概要・あらすじ
魔界では、魔王の軍勢と天使たちの戦乱が続いていた。魔王はさらなる力を得るべく、糧となる人間の魂を求め、配下の四天王とともに人間界へと向かう。しかし転移した先は海の真上だった。魔王はかろうじて無人島に上陸することはできたものの、先に島に着いていた四天王の1人バルディアから、この人間界では魔法が使えないという話を聞かされる。
その後、四天王のメンバーと合流することに成功した魔王は、彼らと協力し、苦労の末にどうにか掘っ建て小屋を建てるのだった。しかし、今度はそこに魔王を追跡して来た天使ウリエルが出現し、せっかく作った掘っ建て小屋を破壊してしまう。激昂した魔王はウリエルをボコボコにするのであった。こうして、魔王ら異世界の住人たちの波瀾万丈なサバイバル生活が幕を開けることとなる。
登場人物・キャラクター
魔王 (まおう)
魔界の王。骸骨のような頭部を持ち、首から下は人間の男性のような姿をしている。魔界では強力な魔法の使い手だったが、その能力を発揮するためには魔素が必要で、魔素のない人間界ではほとんど力を発揮できない。しかし従来のカリスマ性から、依然として部下たちには慕われている。
バルディア
魔王に仕える魔界の最高戦力たる四天王の1人で、人呼んで「知将バルディア」。普段は四角いマスクを被って顔を隠しているが、素顔は耳が尖っていること以外はほぼ人間の男性と変わらない。バルディア本人は隠しているが、実はゴブリン族の出身。魔素のない人間界では大きく能力を損ねているが、知識や情報を操る魔法の使い手ということもあり、漂流メンバーの中では知恵が回る方である。
ゼシール
魔王に仕える魔界の最高戦力たる四天王の1人で、人呼んで「剛剣士ゼシール」。もとは大柄な体格の亜人の男性だったが、人間界にやって来る直前、バルディアによって少女のような姿に変えられてしまった。本来は怪力の持ち主だが、現在は腕力も外見通りにか弱いものとなっており、あまり役には立たない。
サイス
魔王に仕える魔界の最高戦力たる四天王の1人で、人呼んで「召喚者サイス」。外見は人間とほとんど変わらないサキュバス族の女性であり、召喚魔法の使い手。しかし人間界では召喚魔法も一切使えないため、漂流者一行の中で最も役に立たず、サイス本人もそのことを気に病んでいる。
クリア
魔王に仕える魔界の最高戦力たる四天王の1人。獣人の男性で、犬のような頭部に人間のような身体を持っている。ゼシールの元部下の身から四天王に取り立てられたという経緯があり、今は同じ四天王の地位にありながらも、他の3人に敬語を使う。魔素を必要とせずに、立ち木を殴ってへし折るほどの怪力の持ち主ということもあり、サバイバル生活において四天王の中で一番の活躍を見せる。
ウリエル
四大天使の1人で、二つ名は「光のウリエル」。少女のような外見をしており、頭には天使の輪がある。光に関連する数多くの魔法の使い手だが、魔素が存在しない人間界においては無力な子供に過ぎない。人間界にやって来た時に魔王たちの建てた小屋の上に落下して破壊してしまい、怒った魔王に殴り倒され、そのまま捕囚の身となった。
ガブリエル
四大天使の1人で、二つ名は「水の賢者」。青年のような姿をしており、頭には天使の輪がある。天使の中では随一の肉体派であり、漂流者たちの中ではクリアと並んで最も役に立つ部類に入る。いつの間にか人間界にやって来ていて、ウリエルが捕囚の身となった時にはサイスを密かに捕え、魔王に人質交換を持ちかけた。
ラファエル
四大天使の1人で、二つ名は「風に愛されし少年」。名の通り少年の姿をしており、頭には天使の輪がある。魔法によって強化されたものも含めてどんな硬いものだろうとたやすく切り裂くことのできる、「硬度無視」という特殊な性質を持つ短剣を用いており、これは魔素がなくとも効力を発動する。少女の姿になっているゼシールに対して恋に落ちて熱烈なアピールを始め、ゼシールが正体を打ち明けてもまったく動じることがなかった。
ミカエル
四大天使の1人。髪の長い若い女性の姿をしており、頭には天使の輪がある。魔王と四天王、そして四大天使の他の3人が「魔界に戻る方法」を確立した時、ミカエルだけがまだ合流していなかった。実は人間界に転移した時、1人だけ無人島ではなく日本の東京に到着していた。
場所
無人島 (むじんとう)
魔王と四天王、そして3人の天使が漂着し、サバイバル生活を送ることになった島。バルディアによれば、その広さは魔王城と同じくらいだという。文明の痕跡がまったく存在しない絶海の孤島だが、かろうじて狩りの対象となる哺乳類は生息しており、清水の流れる川も存在する。
その他キーワード
魔素 (まそ)
魔界の住人や天使たちが魔法を発動するために必要なエネルギー源。魔界ではありふれた存在であり、大気にも含まれているが、人間界には微量たりとも存在しない。ただし、何らかの手段で人間界に魔素を持ち込むことは可能であり、そうすれば人間界でも魔法を使うことはできる。