概要
心臓を患っている母と暮らす清太と節子の兄妹。母と空襲で離ればなれになった二人は、避難所の学校で、変わり果てた姿になった母と対面するが、母の死を妹にうまく伝えられない清太。兄妹は遠縁の叔母宅に身を寄せた。
生活が苦しくなっていくごとに清太たちと叔母は対立するようになり、ある日兄妹は叔母の家を出、わずかの家財道具をリヤカーに積み、川辺の防空壕へ住みつく。電気代わりに蛍を集め灯火にする、水入らずの貧しくとも楽しい生活を送るが、次第に食糧にも事欠き、幼い節子の体も栄養失調のため日に日に弱っていく。
登場人物・キャラクター
清太 (せいた)
14歳。海軍の大佐を父に持つ。母を失った事から妹の節子と共に西宮に住む親戚に引き取られるが、叔母との仲が険悪になり、節子を連れて家を出る。
清太と節子の母 (せいたとせつこのはは)
『火垂るの墓』の登場人物の一人。兄妹の母。心臓が悪い。気だてのいい女性。防空壕に逃げる途中で空襲に遭い重症を負ってしまう。
叔母さんの娘 (おばさんのむすめ)
『火垂るの墓』の登場人物の一人。女学生。三つ編みの清楚な印象の少女。節子に下駄をプレゼントする、自分たち家族と清太と節子の待遇の差を付ける母の行動に心を痛めている。
節子 (せつこ)
『火垂るの墓』の登場人物の一人。清太の妹。4歳。明るく、父や母、兄が大好き。食糧など、手に入りようのないものなどに対し、わがままな一面も持っている。
清太と節子の父 (せいたとせつこのちち)
『火垂るの墓』の登場人物の一人。兄妹の父で海軍大佐。連合艦隊に所属している巡洋艦の艦長。清太は父が生きて帰ってくると信じていたが、父の所属する連合艦隊は全滅した。回想シーンと写真で登場する。
親戚の叔母さん (しんせきのおばさん)
『火垂るの墓』の登場人物の一人。西宮に住む、清太節子の親戚。兄妹2人を引き取る。当初は好意的にだったが、学校や勤労に行かずブラブラしている清太とわがままな節子に嫌気が差し、2人を邪険に扱うようになる。