概要・あらすじ
高畑瞬は退屈に暮らす平凡な高校生だった。ある日彼の居る教室にダルマが現れ、同級生を次々と殺すゲームを開始する。クリアすれば助かると確信した彼は命がけの行動を起こしていく。しかしそれは15~18歳の人間を対象にした世界的な殺人ゲームの一部で、内容は突然現れた神小路かみまろのきまぐれによって決まっていくものだった。
世間はこのゲームに生き残った子供達を神の子と称して祭り上げ、テレビで報道を続けるようになる。ダルマが始めた第一ゲームをクリアした三か月後、再び瞬はゲームの参加者として全国108か所の生き残りと対戦する事となる。仲間を失った瞬は、次第に神への怒りを抱くようになるのだった。
登場人物・キャラクター
高畑 瞬 (たかはた しゅん)
都立みそら高校2年に在籍する16歳の男性。物静かでマイペースな性格から、いつしか日々の生活を退屈だと感じていた。子供時代は回っている自転車の車輪に指を挟んでみたり、蜘蛛の巣にわざと獲物をかけるなど、好奇心を抑えきれず残酷な事を楽しんでいて、高校生になった今も時折当時の事を思い出している。 秀でた才能はないが、土壇場においては、危機を脱するための瞬間的な閃きをする。教室で授業を受けていた時、ダルマが現れてゲームに参加することとなった。好物はみたらし団子。
秋元 いちか (あきもと いちか)
都立みそら高校2年に在籍する16歳の女性で、高畑瞬の仲間となってゲームに挑戦していく。同級生の天谷武は危険人物と恐れていてあまり近づこうとしない。瞬の事が気になっているが、告白できずにいる。極限状態の命の危機にさらされると興奮してしまう性癖を持っているが、周囲には秘密にしている。
天谷 武 (あまや たける)
物や人を壊すことで自分の存在を確認し、それを快感とする危険人物。身体能力、集中力、どれにおいてもずば抜けている。一度集中すると周りが見えなくなり、こけしが開始したゲームでは長縄跳びを7000回ほど飛び続けてしまうほど。他人にはできない型破りな方法で生き残った。同級生の高畑瞬に自分と同じにおいを感じて彼に注目している。 秋元いちかのような女性がタイプらしい。
秋元 クリストファー 健人 (あきもと くりすとふぁー けんと)
都立大天道学園3年、ぽっちゃり系の男性で同学年に友人の奥栄治が居る。アメリカ人の祖父を持ち英語と日本語が喋れる。汗っかきだが不潔なことが嫌いなため、常にタオルで身体を拭いている。こけしが開始したゲームで高畑瞬に助けられ、第一ゲームをクリアした三か月後にはクリスタルAという芸名で歌手デビューしヒットした。 芸能人として活躍する。
奥 栄治 (おく えいじ)
都立大天道学園3年の生き残りで、同学年に友人のクリスが居る。こけしが開始したゲームにより、こけしにされていた所を高畑瞬により助けられた。筋トレが趣味で体力には自信を持っているが、運は低い方である。
平井 翔子 (ひらい しょうこ)
こけしが開始したゲームで高畑瞬に助けられ、それをきっかけに瞬の事を好きになった。優しい性格で巨乳の女性。双子の妹、響子も神の子として後に瞬と出会うことになる。
三神 (みかみ)
巽高校3年の生き残り。ひとつ前のゲームをクリアした後、警察に保護された高畑瞬と同じ病室にいた男性。意識を取り戻した瞬に親切に状況の説明をしている。三神は心のどこかで他人と違う自分が生き残ったことに意味があると感じていた。
城崎 優 (しろさき ゆう)
有名進学校の生き残り生徒で、ひとつ前のゲームをクリアした後、警察に保護された高畑瞬と同じ病室にいた男性。ルービックキューブを早く組み立てる事が得意。自分は神に選ばれた存在だと確信している。
前田 小太郎 (まえだ こたろう)
盤多院高校1年の生き残り。こけしが開始したゲームにより、こけしにされていたところを秋元いちかにより助けられた。小柄で運動神経は良くないが、クイズやパズルが得意。
真田 ユキオ (さなだ ゆきお)
しょうべんこぞうが開始したゲームで高畑瞬のグループと敵対していた男性。双子の兄とペアで、高い身体能力を駆使してゲームを勝ち進んでいたが、なんでも命令してくる兄のことが嫌いだった。後に瞬たちの仲間となり、試練に挑戦していく。
奥平 忠勝 (おくひら ただかつ)
テレビコメンテーターをしている男性で、神の子の存在が明確になるにつれて「神の子研究家」を名乗り奇抜な洋服を着て彼らを信仰するようになる。しかしテレビ視聴者からペテン師と批判を受け始め、出演番組を下ろされてしまうが、奥平は神小路かみまろの正体を知っている人物で、同じく神小路かみまろの正体を探っているタクミと出会う。
タクミ
ダルマのゲームからネットを通して神の子の実況を見ている。元暴走族だが、二次元美少女の世界に魅力を感じてヒキオタになってしまった男性。過去にイベントで自分が買った同人誌のなかに、神小路かみまろの名前があったことを思い出すと、神の子研究をしているらしい奥平忠勝に会いに行くため家を出る。
神小路 かみまろ (かみのこうじ かみまろ)
正体不明の男性で、何者かの手で、人間だった彼は神の力を得て、ダルマ、こけし、しょうべんこぞうらを操りゲームを進行している。飽きっぽく、気ままに種目を決めている事が多い。過去に親戚のコネで歌手としてCDデビューするものの、人気が出ず、その後の生活は不明。唯一、人間だった時にタクミの参加したイベンで同人誌を3冊ほど出していたことが判明している。 高畑瞬と天谷武のコンビを面白がっていた。
ダルマ
高畑瞬が初めてクリアしたゲーム「だるまさんがころんだ」を進行していた。見た目は赤色の張子で作られたダルマそっくりだが、喋ったり殺人光線を放つことができる。後ろにボタンがついていて、制限時間内にそれを誰かが押せばゲームはクリアとなる。ゲームが終わった後に研究機関で解析されるが、地球上に無い物質でできていると判明した。
こけし
高畑瞬が参加した「かごめかごめ」を進行していた。成人男性ほどの大きさで動いて喋る。見た目は木製の人形、こけしそのもので、胴体にそれぞれ違った名前が書かれている。3体で行動し、生存者を遊びに誘ってかごめかごめを行う。生存者は自分の後ろにどのこけしがいるか当てれなければ殺されてしまう。 長縄跳びを始めるこけしに出会うと、仲間と100回同時飛びしなければならない。えんがちょという特別なこけしは、徘徊していて一人ぼっちの人間を見つけると、その人物をこけしに変えてしまう力をもつ。
しょうべんこぞう
高畑瞬が参加した「綱引き」を進行していた。放尿する少年を模した喋る像で、胸に忍耐と書かれている。銃弾のようなものを飛ばすこともでき、綱引きに負けるとそれによって殺されてしまう。
その他キーワード
神の子 (かみのこ)
『神さまの言うとおり』に登場するスラング。インターネットから世間に広まった言葉。神小路かみまろの行ったサバイバルゲームで生き残った15~18歳の子供たちの呼び名。全国に108組み存在し、最後に全員が集められてゲームに挑戦する。そこで生きのこれば次の神の座が与えられる。
クレジット
- 原作
続編
神さまの言うとおり弐 (かみさまのいうとおりに)
金城宗幸(原作)、藤村緋二(漫画)コンビの代表作『神さまの言うとおり』の第弐部。現代の日本、ごく普通の高校が舞台。ある日の朝、ホームルームで教師の頭が突然爆発。代わりに大きな「だるま」が現れ、一方的に... 関連ページ:神さまの言うとおり弐
書誌情報
神さまの言うとおり 5巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2011-07-08発行、 978-4063845150)
第2巻
(2011-11-09発行、 978-4063845754)
第3巻
(2012-04-09発行、 978-4063846393)
第4巻
(2012-08-09発行、 978-4063847147)
第5巻
(2012-12-07発行、 978-4063847925)