概要・あらすじ
女子大生の流華は、カフェで推しの若手俳優、佐浦廉の特集ページを読んでいた。それによると、廉の好みのタイプは「自分が俳優の仕事をしていることを知らない人」であった。ファンには1ミリもチャンスがないのかと落ち込む流華。ふと床に目をやると、誰かのスマホが落ちていた。何気なくスマホを拾い上げたところに、焦った様子の若い男性がやってきた。それはどうみても、流華の「推し」である廉であった。スマホを拾ってくれたお礼を言った廉は、続けて自分のことを知っているかどうかを尋ねる。廉の好みのタイプは「自分が俳優であることを知らない人」である。流華はとっさに噓をつき、知らないと答えてしまう。すると、廉はスマホのお礼がてら、今度食事に行かないかと誘ってきた。罪悪感に苛(さいな)まれながらも、流華はその申し出を承諾。こうして噓をついて「推し」に近づいてしまった流華は、次第に廉と深い仲になっていく。
登場人物・キャラクター
流華 (るか)
ボブカットが特徴の女子大生。若手俳優の佐浦廉の大ファン。廉のデビュー当初から応援し続け、握手会やお話し会などにも熱心に参加していた。ある日、偶然にも廉と出会うが、彼が「自分が俳優であることを知らない人が好き」と公言していたため、とっさに噓をつき、廉のことを知らないふりをする。廉とデートをするようになり、罪悪感に苛まれるが、好きな気持が強く、本当のことが言えなくなってしまう。
佐浦 廉 (さうら れん)
人気上昇中の若手俳優の男性。握手会などに来てくれる熱心なファンの女の子に好意を抱いていたが、ファンを本気で好きになるわけにはいかないと考えていた。そのため、雑誌のインタビューでは「自分が俳優であることを知らない人が好き」と答えていた。ある日偶然、自分が好意を寄せていた女子に似た流華と出会う。実は流華こそが、廉が好きだったファンだったが、廉はそのことを知らずに、流華を食事に誘う。
絵里香 (えりか)
流華の同級生で親友の女子大生。噓をついて佐浦廉に近づいたことを、流華に打ち明けられ、アドバイスと応援を送る。同じく同級生の壮馬に密かな想いを寄せる。
壮馬 (そうま)
流華の同級生の男子大学生。高校生の時、同じクラスになって以来の仲。流華に好意を持っており、彼女と佐浦廉の恋愛に複雑な気持ちを抱く。