あらすじ
第1巻
闘神士は、遙かな昔より、人々を妖怪や魔物の手から守るために戦ってきた。その闘神士であった父親、吉川モンジュに憧れ、彼に反対されながらも、自らも闘神士になりたいと願っていた吉川ヤクモは、日々自己流の修行を行っていた。そんなある日、モンジュの師でもある闘神士、マホロバが、より強い力を手に入れるために、禁忌とされる逆式を行ったことが判明する。その事実をいち早く察知したモンジュは、儀式を未然に防ごうとマホロバの封印を試みるが、その時すでに術は完成していた。そしてマホロバは若返り、式神の力を自らに取り込んでしまう。窮地に追いやられたモンジュを救うため、ヤクモは闘神機を手に取って式神、白虎のコゲンタと契約を交わす。しかし未熟なヤクモではマホロバに一矢を報いることもできず、モンジュは石化され、封じられてしまう。
第2巻
地球そのものの力である太極神を手に入れるため、マホロバ一派は戦国時代の本能寺、明治初頭の会津などで歴史を歪め、刻の御柱を出現させようと働きかけていく。それを阻止するための戦いの中、闘神士として成長した吉川ヤクモの力に耐えきれず、闘神機が砕けてパートナーの式神、白虎のコゲンタが消えてしまう。そんなヤクモのもとに、名落宮から芽吹のバンナイが、「コゲンタが待っている」と言って迎えに現れる。芽吹のバンナイに導かれて名落宮に訪れたヤクモは、玄武のラクサイから、力が強すぎるゆえに封印された零神操機を使用するよう勧められるのだった。
第3巻
会津での戦闘以来、マホロバは忽然とその姿を消していた。そんな彼が鬼哭岳にいると知った吉川ヤクモは、北条ナナを伴って現場へと駆けつける。しかし、そこにはマホロバ一派の四転王、ウンリュウの配下、マシラが待ち受けていた。なんとかマシラとそのパートナー、榎のサネマロを退けたヤクモは、そこで逆式の力をさらに強めたマホロバが、ウンリュウを捕食する場面を目の当たりにする。さらなるパワーアップを果たしたマホロバの一撃によって、ヤクモは消し飛ばされそうになるが、そんな彼を救ったのは四転王の一人であるはずのナギであった。そしてヤクモは、ヤクモの父親、吉川モンジュとマホロバの過去を聞かされることになる。
単行本の装丁
表紙イラストは毎回、吉川ヤクモと白虎のコゲンタがメインに描かれており、コミックス第3巻のみ吉川モンジュを加えたものとなっている。ちなみにカバー下の本体表紙には、毎回カバーと同じ構図で、別のパートナーコンビが描かれている。それぞれの内容は、第1巻はマホロバと白虎のランゲツ、第2巻は北条ナナと豊穣のネネ、第3巻はツクヨミと青龍のコタロウおよびナギと霜花のオニシバ。
関連商品
携帯ゲーム
2003年、バンダイより赤外線通信対戦携帯型液晶ゲーム機「陰陽大戦記」が発売された。ボールのような形をしており、闘神機本体を移動させて印を入力し、式神の召喚や技の入力などを行う。本作漫画版『陰陽大戦記』やTVアニメ版は、もともとこの携帯ゲームをベースに展開されたもの。後継機として「神操機」シリーズも販売されており、本作で吉川ヤクモが使用している零神操機も「源流零神操機」として販売されている。
メディアミックス
TVアニメ
2004年秋から1年間、テレビ東京系列にて、TVアニメ版『陰陽大戦記』が放送された。漫画版の数年後という設定で、主人公は「太刀花リク」で、彼が白虎のコゲンタの新しいパートナーとなっている。漫画版の主人公である吉川ヤクモは17歳となっており、TVアニメ版の世界では、伝説の闘神士として知られる存在。太刀花リク役を福山潤、白虎のコゲンタ役を相田さやか、吉川ヤクモ役を森田成一がそれぞれ演じた。
登場人物・キャラクター
吉川 ヤクモ (よしかわ やくも)
物語開始当初、小学5年生の少年。白虎のコゲンタのパートナー。吉川モンジュの息子。闘神士に憧れつつもモンジュには反対されており、ごく普通の小学生として過ごしていた。マホロバによって窮地に立たされたモンジュを助けようと白虎のコゲンタと契約し、闘神士となった。闘神士としての修行を受けていなかったため、当初は白虎のコゲンタと言い争うこともあった。 しかしノブナガとの出会いや、モンジュから譲り受けたプロテクターの封印を解いたことをきっかけに、白虎のコゲンタとは厚い信頼関係を築くようになった。正義感が強く、マホロバの掲げる独善的な正義に、真っ向から異を唱える。また北条ナナやナギなど、それまで敵対していた相手であっても、一度仲間と認めれば、非常に篤い友情を寄せる。 白虎のコゲンタを心から信頼しており、闘神機が崩壊した際には、白虎のコゲンタと再び会うために全力を尽くした。またナナが転校して来た際には、小学6年生に進級している。
白虎のコゲンタ (びゃっこのこげんた)
吉川ヤクモとパートナーとしての契約を交わした式神。白虎(びゃっこ)族の少年であり、人間に近い体を持っているが、全身が白く、濃紺の縞模様があり、獣足と虎耳を備えている。また白虎のコゲンタ曰く、白虎族は信頼を司る式神とされている。以前はヤクモの父親である吉川モンジュのパートナー「白虎のアカツキ」として契約していた。 ところが、最凶の妖怪と呼ばれる「百鬼夜行」を倒すため、一度人間界での命を使い果たしてしまい、二度とモンジュとは契約できなくなっていた。ヤクモと契約した当初は、闘神士としての修行を受けていない彼を叱責しながらも、モンジュの息子という理由から体を張って守っている。豊穣のネネや榎のサネマロなど、「白虎のアカツキ」と呼ばれていた頃から顔見知りの式神が多い。
吉川 モンジュ (よしかわ もんじゅ)
吉川ヤクモの父親にして、白虎のコゲンタの前パートナー。現在は太白神社の宮司に専念しているが、以前は闘神士としてマホロバに師事していた。本来なら四転王に五人目の「土行王」として迎えられるはずだったが、マホロバが世界から悪を滅し、善だけを残そうと活動を始める際に「世界のバランスを崩し、罪のない人間まで傷つける結果になる」として離反した。 マホロバを止めようとしたが、力及ばず太白神社の隠し神殿に、石柱として封印された。かつて白虎のコゲンタ(当時は「白虎のアカツキ」と呼ばれていた)を失った悲しみから、ヤクモに同じ思いをさせまいと、ヤクモには闘神士としての修行を一切課していなかった。しかし、蔵の中に封印したうえで残していたプロテクターには、太極文字で「ヤクモへ贈る」と記されており、内心では闘神士となってくれるよう期待していたことが窺える。
イヅナ
太白神社に詰めている闘神巫女。長い黒髪を、腰の辺りで二つに結っている。つねに敬語を用いて話し、年若い少女に見えるが、実は二輪免許を持てる年齢。吉川モンジュのサポート役として活動していたが、モンジュが封印されてからは、吉川ヤクモの教育係として食事の準備なども行っている。刻渡りの鏡を利用し、闘神士を過去と現在を行き来させることができる。
モモタ
桃のマークがついた鉢巻をつけた老人の闘神士。モモスケの祖父で、カゲロウに襲われたモモタの村におり、刻渡りの鏡によって転送された吉川ヤクモと出会った。雷火のフサノシンをパートナーとしており、モモスケに案内されて駆けつけたヤクモと共に、カゲロウと黒鉄のフジを撃破した。また各時代に太極神が降り注いだ際には、雷火のフサノシンと共に参戦している。
雷火のフサノシン (いかずちのふさのしん)
モモタのパートナーを務める式神。雷火(いかずち)族の男性で、人間に近い体を持っているが、雉に似た頭部と、腕にはカラフルな翼が備わっている。モモタの村を襲ったカゲロウ、黒鉄のフジを撃破するため、白虎のコゲンタと連携して囮役を買って出た。また各時代に太極神が降り注いだ際には、モモタと共に参戦している。
モモスケ
モモタの孫の少年。刻渡りの鏡によってモモタの村近くの川に転送された吉川ヤクモが、最初に出会った人物。ヤクモが手に持っていた闘神機を見て闘神士と察し、助力を求めてヤクモを村まで案内した。
ツクヨミ
ポニーテールの青年武士で、闘神士。チヨの兄でもある。マホロバやナギ、凝寂のエビヒコ、秋水のエレキテルに襲われた明治初頭の会津におり、刻渡りの鏡によって転送された吉川ヤクモと出会った。青龍のコタロウをパートナーとしており、闘神機を持っていない代わりに、闘神符を自在にあやつることができる。 官軍に追われていたチヨを助けたヤクモたちと共に、刻の御柱を倒そうとするマホロバ達に立ち向かった。函館にも居合わせ、ヤクモ、ナギらと共にマホロバに立ち向かった。
青龍のコタロウ (せいりゅうのこたろう)
ツクヨミのパートナーを務める式神。青龍(せいりゅう)族の男性で、人間に近い体を持っているが、東洋の龍に似た頭部と、片肌を開けて着用した着物の下に鱗柄の装備を身につけている。吉川ヤクモと白虎のコゲンタをマホロバのもとへ向かわせるため、秋水のエレキテルの相手を申し出た。明治初頭の函館にも居合わせ、ヤクモ、ナギらと共にマホロバに立ち向かった。
チヨ
ツクヨミの妹。刻渡りの鏡によって明治初頭の会津に転送された吉川ヤクモが最初に出会った人物。官軍に追われていたところをヤクモに助けられる。これがツクヨミとヤクモが出会い、共闘するきっかけとなった。
芽吹のバンナイ (めぶきのばんない)
パートナーを持たない式神で、玄武のラクサイの弟子。芽吹(めぶき)族だが性別は不詳で、トカゲに似た頭部を持つ。名落宮で太極神の研究をしている。闘神機の崩壊により、パートナーの白虎のコゲンタを召喚できなくなった吉川ヤクモを、名落宮へと招いて玄武のラクサイに面会させた。また玄武のラクサイがシラヌイを危険視して、自らと共に名落宮の奥底へと封印した際、ヤクモ達を見守り続けると約束した。
玄武のラクサイ (げんぶのらくさい)
パートナーを持たない年老いた男性の式神で、芽吹のバンナイの師匠。玄武(げんぶ)族で、亀に似た頭部を持つ。名落宮で太極神の研究をしている。闘神機の崩壊により、パートナーの白虎のコゲンタを召喚できなくなった吉川ヤクモを名落宮へ招き、零神操機を授けた。その直後、名落宮に乱入して来たシラヌイを危険視し、芽吹のバンナイにあとを任せて、自らと共にシラヌイを名落宮の奥底へと封印した。
北条 ナナ (ほうじょう なな)
小学6年生の少女で、豊穣のネネのパートナーを務める闘神士。小学6年生に進級した吉川ヤクモのクラスに転校して来た。吉川モンジュによって北条の父親を殺害されたと思い込んでおり、姉の北条マリとそのパートナーである豊穣のルリと共に、ウンリュウの力を借りて、ヤクモとモンジュへの復讐を目論んでいた。 しかし、クチキがヤクモ達もろともにナナの命も狙ってきた際に疑問を持ち、ヤクモと共闘するようになっていく。なお、一度豊穣のネネを失う形でパートナーを解消しているが、各時代に太極神が降り注いだ際には、豊穣のルリをパートナーとして参戦している。
豊穣のネネ (ほうじょうのねね)
北条ナナのパートナーをしている式神で、豊穣のルリの妹。豊穣(ほうじょう)族の少女で、他の式神たちと比べても特に人間に近い体を持っているが、頭部には猫がついており、長い尻尾も備わっている。白虎のコゲンタが「白虎のアカツキ」と呼ばれていた頃に共闘したことがある。ナナが吉川ヤクモと敵対していた時には、ナナに従い白虎のコゲンタとも敵対していたが、ナナとヤクモが共闘するようになってからは積極的に協力するようになる。 榎のコンゴウに倒され、ナナとパートナーを解消したが、各時代に太極神が降り注いだ際には、北条マリをパートナーとして参戦している。
北条 マリ (ほうじょう まり)
北条ナナの姉であり、豊穣のルリのパートナーを務める闘神士の女性。吉川モンジュによって北条の父親を殺害されたと思い込んでおり、妹のナナとそのパートナーである豊穣のネネと共に、ウンリュウの力を借りて、吉川ヤクモとモンジュへの復讐を目論んでいた。ウンリュウに忠誠を誓っていたが、実際に父親を殺したのがウンリュウだと知って反逆。 その際に豊穣のルリを失う形でパートナーを解消しているが、各時代に太極神が降り注いだ際には、豊穣のネネをパートナーとして参戦している。
豊穣のルリ (ほうじょうのるり)
北条マリのパートナーをしている式神で、豊穣のネネの姉。豊穣(ほうじょう)族の女性で、ほかの式神達と比べても特に人間に近い体を持っているが、頭部にはペルシャ猫の耳がついており、毛足の長い尻尾も備わっている。白虎のコゲンタが「白虎のアカツキ」と呼ばれていた頃に会ったことがある。マリに忠実に従っており、マリが豊穣のネネを見捨てることを前提とした作戦を立てた際にも、顔色一つ変えずに実行しようとしていた。 榎のコンゴウに倒され、ナナとパートナーを解消したが、各時代に太極神が降り注いだ際には、北条ナナをパートナーとして参戦している。
北条の父親 (ほうじょうのちちおや)
北条ナナと北条マリの父親で、闘神士だった男性。吉川モンジュに師事したためウンリュウに目をつけられ、モンジュの動向を探らせるスパイとしてスカウトされていた。しかしマホロバへの協力を拒んだため、ウンリュウによって殺害された。
ウシワカ
水干をまとった少年。刻渡りの鏡によって平安時代の鞍馬山に転送された吉川ヤクモと出会った。闘神士を育てる修行場で匿われている。ゲンジの後継者として闘神士の素質を持っているが、ヘイケに対する敵愾心が邪魔をして心の強さを持てない。そのため、なかなかパートナーとなる式神を呼び出せず、それをコンプレックスとしていた。 自尊心が高く、周囲を見下していたので、仲間からは守るべき対象と認識されながらも、浮いた存在であった。他人を守るために奮闘するヤクモの背中を見て、心の強さを獲得し、椿のゴロウザをパートナーとすることに成功する。各時代に太極神が降り注いだ際には、椿のゴロウザと共に参戦している。実在の人物、源義経がモデル。
椿のゴロウザ (つばきのごろうざ)
ウシワカのパートナーを務める大柄な式神。椿(つばき)族の男性で、人間に近い体を持っているが、ツキノワグマの頭部を持っており、僧兵を思わせる衣装をまとっている。ウシワカに召喚されることを待ちわびており、初めて召喚された際にもウシワカに忠誠を誓う態度を示した。各時代に太極神が降り注いだ際には、ウシワカと共に参戦している。
ノブナガ
壮年の武士。刻渡りの鏡によって天正10年の本能寺に転送された吉川ヤクモと出会った。完全に包囲されていると悟り、下男下女を逃がした。ランマルから、マホロバが力を得るためにも、生き延びさせると告げられる。しかし、小姓であるランマルが、得体の知れない人間に懐柔されているのに、それを見抜けなかったので、彼に不快を示し、自らが切り開けない未来には興味がないと、はっきりと断った誇り高い性格。 最期は本能寺の中で、「敦盛」を舞いながら炎に包まれていった。実在の人物、織田信長がモデル。
マホロバ
闘神士の老人。太極神の力を得るために逆式を利用し、パートナーである白虎のランゲツを取り込んだ。もともと、吉川モンジュの師匠として、人間を守る戦いに身を投じていたが、この世の影である悪の部分が増大していくばかりの人の世に絶望。悪を滅して正義だけを残す「白き世界」の実現のために、太極神の力を手に入れようとしている。 その一環として式神を取り込む逆式を行い、その副作用で若返った姿となっている。太極神を呼応させるために各時代で歴史を歪ませ、刻の御柱を出現させようと、四転王らを使って働きかけている。一度でも失敗した者は、部下といえども取り込み、マホロバ自身の力に変える冷酷さを持つ。会津で刻の御柱を倒す際に力を使い果たして姿を消すが、のちに逆式を逆に利用した白虎のランゲツによってマホロバ自身が取り込まれ、魂すら消滅してしまったことが判明する。
白虎のランゲツ (びゃっこのらんげつ)
マホロバのパートナーを務める大柄な式神。白虎のコゲンタと同じ白虎(びゃっこ)族の男性だが、体毛は全体に黒を基調としており、縞模様がねじれている。また「白虎族は信頼を司る式神」と自称する白虎のコゲンタには一度も「信頼」を口にしておらず、パートナーであるマホロバを取り込んで、太極神の力を意のままにしようと企むなど、本来の性質に反した行動が目立つ。 これらについて詳細は明かされないものの、すべてにおいて何らかの理由がある模様。
凝寂のカニエモン (ぎょうじゃくのかにえもん)
かつてマホロバのパートナーの一人だった式神。凝寂(ぎょうじゃく)族の男性。ヘイケガニに似た体に、中国の官服のようなものをまとい、頭部は潜水マスクのようなものを装着しているため、つねに呼吸音がする。洞窟の中で逆式を行うマホロバに邪魔が入らぬよう、吉川モンジュの前に立ちはだかった。
青錫のツクモ (あおがねのつくも)
かつてマホロバのパートナーの一人だった式神。青錫(あおがね)族の男性で、オケラの頭部を持っているが、どこかサイボーグ的な雰囲気がある。洞窟の中で逆式を行うマホロバに邪魔が入らぬよう、吉川モンジュの前に立ちはだかった。
消雪のマガホシ (しょうせつのまがほし)
逆式によってほぼ白虎のランゲツに取り込まれてしまったマホロバが、パートナーの一人として呼び出した式神。消雪(しょうせつ)族の男性で、サメの頭部を持っており、左目の上に大きな十字の傷跡がある。函館においてツクヨミ、青龍のコタロウと戦闘を行い、あと一歩というところでツクヨミに動きを封じられ、敗北した。
赤銅のミソヒト (あかがねのみそひと)
逆式によってほぼランゲツに取り込まれてしまったマホロバが、パートナーの一人として呼び出した式神。赤銅(あかがね)族の男性で、頭部はヘラクレスオオカブトとなっており、巨大な2本の角を持っている。また上半身に着込んだ甲冑には大きく桜の花が描かれている。好戦的な性格をしており、攻撃も力任せ。函館において白虎のコゲンタと戦闘を行っている最中、霜花のオニシバに撃破された。
柊のトウベイ (ひいらぎのとうべい)
逆式によってほぼランゲツに取り込まれてしまったマホロバが、パートナーの一人として呼び出した式神。柊(ひいらぎ)族であり、ウサギの頭部を持っている。性別不詳だが、ピエロを思わせる目元の化粧、装束が特徴。冷静で言葉遣いも上品だが、音もなく背後から攻撃を仕掛けるなど、卑怯な一面を持つ。函館において霜花のオニシバと戦闘を行い、彼を満身創痍になるまで追い詰めたが、最終的には撃破された。
カゲロウ
マホロバの部下で、四転王の男性。五行の理の中でも金行を最も得意とする「金行王」と称される闘神士であり、黒鉄のフジをパートナーとしている。忍装束の上から防具やヘッドギアをつけている。シラヌイを単細胞だと馬鹿にしており、吉川ヤクモを排除して力を見せつけようと、モモタの村にヤクモ達をおびき出した。 しかし、あえなく敗北して帰還し、マホロバに取り込まれた。実在の人物、服部半蔵がモデル。
黒鉄のフジ (くろがねのふじ)
カゲロウのパートナーを務める無口な式神。黒鉄(くろがね)族の男性で、頭部にクワガタの角をもした兜を被り、上半身には甲冑を着込んでいる。分身や変わり身など、忍術に似た攻撃を用いて戦う。モモタの村で白虎のコゲンタたちと対戦した際には、変わり身を用いた技を多用しすぎ、雷火のフサノシンを囮とした対策を取られて敗北した。
シラヌイ
マホロバの部下で、四転王。五行の理の中でも火行を最も得意とする「火行王」と称される闘神士であり、癒火のツルヤッコ、大火のムミョウ、雷火のジョニザと複数のパートナーを持っている。血の気の多い猪突猛進な性格で、カゲロウには「単細胞」「バカ」と評されている。マホロバに忠誠を誓っているわけではなく、ただ強い相手と戦うことを望んでいる。 白虎のコゲンタを失った吉川ヤクモの息の根を止めるため、刻渡りの鏡を連続使用しているうちに名落宮に辿り着く。ヤクモが白虎のコゲンタを取り戻しているのを目にして、喜んで戦闘を仕掛けた。式神同士での戦闘で勝負が決したあとも、素手でヤクモを殺害しようとしたが、その行動を危険視した玄武のラクサイによって、名落宮の奥深くに封印された。 実在の人物、宮本武蔵がモデル。
癒火のツルヤッコ (いやしびのつるやっこ)
シラヌイのパートナーを務める式神。癒火(いやしび)族の女性で、鼻から上が鶴、両腕が翼となっている。針を用いて戦う。名落宮で大火のムミョウと共に白虎のコゲンタに挑んだが、一撃で撃退された。
大火のムミョウ (おおびのむみょう)
シラヌイのパートナーを務める式神。大火(おおび)族の男性で、目元を布で覆い、両腕がコウモリの翼手となっている。相手を暗闇に引きずり込み、視界を奪って攻撃する。名落宮で癒火のツルヤッコと共に白虎のコゲンタに挑んだが、一撃で撃退された。
雷火のジョニザ (いかずちのじょにざ)
シラヌイのパートナーを務める式神。雷火(いかずち)族の男性で、バンダナを巻いたハクトウワシの頭部と、人間の腕を持っているが、上腕に翼が生えている。自分の力に絶大な自信を持ち、シラヌイとはたびたび衝突しているものの、猪突猛進な性格が一致しているため、息の合った攻撃を繰り出す。零神操機を手に入れたばかりで、うまく戦えずにいた白虎のコゲンタを、あと一歩のところまで追い詰める。
ウンリュウ
マホロバの部下の四転王。五行の理の中でも木行を最も得意とする「木行王」と称される闘神士であり、榎のコンゴウをパートナーとしている。四転王の中でも特にマホロバに心酔しており、自らの命をも省みないほどの忠誠を誓っている。吉川モンジュを疎ましく思い、行動を監視するため、北条の父親をスパイとしてスカウトしていた。 その企みは失敗に終わったものの、モンジュが父親を殺害したと勘違いした北条マリ、北条ナナの姉妹を丸め込む口の巧さも持つ。またクチキやワクラバ、マシラなど、多くの部下を従えている。会津侵攻以降姿を消したマホロバを心配するあまり、マホロバ死亡説を唱えたナギと一触即発の状況にもなった。 のちに逆式が不完全なため闘神士の魂を求めるマホロバの訴えに応じ、自ら魂を捧げた。
榎のコンゴウ (えのきのこんごう)
ウンリュウのパートナーを務める男性の式神。榎(えのき)族の男性で、ゴリラの体に、烏帽子と仮面をつけた猿楽師を思わせる装束をまとっている。かつて白虎のコゲンタが「白虎のアカツキ」と呼ばれていた頃に顔を合わせている。
ナギ
マホロバの部下で、四転王。五行の理の中でも水行を最も得意とする「水行王」と称される闘神士であり、凝寂のエビヒコ、秋水のエレキテルなど複数のパートナーを得ているが、本当のパートナーは土属性の霜花のオニシバとしている。着流し姿でホルスターとブーツを身につけた、飄々とした人物。会津ではマホロバの部下として刻の御柱出現に手を貸す。 実際は吉川モンジュを尊敬しており、闘神士としての誇りを失わず、マホロバ達の動向を監視していた。泰山府君が留守になった隙に、刻の御柱についての情報を探っていたところ、ワクラバに発見され戦闘となった。そのあとは、鬼哭岳で目覚めたマホロバに消滅させられかけていた吉川ヤクモたちを泰山府君に匿い、マホロバが逆式を行うまでの経緯や思惑などを明かした。 最期は明治初頭の函館においてマホロバからヤクモを庇い、重傷を負って戦いの中に散った。霜花のオニシバからは「親分」と呼ばれている。
霜花のオニシバ (そうかのおにしば)
ナギのメインパートナーを務める式神。霜花(そうか)族の男性で、柴犬の頭部に、ロングコートの下に土木作業員のような衣服を着用している。「粋」であることを何よりも重んじており、ナギを「親分」と呼ぶ他、対峙する相手を「兄さん」、自分を「あっし」と呼ぶなど、口調に特徴がある。水行王として活動している際には存在を伏せられているが、ナギとは強い信頼関係にあると見て取れる。 函館における柊のトウベイとの戦闘で満身創痍となり、白虎のランゲツに取り込まれたマホロバに連戦を挑むが、大剣で体を貫かれた。
凝寂のエビヒコ (ぎょうじゃくのえびひこ)
ナギのパートナーを務める式神。凝寂(ぎょうじゃく)族の男性で、全身が海老の甲殻で覆われており、口元にはシュノーケルらしきものが装着されているので、つねに呼吸音がする。会津で白虎のコゲンタと対決中、助太刀に現れたツクヨミの闘神符によって凍結、粉砕された。
秋水のエレキテル (しゅうすいのえれきてる)
ナギのパートナーを務める式神。秋水(しゅうすい)族の男性で、デンキウナギの頭部と肘、足先などにヒレがついており、袈裟を身につけている。会津で白虎のコゲンタ、青龍のコタロウと戦う。ノリのいいファンキーな話し方とリズミカルな攻撃をするが、白虎のコゲンタを攻撃した際に背後のスキを突かれ、青龍のコタロウに敗れた。
ランマル
マホロバの部下にあたる少年の闘神士。雷火のタカマルをパートナーとしている。ノブナガの小姓として、以前から過去の歴史に潜入していた。本能寺で起こる歴史を歪め、ノブナガを生き延びさせようとしたが彼に拒絶され、ノブナガを抹殺しようとした。その場に現れた吉川ヤクモと白虎のコゲンタと戦闘になり、タカマルが白虎のコゲンタに敗北した際に呆然としたところを、ノブナガに斬り捨てられた。 実在の人物、森成利がモデル。
雷火のタカマル (いかずちのたかまる)
ランマルのパートナーを務める式神。雷火(いかずち)族の男性で、タカの頭部を持ち、人間の腕の側面に翼が生えている。本能寺にてノブナガを抹殺するため召喚されたところを、吉川ヤクモとともにやって来た白虎のコゲンタに阻止され、一撃で敗北した。
クチキ
ウンリュウの部下の男性の闘神士。楓のダイカクをパートナーとしている。鼻が赤く、ぴっちりした八二分けの髪型をしている。戦闘慣れしている楓のダイカクの助言を一切考慮せず、パソコンを用いた計算だけを信じた戦略を立てて、白虎のコゲンタと豊穣のネネのコンビネーションに敗北。その後ウンリュウに敗北の言い訳をしている最中、逆式が不完全なため闘神士の魂を求めるマホロバに捕食された。
楓のダイカク (かえでのだいかく)
クチキのパートナーを務める式神。楓(かえで)族の男性で、ヘラジカの頭部と巨大な角を持ち、弓矢を用いて戦闘を行う。相手の観察を怠り、楓のダイカク自身の助言をも聞き入れず、パソコンによる計算だけに頼るクチキに、「お前は見るものを間違っている」と苦言を呈した。白虎のコゲンタと豊穣のネネのコンビネーションを前に、最後まで勝機を逃さず戦おうとしていたが、クチキが戦意喪失したために敗北した。
ワクラバ
ウンリュウの部下の老人の闘神士。榎のオトチカをパートナーとしている。頭頂部が禿げ上がっているが、白い頭髪は豊かで肩まで伸びている。顎ひげが髪と一体化しており、つねに長キセルを咥えている。泰山府君の留守を守っていたところ、ナギが封印されている部屋に侵入したため戦闘を開始。しかし、「水行王」の称号を持つナギが、別属性である土属性の霜花のオニシバを使用したので動揺し、敗北した。
榎のオトチカ (えのきのおとちか)
ワクラバのパートナーを務める式神。榎(えのき)族の幼い少年で、極めて体格の小さい猿、ピグミーマーモセットの体に、烏帽子と仮面をつけた猿楽師を思わせる装束をまとっている。泰山府君の封印された部屋に侵入したナギが、式神を召喚する前に始末しようと攻撃を仕掛けた。しかし「水行王」の称号を持つナギが、別属性である土属性の霜花のオニシバを召喚したので動揺し、敗北した。
マシラ
ウンリュウの部下の男性の闘神士、榎のサネマロをパートナーとしている。つねにパーカーのフードを被っている人相の悪い人物で、額には緊箍児(きんこじ)のようなタトゥーがある。サネマロとは戦闘に対するスタンスが異なり、よく怒鳴りつけている。鬼哭岳において、ウンリュウから吉川ヤクモたちを始末するよう命じられた。 白虎のコゲンタと榎のサネマロが戦っているあいだにヤクモにナイフで斬りかかるなど、手段を選ばない一面がある。
榎のサネマロ (えのきのさねまろ)
マシラのパートナーを務める式神。榎(えのき)族の男性で、ニホンザルの体に、烏帽子と仮面をつけた猿楽師を思わせる装束をまとっている。戦いを「雅」に進行することを重視しているため、マシラからはよく怒鳴られている。鬼哭岳において白虎のコゲンタと対戦していたが、あと一歩というところで、マシラから印を受けられずに敗北した。
ムネモリ
マホロバの部下にあたる鎌倉武士の闘神士。朱雀のバラワカをパートナーとしている。片袖のない水干と烏帽子をまとっており、跳ね上げるような口ひげを蓄えているのが特徴。ウシワカの殺害とそれを起因とする刻の御柱の出現、転覆を目的として鞍馬山にやって来た。目的達成のためなら、邪魔な相手が女子供でも容赦せず排除する冷徹な性格。 白虎のコゲンタに朱雀のバラワカが倒されたあと、一人逃げ延びた。
朱雀のバラワカ (すざくのばらわか)
ムネモリのパートナーとなっている式神。朱雀(すざく)族の男性で、頭部と腕に真紅の羽根が生えている。また青、黄、赤からなる派手な縦ストライプの装束をまとっているのが特徴。高慢な性格で、弱者に時間をかけて向き合うのは無駄だと考えている。椿のゴロウザに武器を両断されたあと、白虎のコゲンタによって撃破された。
集団・組織
四転王 (してんのう)
マホロバの部下をまとめる幹部。カゲロウ、シラヌイ、ナギ、ウンリュウがこれに当たる。五行の理でそれぞれ得意な行をとり、「金行王」「火行王」「水行王」「木行王」と称されている。本来、ここにマホロバの弟子だった吉川モンジュも含まれており、その場合は「土行王」という称号が与えられるはずだった。
場所
太白神社 (たいはくじんじゃ)
吉川モンジュが宮司、イヅナが巫女を務める神社。京都郊外に位置し、敷地内に吉川ヤクモの自宅もある。神社本殿の壁の奥には隠し神殿があり、刻渡りの鏡が安置され、床には時間移動の儀式に用いる魔法陣が描かれている。また、逆式を用いて若返ったマホロバによってモンジュが石柱とされている。
本能寺 (ほんのうじ)
マホロバの命を受けたランマルが、ノブナガの運命を変え生き延びさせようとしていた天正10年の本能寺。吉川ヤクモが駆けつけた際には、ミツヒデという人物の軍勢によって取り囲まれていた。
モモタの村 (ももたのむら)
マホロバの命を受けたカゲロウが、吉川ヤクモ抹殺を目的としておびき寄せるために襲った小さな村。モモタが応戦しているあいだに助けを求めて村を飛び出したモモスケが、偶然ヤクモと出会い、案内した。
会津 (あいづ)
カゲロウを取り込んで力を増したマホロバが、ナギを伴って現れた明治元年の会津。官軍による会津侵攻に居合わせた吉川ヤクモが、チヨと出会ったのでツクヨミとも出会うことになった。またツクヨミは会津藩士の一人。
名落宮 (ならく)
式神の住む式神界と、人間界の狭間にある世界。芽吹のバンナイ、玄武のラクサイ曰く、広大な空間であり、太極神に関する研究を進めている場所は、無数にある部屋の一室のようなものとされる。零神操機が封印されていた場所。吉川ヤクモの闘神機が崩壊し、強制的に式神界に戻された白虎のコゲンタは、芽吹のバンナイを介して名落宮にヤクモを呼び寄せた。
鬼哭岳 (きこくだけ)
かねてから闘神士の修行場として知られている山。本来は生命の力に満ち満ちた場所だったが、会津での戦闘で消耗したマホロバが休眠の場に選んだため、生命力が吸収され、荒れ果てた枯れ山となっていた。
泰山府君 (たいざんふくん)
マホロバの拠点。幹部である四転王が同じく拠点としている。能力の高い部下は直接報告に来ることもあるが、能力の低い者は映像と音声だけで連絡を取っている。刻の御柱について記されている封印された部屋が存在し、守衛を置くなど厳重に守られている。
洞窟 (どうくつ)
マホロバが逆式を行った洞窟。人里離れた山中にあり、入り口こそ洞窟然としているが、その奥は寺社仏閣に見られるような回廊となっており、燭台なども置かれている。回廊の随所に闘神符が仕掛けられており、侵入者を妖怪が襲うようになっている。またさらに奥へと進むと、凝寂のカニエモン、青錫のツクモが襲いかかって来る。
函館 (はこだて)
吉川ヤクモがナギと共に赴いた、明治2年の函館。官軍が五稜郭に降伏勧告を申し渡す直前、マホロバが官軍司令官を抹殺。五稜郭に向かって殲滅戦を開始した。この時、幕府軍側にツクヨミが在籍していたので共同戦線を張ることとなる。
阿蘇 (あそ)
函館において刻の御柱転覆に失敗したマホロバが赴いた、西南戦争時の阿蘇。吉川ヤクモと白虎のコゲンタが到着した際には、すでに両軍区別なく、屍が戦場を埋め尽くしていた。
鞍馬山 (くらまやま)
ウシワカが暮らしている平安時代の鞍馬山。闘神士の修行場となっている寺があり、ゲンジの生き残りであるウシワカを守るため、親を亡くした少年達を集めて闘神士の修業を積ませている。また、寺の責任者は女性が務めている。
その他キーワード
闘神機 (とうじんき)
手のひら大のボールのような丸い機械。闘神士が式神を召喚する際に使用する。闘神士として必須アイテムなため、時代に関係なくほとんどの闘神士が所持している。ツクヨミは闘神符のみ使用して式神召喚をもこなすため、初見時はナギも驚いている。また吉川モンジュは、白虎のコゲンタ(当時は「白虎のアカツキ」)を作戦の犠牲にしてしまった負い目から、自身の所持する闘神機を太白神社の本殿に祀っていた。 さらに吉川ヤクモは闘神士としての力が高まった結果、モンジュから受け継いだ闘神機がヤクモの力に耐えられなくなり、崩壊させてしまった。
零神操機 (ぜろどらいぶ)
闘神機の原型とされる、「神操機(ドライブ)」と呼ばれる召喚機の中でも特別な力を持つとされるもの。航空機などについている片手式の操縦桿のような形状をしている。あまりに強大な力を持つため、名落宮に封印されていた。吉川ヤクモの闘神士としての力が強くなって闘神機が崩壊したあと、玄武のラクサイによって授けられた。 またこの零神操機は、式神を心技体の三種の攻撃に目覚めさせるといわれている。
刻渡りの鏡 (ときわたりのかがみ)
人を過去に渡らせることのできる神具にして大きな鏡。太白神社の隠し神殿に安置されている。太白神社以外にも、マホロバが所持しているものがあるとされる。しかしこの鏡を使っても、安全な場所に着地できるわけではないため、安全に時間を超えるためにはイヅナによる着地点の調整が必須となる。
プロテクター
吉川モンジュがかつて使用していたプロテクター。首、右腕、腰に装着する。吉川ヤクモの自宅にある蔵の中に納められていた。太極文字の書かれた箱の中に入っており、封を開けると、試練として妖怪カマイタチが襲いかかるようになっていた。また太極文字は「戦いし者のまといし衣。試練と共に闘神士ヤクモに送る」と書かれていた。
闘神士 (とうじんし)
式神と契約してパートナーとなり、その力を自在に使える存在。闘神機や闘神符によって式神を召喚したり、異能力を使うことができる。本来は妖怪や魔物から人間を守るために戦ってきたとされる。各自が生まれながらに「節季」と呼ばれる属性を持っており、同じ節季の式神を召喚しやすい。
闘神符 (とうじんふ)
闘神士が使用する符。中央が空白となっている八卦盤が描かれた赤い符で、闘神士の戦いをサポートするアイテムとして使用されることが多い。使い手の念じたままの効能が得られ、用途が確定すると「防」「返」など、八卦盤の中央に文字が浮き出る。ツクヨミは闘神士ではあるものの闘神機を使用せず、闘神符で陣を描いて青龍のコタロウを召喚する。
太極神 (たいきょくしん)
地球に秘められているとされる、大いなる力の俗称。玄武のラクサイが名落宮で研究を続けている。これまでに三度封印が解かれ、この世を混沌に陥れたとされており、三回目はノアの洪水と呼ばれている。歴史が大きく歪めば太極神が呼応し、太極神を封印している刻の御柱が立つ。
式神 (しきがみ)
闘神機を通して闘神士と契約し、共に戦う神々。季節の運行を表す二十四節季の名を冠した二十四の種族に分かれており、それぞれ、同じ節季にある闘神士の召喚に応えやすい。また、白虎のコゲンタの言う白虎族の「信頼」のように、各種族ごとに象徴とする言葉がある。なお、式神は契約したパートナーが名付けた名前を名乗るという特性を持つため、式神同士のあいだでは、多くの場合「白虎(びゃっこ)」「豊穣(ほうじょう)」など種族名で呼び合う。 二十四節季は、それぞれ五行の理に則って大きく五つの属性に分かれており、互いに苦手な属性やフィールドが存在する。
逆式 (さかしき)
契約したパートナーの式神を悪鬼に変え、その力を闘神士が取り込んで同一化する禁断の秘儀。マホロバは太極神の力を取り込むための前段階として逆式を行い、白虎のランゲツを取り込んで急激に身体年齢が若返った。しかし力を使えば消耗が激しく、休眠が必要となる。またマホロバは白虎のランゲツを取り込んだつもりだったが、白虎のランゲツはマホロバの精神と拮抗し、最終的にマホロバを取り込んで、契約にも印にも囚われない力を手に入れた。
闘神巫女 (とうじんみこ)
闘神士を助ける巫女の総称。イヅナがこれに当たる。直接戦闘を行う者は稀だが、刻渡りの鏡を使用できるなど、特殊な能力を持っている者が多いとされる。
印 (いん)
闘神士が闘神機を用いて式神に攻撃方法を指示するサインのようなもの。式神は契約上、闘神士から印を受け取らないと有効な攻撃ができない。この印の習得方法は、闘神機に表示される光を追う方法や、パートナーとなった式神に直接教えられるものなど多岐にわたる。
五行の理 (ごぎょうのことわり)
陰陽道において、すべての命を支えているとされる五つの自然元素を表す原理。この世のすべては木、火、土、金、水の五つの属性に分けられ、闘神士および式神が生まれながらに持っている二十四節季もまた、五行の理に則っていずれかの属性に分けられている。白虎のコゲンタは土属性であり、「土は木に養分を吸い取られる」という理から、木属性の式神には苦戦を強いられる傾向がある。
刻の御柱 (ときのおんばしら)
太極神の力を封印している巨大な光の柱。通常は視認できないが、歴史が大きく歪む出来事が起こると太極神が呼応し、刻の御柱が誰の目にも視認できるようになる。この刻の御柱が三本倒れると太極神の封印が解かれ、地球に災厄が降りかかる。また刻の御柱を倒すためには、膨大なエネルギーが必要となる。
太極文字 (たいきょくもじ)
闘神士と式神が用いる特殊な文字。式神の衣装や武器、または闘神符や封印場所などに記されている。吉川ヤクモは闘神士としての修行を受けていないため解読、記述はできないが、プロテクターがおさめられていた箱に書かれていた太極文字については、白虎のコゲンタが読み上げている。
クレジット
- 原作
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富沢 義彦 , WiZ
- 企画協力
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バンダイ