生贄投票

生贄投票

江戸川エドガワの代表作。原案は葛西竜哉がエブリスタにて公開していた同名作品。現代日本の高校を舞台に、突如送り付けられてきた謎のアプリに翻弄される今治美奈都をはじめとする高校生たちの戦いや、生贄投票にまつわる惨劇を描いた反道徳学園サバイバル。私立柳沢高校2年C組のクラス全員のスマホに突然、「生贄投票」という制作者不明のアプリが表示され、この生贄投票で選ばれた人物は、破廉恥な動画や情報が拡散される「社会的死」が与えられる。集英社「eヤングマガジン」2015年51号から2018年37号にかけて連載された作品。

正式名称
生贄投票
ふりがな
いけにえとうひょう
作者
ジャンル
サバイバル
 
サスペンス
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
全7巻完結
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クラス全員を巻き込んだ生贄投票

本作の主な舞台となる私立柳沢高校の2年C組は、容姿や成績によっていくつかのグループに分けられ、自然とクラス内やグループ内で序列ができている。クラスの女王的な立場にある入山環奈のグループに属する今治美奈都が、自分の立場を憂いていたある日、彼女を含めたクラス全員のスマートフォンに「生贄投票」のアプリが突然表示されたことで物語が始まる。この生贄投票は、クラスメートの投票をもとに生贄となる生徒が選ばれ、その生徒には「社会的死」が与えられるという、基本ルールが決められている。また、投票のタイミングやルールなどは、アプリ内キャラクター「生贄くん」から一方的に告げられる。

生贄投票で始まるクラスの崩壊と闇

誰かのいたずらだと思いながらも「生贄投票」の名簿に書かれていた生徒にそれぞれが投票し、翌日には入山環奈が生贄に決定してしまう。その後、破廉恥な動画を拡散された環奈は「社会的死」を与えられた末に交通事故で死亡する。このアプリが本物だと確信した今治美奈都は、クラスメートの玉森修太と共に、生贄投票を阻止する手段やアプリを作った犯人を探り始める。生贄投票をきっかけにクラスが崩壊していく様子や、投票が決まるたびに生徒たちに起こる惨劇が、サスペンスや人間ドラマを交えながら展開される。

二階堂ありさと生贄投票開発者の謎

次々と生徒が生贄となる中、今治美奈都は生贄投票と深いかかわりのある女性教師・二階堂ありさについて探り始める。生贄投票はありさの呪いだと宣告されており、生徒の一人がありさの詳細を語り出す。新米教師だったありさは入山環奈からいじめを受け、精神を病んで焼身自殺していた。全員が疑心暗鬼の中でアプリの開発者を突き止める犯人捜しも始まり、美奈都と玉森修太は犯人候補としてクラスメートから疑いの眼差しで見られる。窮地の中で美奈都たちは、アプリを開発した黒幕の正体にせまっていく。

登場人物・キャラクター

今治 美奈都 (いまばり みなと)

私立柳沢高校に通う女子。2年C組に在籍している。クラスの女王である入山環奈のグループに所属する一人だが、彼女の従者のような立場でグループ内での序列は低く、自分に冷たい環奈を心底疎ましく思っていた。ある日、突然スマホに表示された「生贄投票」で環奈に投票する。その結果、環奈が生贄に選ばれて「社会的死」を与えられた末に事故死してしまったことに罪悪感と恐怖心を抱き、玉森修太と共に生贄投票を止める方法を模索している。転校生のため、生贄投票の呪いの原因とされるクラスの元担任・二階堂ありさのことは知らなかった。

玉森 修太 (たまもり しゅうた)

私立柳沢高校に通う男子。2年C組に在籍している。今治美奈都のクラスメート。癖のある短髪で首にヘッドホンをかけている。パソコンやプログラミングに造詣が深く、美奈都と共にアプリ「生贄投票」を阻止する方法を探っている。さらに、生贄投票から与えられた課題をクリアするアプリを開発し、クラスメートに配布するなど、クラスメートを守るために奔走していた。しかし、ほかのクラスメートによる犯人捜しが始まった際に、美奈都と共に疑われる。

クレジット

原案

葛西 竜哉

書誌情報

生贄投票 全7巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2016-05-20発行、 978-4063827934)

第7巻

(2018-11-20発行、 978-4065134429)

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