概要・あらすじ
その類まれな戦闘力を買われ、幼少期から戦闘集団組織「砂の城」に所属していた暴威彩人は、その潜在能力を高く評価されながらも一番下のCランク・ブルーカラーに甘んじていた。そんなある日、彼は「砂の城」に所属する一番上のAランク・レッドカラーの華月蛇美から、西ドイツで暮らしている彩人の妹のリサが危険な状態にあるという話を聞かされる。
その真偽を確かめるために蛇美に詰め寄る彩人だったが、Aランク・レッドカラーの蛇美にとって彩人は取るに足りない相手で、軽くあしらわれてしまう。話を聞くためにはAランク・レッドカラーになるしかないことを自覚した彩人は、蛇美を倒すため厳しい訓練に挑む。
登場人物・キャラクター
暴威 彩人 (ぼーい さいと)
その戦闘能力が認められ、幼少期から戦闘集団組織「砂の城」に所属していた少年。妹のリサが日本にいるという情報を得て、数千ミリもあるという組織の分厚い壁を壊して脱走したことをきっかけに「砂の城」に命を狙われることとなる。15歳とまだ若いが、紫の闘気を使うことのできる素質があり、その潜在能力は計り知れない。
漆水 富巳雄 (うるみ とみお)
アウトロー軍団「走ウルフ」をまとめるリーダーで、通称「ウルフ」と呼ばれる青年。少年時代に自分の身体の倍以上ある虎を殴り殺す暴威彩人の姿を目撃しており、それ以来彩人とは真剣勝負をしたいと思っている。
リサ
暴威彩人の妹で、彩人には昔からよく可愛がられていた。両親の海外赴任の際に彩人が日本に留まることとなり、それからは離れ離れに暮らしている。彩人を慕っており、離れて暮らすことが決定した時は泣いて嫌がっていたほど。海外に拠点を置いて暮らしていたが、戦闘集団組織「砂の城」の刺客に襲撃される。
ドクターヒミコ
戦闘集団組織「砂の城」に所属する若い女性。コマンドファイターを育成する立場にあり、さまざまな過酷な試練を課す。「砂の城」幹部であるクルスからも「様」付けで呼ばれるなど上層部の中でも上の立場の人物。コンピューター解析では計り知れない潜在能力が確認されている暴威彩人を気にかけている。
華月 蛇美 (かげつ だび)
戦闘集団組織「砂の城」に所属しているAランク・レッドカラーの男性。ドクターヒミコやその上層部が自分より下のランクであるCランク・ブルーカラーの暴威彩人に目をかけているのを不満に思っている。「砂の城」西ドイツ支部での傭兵活動では、多くの人を殺している。
ユタカ
アウトロー軍団「走ウルフ」のメンバーで漆水富巳雄(ウルフ)の部下にあたる。ウルフの命令でリサを探していたところ、悪都の襲撃に遭ってしまう。悪都にはまったく手も足も出ずなぶられた挙句、暴威彩人の行方を教えるように言われたが最後まで口を割らなかった。
悪都 (わるつ)
「ベトナム帰りの戦鬼」とうたわれた、大型トラックでも運べないほどの巨大な大男。人間の心はとうの昔に失い戦鬼になってしまったがゆえに、人間の情といったものをまったく理解できない。戦闘集団組織「砂の城」のメンバーではないが、暴威彩人を襲った。
敬 (けい)
戦闘集団組織「砂の城」に所属するAランク・レッドカラーのコマンドファイター。中国の資本主義化遂行のための文革派残党抹殺計画の任務中、暴威彩人抹殺のために日本支部に急遽呼び戻された。彩人とは過去に「砂の城」で6年間苦楽を共にした仲で、血は繋がっていないものの兄弟のような関係だった。
華月 晃 (かげつ こう)
華月蛇美の父親で、かつて戦闘集団組織「砂の城」に所属していたことがある。「砂の城」の刺客からリサを守る命令を自分の息子である蛇美から受けている。Bランク・イエローカラーのコマンドファイター2人からの襲撃を受けても、難なく撃退するほどの強さを誇る。
霞 (かすみ)
戦闘集団組織「砂の城」に所属するAランク・レッドカラーのコマンドファイターの女性。長い黒髪をひとつにまとめ、頭にはハチマキを巻いている。雹とは姉妹で共にイタリアで暗躍していた。封印の解かれた僮武に切り裂かれそうになるところを暴威彩人に助けられたことがきっかけで、感情が揺らいでしまう。
雹 (ひょう)
戦闘集団組織「砂の城」に所属するAランク・レッドカラーのコマンドファイターの女性。普段はロングヘアーを帽子の中にまとめている。霞とは姉妹で共にイタリアで暗躍していた。幼い頃から「砂の城」に所属しており、霞と共に自由を奪われ戦闘能力を磨き続けてきた。
クルス
戦闘集団組織「砂の城」に所属する幹部。コマンドファイターの任務を指示、統括する立場にいる。霞と雹とは昔からの付き合いで親同然の立場であるが、内心は冷酷な女性に育ってしまったことを恐れている。
僮武 (どーむ)
戦闘集団組織「砂の城」に所属する仮面を付けたコマンドファイター。霞と雹と共に暴威彩人抹殺任務を請け負った。巨体の持ち主で、万力ばさみで挟むかのように相手を掴まえて激痛を与える。霞と雹の命令を忠実に聞き、敵の動きに合わせて攻撃をする。いつもは仮面でその力を封印されているが、脱ぐと力が解放される。
椎野 政雄 (しいの まさお)
華月晃の腹心で、関西弁を流暢に話す明るい性格の男性。かつて戦闘集団組織「砂の城」Aランク・レッドカラーのコマンドファイターであった父親から闘技を学んでいる。霞と雹と戦闘している暴威彩人のもとに現われ、彼を助けたうえに治療もした。
邪蛮 (じゃばん)
紫の闘気を持つコマンドファイター。既に戦闘集団組織「砂の城」を脱退しているが、脱退する前は仮面を被せられる前の僮武と拳を交わし、見事勝利を収めている。その強さは他の追随を許さず、「砂の城」の面々にも抹殺対象とされているが、現在まで討ち取られていない。
氷魔 (ひょうま)
戦闘集団組織「砂の城」所属の四神の一人、「白虎の将」。気の短い性格で、暴威彩人のもとに送った決闘状の日取りより2日も早く彩人の仲間を襲撃した。素早い動きで相手を翻弄し、針のような武器で相手を切り刻む。当初は、一人で彩人たちを片付けようと考えていた。
神魔 (しんま)
戦闘集団組織「砂の城」所属の四神の一人、「青竜の将」。四神の中ではまとめ役を担っており、暴威彩人のもとに送った決闘状の日取りを決めた人物でもある。彩人の力を認めていて、決闘の日取りの2日前に勝手に動いた氷魔の首を絞め、無理矢理いうことを聞かせるなど実力もある。
集団・組織
走ウルフ (ばくそーうるふ)
漆水富水雄が率いるアウトロー軍団。その名の通りバイクでの暴走行為も行っていて、その規模は大きく全国各地に展開されている。強姦はご法度で、それを破った者はヤキを入れられた後に破門処分される。
砂の城 (すなのしろ)
多種多様な裏工作を行う「闇のプロジェクト」を行っている組織で、手段を選ばず利益をあげたい企業や国からの依頼を受けている。さまざまな任務を遂行するために全国の子供を対象に卓越した才能を持つものだけをセレクトして育成、教育を行っている。傭兵諜報活動を可能にするAランク・レッドカラーのコマンドファイターとして成長させることを目的としている。 支社は世界各国に点在し、本部は日本に存在している。
四神 (よんしん)
戦闘集団組織「砂の城」に所属している最強最大の能力を持った4人の強者のこと。あまりに凶暴且つ残虐なので通常の任務では動かないが、暴威彩人に興味を持った四神らが自ら名乗り出て彩人の抹殺任務についた。
場所
十戒の滝 (じゅっかいのたき)
四神が暴威彩人との決闘の地に選んだ場所。戦闘集団組織「砂の城」の訓練に参加させられた者の中で、死んでいった人間を捨てる場所であり、「砂の城」のコマンドしか存在を知らない。別名「コマンドの墓場」。
その他キーワード
蛇闘手 (じゃとうしゅ)
戦闘集団組織「砂の城」の訓練施設で、華月蛇美が暴威彩人と戦った際に使用した技。相手が打撃を防ぐために腕でガードしたところを、蛇のように腕を巻きついてそのまま心臓に打撃をヒットさせる。蛇美はこの技で彩人の心臓を貫こうとしたが、内部から押し返されてとどめを刺せずに終わっている。
白虎脚 (びゃっこきゃく)
敬が暴威彩人との戦いの際に使用した技。敬の使用武器であるトンファ三節棍で体を拘束した後、無防備な相手に対して獲物を狩る虎の如く激しいキックを見舞う。
白龍掌 (はくりゅうしょう)
敬が暴威彩人との戦いの際に使用した技。呼吸を整えた後、両腕を振り子のように高速で回し、突進のスピードを乗せて連続で拳を叩き込む。
黒髪バラシ (くろかみばらし)
霞と雹が暴威彩人との戦いの際に使用した二者一対の秘儀。お互いの長い黒髪を相手に巻きつけて引っ張り合い、肉を裁断する。動けば動くほど強く絡まっていくので抵抗するのも難しい。
紫雷覇無情 (しらいはむじょう)
僮武との戦いで暴威彩人が使用した紫の闘気を利用した技。紫の闘気の力で天候を急変させ、自分に落ちてくる無数の雷を一点に浴びせることで雷の力をそのまま相手へと伝える打撃を繰り出す。
トンファ三節棍 (とんふぁさんせつこん)
敬が暴威彩人と戦った際に使用した武器。普段はトンファのような外見をしているが、敵がトンファの動きに慣れたタイミングで三節棍の要領で武器を伸ばし、からませて相手の自由を奪う。
コマンドファイター
戦闘集団組織「砂の城」が育成している、傭兵諜報活動を完全遂行するために鍛えあげられたファイターのこと。能力に応じてランク付けがされ、下のランクからCランクのブルーカラー、Bランクのイエローカラー、Aランクのレッドカラーの3段階に分かれている。ランクを上げるためにはそれぞれのランクの実技テストに合格する必要がある。
紫の闘気 (むらさきのとうき)
「世界一崇高なる闘気色」と言われるもの。この闘気を持つ者は同世代に2人といないというほどの珍しい闘気。人類最強の闘神になるためにはこの闘気を会得しなければならず、そのためには勇気を表す「寒」の心と、愛を表す「暖」の心の2つを持ち合わせなければならないと言われている。