
節分の日になり、帰宅部では豆まきをする事にした。すると、桜がその準備をして来ると言って帰宅部の部室から姿を消す。彼女がそして現れた時にはなぜかなまはげの姿だった。そんな桜を相手に、みんなは豆まきを始めるが、牡丹の豆まきがあまりに強力過ぎるため、桜は抗議を始めた。(第61話「鬼に豆鉄砲」)
初めてカップ焼きそばを食べたクレアは、その美味しさに感動していた。すると、桜がお嬢様にカップ焼きそばの味がわかるのかと疑問を呈す。そして、桜はそんなクレアのために、本物のカップ焼きそばを用意してみせると意気込む。(第62話「即席一番!」)
いつものように桜がボケてみせると、それに夏希がツッコミを入れる。しかし、そのツッコミがいつもに比べて何か様子がおかしい。さらに夏希はいつもはやらないノリツッコミをするなど、明らかにおかしかった。実は夏希はみんなには秘密にしていたが、体調が悪かったのだ。(第63話「過熱暴走《オーバーヒート》」)
突然、桜が中学の頃の音楽教師の物真似を始める。みんなは、その人物をまったく知らなかったが、ヒステリックな音楽教師の物真似なのだと、なんとなく伝わった。そして、音楽教師は全国どこでもヒステリーを起こすものなのかと、みんなは考え始める。(第64話「グレイテスト・ヒッツ」)
桜が「全国高校帰宅選手権大会」の申込書を持って来た。その大会では全国の「帰宅部」で活動している人達が、その「帰宅っぷり」を競い合っており、桜達もそれに出場してみようと提案する。(第65話「そして、終わらない放課後」)
登場人物・キャラクター
道明寺 桜 (どうみょうじ さくら)
2年1組。帰宅部部長。ツインテールに大きな丸い髪飾りをつけており、オーバーニーソックスを履いている。また、スカート丈は部員の中で一番短い。これは本人の中で、美少女作品のメインヒロインとしての意識が高いため。非常に雑な上にきまぐれな性格で、いつも部でトラブルを起こしている。同学年の大荻牡丹と九重クレアには非常に慕われており、強い友情で結ばれている。 特に牡丹は中学時代一人ぼっちで周囲から避けられていたため、積極的に接してくれた桜との仲をとても大事にしている。一方後輩の安藤夏希には、その言動の突飛さを迷惑がられている。リーダー気質で、基本的に彼女が部の活動方針を仕切っている。
安藤 夏希 (あんどう なつき)
1年3組。頭に非常に大きなアホ毛があり、切ってもすぐに生えてくる。中学時代から部活に入っていなかったため、高校でも部活動には特に入るつもりはなかったが、同じクラスの塔野花梨に連れられて帰宅部に入部するはめになってしまう。ボケの多い帰宅部内でのツッコミ役になっており、他の生徒からもツッコミ係だと思われていた。 弟に安藤路往人がおり、家ではずっとお姉ちゃんだったため、道明寺桜をはじめとした帰宅部の先輩たちに甘やかされている今の状態を気に入っている。そのため、帰宅部をやめようという気持ちはなくなっている。次々に問題を起こす桜に対して文句を言ってはいるが、彼女と趣味は合っており、譲り受けた髪飾りを家で大事にしている。弟に対しての態度はとても厳しい。
塔野 花梨 (とうの かりん)
1年3組。セミロングに大きな花の髪飾りをつけている。天然のドジっ子だが、やるべきところはしっかりこなす。人当たりがよくたおやかで、お菓子作りや裁縫が得意なため、「女子力の塊」と言われていた。帰宅部の面々からも「可愛い」と言われている。特に九重クレアの溺愛っぷりは尋常ではなく、妹のように扱われるどころかセクハラまがいの行為もされるが、本人はあまり気にしていない。 天性の甘え上手な一面もあり、かわいがられる現状をちゃっかり受け入れて生活している。先輩である道明寺桜らを本気で尊敬している。男子からはモテており、サッカー部からマネージャーになってほしいと言われたことがある。同じクラスの古橋愛とは「あいかりん」というお笑いコンビを組んでいる。
大萩 牡丹 (おおはぎ ぼたん)
2年1組。黒髪に白いリボンのポニーテールで、スラっと背が高い。萩月流の武術家で、ホッキョクグマやゾウを倒したり、コーラのペットボトルを手刀で切ったり、水の上を走ったりと、数多くの武勇伝を残している。ゲームがとても好きで、修行中にゲームをしないことで精神を鍛えている。思考は非常に単純で大雑把で、なんでも戦わせようとしたり、数が大きくなると興奮したりする。 全身から殺気を自然に発していたため友達が誰もいなかったが、道明寺桜に話しかけられたことで初めて友だちができ、帰宅部で共に活動するようになった。袂を分かった分派、荻調流の少女・赤羽詩天使に慕われているものの、本人は気がついていない。
九重 クレア (ここのえ くれあ)
2年5組。「九重財閥」の社長令嬢で、金銭感覚が大きく外れており、なんでもお金で解決してしまう。クォーターで、生まれてすぐ母親を亡くしている。しかし使用人が数多くいたため、寂しさは感じていなかった。なんでも手に入る環境の中、妹を手に入れる夢だけはかなわなかったこともあり、後輩の安藤夏希と塔野花梨を溺愛している。 特に花梨へのかわいがりかたは尋常ではなく、セクハラ行為に及ぶことも多々ある。父親が「帰宅部(家にすぐ帰るという本来の意味)以外は認めない」と言ったところ、本当に帰宅部があったため入部した。ピアノが得意。バイオリンも嗜んでいるが、とても下手。
亀田 元気 (かめだ げんき)
萩調流古武術の流派を会得するために修行を重ねている小太りの少年。黒髪でショートカットの髪型をしている。萩調流四天王の一人で、通称「残念な玄武」。ただし、この通称を嫌っており、度々訂正を求めていたが、結局「残念な玄武」に落ちついてしまった。アニメキャラクターの声を聴いただけで、担当している声優を当てる事ができるという特技を持つほか、服は母親の買って来た物をそのまま着ているなど、「オタク」っぽいところがある。 しかし、萩調流四天王に選ばれるだけの戦闘力の持ち主であり、萩調流内では尊敬されている。
青山 龍一 (あおやま りゅういち)
萩調流古武術の流派を会得するために修行を重ねている黒髪短髪の少年。萩調流四天王の一人で、通称「残酷の青龍」。萩調流四天王の中ではリーダーを務めており、次期萩調流古武術継承者の筆頭候補。数万人に一人しかいない「龍眼」を持つ特異体質者で、大地の気の流れ「龍脈」をあやつる事ができる。さらにそれを応用してオーラを実体化させ、龍の姿を為して敵へと放つ技「双頭之龍」などの大技を繰り出す事ができる。 しかし、それらの技を駆使してもライバル・大萩牡丹には傷一つつける事ができなかった。牡丹を敵視していると口では言っているが、彼女を見つけると親しげな様子で挨拶を交わすなど、実際は仲がいい。
白田 大牙 (しらた たいが)
萩調流古武術の流派を会得するために修行を重ねている少年。金髪で、頭にカチューシャを付けて髪をオールバックにして、タンクトップを愛用している。萩調流四天王の一人で、通称「残忍の白虎」。単細胞な性格だが、多彩な戦闘スタイルを持っている。影に念を送り込み術者の意のままにあやつる技「影人形」を駆使して、牡丹に襲いかかるも、牡丹には傷一つつけられなかった。 その戦闘では首を折られるほどの大ケガを負っていたが、すぐに動けるようになるほどの驚異的な回復力を持つ。牡丹を敵視していると口では言っているが、彼女を見つけると親しげな様子で挨拶を交わすなど、実際は仲がいい。
赤羽 詩天使 (あかばね しえる)
萩調流四天王の一人で、通称「残虐の朱雀」。ツインテールにセーラー服を着た、炎のスペシャリストの少女。大萩牡丹とは4歳からの知り合いで、親友かつライバルだと考え、慕っている。牡丹が志望していた吉祥寺北高校に入ったが、牡丹がブレザーを好んで別の学校に行ってしまったため、離れ離れになってしまった。高校入学後は、荻原流の偵察と称して牡丹を追い掛け回していた。 一方牡丹は彼女を友達だと思っていなかったため、塔野花梨に激しく叱責された。
金田 正男 (かねだ まさお)
高校2年生の男子で生徒会の書記を務めており、「ミサイル」の異名を持っている。黒髪でショートカットの髪型で、左側頭部のもみあげを剃っている。生徒会役員の中では数少ない無能力者であり、高円レイナや富士見孝史郎などの能力者達が、なぜ生徒会の活動をしているのかと不思議がっている。
富士見 孝史郎 (ふじみ こうしろう)
高校2年生の男子で生徒会の会計を務めており、「電子頭脳」の異名を持っている。黒髪でショートカットの髪型で、眼鏡をかけた知的そうな雰囲気を漂わせている。右手に「不死殺しの力」を宿しており、右手で触れるだけで「不死の存在に死を与える」事ができる。普段はそれを封じるべく、右手に黒色の手袋をつけている。ただし、「不死の存在」に未だ出会った事がないため、その能力を使用した経験はない。 ただし、富士見孝史郎いわく、自分の能力は持っているだけで知覚できるため、能力を使用した経験がなくとも自分の能力を自覚できている。
沢谷 海斗 (さわや かいと)
高校1年生の男子で生徒会の庶務を務めており、みんなからは「さわやん」の愛称で呼ばれている。ショートヘアで、爽やかな外見をしている。能力を持っている生徒会の先輩達を尊敬しており、それに少しでも追いつくように、普段から資格や検定の勉強をしている。最近気象予報士の資格を取るなど、並外れた才能を持っているが、本人はそれに満足していない。
古橋 愛 (ふるはし あい)
1年3組。安藤夏希の中学生時代からの友人。快活な性格で、バレーボール部に入部した。安藤夏希には名前を覚えてもらっていない。一方で彼女は、話すたび常に夏希のアダ名を考えている。帰宅部に対してはいい印象を持っておらず、活動にドン引きしている。同じクラスの大萩牡丹とお笑いコンビ「あいかりん」を結成している。
安藤 路往人 (あんどう ろいど)
安藤夏希の弟。家ではだらしない夏希に対してツッコミを入れ続けているが、一度も姉に勝てたことがなく、幼い頃からの習慣で言い返すこともできない。帰宅部の面々には強く興味を持たれており、彼があまりにひどい仕打ちを受けていたため、道明寺桜に同情された。
高円 レイナ (たかまど れいな)
生徒会長。「校則」の異名を持つ。学校内で彼女の一定範囲にいると「高速で校則で拘束」するため、絶対に校則を破ることが出来ないと言われている。能力名は「生徒手錠(ハンドブック・バインド)」。また黒い生徒手帳を用いて「聖徒十戒(バイブル・バインド)」という、彼女の言葉が物理法則を捻じ曲げる能力も持っている。厳しい反面、生徒の自主性を重視する懐の広さもあり、帰宅部の大雑把な活動を許可することもある。 「レイナ」と呼ばれることを心底嫌う。
飯塚 公平 (いいづか こうへい)
生徒会副会長。「理想家」の異名を持つ。能力「絶対平等(パーフェクト・イコール)」の使い手で、給食を完璧に公平に振り分けることができる。ただし高校には給食がないため、彼の能力は一切用いられることがない。高円レイナのことを下の名前で呼び、彼女を怒らせている。
封鬼院 アゲハ (ふうきいん あげは)
2年生。風紀委員。髪の毛にアゲハチョウの髪飾りをつけている。本人曰く、先祖代々エクソシストの家系。道明寺桜から「生徒会長とキャラがポジション被ってる」と言われて帰宅部と風紀委員は対立関係になったが、何も起こらなかった。
あざらし
作中や幕間に度々登場する。キャラクターたちとのからみは一切なく、マンガの解説やアイキャッチとして用いられている。ベレー帽を被ったあざらしは作者の自画像で、別物。
集団・組織
帰宅部 (きたくぶ)
道明寺桜を部長とした、放課後に思いついたことをするための部活。「D304」号室を部室としており、エピソードの最初にプレートが表示されることが多い。明確な活動内容は無く、みんなで集まってわいわい過ごして楽しむのが目的。桜の気まぐれで、廊下をボーリングレーンにするなど傍若無人な活動が多く、生徒会や風紀委員には目をつけられている。 しかし生徒会長の高円レイナは、生徒の自主性として認めている。部室には九重クレハが持ち込んだものが増え続けており、新入生歓迎の時に使ったチュパカブラの人形などが置かれている。
萩調流四天王 (はぎしらべりゅうしてんのう)
萩月流と袂を分かった分派で、基底を同じとしながら独自の進化を遂げてきた流派である萩調流の十三代継承者直下の実力者。本家の萩月流を敵視して戦い続けていたが、すでに対立の理由はわからなくなっている。週に2回、ファミレスで定例会議をしている。しかし話す内容は特になく、惰性で活動を続けている。残酷の青龍、残酷の白虎、残虐の朱雀、残念な玄武の4名で構成されている。