ゾンビに囲まれたショッピングモールが舞台
本作の舞台となるのは、成田空港に到着した乗客が持ち込んだ謎のウイルスが瞬く間に感染拡大した千葉県。そこには、ゾンビのような感染者があふれかえっていた。ゾンビばかりの街中から大型ショッピングモールに避難した女子高校生・水上梨々をはじめとする六人の若者が、命の危機すらせまる中でゾンビの撃退方法を模索するのではなく、恋愛に夢中になっていた。極限状態で繰り広げられる若者同士の異様な恋物語を描いた、新感覚サバイバルラブコメディ。
主人公はソフトボール部に所属する女子高校生
主人公の水上梨々は、房総高校ソフトボール部に所属する女子高校生。バットを振り回しながら果敢にゾンビに立ち向かう梨々は、政治家の娘という意外な一面を持つ。そんな梨々は県境が封鎖されたショッピングモールで七人の若者と出会い、互いに協力しながらサバイバル生活を送り、時には命懸けでゾンビと戦う危険な日々を送っていた。ゾンビに囲まれていること以外は、安全と食糧が確保されたショッピングモールは快適な環境だったが、閉鎖された空間に居たのは楽天的な配信者の樫本ビースト、おしゃれな菜食主義者の村濱雫、謎多き会社経営者のれんれんなど、一筋縄ではいかない個性的な人物ばかりだった。
閉鎖空間で繰り広げられる若者たちの恋愛模様
年齢も職業も違う六人の男女は、「いつ死ぬかわからない状況だからこそ恋がしたい」という吊り橋効果のような心理現象から、気になる異性との関係を深めていく。当初から恋愛に興味がないと言い張っていた水上梨々だったが、異様なサバイバル生活の中でメンバーの一人に興味を持たれたことや、ほかのメンバー同士の恋愛や秘密を知るにつれ、色恋沙汰に翻弄されることとなる。それぞれの本音と恋の模様が見え隠れする極限の状況下で、ゾンビパンデミック×シェアハウスラブコメディが楽しめる。また、次々と絶望的な危険がせまる緊張感と、閉鎖空間での共同生活を経て徐々に明かされていく、梨々たちの意外な生い立ちや秘密も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
水上 梨々 (みずがみ りり)
房総高校に通う女子。眼鏡をかけている。年齢は17歳。ソフトボール部に所属しており、ジャージを身につけている。何かと体育系の思考の持ち主で、日常的に体を鍛えている。ゾンビが現れても逃げようとせず立ち向かうなど、人一倍の勇敢さを誇る。また危機管理能力に優れ、被害を抑えるための策を講じることから、れんれんからも頼りにされている。ゾンビとの戦いではバットを武器に使用し、ゾンビをボールに見立ててフルスイングしている。恋愛の経験はまったくなく、東大生の柏正太郎と二人きりになっただけでときめいていた。非常事態にもかかわらず、恋愛の話で盛り上がる、取り残されたメンバーを鬱陶しく思うこともある。持ち前の男気から、グループのマドンナ的な存在の村濱雫からあこがれられており、このことが余計に恋模様をややこしくする一因となっている。
れんれん
会社の社長を務めている青年。年齢は25歳。千葉県のショッピングモールに逃げ込んだ人たちの前では「れんれん」という名を自称しており、本名は不明。リーダーシップに優れているが、それを鼻にかけることなく、仲間たちからの信頼は厚い。水上梨々の視野の広さや危機管理能力を高く評価しているが、梨々からはライバル視されている。また、大人の余裕を節々で見せることから、平坂亮からは恋敵として認識されている。
書誌情報
生き残った6人によると 全6巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉
第1巻
(2021-09-15発行、 978-4047366381)
第2巻
(2021-10-15発行、 978-4047367708)
第3巻
(2022-05-13発行、 978-4047370517)
第4巻
(2022-12-15発行、 978-4047371811)
第5巻
(2023-07-14発行、 978-4047374829)
第6巻
(2024-04-15発行、 978-4047379367)