傷モノの花嫁 ~虐げられた私が、皇國の鬼神に見初められた理由~

傷モノの花嫁 ~虐げられた私が、皇國の鬼神に見初められた理由~

『かくりよの宿飯』をはじめとする、あやかし和風ファンタジーやラブコメディを多数発表している友麻碧が、代表作『浅草鬼嫁日記』に引き続き、藤丸豆ノ介と再びタッグを組んだ作品。人ならざる「あやかし」や霊力を持つ人間が存在する「大和皇國」を舞台にしている。あやかしに襲われたことで「傷モノ」として虐げられ、両親や婚約者からも見捨てられた悲劇の少女、白蓮寺菜々緒と、「皇國の鬼神」として恐れられる紅椿家の当主、紅椿夜行との恋愛模様を描いたあやかし和風ファンタジー。講談社「Palcy」で2023年5月28日より配信の作品。2023年10月13日、原作者の友麻碧による本作の小説版『傷モノの花嫁』が刊行。

正式名称
傷モノの花嫁 ~虐げられた私が、皇國の鬼神に見初められた理由~
ふりがな
きずもののはなよめ しいたげられたわたしが こうこくのきじんにみそめられたりゆう
原作者
友麻 碧
漫画
ジャンル
恋愛
 
和風ファンタジー
レーベル
KCx(講談社)
巻数
既刊3巻
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名家に嫁いで幸せをつかむシンデレラストーリー

舞台となるのは明治時代以降の日本をモチーフにした大和皇國で、「あやかし」と呼ばれる妖怪のような生き物が存在している。大和皇國は開国以来、あやかしが人々に害をなすことが増えたため、陰陽(おんみょう)五家が編み出した五行結界によって国を守護していた。その一角を担う白蓮寺家の跡取りである白蓮寺麗人と婚約を交わしていた白蓮寺菜々緒は、猿のあやかし猩猩(しょうじょう)に妖印を刻まれたことで、これまでの幸せな日々が一変し、周囲から「傷モノ」扱いされるようになる。人間として扱われず、白蓮寺家の下女として死んだように生きてきた菜々緒は、紅椿家当主の紅椿夜行と出会ったことで人生が激変する。幻想的な和風ファンタジー風の世界観で、あやかしと人々が抱える交流や確執と共に、周囲から虐げられてきた菜々緒が幸せを手にする姿を描いたシンデレラストーリー。

ヒロインはあやかしに攫(さら)われた薄幸少女

ヒロインの白蓮寺菜々緒は高い霊力を持つことから、白蓮寺の跡取りである白蓮寺麗人の許嫁(いいなずけ)として大切に育てられてきたが、あやかしに襲われたことで「傷モノ」となり、猿面で顔を隠しながら屈辱の日々を送っていた。里の人々から差別され、言葉を発することすら禁じられた菜々緒の窮地を救ったのは、危険なあやかしを狩る「皇國の鬼神」として知られる紅椿家の当主、紅椿夜行だった。夜行は菜々緒の霊力の高さに興味を抱くと共に、猿面に隠された彼女の美しさや健気な姿に一目惚(ぼ)れし、その場で娶(めと)ることを宣言する。清廉潔白を重視する白蓮寺家とは異なり、人間に友好的なあやかしは仲間として受け入れるという、共存共栄の考えを持つ夜行は、あやかしに襲われて傷モノになった菜々緒の過去は問わず、一人の人間として受け入れている。

幸せな日々の中で判明する紅椿家の秘密

皇都に洋風の屋敷を構える紅椿家へ迎え入れられた白蓮寺菜々緒は、紅椿夜行と共に過ごす平穏な日々はかけがえのないものとなっていた。だが一方で、菜々緒は「傷モノ」扱いされてきた自分を見初めた夜行の真意がわからずにいたが、実はただの霊力目当てだけではなく、紅椿家や夜行自身の抱える複雑な過去が関係していた。過去にトラウマを抱えるという共通点でつながった二人は、心の傷を認め合い克服しながら、お互いを必要な存在として認識するようになる。ようやく手に入れた幸せの中で明らかになる夜行の過去や、菜々緒を虐げてきた白蓮寺家の人々のその後も描かれている。

登場人物・キャラクター

白蓮寺 菜々緒 (びゃくれんじ ななお)

大和皇國をあやかしから守護する陰陽五家の一つである、白蓮寺家の分家に生まれた少女。希少な霊力を持って生まれたことで大切に育てられ、本家の跡取りである白蓮寺麗人と婚約を交わしていた。しかし従姉の白蓮寺暁美の策略にはまり猩猩(しょうじょう)に攫われ、額にあやかしから妖印を刻まれたことで婚約を破棄される。それからは「傷モノ」として虐げられるようになり、両親にも見捨てられ、白蓮寺家の雑用係を務めている。麗人の指示で猿面で顔を隠し、言葉を発することも禁じられているが、素顔はかなりの美少女。料理が得意で、暁美に命じられ麗人の朝食作りを担当していた。ある日、麗人の赤ん坊があやかしに襲われた事件で犯人扱いされた際に紅椿家の当主、紅椿夜行に窮地を救われ、その高い霊力と人柄を夜行に見初められ紅椿家に嫁ぐことになる。

紅椿 夜行 (べにつばき やこう)

大和皇國をあやかしから守護する陰陽五家の名家、紅椿家の当主を務める青年。艶やかな黒髪の美丈夫で、黒い軍服をまとっている。人に害をなすあやかしを、百鬼を従えて狩る姿から「皇國の鬼神」と呼ばれている。紅椿家では「後鬼」をはじめとする多数の式神やあやかしを使役している。白蓮寺家で「傷モノ」として虐げられ、惨めな生活を送っていた白蓮寺菜々緒の窮地を救うと共に、彼女の美しさと希少な霊力に惹(ひ)かれ、その場で娶ることを宣言する。紅椿本家に菜々緒を連れ帰り、あやかし退治を続けながら彼女と幸せな生活を送っている。すべてのあやかしを忌み嫌う白蓮寺家とは対照的に、紅椿家はあやかしと共存し、忠誠を誓う者たちはたとえあやかしであっても家族のように迎え入れている寛大な心の持ち主。

クレジット

原作

友麻 碧

書誌情報

傷モノの花嫁 ~虐げられた私が、皇國の鬼神に見初められた理由~ 3巻 講談社〈KCx〉

第1巻

(2023-10-30発行、 978-4065332344)

第2巻

(2024-01-30発行、 978-4065342329)

第3巻

(2024-04-30発行、 978-4065352083)

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