アラサー漫画家に突然訪れた乙女ゲー的な展開
意識高い系で恋愛に懐疑的な漫画家の桐生ふたばは、本当は社会派漫画を描きたいと思っていたが、担当編集から勧められるままに自分の嫌いな要素を詰め込んだハーレムラブコメディ「ぼっちの俺からリア充のお前らに言っとく」が大ヒットしている。しかし、ふたばは恋愛経験が皆無で、そもそも恋愛感情というものが理解できず苦悩しており、作品がヒットしていることに不満を覚えるとともに、創作活動に行き詰まりを感じていた。そんな中、ふたばは新人アシスタントの浅倉裕と年上の脚本家・北村京介から同時にアプローチを受け、絶妙な年齢差の三角関係に発展する。こうして32年間、恋愛とまったく縁がなかったふたばを巡って、恋の鞘当てが繰り広げられる。
不器用でピュアな年下男子×包容力と余裕のある年上男性
アラサー漫画家の桐生ふたばに好意を寄せる漫画家アシスタントの浅倉は、寡黙で目つきが悪いため、ふたばからは「アサシン」と呼ばれている。浅倉はふたばに勇気を出してアプローチをするものの、不器用なために、なかなかうまくいかないが、そんな浅倉をふたばは愛おしく感じている。一方、脚本家の北村は経験豊富で年上の魅力にあふれる男性で、双葉に対しても余裕たっぷりにアプローチをかける。そんな北村にも素が出る瞬間があり、ふと見せる弱い部分がふたばの胸を高鳴らせる。突然の浅倉と北村からのアプローチに混乱するも、違った魅力を持つ二人のあいだでふたばの心は大いに揺れ動く。
登場人物・キャラクター
桐生 ふたば (きりゅう ふたば)
漫画家を生業とする独身女性。年齢は32歳。自分の嫌いな要素を詰め込んだハーレムラブコメディ「ぼっちの俺からリア充のお前らに言っとく」が大ヒットしており、アニメ化が決定している。これまで恋愛経験ゼロの処女で、そもそも恋愛感情というものを理解していないため、作品作りにも影響が出始めている。そんな中、年下の漫画アシスタントの浅倉裕と実力派脚本家の北村京介からアプローチされ、自分にとって恋愛とはなんなのかを自問自答している。天真爛漫な性格で人当たりはいいが、他者からの挑発に乗りやすい単純な一面を持ち合わせている。
浅倉 裕 (あさくら ひろ)
とある大学に通う男子。漫画家アシスタントとしても活動している。年齢は20歳。編集部から桐生ふたばを紹介されたことで彼女と知り合いになる。新人アシスタントながらも熟練者で、集中すると驚異的なスピードでクオリティの高い完璧な仕事をこなす。ふたばを漫画家として尊敬する一方で、恋愛対象として意識しており、不器用ながらもアプローチを繰り返している。目つきが悪く口数も少ないため、ふたばからはまるで殺し屋のようだと揶揄され、「アサシン」と呼ばれている。
北村 京介 (きたむら きょうすけ)
脚本家を生業にする独身男性。年齢は42歳。脚本家界隈で名を馳せる実力派。桐生ふたばとは仕事を介して知り合い、恋愛感情が理解できずに苦悩しているふたばに対して、自分を相手に練習すればいいと提案したことをきっかけに距離を縮めていく。一見穏やかな性格で裏表がなさそうに見えるが、緻密な計算に基づいて行動している。また、ふとしたときに素のままの弱い部分を見せる瞬間があり、つかみどころがない。冷静沈着で紳士的な振る舞いから、ふたばには「軍師」と呼ばれている。
書誌情報
桐生先生は恋愛がわからない。 全5巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2016-06-24発行、 978-4091386724)
第5巻
(2017-03-24発行、 978-4091391711)