概要・あらすじ
全校生徒6000人を誇る高藤学園に通う大島裕樹は、幼馴染の住吉千里が部長を務めるショッケンこと食品研究部に所属し、愉快な部員たちと気ままな活動を行っていた。しかし現体制が起こした不祥事により開催が決定された次期自治生徒会長選挙にて、その最有力候補である東雲皐月が活動実績のない部活動の廃部を掲げたために、突如としてショッケンは存続の危機に立たされてしまう。
廃部を阻止するための術を考えた部員たちは、皐月を当選させないための候補を擁立することを画策しだす。
結果、全員の指名により立候補を命じられた裕樹は、当初は固辞し部活を辞めるとまで言い出すも、最終的にはショッケンを守るために立ち上がることを決意。
圧倒的に不利とされる状況の中、周囲の協力を得つつ懸命な選挙活動を展開していく。
登場人物・キャラクター
大島 裕樹 (おおじま ゆうき)
私立高藤学園2年の男子生徒。普通の恋に憧れつつも、幼馴染の住吉千里に振り回される日々を送っている。食品研究部に所属しており、お菓子作りが得意。特に手製のロールケーキ「大島ロール」は絶品であり、ファンも多い。 次期自治生徒会長選挙にあたり筆頭候補である東雲皐月が食品研究部の廃部を公約に含んできたことから、廃部阻止を目指す周囲の推薦を受け、自身も選挙に立候補することになる。 苗字の読みを「おおしま」と誤読されてしまうことが悩みの種。
汐浜 陽高 (しおはま ひだか)
私立高藤学園2年生の生徒。中性的な容姿をしており、時によって女子用と男子用の制服を使い分けている、少々ミステリアスで正義感の強い人物。過激な取材姿勢で知られる報道部「ASP」に所属し、次期自治生徒会長選挙に立候補した大島裕樹の番記者となる。
東雲 皐月 (しののめ さつき)
私立高藤学園2年の女子生徒。自治生徒会で財務部長を務めており、次期自治生徒会長選挙においては最有力候補と目されている。的確かつ公正な判断力とリーダーシップを持ち合わせた切れ者で、その端正な容姿と抜群のスタイルで男子からの人気も高い。 一方で真面目ゆえに柔軟性に欠ける面も持ち、筋の通らない話が嫌い。そのため活動実績のない部活動の廃部を選挙公約として掲げており、中でも姉の東雲葉月が顧問を務める食品研究部をその筆頭と捉えている。 食品研究部員かつ生徒会長選挙の立候補者でもある大島裕樹とは本来あらゆる面で対立する立場であるが、彼をその振る舞いに由来した「ペコジマくん」という渾名で呼ぶなど、選挙活動に明け暮れる日々の中で徐々に親交を深めていく。
高藤学園
全校生徒6000人を数える私立のマンモス校。主人公の大島裕樹や住吉千里が通っている。
大沢 ゆいな (おおさわ ゆいな)
私立高藤学園の女子生徒。自治生徒会で治安部長を務めていたが、証拠不十分のまま過度な取り調べ等を行った結果、不当と判断され謹慎処分となった。自己中心的で視野が狭いことから生徒の支持を得ているとは言いがたく、また現任の自治生徒会長である毛利八雲と対立する派閥の一員でもある。
東雲 葉月 (しののめ はづき)
食品研究部の顧問を務める、私立高藤学園の女性教師。次期自治生徒会長候補、東雲皐月の姉でもある。真面目な妹とは異なりフランクな性格で、好奇心と押しが強い。部室にビールサーバーを設置するほどの酒好きで、勤務中にも関わらずお菓子を摘んでは飲んだくれている。
青海 衣更 (あおみ いさら)
私立高藤学園1年の女子生徒で、一定の労働と部活動禁止を条件に授業料を免除されている「経済特待生」。笑顔を絶やさないよう心がけており、経済特待生という立場のため周囲から差別扱いを受けても、常にポジティブな態度で受け流している。 母親の代わりに2人の弟の面倒を日々見ているため、家事能力は高水準。大島裕樹と親しくなったことで、食品研究部へと時折訪れるようになる。
木場 美冬 (きば みふゆ)
食品研究部に所属する、私立高藤学園2年の女子生徒。病弱であり長期入院により留年した過去を持つため、大島裕樹たちとは同学年であるが年齢は1つ上にあたる。その事情を知りながらも親しく接してくれた裕樹と住吉千里のことを、親友として大切にしている。 ほんわかと優しい雰囲気をしており、食品研究部においては騒がしい部員たちを日々にこやかに見守るお姉さん的立場。常にノートPCを携帯しており、情報収集能力に長けている。
森下 未散 (もりした みちる)
食品研究部へと入部したばかりの、私立高藤学園1年の女子生徒。口数が少なく感情をあまり表に出さない上に、「……普通」が口癖という、他人とのコミュニケーションにも消極的な性格をしている。その中でなぜか大島裕樹に対しては懐いており、気まぐれではあるが裕樹の言うことには従うことも多い。 壊れたハーモニカを大切に持ち歩いており、また食品研究部員である夢島朧の実家が製造しているスナック菓子が大好物。
毛利 八雲 (もうり やくも)
私立高藤学園3年の男子生徒。現任の自治生徒会長で、人当たりが良く話術にも長けることから高い支持率を持つ。しかし自治生徒会治安部長の大沢ゆいなが起こした不祥事の責任を取り、辞任することが決定。 自らも治安部の出身者であり、3代に渡り政権を得ながらも次期会長選出馬を自粛する事態となった治安部政権を維持するために、自治生徒会外からの出馬者である大島裕樹へと内密のバックアップを申し出る。
自治生徒会 (じちせいとかい)
『恋と選挙とチョコレート』の登場組織。私立高藤学園の生徒会組織。全校生徒6000人を数える巨大学園であることから、内部で治安部・総務部・財務部の3行政に分かれて活動しており、生徒会長はその最高責任者として取り仕切るという体制を取っている。 このような構造から部ごとの対立が激しく、生徒会長選においては熾烈な派閥争いが繰り広げられている。
辰巳 茂平治 (たつみ もへいじ)
私立高藤学園2年の男子生徒。へのへのもへじが描かれた、頭部全体を掩うマスクをなぜか常に被っている。現任の自治生徒会総務部長であり、総務部派閥からの推薦により次期自治生徒会長選挙へと立候補した。 口だけは達者だが小心者であり、当選を目指して姑息な手段の数々を用いる。
住吉 千里 (すみよし ちさと)
私立高藤学園2年の女子生徒で、食品研究部の部長を務める。大島裕樹とはマンションで隣同士の部屋に住む幼馴染であり、ワガママな性格もあって彼のことを「所有物」と公言するなど、強い束縛心を持っている。 成績優秀でスポーツ万能、更には多数の告白を受けるほど容姿も良いが、料理だけは壊滅的に苦手。その頭脳を活かし、次期自治生徒会長選挙に挑むことになった裕樹を様々な形でサポートする。 過去のある出来事から、チョコレートが苦手で食べることが出来ない。