青の島とねこ一匹

青の島とねこ一匹

都会育ちの美術教師の中村草太が、失恋と裏切りをきっかけに思い出の場所である凪島で、再出発する姿を描くヒューマンドラマ。島の穏やかな空気と、強気な女子高校生の白神青との同居生活の中で、人生を見つめ直して成長していく。

正式名称
青の島とねこ一匹
ふりがな
あおのしまとねこいっぴき
作者
ジャンル
日常
 
青春
レーベル
ヤングチャンピオン烈コミックス(秋田書店)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

都会育ちの美術教師の中村草太は、婚約者からの手酷い裏切りと失恋の傷を癒すため、かつて一夏だけ訪れた凪島での生活を決意する。先輩である白神雷太の家に下宿することが決まり、新生活への期待に胸を膨らませて島を訪れた草太だったが、雷太はいつ戻るとも知れない旅行中だった。そのため、草太は雷太の娘である女子高校生の白神青と、二人きりで暮らすことになってしまう。

第2巻

中村草太は前触れもなく帰宅した白神雷太から、白神青が実は東京生まれで、雷太の実家である凪島に訪れた当初は東京に帰りたがっていたことを聞かされる。そんな青が凪島を愛するようになった一因に、かつて凪島に遊びにやって来た草太が関係していると知り、草太は大いに驚くのだった。

関連作品

本作『青の島とねこ一匹』には、小林俊彦の代表作『ぱすてる』に登場した村上菊がゲストとして登場している。『ぱすてる』は尾道を舞台に繰り広げられるラブコメディで、菊が主人公である只野麦との出会いをきっかけに自らの生き方を見つめ直す姿を描く。講談社コミックスから全44巻が刊行されている。

登場人物・キャラクター

中村 草太 (なかむら そうた)

東京から赴任してきた男性教諭で、美術を担当している。色白で体力がなく、気弱な性格の持ち主。東京で結婚式まで決まっていた彼女に、結婚式当日にドタキャンされ、傷心のまま凪島にやって来た。白神青の家に下宿しており、あけすけで無邪気な青の言動に振り回されている。22歳の夏休みに、白神雷太に誘われて白神家に滞在していた経験がある。

白神 青 (しらがみ あお)

中村草太の下宿先に暮らしている女子高校生。年齢は17歳で、10年前までは東京で暮らしていた。肩の下まである黒髪を下ろしたままにしており、切れ長のつり目でまゆ毛が太い。草太を幼い頃から知っており、再会を楽しみにしていた。高校まではフェリーに乗って通っている。

ミケ

白神青が飼っているオスの三毛猫。非常に頭がよく、草太が凪島に来る際の道案内のためにフェリーに乗ったり、島内で草太が迷子になった際にも家までの案内を務めたりした。鼻がきき、家で昼寝をしていてもフェリーで帰ってくる青や中村草太に気づき、フェリー乗り場まで迎えに行く。

村上 雛 (むらかみ ひな)

白神青の幼なじみの女子高校生。肩までの黒髪を、低い位置でツインテールにしている。島の神社の娘で、分社のお堂内に入って、誰にも邪魔されずに漫画を読むのが趣味。高校まではフェリーに乗って通っている。高校を卒業したら東京に行って、オシャレデビューすることを夢見ている。中村草太を慕って、美術部に入部した。

越智 隼人 (おち はやと)

白神青の幼なじみの男子高校生。よく日に焼けた肌で、中村草太よりも背が高くて無口。目はつり目で非常に細い。野球部に所属しており、ポジションはセンター。高校まではフェリーに乗って通っている。

沖本 (おきもと)

数学教諭と野球部の顧問を務める中年男性。前頭部と頭頂部が禿げて目元が落ちくぼんでおり、厳つい体型をしている。パワハラ気質で、宿題の量も多いために生徒から嫌われている。白神青からは「ゴリ」と呼ばれている。

宮地 (みやじ)

教諭と図書部の顧問を務める女性。ショートボブヘアで、初対面の中村草太が見惚れるほどの美人。物腰が柔らかく、沖本のパワハラに遭っている草太をそれとなくフォローしている。白神雷太を変人だと思っているが、嫌いになれないとも話している。

白神 雷太 (しらがみ らいた)

中村草太の先輩で、白神青の父親。日本画家ということもあり、凪島きっての有名人。写生旅行のためにたびたび家を留守にしていることから、近所の住人からは「でべそ」と呼ばれている。いつも突然いなくなり、突然帰ってくるため、青にもその動向がつかめていない。大学在学時、青が生まれたのを機に月美という女性と入籍したが、青が7歳の頃に離婚している。

白神 空子 (しらがみ そらこ)

白神雷太の妹。肩の下まである黒髪をうなじでまとめており、切れ長のつり目でまゆ毛が太い。雷太が離婚し、白神青を連れて帰ってきた際には門前で仁王立ちして待ち構え、叱りつけた。雷太からはその性格や気質を「気の荒いオッサン」と称されている。当時7歳だった青に対しては、青の母親代わりにはなれないことを先に告げたうえで、料理などを教えた。

村上 菊 (むらかみ きく)

村上雛の従姉。実家が尾道で代々医者の家系で、京都の大学で医学部に通っている。背が低く、幼い体型をしている。物言いが少々きつめで、初対面の相手に対しても上から目線なところがある。合理的なものの考え方を好み、雛の家で出る食事よりも白神青の作る食事の方がおいしいという理由で、白神家をよく訪れている。

場所

凪島 (なぎしま)

瀬戸内海にある島。フェリーでしか訪れることができず、頻繁に「しまなみ街道行」のフェリーが行き来している。漁業が盛んで、鯛がよく釣れるために非常に安く、シジミなどはタダでもらえることもある。島内では農業も盛んで、住民同士の野菜の交換なども頻繁に行われている。

書誌情報

青の島とねこ一匹 10巻 秋田書店〈ヤングチャンピオン烈コミックス〉

第7巻

(2022-11-18発行、 978-4253258272)

第8巻

(2023-06-20発行、 978-4253258289)

第9巻

(2024-02-20発行、 978-4253258296)

第10巻

(2024-09-19発行、 978-4253258302)

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